自宅でサーバーを運用するには?

自宅(家庭用回線)でサーバーを運用する方法を説明します。ただし、サーバー(OSなど)やルーターの説明はありません。メジャーなHTTPサーバーと言えばApache HTTP Serverでしょう。検索すればインストール方法や運用方法など多くの情報が見つかります。ルーターもメジャーな製品であれば、特に困ることはないでしょう。

インターネットプロバイダによっては、自宅サーバー禁止や別契約となっていることもあるので確認が必要です。また、プロバイダによっては転送量の制限に注意する必要があります。

自宅サーバーのメリット

  • 何でも自由にできるの一言に尽きます

余っているパソコンがあれば、OSを問わずサーバーに利用できます。共用レンタルサーバーではほとんど使えないJavaも使えます。他のプログラム言語も、特殊なアプリケーションの利用も自由です。

ハードウェアも予算が許す限り自由に選択することができます。レンタルサーバーのようにディスク容量や仕様の制限に気を遣う必要もありません。

自宅サーバーのデメリット

  • セキュリティ対策トラブルは全て自己責任
  • 家庭用回線なので多数のアクセスがあると遅くなります(専用回線なら別ですが)
  • 24時間稼働となればサーバーのスペックによっては電気代が気になります

何でも自由にできることがデメリットにもなり、全てを自分で管理する必要があります。就寝中や外出中にサーバーがダウンしても、誰も復旧してくれません。

もし、常時運用するサービスを開始するならバックアップ体制が必要となります。ただ、そこまで手間を掛けるならならレンタルサーバーを選択するでしょう。

DDoS攻撃やスパムメールの踏み台にされたり、うっかり設定を間違ってしまうと見せたくないファイルまで世界中に公開してしまうこともあります。少し大げさですが、セキュリティが甘ければ犯罪に利用されることもあります。

自宅サーバーで問題となること

自宅サーバーで問題となるのは、一般的な家庭用回線だとIPアドレス(インターネット上の住所)が固定されていないことです。IPアドレスの更新頻度はプロバイダーによって変わります。毎日定時に更新されるプロバイダもあれば、自宅ルータの再起動で更新されるプロバイダもあります。

同じ人へ手紙を送ろうと思って住所(IPアドレス)を調べたら、昨日は東京に住所があったのに今日は大阪になってる、みたいに毎日のように手紙の届け先が分からなくなります。

インターネットプロバイダによっては固定IPアドレスサービスというオプションもありますが、その費用で性能の良いレンタルサーバーを借りることができます。例えば、このサイトでよく出てくる家庭用回線のeo光の固定グローバルIPアドレスは月額4,000円とネットのみの月額料金とあまり変わりません。

ダイナミックDNSサービス

例えばIPアドレスでサーバーを運用するとしましょう。一日ごとにIPが更新されるプロバイダなら、知り合いに「今日は、203.0.113.90にアクセスして」と毎日伝えないといけません。特定のグループで利用するならそれでもよいかもしれません。

とは言え、この方法では普通にWebサイトを公開するのは無理があります。そこで登場するのが独自ドメインダイナミックDNS(DDNS)サービスです。

例えば、example.comという独自ドメインで説明します。ドメインもIPアドレスと一緒でインターネット上の住所といえます。ただし、家庭用回線ではIPアドレスが変化するため、ドメイン=IPアドレスとはなりません。

ダイナミックDNSサービスを簡単に説明すると、IPアドレスとドメインの対応(紐付け)を管理してくれるサービスです。

ダイナミックDNSサービスは、ドメインとIPアドレスをペアで管理しており、自宅サーバーのIPアドレスを登録することで、同じドメインで同じサーバー(自宅のサーバー)へのアクセスが可能となります。

国内外、有料無料、多くのDDNSサービスがあります。以下のサービスは一例です。

サブドメインを無料で提供しているサービスもあります。Dynamic DO!.jpではddo.jpのサブドメインを利用できます。例えば、example.ddo.jpといったドメインを利用することができます。いきなり独自ドメインの利用が難しいと感じれば、このようなサービスを利用しても良いでしょう。

独自ドメインを利用するなら、バリュードメインやお名前.comなど、ダイナミックDNSに対応しているレジストラで契約すると他のDDNSサービスを使う必要がなく管理も楽です。ドメイン料金は一般的なトップレベルドメイン(.comや.net)であれば、年間1,300円程度です。

IPアドレスが変わるとDDNSの設定も変更しないと行けない

気付いている方もいると思いますが、更新されたIPアドレスは誰がDDNSサービスに登録するのでしょう?DDNSサービスはあくまでも、ドメインとIPアドレスの対応を管理するのみです。自宅のIPアドレスが更新されても、DDNSのIPアドレスを更新しなければ、更新前のIPアドレスにアクセスされてしまします。

IPアドレスが変わる毎に手動で更新するのも面倒です。そこで、以下の様な方法でDDNSサービスにIPアドレスの更新を通知することができます。これらの方法であれば、自動的にIPアドレスが更新され、ドメインさえわかれば常に自宅サーバーにアクセスされるようになります。

  • ルーター自体がIP更新通知機能を備えており、IPアドレスが変更されるとDDNSサービスに自動的に通知してくれます。ただし、ルーターとDDNSサービス、それぞれが対応している必要があります。例えばNECのAtermならbiglobeのDDNSサービス(有料)を利用できます。
  • 更新用アプリケーションを利用する。例えばDiCE(ダイス)というダイナミックDNSクライアントというアプリケーションを利用すると、自動的にIPアドレスの通知を行ってくれます。
  • 自作するのも1つの方法です。wgetやcurlに対応しているサービスもあるので、cronでIPアドレスの更新を監視して、更新されたら通知するというのも1つの方法です。

まとめ

家庭用回線で自宅サーバーを運用するには、ダイナミックDNSサービスを利用すると手軽に始めることができます。ただし、コスト(電気代やメンテナンス労力)を考えると、最近では安くて性能の良いレンタルサーバーがあるので、特別な理由がなければあまりメリットがありません。

  • 例えばJavaなど、レンタルサーバーでは利用できないプログラム言語や、特殊なアプリケーションを使いたい場合。
  • 自宅サーバーの運用コストと専用サーバーやVPSのコストとを比較して、メリットが高いと感じる場合。
  • Linux等でサーバー運用の知識を深めたい。ネットワークやセキュリティに詳しくなりたい。

といった理由があれば、自宅サーバーは選択肢の1つとなります。