ロリポップ!新サーバーのFTP転送性能を評価して、旧サーバーと比較する

2015年末に導入されたロリポップ! (Lolipop!) の新サーバーはWebサイトのレスポンス性能が大幅に向上しており、非常にコストパフォーマンスの高いレンタルサーバーとなりました。では、FTPの転送性能にも変化があったのでしょうか?

無料のブログサービスではなく、ロリポップ!をあえて選択するユーザーであれば、Webサイトにオリジナルのデザインや機能を組み込みたいと思うでしょう。例えば、WordPressでオリジナルのテーマを作成するにしてもFTPの利用頻度は高くなります。レンタルサーバーを検討するとき、ほとんどの人はFTP性能を気にすることはありません。しかし、FTPを多用するのであれば、レスポンスの良いサービスを選択するべきです。転送速度が遅ければ作業効率が悪くなり、何しろストレスとなります。

それでは、ロリポップ!の新サーバーのFTP転送性能 (レスポンス性能) について評価し、旧サーバーと比較してみましょう。

FTPなどの仕様

プラン エコノミー ライト スタンダード エンタープライズ
アカウント数 1 1 1 1
FTP
FTPS
WebDAV
SFTP × ×
SCP × ×

ロリポップ!は様々なファイル操作(プロトコル)に対応しています。セキュリティを考慮してもFTPSに対応していれば十分ですが、選択肢が多くて困ることはありません。

選択肢は多いのですが、ロリポップ!はFTPの(サブ)アカウントを追加することができません。個人で利用するには全く問題ありませんが、グループでのサイト管理には向きません。

FTPでアクセス可能なディレクトリは、いわゆるドキュメントルート ( /public_html ) のみです。そのため、非公開としたいファイルを置く場合は、.htaccess等でアクセス制限を行う必要があります。

メモ
SSHでのアクセス時は、上位のディレクトリへもアクセス可能です。

測定方法

  • Webページを構成するファイルのアップロードとダウンロード
    • テキストファイルや画像ファイル
    • (HTTP) レスポンス性能の評価に利用しているサイト (ページ) を構成するデータ群
  • 合計ファイルサイズは約2MB (約20ファイル)

最大3つのファイルを並列転送します。レンタルサーバーがそれ以上の同時接続を許可していて、FTPクライアントも並列転送に対応していれば、この測定結果より早く転送できることになります。

5分毎にアップロードとダウンロードを実行します。

測定期間

測定期間は7日間です。

測定と言っても一度きりでは意味がないので、一定期間の継続した測定を行っています。「たまたま利用者が少なくレスポンスが良かった」「一時的なトラブルが原因でレスポンスが悪かった」という、誤った結果を出すことを (完全ではありませんが) 省けます。

一定期間測定することで、利用者数 (訪問者数) が変動する日中、夜間、深夜の差を確認することもできます。例えば、利用者の少ない深夜と、利用者の多い日中との差が小さければ、負荷に強いサーバーということが推測できます。

測定経路

家庭用回線からの測定となります。サーバーは測定専用として測定以外の処理は行っていません。

家庭用回線の測定環境
eo光(K-Opticom/関西電力)100Mタイプ
ルーターと測定用サーバーは有線接続

測定結果

  アップロード ダウンロード
有効測定数 (回) 2,008 2,012
Grubbs’ testの除外割合 (回) 1.00% (20) 0.05% (1)
Grubbs’ testの閾値 3.82秒 3.21秒
エラーの割合 (回) 0.40% (8) 0.20% (4)
3秒以上の割合 (回) 4.03% (81) 0.45% (9)
中央値 (秒) 2.03秒 1.36秒
平均値 (秒) 2.11秒 1.44秒
ばらつき/標準偏差 (秒) 0.35秒 0.40秒
測定結果について
有効測定数はエラーを省いた回数を示します。
測定実行のタイミングによりサーバーやネットワークの状態 (混雑具合) が変動するため、集計に影響を与える一時的な異常値 (外れ値) を棄却検定Grubbs’ test (α=0.001) により省いています。生データ (未加工データ) は最後に掲載しています。
エラー内容  
アップロード [8] Bad PASV/EPSV response: 425 [4/8] / Connection time-out [1/8] / name lookup timed out [2/8] / FTP response timeout [1/8]
ダウンロード [4] Connection time-out [1/4] / FTP response timeout [1/4] / name lookup timed out [2/4]

ロリポップ!の新サーバーと旧サーバーとの比較

それでは、比較してみましょう。

アップロード

  新サーバー 旧サーバー
有効測定数 (回) 2,008 2,014
除外割合 (回) 1.00% (20) 1.09% (22)
閾値 3.824 5.071
エラーの割合 (回) 0.40% (8) 0.10% (2)
3秒以上の割合 (回) 5.03% (101) 19.12% (385)
中央値 (秒) 2.03 2.28
平均値 (秒) 2.11 2.48
ばらつき/標準偏差 (秒) 0.35 0.56

アップロードについては、全体的にレスポンスが向上していることを確認できます。日によって、夜間に転送性能が低下する傾向は似ていますが、問題にならない程度です。(平均値が小さくなったこともありますが) ばらつきも少なくなっており、安定した転送性能を維持していることが分かります。

ダウンロード

  新サーバー 旧サーバー
有効測定数 (回) 2,012 2,015
除外割合 (回) 0.05% (1) 0.45% (9)
閾値 3.210 4.446
エラーの割合 (回) 0.20% (4) 0.05% (1)
3秒以上の割合 (回) 0.50% (10) 5.31% (107)
中央値 (秒) 1.36 1.78
平均値 (秒) 1.44 1.92
ばらつき/標準偏差 (秒) 0.40 0.52

ダウンロードについては、性能向上がより明確となっています。旧サーバーでは夜間帯になると、分かりやすく転送性能が低下しています。しかし、新サーバーでは変動がなだらかであり、おそらく体感するほどではないでしょう。アップロードと同様に常時安定していることが分かります。

他のレンタルサーバーとの比較

アップロード ダウンロード Grubbs'
test
平均時間 (秒) ばらつき (秒) 平均時間 (秒) ばらつき (秒)
データの無断転載はご遠慮ください。
1. シックスコア 0.75 0.05 0.48 0.10
2. エックスサーバー 0.75 0.05 0.49 0.13
3. Sova WP 0.84 0.24 0.73 0.18
4. wpXクラウド 0.86 0.06 0.59 0.19
5. ミニバード 0.90 0.42 0.69 0.30
6. Webcrow 0.95 0.24 0.71 0.26
7. wpXレンタルサーバー 0.95 0.32 0.72 0.27
8. エックスドメイン(WordPress) 0.99 0.32 0.71 0.28
9. ファイアバード 1.04 0.49 0.72 0.30
10. X2 1.05 0.44 0.72 0.32
11. クローバー 1.10 0.48 0.86 0.38
12. Bizメール&ウェブ エコノミー 1.11 0.08 0.73 0.11
13. WPblog 1.21 0.33 0.75 0.25
14. エックスドメイン(PHP&MySQL) 1.33 0.26 1.13 0.25
15. Z.com WordPress(SFTP) 1.39 0.14 1.06 0.11
16. スタードメイン 1.44 0.67 1.19 0.29
17. ラクサバ 1.50 0.07 1.33 0.54
18. Quicca 1.53 0.09 0.89 0.09
19. ドメインキング 1.56 0.10 0.97 0.07
20. JETBOY 1.58 0.06 0.98 0.21
21. COREPRESS Cloud(SFTP) 1.61 0.07 1.72 0.12
22. FUTOKA 1.61 0.19 1.13 0.25
23. KAGOYA 1.61 0.10 1.08 0.21
24. ヘテムル 1.62 0.19 1.21 0.10
25. エクスクラウド 1.67 0.15 0.98 0.07
26. Z.com 1.73 0.11 1.06 0.09
27. バリューサーバー 1.77 0.24 1.08 0.14
28. バリューサーバー(SFTP) 1.83 0.27 1.33 0.15
29. アルファメール 1.88 0.69 1.53 0.33
30. コアサーバー 1.98 0.33 1.19 0.11
31. ロリポップ!(新サーバー) 2.11 0.35 1.44 0.40
32. お名前.com 2.14 0.69 1.25 0.16
33. Zenlogic 2.26 0.63 1.33 0.15
34. スマイルサーバ 2.38 0.30 2.46 0.29
35. ロリポップ!(旧サーバー) 2.48 0.55 1.92 0.52
36. WADAX 2.62 1.02 1.84 0.63
37. XREA 2.92 1.12 2.99 1.41
38. さくらインターネット 2.97 1.19 1.39 1.76
39. MixHost(SFTP) 3.00 0.24 1.93 0.13
40. CPI 3.09 0.16 1.36 0.12
41. MixHost 3.41 0.09 1.86 0.08
42. iCLUSTA+ 5.53 3.45 5.86 4.10
43. ちゅらうみレンタルサーバー 6.75 0.73 8.72 0.98
44. FC2レンタルサーバー(海外) 11.60 0.48 6.79 0.28
45. フレンドサーバー(海外) 12.10 0.50 7.47 0.19
46. FC2ホームページ(海外) 12.30 0.52 10.90 1.35
47. FC2 Lite(海外) 16.60 0.56 10.10 0.86
48. JETBOY(旧サービス)(海外) 20.90 0.78 11.40 0.40
49. Hostinger(海外) 33.40 7.13 20.50 1.83

新サーバーであっても上位のレンタルサーバーと比較すると、決して速いわけではありません。

他の高性能なレンタルサーバーを併用しているなら、少し気になるかもしれません。しかし、他サービスの利用経験がなく、ロリポップ!のみ使っているのであれば、必要十分な性能があるため特に不満は出ないでしょう。

測定結果 (未加工データ)

  アップロード ダウンロード
3秒以上の割合 (回) 5.03% (101) 0.50% (10)
中央値 (秒) 2.03秒 1.36秒
平均値 (秒) 2.15秒 1.44秒
ばらつき/標準偏差 (秒) 0.57秒 0.41秒

測定結果について!
レンタルサーバーは、一つのサービス (プラン) に対して多くのサーバーが運用されています。これらの測定結果は、その中の一つに過ぎません。契約時期により割り当てられるサーバーのスペックは異なる可能性があります。また、同じサーバーを利用する他のユーザーの負荷も影響します。

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