ユーザー増でも高い安定性と処理性能!JETBOYのレンタルサーバー

前回の処理速度測定 は、国内データセンター移行直後に実施したものでした。海外運用時のユーザー(契約者)も国内に移行していますが、JETBOY自体がサービス開始間もないため、ユーザーはそれほど多くなかったようです。

今回の測定は前回から「約1ヶ月後」に実施したものです。前回は素晴らしい結果となっていましたが、ある程度のユーザーを収容した状態での結果が本来の性能と言えます。あくまでも推測ですが、国内に移行したことでユーザーが増えたようです。

レンタルサーバーの処理性能はハードウェアのスペックだけでは決まりません。いくら高性能なサーバーを採用しても、収容するユーザーが多ければ多いほど相対的に処理速度が低下します。

この記事ではJETBOYの処理性能を評価した結果を掲載します。サーバーの処理性能はレスポンス性能や安定性能に大きく影響するため、レンタルサーバー選びでは重要な要素です。

測定方法

WordPressをインストールしたウェブサイト(サーバー)を利用します。

  • 「ランダムな3,000文字/記事」の投稿と削除
    • 100記事をまとめて投稿、投稿後に全削除
    • 1記事ごとの生成処理を含む
  • 投稿と削除はWordPressの標準関数を利用
    • wp insert post、wp delete post

これらの処理を 5分間隔 で実行し、一連の処理時間を測定します。つまり、 PHPとデータベースの処理性能 を確認します。データセンター内(またはサーバー内)で完結する処理なので、外部ネットワーク環境の影響を受けません。

負荷について
100件程度は大した負荷ではありません。しかし、共用サーバーなので高負荷とならないように、1件ごとにwait処理を差し込んでいます。

測定結果

結果 有効測定数 除外数 棄却閾値 エラー 中央値 平均値 ばらつき
Raw(未加工) 864回 - - 0%
(0回)
2.15秒 2.20秒 0.39秒
棄却検定 0.58%
(5回)
3.56秒 2.15秒 2.18秒 0.30秒
測定結果について
72時間(3日間) の測定結果です。X軸は時刻(0時~24時)を表し、各時刻の値は3日間の平均値です。有効測定数はエラーを省いた実測定数です。
測定のタイミングによりサーバーの負荷状態(混雑具合)が変動します。集計に影響を与える一時的な異常値(外れ値)を棄却検定「Grubbs' test(α=0.001)」により省いたデータも掲載しています。
ばらつき(標準偏差)は、処理の 約68%平均値 ± ばらつき に、約95%平均値 ± ばらつき×2 に収まることを示します。つまり、ばらつきが小さいほど処理性能が安定しているといえます。

前回の測定結果との比較

変動係数
変動係数は「平均値に対する変動の割合」を示します。平均値(処理時間)が同じであっても変動係数が大きい方の処理時間がばらつくことになります。
  移行1ヶ月後 移行直後
有効測定数 864 865
棄却検定除外 0.58%(5) 0.46%(4)
棄却検定閾値 3.56秒 1.96秒
エラー 0%(0) 0%(0)
中央値 2.15秒 1.65秒
平均値 2.18秒 1.65秒
ばらつき 0.30秒 0.08秒
変動係数 13.8% 4.85%

前回の測定 より明らかに処理速度が低下しています。やはり、移行直後は収容されているユーザーが少なかったのでしょう。約1ヶ月で収容数が増加していることに間違いはないようです。

低下したとは言え、平均値を他社と比較すれば相変わらずトップクラスの性能です。公式サイトに記載されている「高性能ハードウェア採用」は伊達ではないようです。ユーザー数の落ち着いたであろう今回の結果が、JETBOY本来の性能なのでしょう(もちろん、一部のヘビーユーザーが負荷を掛けているという可能性もあります)。

少し気になるのは、やや処理速度がばらつくということです。

おそらく、恒常的な負荷が原因として考えられます。しかし、棄却検定による除外数は少ないため、極端な処理性能低下は発生しにくいと言えます。さらにエラーもないことから「処理速度にやや変動がありながらも、非常に安定している」という評価になります。ウェブサイトの表示速度の測定 も同時期に実施していますが、こちらもエラーは皆無(0/約4,000回)です。

初期と比較してやや処理速度が低下しましたが、おすすめのサービスであることに変わりはありません。

メモ
処理性能が安定しているレンタルサーバーが必要なら、法人向けサービスを選択するとよいでしょう。例えば、KDDIのCPI は処理性能、安定性ともにトップクラスです。CPIは個人でも契約できます。

他のレンタルサーバーとの比較

公式サイト 環境 平均値 ミリ秒中央値 ミリ秒標準偏差 ミリ秒エラー %

1.71.670.070

PHP7/CGI

1.821.830.220

1.941.950.070

PHP7/CGI

2.0220.140

PHP7

2.152.120.321

2.162.170.080

PHP7

2.172.130.240

2.182.150.30

2.242.250.280

PHP7/FastCGI

2.282.230.250

PHP5/CGI

2.42.410.270

PHP5/CGI

2.412.390.150

2.522.430.330

PHP7

2.712.680.348

2.722.660.3735

PHP7/FastCGI

2.732.70.30

PHP5/FastCGI

2.732.680.270

2.862.860.090

PHP5

3.032.960.380

3.13.150.310

PHP7/Module

3.113.120.080

PHP&MySQL

3.113.010.330

3.133.140.070

PHP5/FastCGI

3.143.090.210

3.142.90.630

3.142.960.680

PHP7/CGI

3.193.190.130

3.23.180.110

PHP5

3.513.470.398

PHP5/FastCGI

3.613.60.40

3.643.60.290

WordPress

4.183.891.090

PHP7

4.224.070.470

4.224.270.30

4.424.430.180

4.54.470.580

PHP5/CGI

4.564.450.560

PHP5

4.964.860.450

PHP5/Module

5.124.960.80

PHP7

5.164.242.230

5.184.691.240

5.255.210.320

PHP7

5.255.170.370

5.315.320.110

PHP5

5.315.230.560

PHP7

5.675.520.740

5.715.590.450

PHP5

5.885.80.360

6.055.920.580

PHP5

6.455.152.640

PHP5

6.456.330.770

6.526.490.760

PHP5/FastCGI

6.646.670.330

6.96.910.130

ライト

7.416.932.160

8.37.313.550

14.49.341461

hostingstock.netで測定した他レンタルサーバーとの比較です。

注意
最新の測定結果を優先的に表示するため、記事作成時の評価とこの比較結果(表のデータ)が異なる可能性があります。

測定結果について!
レンタルサーバーは、一つのサービス(プラン)に対して多くのサーバーが運用されています。これらの測定結果は、その中の一つに過ぎません。契約時期により割り当てられるサーバーのスペックは異なる可能性があります。また、同じサーバーを利用する他のユーザーの負荷も影響します。

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