レンタルサーバー WAPPY(ワッピー)のFTP性能を調べてみよう

WordPressや他のCMSを既存のテーマで運用するならFTPの利用頻度は少ないかもしれません。ただし、オリジナルのテーマやWebサイト、Webアプリケーションを開発するなら、レンタルサーバーのFTP性能を無視することはできません。

頻繁にファイルをアップロードしたり、サーバー上のファイルを編集するならレスポンスの良いレンタルサーバーを選ばなければ非常にストレスとなり作業効率も悪くなります。そこでWAPPYのFTP性能を調べてみました。

一時的な測定をしても意味がありません。夜間のレスポンスは?日中は?休日は?など、ある程度の測定期間が必要です。もしかしたら曜日毎に変化するかもしれません。

測定方法

測定方法は下記のページを参照してください。HTTPレスポンス測定の説明ですが、仕組みとしては変わりません。ただし、並列転送を考慮したHTTP測定とは異なり、FTP測定はファイルを1つずつ転送しています。

レンタルサーバーが同時接続を許可していて、FTPクライアントが並列転送に対応していれば、この測定結果より早く転送できることになります。

レンタルサーバー性能の測定方法

  • 19ファイル(テキストファイルと画像ファイル)のアップロードとダウンロード
  • 合計ファイルサイズは約1.8MB

測定期間

2015年5月8日より14日間

測定ポイント

サーバー(データセンター)のロケーションについては、下記のページを参考にしてください。

家庭用回線とデータセンターからの測定となります。家庭用回線は測定中であってもサーバー以外のPCで普通にインターネットを利用してます。家庭用回線のサーバーは測定専用として測定以外の処理は行っていません。

  • 家庭用回線の測定環境
    • eo光(K-Opticom/関西電力)100Mタイプ
    • ルーターと測定用サーバーは有線接続

測定結果

  • 測定失敗:測定に失敗した割合
  • 10秒以上:転送に要した時間が10秒を超えた割合
  • 20秒以上:転送に要した時間が20秒を超えた割合
  • 平均時間:転送に要した時間の平均値
  • ばらつき:母標準偏差(グラフ上の値は標本標準偏差)

eo光(家庭用回線)からの測定結果

  アップロード ダウンロード
測定回数 2,016 2,016
測定失敗 0.05%(1) 0.05%(1)
10秒以上 16.1%(324) 5.36%(108)
20秒以上 0.94%(19) 0.35%(7)
平均時間(秒) 8.27 7.44
ばらつき(秒) 2.54 1.65
転送速度(kbps) 1,750 1,945

転送速度は単純な計算値です。実測値ではありません。

エラーの内訳は以下の通りです。

  • アップロード:1
    • タイムアウト:1
  • ダウンロード:1
    • タイムアウト:1

他のレンタルサーバーとの比較

プロバイダー 環境など アップロード ダウンロード
公式サイト 平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %

6.300.8708.0300.860

6.4200.8606.7500.80

6.500.5806.700.580

6.5601.305.1900.910

6.6901.30.056.4100.70.05

7.1901.090.056.6300.760.09

7.4601.5606.400.670

7.4901.1206.6400.60

7.9301.806.2200.690

8.2702.540.057.4401.650.05

9.500.640.146.700.530.07

エンタープライズ

10.801.8308.9101.310

11.502.1509.1201.10

11.5203.220.110.3101.610

12.101.6207.6100.690

14.401.640.276.6401.360.27

1605.110.112.204.570.19

16.202.22010.301.910

84.40082.980.6005.34

WAPPY(ワッピー)の評価

平均時間だけなら他社と比較しても転送速度が速いグループに入ります。ただし、グラフを見て分かる通り ばらつきが大きい ようです。ばらつき(標準偏差)が大きいので、時間帯によってはアクセスするたびにレスポンスが変化がしてストレスになるかもしれません。

グラフを見ると時間帯で変化がありそうですが、利用者の多くなる夜間にピークが来たり来なかったりと、傾向のつかみにくい結果となっています。休日は利用者が少ないのか平日と比較してレスポンスが良くなっています。少し不思議なレンタルサーバーですね。

Webサイトのレスポンス測定も、若干ばらつきの大きい結果となっていたので、そのような特徴のあるレンタルサーバーなのかもしれません。あまり良いことではありませんが・・・

初期費用が無料なのでエコノミープランなら1,080円で1ヶ月だけ利用することができます。興味があれば試してみるのも良いかもしれません。

参考結果:ドメインキングからの測定結果

  アップロード ダウンロード
測定回数 2,016 2,016
測定失敗 0.30%(6) 0.55%(11)
10秒以上 61.3%(1235) 30.4%(612)
20秒以上 2.38%(48) 0.69%(14)
平均時間(秒) 11.3 10.0
ばらつき(秒) 2.79 2.06
転送速度(kbps) 1,280 1,447

転送速度は単純な計算値です。実測値ではありません。

エラーの内訳は以下の通りです。

  • アップロード:6
    • タイムアウト:6
  • ダウンロード:11
    • タイムアウト:11

ドメインキングからの測定は、家庭用回線からの測定に間違いがないかを確認するために行っています。データセンター間となると基幹網(バックボーン)での接続となるため、家庭用回線の結果と比較しても意味がありません。

例えば、多数のエラーや大きな遅延が同じタイミングで発生していれば、測定対象のレンタルサーバーに問題があることが分かります。

家庭用回線より悪い結果となっているのはメインキングの性能の限界かもしれません。ドメインキングは他のユーザーの影響を受けやすいですし、他の測定結果でも家庭用回線の結果に負けることがあります。

あくまでも参考結果なので、WAPPYの性能が悪いと勘違いしないようにしてください。

全体的には家庭用回線の測定結果と同様にばらつきの大きさが目立ちます。タイムアウトが発生していますが、大きなトラブルや差がなく家庭用回線の測定結果に問題はなさそうです。


測定結果について

測定結果は測定時期やネットワーク環境、レンタルサーバーの状態により大きく変動します。特に共用レンタルサーバーは1つのサーバーを複数のユーザーでシェアします。ユーザーが多ければ使えるリソース(CPUやメモリ、ネットワーク)は少なくなりパフォーマンスに影響します。ユーザーが少なくても少数のパワーユーザーがいれば、大きな負荷となりレスポンスが低下します。この測定結果はあくまでも1つの例として参考にしてください。

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