国内データセンターに移行しても圧倒的な処理性能を誇るJETBOYの評価

JETOBY(ジェットボーイ)は以前まで海外(北米)のデータセンターで運用されており、その特性を生かして「アダルトサイト対応」を特徴としていました。2016年7月から国内データセンターでの運用に変更されており、それに併せてスペックが一部向上しています。あくまでもニュアンスの違いですが従来通り「法律の範囲内ならコンテンツに制限はない」という規約となっており、アダルトサイトの運営も可能です。公式サイトから「アダルトサイト」の文言がなくなり、より一般的かつ高性能なサービスになったということでしょう。

旧サービス(海外)で採用されていたサーバーは圧倒的な処理性能があり、他社と比較しても突出した結果となっていました。

データセンターを変更しても「高性能サーバー」をアピールする公式サイトの文言に変化はありません。実際のところはどうなのでしょうか?(タイトルでネタバレしていますね…)

この記事ではJETBOYの処理性能を評価した結果を掲載します。サーバーの処理性能はレスポンス性能や安定性能に大きく影響するため、レンタルサーバー選びでは重要なポイントです。

測定方法

WordPressをインストールしたウェブサイト(サーバー)を利用します。

  • 「ランダムな3,000文字/記事」の投稿と削除
    • 100記事をまとめて投稿、投稿後に全削除
    • 1記事ごとの生成処理を含む
  • 投稿と削除はWordPressの標準関数を利用
    • wp insert post、wp delete post

これらの処理を 5分間隔 で実行し、一連の処理時間を測定します。つまり、 PHPとデータベースの処理性能 を確認します。データセンター内(またはサーバー内)で完結する処理なので、ネットワーク環境の影響を受けません。

負荷について
100件程度は大した負荷ではありません。しかし、共用サーバーなので高負荷とならないように、1件ごとにwait処理を差し込んでいます。

測定結果

結果 有効測定数 除外数 棄却閾値 エラー 中央値 平均値 ばらつき
Raw (未加工) 865回 - - 0%
(0回)
1.65秒 1.65秒 0.11秒
棄却検定 0.46%
(4回)
1.96秒 1.65秒 1.65秒 0.08秒
測定結果
72時間(3日間) の測定結果です。X軸は時刻(0時~24時)を表し、各時刻の値は3日間の平均値です。有効測定数はエラーを省いた実測定数です。
棄却検定
測定のタイミングによりサーバーの負荷状態(混雑具合)が変動します。集計に影響を与える一時的な異常値(外れ値)を棄却検定「Grubbs' test(α=0.001)」により省いたデータも掲載しています。
ばらつき (標準偏差)
統計的な話ですが、処理の 約68%平均値 ± ばらつき に、約95%平均値 ± ばらつき×2 に収まることを示します。つまり、ばらつきが小さいほど処理性能が安定しているといえます。

JETBOYの評価

少し心配していましたが、データセンターが変わっても「安定の高性能」です。旧サービス(海外データセンター)と比較すると僅かに劣るとはいえ、それでもhostingstockで測定しているサービスの中では群を抜いた性能があります。

JETBOYの特徴は旧サービスと同様に「圧倒的な処理性能が安定継続する」ということでしょう。割と高額なレンタルサーバーであっても、訪問者や利用者の多くなる時間帯など、条件によっては高負荷となるため処理性能が落ちるものがあります。その点JETBOYは一日を通して、どの時間帯であっても処理性能に変化がありません。おそらくハードウェア性能が高いため、まだまだ処理性能に余裕があるのでしょう。

これ以上の考察が必要ないほどに「素晴らしい性能」の一言に尽きます。

単純にサーバー性能だけなら最もコストパフォーマンスの高いレンタルサーバーでしょう。そして、国内サービスとしては珍しく「コンテンツにあまり制限がない」という自由度の高さもあります。「将来的にアダルトサイトも運営してみたい」という予定があれば第一候補となるでしょう。もちろん基本性能が高いため、一般的なコンテンツのサイト運営にもおすすめです。

wpX、エックスサーバーとの比較

  JETBOY wpX エックスサーバー
有効測定数 865 864 864
棄却検定除外 0.46%(4) 0%(0) 0.23%(2)
棄却検定閾値 1.96秒 3.27秒 6.46秒
エラー 0%(0) 0%(0) 0%(0)
中央値 1.65秒 2.41秒 3.91秒
平均値 1.65秒 2.40秒 4.00秒
ばらつき 0.08秒 0.27秒 0.63秒
変動係数 4.85% 11.25% 15.75%

アダルトコンテンツを許可している国内サービス、iCLUSTA+、カゴヤ(KAOGYA)、フトカ(FUTOKA)と比較したいところですが、あまりにも性能差があるため比較の意味がありません。ここでは、JETBOYと同様に高性能ハードウェアを採用しているwpXと、標準的なレンタルサーバーの代表としてエックスサーバーを比較対象とします。

グラフでも分かりますが、JETBOYの処理性能が 群を抜いて高い ことを確認できます。決してwpXが遅いわけではなく、JETBOYの性能が別格ということです。最後に掲載している「他のレンタルサーバーとの比較」を見ても分かるでしょう。エックスサーバーは高性能として人気の高いサービスですが、本当に性能の高いサービスと比較すると見劣りしてしまいます。

それでは安定性はどうでしょう?いくら処理性能が高くても一時的では意味がありません。

ばらつき(標準偏差)を比較しても意味がないので、変動係数(相対標準偏差)を利用しましょう。この結果から最も安定しているもはJETBOYとなり、次いでwpXとなります。変動係数は「平均値に対する変動の割合」を示すため、JETBOYは平均値(処理性能)も優秀であり、さらに安定度も非常に高いということになります。エックスサーバーは平均値もばらつきも劣るということになります。

国内データセンターに移行してもサーバー性能は優秀なままです。JETBOYといえば「アダルトサイト対応レンタルサーバー」というイメージが強いようですが、「アダルトサイトも運営できるハイスペックなレンタルサーバー」とアダルト対応はおまけとして考えたほうがよいかもしれません。国内に移行したことでレスポンス性能も劇的に向上しており、より高性能かつ汎用的なおすすめ度の高いレンタルサーバーとなりました。

比較対象レビュー
【レビュー】エックスサーバー
【レビュー】wpX

他のレンタルサーバーとの比較

公式サイト 環境 平均値 ミリ秒中央値 ミリ秒標準偏差 ミリ秒エラー %

1.71.670.070

PHP7/CGI

1.821.830.220

1.941.950.070

PHP7/CGI

2.0220.140

PHP7

2.152.120.321

2.162.170.080

PHP7

2.172.130.240

2.182.150.30

2.242.250.280

PHP7/FastCGI

2.282.230.250

PHP5/CGI

2.42.410.270

PHP5/CGI

2.412.390.150

2.522.430.330

PHP7

2.712.680.348

2.722.660.3735

PHP7/FastCGI

2.732.70.30

PHP5/FastCGI

2.732.680.270

2.862.860.090

PHP5

3.032.960.380

3.13.150.310

PHP7/Module

3.113.120.080

PHP&MySQL

3.113.010.330

3.133.140.070

PHP5/FastCGI

3.143.090.210

3.142.90.630

3.142.960.680

PHP7/CGI

3.193.190.130

3.23.180.110

PHP5

3.513.470.398

PHP5/FastCGI

3.613.60.40

3.643.60.290

WordPress

4.183.891.090

PHP7

4.224.070.470

4.224.270.30

4.424.430.180

4.54.470.580

PHP5/CGI

4.564.450.560

PHP5

4.964.860.450

PHP5/Module

5.124.960.80

PHP7

5.164.242.230

5.184.691.240

5.255.210.320

PHP7

5.255.170.370

5.315.320.110

PHP5

5.315.230.560

PHP7

5.675.520.740

5.715.590.450

PHP5

5.885.80.360

6.055.920.580

PHP5

6.455.152.640

PHP5

6.456.330.770

6.526.490.760

PHP5/FastCGI

6.646.670.330

6.96.910.130

ライト

7.416.932.160

8.37.313.550

14.49.341461

hostingstock.netで測定した他レンタルサーバーとの比較です。

測定結果について!
レンタルサーバーは、一つのサービス(プラン)に対して多くのサーバーが運用されています。これらの測定結果は、その中の一つに過ぎません。契約時期により割り当てられるサーバーのスペックは異なる可能性があります。また、同じサーバーを利用する他のユーザーの負荷も影響します。

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