コストパフォーマンスの高い処理性能と安定感!ドメインキングのベンチマーク

ドメインキング(DOMAINKING)では2015年末に、サーバー管理のソフトウェアがPLESK12へ更新されました。その際、新サーバーへの移行サービスも実施されており、移行直後のベンチマーク結果はかなり良好なものでした。それから1年ほど経過しており、当時の性能が維持されているかを再評価してみましょう。

レンタルサーバーを検討する際、大事なポイントはWebサイトの表示速度です。レスポンスが悪ければ訪問者にストレスを与え、検索順位にも悪影響です。もう一つはサーバーの処理性能であり、表示速度はもちろんのこと高負荷時(アクセス増加時)の安定性に大きく影響します。

いくら公式サイトで高性能を謳っていても、実際に契約すると期待外れなことが多々あります。ここではドメインキングの性能評価を行い、前回の結果や他社との比較を行います。

ドメインキングの全てが分かる
ドメインキングのレビュー

測定方法

WordPressをインストールしたWebサイト(サーバー)を利用します。

  • 「ランダムな3,000文字/記事」の投稿と削除
    • 100記事をまとめて投稿、投稿後に全削除
    • 1記事ごとの生成処理を含む
  • 投稿と削除はWordPressの標準関数を利用
    • wp insert post、wp delete post

これらの処理を「5分間隔」で実行し、一連の処理時間を測定します。つまり、「PHPとデータベースの処理性能」を確認します。データセンター内(またはサーバー内)で完結する処理なので、外部ネットワーク環境の影響を受けません。

負荷について
100件程度は大した負荷ではありません。しかし、共用サーバーなので高負荷とならないように、1件ごとにwait処理を差し込んでいます。

測定結果

結果 有効測定数 除外数 棄却閾値 エラー 中央値 平均値 ばらつき
Raw(未加工) 864回 - - 0%
(0回)
3.09秒 3.16秒 0.38秒
棄却検定 0.69%
(6回)
4.11秒 3.09秒 3.14秒 0.21秒
測定結果について
72時間(3日間) の測定結果です。X軸は時刻(0時~24時)を表し、各時刻の値は3日間の平均値です。有効測定数はエラーを省いた実測定数です。
測定のタイミングによりサーバーの負荷状態(混雑具合)が変動します。集計に影響を与える一時的な異常値(外れ値)を棄却検定Grubbs' test(α=0.001)により省いています。
ばらつき(標準偏差)は、処理の 約68%平均値 ± ばらつき に、約95%平均値 ± ばらつき×2 に収まることを示します。ばらつきが小さいほど処理性能が安定します。

ドメインキングの評価

1年前の測定と比較して、ほとんど変わらない性能を維持しています。サーバー刷新後「最初だけ」高性能なレンタルサーバーもあるため、素晴らしい結果と言えます。さらに、前回とは異なるサーバーの結果であり、割り当てによる性能差(当たり外れ)は少ないのかもしれませんね(たった2回のサンプルですが)。

前回よりばらつきが僅かに大きくなっていますが、エントリークラスのサービスとしては十二分な結果でしょう。時間帯による変動は小さく、いつでも安定した処理性能を維持していることを確認できます。

いつも思いますがドメインキングの評判を探すと、なぜか悪い評価をよく見かけます。しかし、月額料金を考慮すれば何の問題もありません。エントリークラスに料金以上の性能を求めれば、どのサービスでも何かしらの不満は出るでしょう。

ロリポップ、さくらインターネット、エックスサーバーとの比較

  ドメインキング
PHP5/FastCGI
ロリポップ
PHP5/Module
さくらインターネット
PHP5/CGI
エックスサーバー
PHP7/FastCGI
有効測定数 864 864 864 864
棄却検定除外 0.69%(6) 0.35%(3) 0.93%(8) 1.27%(11)
棄却検定閾値 4.11秒 8.65秒 7.73秒 3.41秒
エラー 0%(0) 0%(0) 0%(0) 0%(0)
中央値 3.09秒 4.96秒 5.59秒 2.23秒
平均値 3.14秒 5.12秒 5.71秒 2.28秒
ばらつき 0.21秒 0.80秒 0.45秒 0.25秒
変動係数 6.69% 15.6% 7.88% 11.0%
変動係数
変動係数は「平均値に対する変動の割合」を示します。平均値(処理時間)が近い場合、変動係数が小さいほど安定します。

他のサービスと比較してみましょう。

比較対象は、ロリポップ、さくらインターネット、そして、エックスサーバーです。

PHPのバージョン
記事作成時、ドメインキング、さくらインターネット、ロリポップ!はPHP7に対応していません。

料金帯の違うサービスですが、これらの中ではエックスサーバー(XSERVER)が頭一つ抜き出ています。2016年8月に基盤システムが刷新され、最新CPUや大容量メモリを搭載するサーバーを採用しています。多くのサービスの中でもトップクラスの性能ですが、ドメインキングもかなり高性能であることがわかります。

さくらインターネットは良くも悪くも標準的な性能を維持しています。処理性能はそれほど高くありませんが、非常に安定しています。古くからあるサービスであり、(技術的に詳しい方を含む)利用者が多いことが特徴です。簡単なHOW TOから高度な利用方法まで多くの情報が公開されており、初心者でも迷うことなく利用できます。

ロリポップ!はユーザー(収容数)が多すぎるのか、かなりの高負荷状態となっています。時間帯による変動が大きく、やや不安定な印象です。もちろん、エラーが発生するほどの状態ではありませんが、エントリークラスなりの性能となっています。非常に人気のあるサービスですが、人気と実際の性能は比例しないことを示すかのような結果です。

ドメインキングの人気がイマイチぱっとしない理由は、エントリークラスなのにお試し期間がないことも理由の一つでしょう。安価とはいえ初期費用まで考慮すると、少しは使い勝手を確認してから契約したいと思うのが普通でしょう。

各サービスの公式サイト
ドメインキング / ロリポップ! / さくらインターネット / エックスサーバー

他のレンタルサーバーとの比較

公式サイト 環境 平均値 ミリ秒中央値 ミリ秒標準偏差 ミリ秒エラー %

1.71.670.070

PHP7/CGI

1.821.830.220

1.941.950.070

PHP7/CGI

2.0220.140

PHP7

2.152.120.321

2.162.170.080

PHP7

2.172.130.240

2.182.150.30

2.242.250.280

PHP7/FastCGI

2.282.230.250

PHP5/CGI

2.42.410.270

PHP5/CGI

2.412.390.150

2.522.430.330

PHP7

2.712.680.348

2.722.660.3735

PHP7/FastCGI

2.732.70.30

PHP5/FastCGI

2.732.680.270

2.862.860.090

PHP5

3.032.960.380

3.13.150.310

PHP7/Module

3.113.120.080

PHP&MySQL

3.113.010.330

3.133.140.070

PHP5/FastCGI

3.143.090.210

3.142.90.630

3.142.960.680

PHP7/CGI

3.193.190.130

3.23.180.110

PHP5

3.513.470.398

PHP5/FastCGI

3.613.60.40

3.643.60.290

WordPress

4.183.891.090

PHP7

4.224.070.470

4.224.270.30

4.424.430.180

4.54.470.580

PHP5/CGI

4.564.450.560

PHP5

4.964.860.450

PHP5/Module

5.124.960.80

PHP7

5.164.242.230

5.184.691.240

5.255.210.320

PHP7

5.255.170.370

5.315.320.110

PHP5

5.315.230.560

PHP7

5.675.520.740

5.715.590.450

PHP5

5.885.80.360

6.055.920.580

PHP5

6.455.152.640

PHP5

6.456.330.770

6.526.490.760

PHP5/FastCGI

6.646.670.330

6.96.910.130

ライト

7.416.932.160

8.37.313.550

14.49.341461
注意
最新の測定結果を優先的に表示するため、記事作成時の評価とこの比較結果(表のデータ)が異なる可能性があります。

測定結果について
レンタルサーバーは1つのサービス(プラン)に対して多くのサーバーが運用されています。測定結果はその中の1つに過ぎません。契約時期で割り当てられるサーバーのスペックは異なり、さらに、同じサーバーに収容される他契約者の負荷に大きく左右されます。

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