コアプレス・クラウドのレスポンス性能と安定性を調べてみよう

新しい測定結果があります。こちらをご覧ください。

コアプレス・クラウド(COREPRESS Cloud、以下コアプレス)は、 WordPress専用 のクラウドタイプのレンタルサーバーです。クラウドタイプとなっていますが、一般的なレンタルサーバーと大きく変わるところはありません。

次世代Webサーバーとも言われる Nginx (エンジンエックス)やストレージ環境に Fusion-io Drive を採用するなど、WordPresの高速動作に必要な仕組みを積極的に利用しています。

レンタルサーバーを利用するならレスポンス性能や安定性を重視する必要があります。いくら質の良いコンテンツを作成してもレスポンスが悪かったり不安定だと、他のコンテンツを見ることもなく去ってしまうでしょう。

このページではコアプレスの測定結果を掲載します。

測定方法

測定方法の詳細は下記のページを参照してください。

レンタルサーバー性能の測定方法

家庭用回線に接続したサーバーから定期的にアクセスして、Webページのダウンロードに要する時間を測定します。測定対象として 動的ページ静的ページ があります。

  • 動的ページ
    • WordPressによるサイト(PHPとデータベースを利用)
    • コンテンツは平均的なWebページの構成を採用
      • HTTP Archiveのデータを利用
  • 静的ページ
    • htmlファイルによるサイト
    • WordPressが生成したデータを静的ファイルに変換したものを利用

測定期間

2015年7月3日より9日間

測定と言っても一度きりでは意味がないので、一定期間の継続した測定を行っています。一定期間測定することで、夜間と日中の差や休日と平日の差を見ることができます。もしかしたら、曜日毎の変化があるかもしれません。

測定ルート

サーバー(データセンター)の所在地については、下記の記事を参考にしてください。

コアプレス・クラウドのデータセンターを探してみよう

家庭用回線からの測定となります。家庭用回線は測定中であってもサーバー以外のPCで普通にインターネットを利用しています。家庭用回線のサーバーは測定専用として測定以外の処理は行っていません。

  • 家庭用回線の測定環境
    • eo光(K-Opticom/関西電力)100Mタイプ
    • ルーターと測定用サーバーは有線接続

測定結果

  • 測定失敗: ダウンロードが失敗した割合
  • 3秒以上: ダウンロードに要した時間が3秒を超えた割合
  • 10秒以上: ダウンロードに要した時間が10秒を超えた割合
  • 平均時間: ダウンロードに要した時間の平均値
  • ばらつき: 母標準偏差(グラフ上の値は標本標準偏差)
  動的サイト 静的サイト
測定回数 5,184 5,184
測定失敗 0%(0) 0.04%(2)
3秒以上 0.06%(3) 0.08%(4)
10秒以上 0.04%(2) 0.04%(2)
平均時間(秒) 0.61 0.73
ばらつき(秒) 0.22 0.29
  • エラーの内訳
    • 静的サイト(2)
      • タイムアウト(2)

他のレンタルサーバーとの比較

公式サイト   WordPress Static
環境 平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %

0.210.210.0100.210.210.010

PHP5/CGI

0.240.220.0500.430.540.20

PHP7/CGI

0.240.210.0700.240.210.060

0.250.230.060.020.260.230.080.42

Xキャッシュ

0.290.250.0900.280.250.070

0.370.350.0800.360.350.050

0.380.370.0500.570.660.190

PHP7/FastCGI

0.40.40.1200.230.220.030

WordPressサーバー

0.420.350.200.40.350.150

0.430.470.2100.430.220.310

PHP7/FastCGI

0.450.450.1500.290.260.090

PHP7

0.460.450.030.050.350.310.10.02

キャッシュ無効

0.470.520.1500.430.540.210

PHP5/FastCGI

0.470.470.1200.230.220.030

0.540.70.2500.360.330.090.02

PHP5/FastCGI

0.550.540.1700.330.290.110

0.620.620.030.10.410.340.140.17

PHP7

0.620.590.3200.380.310.20

PHP7/Module

0.620.590.1100.40.390.040

キャッシュ無効

0.620.610.1200.380.370.050

PHPサーバー

0.620.70.2600.340.290.10

PHP5

0.630.620.0300.320.310.030

PHP7

0.630.590.3300.370.310.180

0.640.610.100.480.450.090

PHP7/CGI

0.660.620.1200.390.380.050

0.6600.2200.6600.230

0.670.650.070.150.520.470.140.15

キャッシュ

0.680.680.0600.690.690.060

PHP7/CGI

0.70.680.0900.510.490.070

PHP5

0.710.690.3300.370.30.180

0.710.730.300.350.310.110

0.720.710.0500.240.240.010

0.750.630.3100.560.470.290

PHP5

0.750.70.3700.370.310.160

モジュール

0.80.750.160.150.370.360.060.1

0.830.790.3900.340.280.150

PHP7

0.840.80.2600.740.690.160

PHP7

0.840.840.1400.670.670.060

PHP7

0.850.840.0600.670.660.050

PHP7

0.880.840.160.750.610.570.10

0.910.860.1600.510.490.070

0.920.880.200.640.610.240

0.930.920.0500.650.650.040

PHP5

0.930.920.1600.670.670.060

0.950.950.1200.520.50.080

CGI

0.950.90.1600.390.370.070

PHP5/FastCGI

0.970.960.40.150.420.410.070.07

PHP5

10.980.3100.770.80.140

PHP5/CGI

1.040.80.7700.530.490.110

1.051.010.1200.810.740.190

PHP5

1.11.050.1600.60.560.10

1.141.140.0400.270.260.020

ライトプラン

1.441.221.300.510.370.670

1.961.920.630.021.631.560.590.02

2.091.71.070.931.241.170.420.6

2.2300.650.111.9100.60.07

PHP5/FastCGI

2.722.550.670.072.412.170.660.07

PHP5/FastCGI

2.92.780.510.352.522.370.430.15

PHP7/FastCGI

2.922.80.530.272.572.460.360.22

PHP7

3.181.572.340.350.710.710.180.22

PHP5

3.31.532.470.50.720.720.180.45

3.363.090.630.022.892.720.350

3.7800.50.073.7700.510.1

4.564.530.3104.244.220.340

5.75.720.830.025.135.140.810.02

8.056.723.081.687.826.43.231.41

00000.340.290.150

00006.136.270.450

ユーザーが待てる時間は 3秒以内

調査では、3秒を過ぎると57%のユーザーがしびれを切らし、訪問を諦めることがわかった。どんなに美しいサイトを作ったところで、3秒以内に表示されなければユーザーの目に触れるチャンスすらないということになる。

3秒が許容範囲 - Webサイトのパフォーマンスが重要な理由 | マイナビニュース

快適なWebサイトの条件として 3秒以内 のレスポンスが1つの基準となります。

動的ページ、静的ページともにレスポンスは 1秒未満 となっており優秀な結果となっています。特に動的ページ(WordPress)の結果は、他の一般的なレンタルサーバーより優れています。このあたりは WordPress専用 を謳うだけあります。

同じデータセンターにある(と推測される)バリューサーバーやヘテムルと比較しても、如何にコアプレスのレスポンスが優れているかが分かります。Nginxのキャッシュ機能やFusion-io Driveが効果的に機能しているのでしょう。

不思議に思うのは動的ページと静的ページの結果が逆転していることです。これまでに測定したレンタルサーバーの結果もそうですが、一般的に静的ページのレスポンスが良いのが普通です。WordPressに特化したチューニングが理由なのかもしれませんね。まぁ、コアプレスで静的サイトを立ち上げるユーザーはいないと思うので、気にする必要はありません。

レスポンスが非常に良く、訪問者がストレスを感じることはないでしょう。また、他のレンタルサーバーと比較してもばらつきが小さく、レスポンスが安定していることがわかります。

時間帯による変化は明確となっており、夜間帯が負荷のピークとなっています。夜間にレスポンスが悪くなるといっても、平均値では1秒以内に収まっていおり、他社レンタルサーバーの標準的なレスポンス性能があります。曜日(休日等)による変化はあまりないようです。

コアプレスの評価

測定結果からも分かりますが、コアプレスはレスポンスが良く安定しているレンタルサーバーです。利用者が多くなる夜間でも、極端にレスポンスが悪くなりません。WordPressを利用したWebサイトを安定して稼働させるには、お勧めのサービスです。

性能的には文句なしですが、機能的には少し不満が残ります。サービス開始間もないためか、コントロールパネルで利用できる機能が少なく、かなり絞られています。良く言えばシンプルで使いやすい、悪く言えば発展途上といった感じです。とは言え、「ステージング環境」や「バックアップ機能」など、Webサイトを安定運用するための機能が標準装備となっているので、本格的なサイト運営にもお勧めできます。

残念ながら、マニュアルやFAQはあまり充実していません。ユーザーフォーラムがあるので、困ったら積極的に利用すると良いでしょう。質問内容によっては、コアプレスのスタッフも回答します。また、問い合わせフォームも利用できます。問い合わせフォームを何度か利用していますが、ほぼ当日中に的確な回答を得られています。

癖のある環境

ApachではなくNginxを採用しているため、高速化のメリットはありますが、デメリットもあります。例えば、Nginxにはhtaccessというファイル(機能)は存在しません。htaccessを多用しているサイトであれば、コアプレスでの稼働は修正が必要となるでしょう。Apach依存の機能を利用しているなら、代替機能へ変更する必要があります。

また、ディレクトリやファイルのアクセス権が厳しく設定されており、WordPressのソースなど重要なファイルは編集することができません。基本的に「wp-content」ディレクトリ以下のみ編集可能です。

シンプルにWordPressを利用するだけなら、気になることではありません。ただし、WordPress上で様々な機能を実現しようとすると、その制限(仕様)が問題となるかもしれません。

この環境問題については お試し期間 を利用して確認すると良いでしょう。

知っておきたい料金体系

コアプレスを利用する際に注意するポイントは、 訪問者数による従量課金制 ということです。初期費用無料で500円/月から利用できますが、サイトの規模に見合ったプランを選択しないと、余計な出費が必要となります。

コアプレスの詳細は下記の記事もご覧下さい。

コアプレス・クラウドのレビュー

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