ファイアバード (Firebird) はサービスの提供を終了しました。

現在は スターサーバー #StarServer として、新しいサービスを提供しています。

ファイアバードのFTPレスポンス性能を他のレンタルサーバーと比較・評価する

この記事の内容は古いため現状と異なる可能性があります。新しい記事も参考にしてください。

簡単インストール機能や自動インストール機能で提供されるWordPress等のアプリケーションを、そのまま運用するだけならFTPの利用頻度は少ないかもしれません。しかし、オリジナルのWebサイト、Webアプリケーションを開発するなら、レンタルサーバーのFTP性能を無視することはできません。

頻繁にファイルをアップロード・ダウンロードしたり、サーバーにあるファイルを編集するなら、レスポンスの悪いレンタルサーバーを選ぶと非常にストレスとなり、作業効率も悪くなります。

それでは、ファイアバード (Firebird) のFTP性能について評価し、他のレンタルサーバーと比較してみましょう。

FTP等の仕様

ファイアバードは、通常のFTPに加えセキュアな FTPS (FTP over SSL) にも対応しています。FTPアカウントの上限は 5個 となっていますが、独自ドメイン毎に 初期FTPアカウント が一つ発行されるので、総FTPアカウント数は 利用ドメイン数+5 となります。

初期アカウントを除き、アカウント毎にアクセス可能なディレクトリを設定できます。他のユーザーにアカウントを発行するような、複数人でのサーバー管理にも適しています。

初期アカウントは、そのドメインに対応したディレクトリ public_html のアクセスに制限されます。そのため、他ドメインのディレクトリにアクセスすることができません。

ルートディレクトリ /home/USER_ID/ にアクセス可能なアカウントを1つ追加しておけば、全てのディレクトリを操作できるので便利です。

測定方法

  • Webページを構成するファイルのアップロードとダウンロード
    • テキストファイルや画像ファイル
    • (HTTP) レスポンス性能の評価に利用しているサイト (ページ) を構成するデータ群
  • 合計ファイルサイズは約1.8MB (約20ファイル)

最大3つのファイルを並列転送します。レンタルサーバーがそれ以上の同時接続を許可していて、FTPクライアントも並列転送に対応していれば、この測定結果より早く転送できることになります。

5分毎 にアップロードとダウンロードを実行します。

測定期間

測定期間は 7日間 です。

測定と言っても一度きりでは意味がないので、一定期間の継続した測定を行っています。「たまたま利用者が少なくレスポンスが良かった」「一時的なトラブルが原因でレスポンスが悪かった」という、誤った結果を出すことを (完全ではありませんが) 省けます。

一定期間測定することで、利用者数 (訪問者数) が変動する日中、夜間、深夜の差を確認することもできます。例えば、利用者の少ない深夜と、利用者の多い日中との差が小さければ、負荷に強いサーバーということが推測できます。

測定経路

家庭用回線からの測定となります。サーバーは測定専用として測定以外の処理は行っていません。

家庭用回線の測定環境
eo光(K-Opticom/関西電力)100Mタイプ
ルーターと測定用サーバーは有線接続

測定結果

  アップロード ダウンロード
有効測定数 (回) 2,013/2,016 2,010/2,016
Grubbs’ testによる除外数 (割合) 19 (0.94%) 32 (1.59%)
Grubbs' testの閾値 4.25秒 2.96秒
エラーの割合 (回) 0.15% (3) 0.30% (6)
5秒以上の割合 (回) 0.40% (8) 0.40% (8)
10秒以上の割合 (回) 0% (0) 0% (0)
中央値 (秒) 1.00 1.04
平均値 (秒) 1.35 1.12
ばらつき / 標準偏差 (秒) 0.60 0.41
エラー 内容
アップロード (3) FTP response reading failed (3)
ダウンロード (6) FTP response reading failed (6)

有効測定数はエラーを省いた回数を示します。測定実行のタイミングによりサーバーやネットワークの状態 (混雑具合) が変動するため、集計に影響を与える一時的な異常値 (外れ値) を棄却検定Grubbs’ test (α=0.001) により省いています。生データ (未加工データ) は最後に掲載しています。

評価

ダウンロード・アップロードともに 優秀な結果 です。他のレンタルサーバーと比較しても上位の性能があり、HTTPレスポンス測定の結果と併せても優秀なレンタルサーバーです。

ただし、同時期に測定したネットオウルの他サービス (ミニバードやクローバー) と比較すると、ばらつきが大きいように思えます。多数あるサーバーのうちの一つの測定結果なので推測でしかありませんが、ファイアバードは他のサービスと比較して利用者が多いのかもしれません。ネットオウルのサービスの中では最もコストパフォーマンスが良く人気があります。サーバーに収容されるユーザーも多く、負荷状態が変化しやすいのかも知れません。

グラフを確認すると分かりますが、時間帯による変化はあるようなないような、特定の傾向はないように見えます。他のレンタルサーバーであれば、利用者の多くなる日中から夜間にかけてレスポンスが悪化することもありますが、夜間であっても安定したり、日中でも遅かったします。僅かにエラーが発生していますが、他のレンタルサーバーでも発生する程度の頻度なので、気にすることはありません。

色々と問題があるように読み取れるかもしれませんが、あくまでも ちょっと気になる部分 、悪く言えば粗探しです。 他のレンタルサーバーと比較しても非常に優れているため、特にコメントすることもありません。レスポンスが低下する時でさえ必要十分な性能があります。

ばらつき(標準偏差)
統計的な話ですが、レスポンスの約68% が 平均値 ± ばらつき に、約95% が 平均値 ± ばらつき×2 に収まることを示します。つまり、ばらつきが小さいほどレスポンスが安定しているといえます。

他のレンタルサーバーとの比較

プロバイダー 環境など アップロード ダウンロード
公式サイト 平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %

0.750.740.050.10.480.440.10.05

0.750.750.050.20.490.440.130.1

0.840.740.2400.730.640.180

0.860.850.060.10.590.510.190.1

0.90.70.4200.690.580.30

0.950.880.240.20.710.620.260.1

0.950.830.320.20.720.660.270.1

WordPress

0.990.880.320.250.710.590.280.35

1.040.780.4900.720.620.30

1.050.860.440.250.720.610.320.05

1.10.840.480.20.860.720.380.2

1.111.10.083.170.730.70.111.87

1.211.10.330.350.750.690.250.3

PHP&MySQL

1.331.270.260.11.131.010.250.1

SFTP

1.391.350.1401.061.030.110

1.441.210.6701.191.110.290

1.51.490.0701.331.20.540

1.531.530.090.90.890.870.091

1.561.550.100.970.960.070

1.581.580.060.050.980.870.210

SFTP

1.611.60.0701.721.690.120

1.611.560.1901.131.210.250

1.611.60.101.080.970.210

1.621.550.190.051.211.20.10.05

1.671.660.150.250.980.970.070.25

1.731.730.1101.061.050.090

1.771.80.2401.081.040.140

SFTP

1.831.850.2701.331.290.150

1.881.710.6901.531.520.330

1.9820.3301.191.150.110

新サーバー

2.112.030.350.41.441.360.40.2

2.141.920.6901.251.220.160

2.262.030.630.31.331.270.150.3

2.382.310.30.052.462.420.290.05

旧サーバー

2.482.280.550.151.921.780.520.05

2.622.41.022.81.841.740.631

2.922.51.1202.992.481.410

2.972.441.190.051.390.541.760

SFTP

32.990.2401.931.90.130

3.093.120.1601.361.330.120.05

3.413.410.0901.861.840.080

5.533.923.450.355.863.954.10.25

6.7500.730.28.7200.980.1

海外

11.611.60.4806.796.740.280

海外

12.112.10.507.477.450.190

海外

12.312.30.52010.910.31.350.05

海外

16.616.50.560.210.110.20.860.25

海外

33.430.27.130.1520.5201.830.05

同じさくらインターネットのデータセンターを利用するネットオウルの他サービス (クローバーやミニバード)やエックスサーバーと同程度の結果となりました。測定元との物理的距離が近いというネットワークのアドバンデージはありますが、やはりここのデータセンターは優秀です。

データについて
最新のデータが表示されるため、説明と異なる場合があります。
Grubbs’ test
グラブス検定により外れ値を除外しています。一時的なネットワークやサーバーの高負荷状態による異常値を省きます。グラブス検定を適用していない結果と比較して、良い結果となる傾向が高くなります。

測定結果 (未加工データ)

  アップロード ダウンロード
有効測定数 (回) 2,013/2,016 2,010/2,016
5秒以上の割合 (回) 0.40% (8) 0.40% (8)
10秒以上の割合 (回) 0% (0) 0% (0)
中央値 (秒) 1.00 1.05
平均値 (秒) 1.39 1.18
ばらつき / 標準偏差 (秒) 0.69 0.60

関連記事

BLOG

UPDATE