初回アクセス時に表示速度が低下!お名前.comレンタルサーバー

お名前.comのレスポンス性能(表示速度)を測定すると、基本料金の割にはあまり褒められない結果となりました。性能的には数百円クラスのサービスにも劣ります。さすがに最近のサービスでこのような性能はあり得ないと思い、原因を特定するために再測定を実施しました。

レンタルサーバーを選択する際、大切なポイントは「ウェブサイトの表示速度」です。訪問者を自分に置き換えれば、なかなか開かないページにイライラすることは想像に難くないでしょう。そして、レスポンスの悪さは検索エンジンの評価にも悪影響です。

これから説明しますが、この点から評価するとお名前.comレンタルサーバーは少し問題があるようです。

お名前.comレンタルサーバーの詳細は、こちらのレビューを参考にしてください。

測定方法

測定用サーバーから定期的にアクセスして、ウェブページの取得に要する時間を測定します。測定対象として動的ページと静的ページがあります。より詳しい内容は こちら を参考にしてください。

測定期間は 7日間 であり、5分ごとに2回の測定を行います。つまり、「7日×24時間×12回(60/5)×2回」の約4,000回となります。

測定対象  
動的ページ(WordPress) WordPressサイト(PHP&データベース)。コンテンツは平均的なウェブページの構成を採用(HTTP Archiveの統計データを利用)。
静的ページ(HTML) HTMLファイルによるサイト。WordPressが生成したデータをHTMLファイル化。PHPとデータベースを使用しません。

測定結果

  動的ページ(WordPress) 静的ページ(HTML)
有効測定 4,012回 4,014回
棄却検定除外 0% (0) 0.15% (6)
棄却検定閾値 10.13秒 1.62秒
エラー 0.50% (20) 0.45% (18)
3秒以上 42.3% (1,695) 0.02% (1)
中央値 1.53秒 0.72秒
平均値 3.30秒 0.72秒
ばらつき/標準偏差 2.47秒 0.18秒
測定結果について
測定実行のタイミングによりサーバーやネットワークの状態(混雑具合)が変動します。集計に影響を与える一時的な異常値(外れ値)を棄却検定「Grubbs’ test(α=0.001)」により省いています。これは測定サーバー側の異常を省く意味もあります。
ばらつき(標準偏差)は、レスポンスの 約68%平均値 ± ばらつき に、 約95%平均値 ± ばらつき×2 に収まることを示します。つまり、ばらつきが小さいほどレスポンスが安定していることになります。

お名前.comの表示速度が遅い理由

測定結果を詳しく確認すると、ある特徴(傾向)に気付きました。

この測定は5分間隔で実行しており、そのたびに2回ずつ測定しています。連続アクセスとならないように、初回アクセスから10数後に2回目を実施しています。

数値を確認すると初回と2回目とで大きな差があります。

  • 初回の平均値は「5.21秒」
  • 2回目の平均値は「1.38秒」

2回目の結果は他社と比較しても平均的な数値ですが、初回は海外のサーバーかと思うほどに悪い数値です。

測定プログラムの問題かと思い、実際にWebブラウザ(Chrome)で挙動を確認してみると、やはり同じような傾向があります。

Chromeのデバッグツールで確認すると、初回アクセス時と2回目とで大きな差があることが分かります。測定プログラムのログと同じ傾向ですが、PHP(index.php)のレスポンスが悪いわけではなく、それ以降のコンテンツ(jsやcss、画像など)のダウンロードが遅くなっていることが原因です。具体的には転送速度ではなく、緑色のバー(初回の応答待ち時間)が異常に遅くなっています。

他のレンタルサーバーでは見られない傾向となり、なぜこのような挙動となるかは不明です。

静的ページの場合、初回と2回目以降での変化はありません。

最近は分かりませんが、以前お名前.comではサイトへアクセスすると、一度リダイレクトされる仕様となっていました。おそらくセキュリティ対策が理由と思いますが、レンタルサーバーだけでなく公式サイトも同じ仕様となっていました。これが原因ではないと思いますが、何かしらの処理が発生していても不思議ではありません。

アクセス順を変更して測定

動的ページ(WordPress)も静的ページ(HTML)もコンテンツは全く同じです。違いは、最初にアクセス(取得)するファイルがPHPかHTMLかの違いだけです。

そこで、コンテンツを取得する順番を変更した測定も同時に実施しています。ブラウザではあり得ない挙動ですが、index.phpとindex.htmlを最後に取得します。

通常測定を標準(正順)、順番を変更したものを逆順とします。

  標準WordPress 標準HTML 逆順WordPress 逆順HTML
有効測定 4,012回 4,014回 4,027回 4,026回
棄却検定除外 0% (0) 0.15% (6) 0.70% (28) 0% (0)
棄却検定閾値 10.1秒 1.62秒 3.91秒 3.10秒
エラー 0.50% (20) 0.45% (18) 0.12% (5) 0.15% (6)
3秒以上 42.3% (1,695) 0.02% (1) 1.49% (60) 0.07% (3)
中央値 1.53秒 0.72秒 1.37秒 0.76秒
平均値 3.30秒 0.72秒 1.47秒 1.05秒
ばらつき/標準偏差 2.47秒 0.18秒 0.49秒 0.57秒
変動係数 74.9% 25.0% 33.3% 54.3%

同じコンテンツにもかかわらず、取得順序を変更しただけで大きな差が発生しました。

標準WordPressの2回目測定(初回より10数秒後の測定)のみの平均値は「1.38秒」でしたが、逆順の平均値も「1.47秒」とかなり近い値となっています。やはり、以下の条件でレスポンスが悪化することを確認できました。

  • 初回アクセス時(2回目以降でも時間が空けば)
  • 最初にPHP(index.php)へアクセスする。

ほぼ間違いなくサーバー側で何らかの処理が行われているようです。

同じサイトの別ページを続けて見る場合、時間が空かなければ問題は発生しません。しかし、セキュリティ対策かもしれませんが、初回アクセス時にこれだけ表示速度が低下するのは少し問題です。

さらに「同じ測定期間」「同じサーバー」に対して測定を行っているにもかかわらず、HTMLのレスポンスも正順と逆順とで変化しており、やはりお名前.comのサーバーは安定している印象が持てません。エラー発生率の異常な高さも気になります。

未加工データ

標準(正順)

  動的ページ 静的ページ
3秒以上 42.3% (1,695) 0.02% (1)
中央値 1.53秒 0.72秒
平均値 3.30秒 0.72秒
ばらつき/標準偏差 2.47秒 0.19秒

逆順

  動的ページ 静的ページ
3秒以上 1.49% (60) 0.07% (3)
中央値 1.39秒 0.76秒
平均値 1.51秒 1.05秒
ばらつき/標準偏差 0.89秒 0.57秒

測定結果について!
レンタルサーバーは、一つのサービス(プラン)に対して多数のサーバーが運用されています。これらの測定結果は、その中の一つに過ぎません。契約時期により割り当てられるサーバーのスペックは異なる可能性があります。また、同じサーバーを利用する他ユーザーの負荷も影響します。

関連記事