FC2レンタルサーバーLiteのサーバー性能を他のレンタルサーバーと比較・評価する

FC2レンタルサーバーLiteはFC2ブログで有名なFC2が運営するレンタルサーバーです。データベースやドメインが1つ (サブドメインは10個) しか利用できないため、複数のサイト運営には向きませんが、ブログ程度のちょっとしたサイトなら問題ありません。

一概には言えませんが、レンタルサーバーの料金差は 処理性能安定性能 にあります。処理性能が高いほどレスポンスが良くなり、訪問者にとって快適なサイトとなります。全体的なレスポンスが良くなり、契約者 (サーバー管理者) にとってもサーバーを快適に操作できるというメリットに繋がります。さらに、レスポンスの優れたサイトほどGoogleの評価が高くなるなど、サーバー性能はレンタルサーバーを選択する際に重要な要素となります。

この記事では、FC2レンタルサーバーLiteのサーバー性能について評価し、他のレンタルサーバーと比較しています。

測定方法

WordPressを設置したサイト(サーバー)を利用します。

  • 「ランダムな3,000文字/記事 (の自動生成) 」の投稿と削除
    • 100記事をまとめて投稿、投稿後に全削除
  • 投稿と削除はWordPressの標準関数を利用
    • wp insert post、wp delete post

これらの処理を 5分間隔 で実行し、処理時間を測定します。つまり、 PHPとデータベースの処理性能 を確認することになります。データセンター内で完結する処理なので、ネットワーク環境 (速度) の影響は受けません。

負荷について
100件程度は大した負荷ではありませんが、共用サーバーなので連続処理とならないように、1件毎にwait処理を差し込んでいます。

測定結果

測定結果について
72時間 (3日間) の測定結果となります。X軸は時刻(0時~24時)を表し、各時刻の値は3日間の平均値です。
有効測定数はエラーを省いた回数を示します。測定実行のタイミングによりサーバーの状態 (混雑具合) が変動するため、集計に影響を与える一時的な異常値 (外れ値) を棄却検定Grubbs’ test (α=0.001) により省いています。
結果 有効測定数 除外数 エラー 中央値 平均値 ばらつき
Raw (未加工) 864回 - 0.00%
(0回)
5.32秒 5.31秒 0.12秒
Grubbs' test 0.46%
(4回)
5.32秒 5.31秒 0.11秒

FC2レンタルサーバーLiteの評価

エラーや時間帯によるばらつきがほとんどなく、常時安定稼働しているようです。他のレンタルサーバーと比較すると処理性能は高くありませんが、悪くもないと言ったところです。時間帯による変動が小さいため、処理性能に余裕があるように思えます。棄却検定による除外数が少ないことから、ほとんどのタイミングで処理性能が落ちなかったことも分かります。

ただしレビューでも説明していますが、すでにサポートが終了している PHP5.2 が稼働しているなど、サービス開始時からハードウェアが更新されている様子はありません。あくまでも推測ですが、今回の安定したデータは単純に利用者が少ないことを示しているのかもしれませんね。

月額250円 (6ヶ月以上の契約時) と非常に安いのですが、海外サーバーなのでレスポンスは良くありません。同程度の料金であれば、より優秀な国内レンタルサーバーを利用できます。上位サービスの FC2レンタルサーバー であれあば、 アダルトサイト対応 という特徴がありますが、Liteにはそれほどの特徴がありません。特別な理由がなければ、ロリポップ!やミニバードなどの国内サービスを検討してみましょう。

ばらつき (標準偏差)
統計的な話ですが、処理の 約68%平均値 ± ばらつき に、約95%平均値 ± ばらつき×2 に収まることを示します。つまり、ばらつきが小さいほど処理性能が安定しているといえます。

ミニバード、ロリポップ!、エックスサーバーとの比較

  FC2Lite ミニバード ロリポップ! エックスサーバー
有効測定数 864 864 858 864
除外 (回) 0.46%(4) 0.93%(8) 0.58%(5) 0.23%(2)
閾値 5.74秒 6.31秒 4.52秒 6.46秒
エラー (回) 0.00%(0) 0.00%(0) 0.00%(0) 0.00%(0)
中央値 5.32秒 3.69秒 3.86秒 3.91秒
平均値 5.31秒 3.86秒 3.87秒 4.00秒
ばらつき 0.11秒 0.55秒 0.17秒 0.63秒

ミニバード、ロリポップ!、エックスサーバーとの比較です。

安定した処理性能には好感が持てますが、決して速くはありません。最後に記載している他社との比較表をみれば分かりますが、国内外レンタルサーバーの中では下位グループの性能です。

Webサイトのレスポンス性能も海外 (アメリカ合衆国) にサーバーがあるため、国内サーバーと比較して不利です。当サイトではレスポンス性能も測定していますが、やはり他に劣る結果となっています。

料金は魅力的ですが、あえて選択する必要のないレンタルサーバーです。国外のIPアドレスを必要としたり、転送量無制限に惹かれるのであれば選択肢となるかもしれません。

他のレンタルサーバーとの比較

公式サイト 環境 平均値 ミリ秒中央値 ミリ秒標準偏差 ミリ秒エラー %

1.71.670.070

PHP7/CGI

1.821.830.220

1.941.950.070

PHP7/CGI

2.0220.140

PHP7

2.152.120.321

2.162.170.080

PHP7

2.172.130.240

2.182.150.30

2.242.250.280

PHP7/FastCGI

2.282.230.250

PHP5/CGI

2.42.410.270

PHP5/CGI

2.412.390.150

2.522.430.330

PHP7

2.712.680.348

2.722.660.3735

PHP7/FastCGI

2.732.70.30

PHP5/FastCGI

2.732.680.270

2.862.860.090

PHP5

3.032.960.380

3.13.150.310

PHP7/Module

3.113.120.080

PHP&MySQL

3.113.010.330

3.133.140.070

PHP5/FastCGI

3.143.090.210

3.142.90.630

3.142.960.680

PHP7/CGI

3.193.190.130

3.23.180.110

PHP5

3.513.470.398

PHP5/FastCGI

3.613.60.40

3.643.60.290

WordPress

4.183.891.090

PHP7

4.224.070.470

4.224.270.30

4.424.430.180

4.54.470.580

PHP5/CGI

4.564.450.560

PHP5

4.964.860.450

PHP5/Module

5.124.960.80

PHP7

5.164.242.230

5.184.691.240

5.255.210.320

PHP7

5.255.170.370

5.315.320.110

PHP5

5.315.230.560

PHP7

5.675.520.740

5.715.590.450

PHP5

5.885.80.360

6.055.920.580

PHP5

6.455.152.640

PHP5

6.456.330.770

6.526.490.760

PHP5/FastCGI

6.646.670.330

6.96.910.130

ライト

7.416.932.160

8.37.313.550

14.49.341461

hostingstock.netで測定した他レンタルサーバーとの比較です。


測定結果について!
レンタルサーバーは、一つのサービス (プラン) に対して多くのサーバーが運用されています。これらの測定結果は、その中の一つに過ぎません。契約時期により割り当てられるサーバーのスペックは異なる可能性があります。また、同じサーバーを利用する他のユーザーの負荷も影響します。

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