GMOクラウド iCLUSTA+のFTP性能を他のレンタルサーバーと比較しよう

予め用意されているWordPress等のアプリケーションを、そのまま運用するだけならFTPの利用頻度は少ないかもしれません。しかし、オリジナルのWebサイト、Webアプリケーションを開発するなら、レンタルサーバーのFTP性能を無視することはできません。

頻繁にファイルをアップロード・ダウンロードしたり、サーバーにあるファイルを編集するなら、レスポンスの悪いレンタルサーバーを選ぶと非常にストレスとなり、作業効率も悪くなります。

それでは、iCLUSTA+ (アイクラスタプラス) のFTP性能について調べてみましょう。

FTP仕様

iCLUSTA+にはFTPアカウントのみの設定はありません。FTPアカウントやメールアカウント、さらにコントロールパネルへのアクセス権などをユーザー管理機能 (マルチユーザー機能) で設定します。

ユーザー管理機能で設定できるユーザーには、以下の4種類があります。

ユーザー ミニ レギュラー プロ マルチドメイン FTP
契約者 1 1 1 1 ×
ドメイン管理者 1 1 1 1
サイト管理者 1 無制限 無制限 1
一般ユーザー 10 無制限 無制限 10

契約者アカウントは契約時の初期アカウントのことで、プランごとに 1つのみ です。ほかのユーザー数はドメイン毎の上限となります。契約者アカウントではFTPを利用できないため、契約後にFTPが必要ならユーザーの追加が必要です。

レギュラーやプロのサイト管理者や一般ユーザーが無制限となっていますが、あくまでも契約時に登録した (主) ドメインのみです。後から追加したドメイン (サブドメイン) については マルチドメイン の上限が適用されます。

ユーザー毎にアクセス可能なディレクトリが異なります。 ドメイン管理者 はドメインに割り当てられたルートディレクトリ以下を操作できます。 サイト管理者 はルートディレクトリ内のドキュメントルート (いわゆるpublic_html) 以下にアクセスできます。一般ユーザーについては、Webサイトのデータとは無関係なユーザー毎のディレクトにのみアクセスできます。

明確にユーザー毎の権限が分かれています。例えば外部のデザイナーにファイル転送を依頼するために、一般ユーザーのアカウントを発行するという使い方も可能です。

測定方法

  • Webページを構成する19ファイルのアップロードとダウンロード
    • テキストファイルや画像ファイル
  • 合計ファイルサイズは約1.8MB

最大3つのファイルを並列転送します。レンタルサーバーがそれ以上の同時接続を許可していて、FTPクライアントも並列転送に対応していれば、この測定結果より早く転送できることになります。

5分毎にアップロードとダウンロードを実行します。

測定期間

測定期間は7日間です。

測定と言っても一度きりでは意味がないので、一定期間の継続した測定を行っています。一定期間測定することで、夜間と日中の差を確認することもできます。

測定経路

データセンターの所在地については、下記のページを参考にしてください。

家庭用回線からの測定となります。家庭用回線は測定中であってもサーバー以外のPCで普通にインターネットを利用しています。サーバーは測定専用として測定以外の処理は行っていません。

家庭用回線の測定環境
eo光(K-Opticom/関西電力)100Mタイプ
ルーターと測定用サーバーは有線接続

測定結果

  アップロード ダウンロード
有効測定数 (回) 2,009 2,011
Grubbs’ testによる除外数 89 52
エラーの割合 (回) 0.35% (7) 0.25% (5)
5秒以上の割合 (回) 30.4%(611) 32.0% (643)
10秒以上の割合 (回) 13.6% (274) 14.6% (293)
中央値 (秒) 3.92 3.95
平均値 (秒) 5.53 5.86
ばらつき/標準偏差 (秒) 3.45 4.10

測定回数は各2,016回です。有効測定数はエラーを省いた回数を示します。ネットワークの状態 (混雑具合) を考慮し、平均値やばらつきに大きな影響を与える結果をGrubbs’ test (α=0.01) により省いています。

エラー 内容
アップロード (7) FTP response timeout(2)
  Operation timed out (1)
  Access denied 530 (4)
ダウンロード (5) Operation timed out (2)
  Access denied 530 (3)

1アカウント (IPアドレス?) あたりの同時接続数の制約が厳しいようです。例えば、FTPクライアントの設定で同時接続数を 5 として、複数のファイルを転送するとエラー (530) が発生します。この測定では同時接続数を 3 としてますが、それでも稀にエラーが発生するようです。もしFTPを多用するなら同時接続数を少なく設定するとよいでしょう。

グラフを見ると少し面白い結果となっています。グラフの11/21、11/22,11/23は祝日を含む3連休なので、それ以外の 平日の日中 に負荷のピークがあるようです。これまで様々なサーバーを測定しましたが、平日のみ負荷が高いというレンタルサーバーは初めてですね。

測定ミスかと思いましたが、この期間に測定回線 (eo光) にもiCLUSTA+にも障害が発生していたわけではないので、元々このような傾向が強いのでしょう。あくまでも推測ですが、サーバー性能がどうこう言うより、データセンターの回線 (バックボーン) があまり太くないのかもしれません。

今回の測定結果に限りますが、休日のレスポンスであれば、他のレンタルサーバーと比較しても何も問題ありません。ただし、平日のレスポンスは少しストレスとなるでしょう。

他のレンタルサーバーとの比較

アップロード ダウンロード Grubbs'
test
平均時間 (秒) ばらつき (秒) 平均時間 (秒) ばらつき (秒)
データの無断転載はご遠慮ください。
1. シックスコア 0.75 0.05 0.48 0.10
2. エックスサーバー 0.75 0.05 0.49 0.13
3. ミニバード 0.90 0.42 0.69 0.30
4. Webcrow 0.95 0.24 0.71 0.26
5. ファイアバード 1.04 0.49 0.72 0.30
6. X2 1.05 0.44 0.72 0.32
7. クローバー 1.10 0.48 0.86 0.38
8. Bizメール&ウェブ エコノミー 1.11 0.08 0.73 0.11
9. エックスドメイン(PHP&MySQL) 1.33 0.26 1.13 0.25
10. スタードメイン 1.44 0.67 1.19 0.29
11. ラクサバ 1.50 0.07 1.33 0.54
12. Quicca 1.53 0.09 0.89 0.09
13. ドメインキング 1.56 0.10 0.97 0.07
14. JETBOY 1.58 0.06 0.98 0.21
15. FUTOKA 1.61 0.19 1.13 0.25
16. KAGOYA 1.61 0.10 1.08 0.21
17. ヘテムル 1.62 0.19 1.21 0.10
18. エクスクラウド 1.67 0.15 0.98 0.07
19. Z.com 1.73 0.11 1.06 0.09
20. バリューサーバー 1.77 0.24 1.08 0.14
21. バリューサーバー(SFTP) 1.83 0.27 1.33 0.15
22. アルファメール 1.88 0.69 1.53 0.33
23. コアサーバー 1.98 0.33 1.19 0.11
24. ロリポップ!(新サーバー) 2.11 0.35 1.44 0.40
25. お名前.com 2.14 0.69 1.25 0.16
26. Zenlogic 2.26 0.63 1.33 0.15
27. スマイルサーバ 2.38 0.30 2.46 0.29
28. ロリポップ!(旧サーバー) 2.48 0.55 1.92 0.52
29. WADAX 2.62 1.02 1.84 0.63
30. XREA 2.92 1.12 2.99 1.41
31. さくらインターネット 2.97 1.19 1.39 1.76
32. MixHost(SFTP) 3.00 0.24 1.93 0.13
33. CPI 3.09 0.16 1.36 0.12
34. MixHost 3.41 0.09 1.86 0.08
35. iCLUSTA+ 5.53 3.45 5.86 4.10
36. ちゅらうみレンタルサーバー 6.75 0.73 8.72 0.98
37. FC2レンタルサーバー(海外) 11.60 0.48 6.79 0.28
38. フレンドサーバー(海外) 12.10 0.50 7.47 0.19
39. FC2ホームページ(海外) 12.30 0.52 10.90 1.35
40. FC2 Lite(海外) 16.60 0.56 10.10 0.86
41. JETBOY(旧サービス)(海外) 20.90 0.78 11.40 0.40
42. Hostinger(海外) 33.40 7.13 20.50 1.83

他のレンタルサーバーと比較すると、時間帯や曜日によりばらつきが大きいため、単純に平均値を比較することはできません。とは言え、決してレスポンスがよいレンタルサーバーではないことは明らかです。もしiCLUSTA+を検討しているなら、FTPの利用頻度を考慮する必要がありそうです。

データについて
最新のデータが表示されるため、説明と異なる場合があります。
Grubbs’ test
グラブス検定により外れ値を除外しています。一時的なネットワークやサーバーの高負荷状態による異常値を省きます。グラブス検定を適用していない結果と比較して、良い結果となる傾向が高くなります。

関連記事