さくらインターネットのFTP性能を他のレンタルサーバーと比較しよう

この記事の内容は古い可能性があります。新しい記事も参考にしてください。

WordPress等のCMSをそのまま運用するならFTPの利用頻度は少ないかもしれません。ただし、オリジナルのWordPressテーマ、Webサイト、Webアプリケーションを開発するなら、レンタルサーバーのFTP性能を無視することはできません。

頻繁にファイルをアップロードしたり、サーバーにあるファイルを編集するなら、レスポンスの悪いレンタルサーバーを選ぶと非常にストレスとなり、作業効率も悪くなります。

この記事ではさくらインターネットのFTP性能についてまとめています。

FTP仕様

プラン ライト スタンダード プレミアム ビジネス ビジネスプロ
FTP/FTPS
SFTP ×
FTPアカウント × × ×

さくらインターネットは、 FTP/FTPS に対応しています。さらにライトプラン以上であれば、 SFTP にも対応します。

下位プラン(ライト、スタンダード、プレミアム)のFTPアカウントは初期の1つのみとなっており、(サブ)アカウントを追加することはできません。もしグループ作業等で複数のアカウントが必要なら上位プラン(ビジネス、ビジネスプロ)が必要となります。

上位プランであれば、アカウント毎にアクセス可能なディレクトリ(ドメイン)を制限することも可能です。

測定方法

  • Webページを構成する19ファイルのアップロードとダウンロード
    • テキストファイルや画像ファイル
  • 合計ファイルサイズは約1.8MB

最大3つのファイルを並列転送します。レンタルサーバーがそれ以上の同時接続を許可していて、FTPクライアントも並列転送に対応していれば、この測定結果より早く転送できることになります。

5分毎 にアップロードとダウンロードを実行します。

測定期間

測定期間は 7日間 です。

測定と言っても一度きりでは意味がないので、一定期間の継続した測定を行っています。一定期間測定することで、夜間と日中の差を確認することもできます。

測定経路

データセンターの所在地については、下記のページを参考にしてください。

さくらインターネットのデータセンターを探してみよう

家庭用回線からの測定となります。家庭用回線は測定中であってもサーバー以外のPCで普通にインターネットを利用しています。サーバーは測定専用として測定以外の処理は行っていません。

家庭用回線の測定環境
eo光(K-Opticom/関西電力)100Mタイプ
ルーターと測定用サーバーは有線接続

測定結果

  アップロード ダウンロード
測定回数 2,015 2,015
測定失敗 0.05%(1) 0.05%(1)
5秒以上 24.4%(491) 4.46%(90)
10秒以上 0.05%(1) 0%(0)
平均時間(秒) 3.80 1.08
ばらつき(秒) 1.64 1.01
転送速度(kbps) 3,807 13,376

転送速度は単純な計算値です。

エラー内訳  
アップロード(1) Connection time-out(1)
ダウンロード(1) Connection time-out(1)

他のレンタルサーバーとの比較

プロバイダー 環境など アップロード ダウンロード
公式サイト 平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %

0.750.740.050.10.480.440.10.05

0.750.750.050.20.490.440.130.1

0.840.740.2400.730.640.180

0.860.850.060.10.590.510.190.1

0.90.70.4200.690.580.30

0.950.880.240.20.710.620.260.1

0.950.830.320.20.720.660.270.1

WordPress

0.990.880.320.250.710.590.280.35

1.040.780.4900.720.620.30

1.050.860.440.250.720.610.320.05

1.10.840.480.20.860.720.380.2

1.111.10.083.170.730.70.111.87

1.211.10.330.350.750.690.250.3

PHP&MySQL

1.331.270.260.11.131.010.250.1

SFTP

1.391.350.1401.061.030.110

1.441.210.6701.191.110.290

1.51.490.0701.331.20.540

1.531.530.090.90.890.870.091

1.561.550.100.970.960.070

1.581.580.060.050.980.870.210

SFTP

1.611.60.0701.721.690.120

1.611.560.1901.131.210.250

1.611.60.101.080.970.210

1.621.550.190.051.211.20.10.05

1.671.660.150.250.980.970.070.25

1.731.730.1101.061.050.090

1.771.80.2401.081.040.140

SFTP

1.831.850.2701.331.290.150

1.881.710.6901.531.520.330

1.9820.3301.191.150.110

新サーバー

2.112.030.350.41.441.360.40.2

2.141.920.6901.251.220.160

2.262.030.630.31.331.270.150.3

2.382.310.30.052.462.420.290.05

旧サーバー

2.482.280.550.151.921.780.520.05

2.622.41.022.81.841.740.631

2.922.51.1202.992.481.410

2.972.441.190.051.390.541.760

SFTP

32.990.2401.931.90.130

3.093.120.1601.361.330.120.05

3.413.410.0901.861.840.080

5.533.923.450.355.863.954.10.25

6.7500.730.28.7200.980.1

海外

11.611.60.4806.796.740.280

海外

12.112.10.507.477.450.190

海外

12.312.30.52010.910.31.350.05

海外

16.616.50.560.210.110.20.860.25

海外

33.430.27.130.1520.5201.830.05

他のレンタルサーバーと比較するとアップロードが遅いという結果となりました。また、ばらつき(1.64秒)が大きいので、アップロードのたびに転送時間が変化しやすいことになります。つまり、速いときなら上位のレンタルサーバーより処理が早く終わりますが、遅い時はなかなかアップロードが終わりません。

ダウンロード性能は非常に優秀です。ただし、普通にサイト運営をするだけなら、ダウンロードを必要とする作業自体があまりないように思います。もし、頻繁にファイルを更新するような用途を目的とするなら、お試し期間を利用してアップロードの使用感を確認した方が良いでしょう。

同じデータセンターにある「エックスサーバー」と対照的な結果となっているのは面白いですね。ホスティングプロバイダによって、設定方針が違うのでしょう。エックスサーバーはダウンロードが遅く、アップロードが速くなっています。

関連記事

BLOG

UPDATE