初心者にも分かるデータセンターの解説とレンタルサーバーとの関係

レンタルサーバーを調べていると「安心の国内大手データセンター」のような表現を見かけます。データセンター(DC)とはなんなのでしょうか?

デンターセンターは簡単に言うと「サーバーを安定して運用可能な設備のある施設」の総称となります。インターネット接続に特化したものをインターネットデータセンター(iDC)と呼ぶこともあります。

データセンターの特徴は、サーバーを安定運用させるための設備が高度なレベルで整備されていることです。そのため、企業やユーザーが自前でサーバーの運用環境を整備するより、運用コストや安定性など様々な面でメリットがあります。

データセンターの抽象的な構成をレイヤーで表すと以下の様になります。

  • 災害に強い土地(ロケーション)
    • 地震対策として断層から離れた安定した地盤。
    • 水害(津波や河川氾濫)対策として河川や海岸から離れた内陸部。
  • 建物の安全性(ファシリティ)
    • 災害対策設備
      • 耐震/免震/制震構造。防火壁。
      • サーバー等IT機器を傷めにくい窒素系のガスを用いた消火設備。
      • 電源装置の冗長化。無停電電源装置(UPS)や非常用発電装置による安定した電力供給。
    • 空調設備
      • 冷房空調機により、室温が常に一定に保たれた室温。電源と同様の冗長構成。
    • セキュリティ設備
      • データセンターには、重要なデータが保管されるため、有人の入退館管理や監視カメラによる365日24時間モニタリングなど、複数のセキュリティ設備が導入されています。
      • 最新のデータセンターとなると、静脈認証や顔認証といった生体認証技術も利用されます。
  • ネットワーク(コネクティビティ)
    • データ回線も冗長構成となっており、複数のデータ回線が接続されています。そのため、A社の回線にトラブルがあったとしても、B社の回線に切り換えるなどして常に安定したネットワークが利用可能です。

これらの設備の元にサーバーが設置されることで、どのようなトラブルがあっても安定稼働を可能としています。

データセンターのサービスの種類

いくつかのタイプについて紹介しますが、データセンターによっては内容や名称が異なることもあります。

  • ハウジング(コロケーション)
    • サーバーを自分で用意してデータセンターに持ち込みます。データセンターのサーバーラック、ネットワーク、電源を利用し、運用・管理は自分で行います。開発・テストは自社の環境で行い、実稼働時にデータセンターを利用するといった使い方ができます。
  • リモートハウジング/マネージド
    • サーバーを自分で用意するのはハウジングと変わりませんが、サーバーの設置・運用・管理を任せることができます。
    • リモートハウジングであればサーバーの運搬から設置まで、物理的な作業を全て任せることができます。ユーザーがデータセンターを訪れる必要がありません。
    • マネージドであれば、サーバーの運用・管理を任せることもできます。詳細はデータセンターとの契約内容次第といえます。
  • ホスティング
    • いわゆるレンタルサーバーのことです。全ての運用・管理をデータセンター(レンタルサーバー事業者)が行います。企業やユーザーは、サーバーを用意することなくデータセンターにあるサーバーを利用できます。
    • 1つのサーバーを複数ユーザーで共有する共有(共用)サーバー、仮想化マシン単位で利用するVPS、1つのサーバーを専有する専用サーバー、サーバの構成を柔軟に選択できるクラウド、などがあります。

色々なサービス形態が存在するため、データセンターによっては柔軟に構成を組み合わせることも可能です。上記の内容は基本的な構成であり、データセンターにより詳細は異なります。

データセンターの建設や維持には多額の費用がかかるため、多くのレンタルサーバー事業者は自社のデータセンターを持つことはなく、大手のデータセンターを利用しています。

例えば、さくらインターネットはデータセンター事業も行っており、自社のレンタルサーバー事業に利用するだけでなく、他社のレンタルサーバー事業者にも設備を提供しています。

レンタルサーバーを選ぶ際、データセンターを気にする必要はない

国内データセンターをアピールするレンタルサーバーもありますが、一部を除けばほぼ国内のデータセンターとなっています。バックボーンなどデータセンターにより性能に差がありますが、レンタルサーバー事業者との契約内容によって、利用可能なハードウェアのスペックやネットワークの帯域も調整されます。結局のところ、レンタルサーバーの性能は利用料金と比例すると言っても良いでしょう。

ただし、古くからサービスを行っているレンタルサーバー事業者は、古いハードウェアを更新せずに料金は据え置きということもあります。このような古いサービスは新規サービスと比較してコストパフォーマンスは良くありません。

海外のデータセンターは距離的な問題もあり、国内のデータセンターと比較するとレスポンスが悪くなります。海外のユーザーを対象としたサービスを展開するのであれば、海外現地のレンタルサーバーを利用するメリットはありますが、国内のユーザーを対象とするなら、国内のデータセンターを選ぶべきでしょう。