wpXクラウド はサービスの提供を終了しました。

現在は wpX Speed として、新しいサービスを提供しています。

WordPress開発者にうれしい!ファイル転送性能も優秀なwpXクラウド

wpXクラウドはエックスサーバー社が運営するWordPressの運用に特化したレンタルサーバーです。ウェブサイトのレスポンス性能を限界まで向上させるために、WordPress専用にチューニングされたキャッシュシステムや、高性能なハードウェアを採用していることが特徴です。wpXクラウドの詳細については レビュー をご覧ください。

レンタルサーバーを選ぶときにFTPのファイル転送性能を気にする人はほとんどいません。しかし、ウェブサイトのデザインや機能を頻繁に更新するなら、転送速度が遅いと作業効率が悪くなり、ストレスにもなります。wpXクラウドはWordPress専用のサービスであるため、汎用的なレンタルサーバーと比較すると、FTPの使用頻度は低くなるかもしれません。しかし、プラグインやテーマを開発するなら重要な検討項目でしょう。

レンタルサーバーを検討するときの絶対的な条件ではありませんが、あらかじめ確認しておけば、契約後に後悔することはありません。ここではwpXクラウドのファイル転送性能の評価と他社との比較を行います。

メモ
wpXにはレンタルサーバーとクラウドの2タイプが存在します。この記事はwpXクラウドを対象としたものです。wpXレンタルサーバーを対象とした測定については こちら を参考にしてください。

wpXクラウドのFTP仕様

セキュアなFTPSにも対応しているため、安全なファイル転送が可能です。さらに、国外IPアドレスからの接続を拒否することも可能です。

FTPアカウントは 1つのみ なので、グループでの管理には向かないかもしれません。

WordPress専用が理由ではありませんが、アクセス可能なディレクトリに制限があります。一般的なレンタルサーバーであれば、ドキュメントルートより上位のディレクトリにもアクセスできますが、wpXではWordPressの インストールディレクトリ以下 に制限されます。つまり、ドキュメントルートが最上位ディレクトリとなります。そのため、非公開領域が存在しません。もし公開したくないファイルを保存するなら.htaccess等でアクセスを制限する必要があります。

初期設定
「/wp-content」がFTPアカウントのホームディレクトリとなっています。オプション設定で「public_html」に変更できます。
ファイルマネージャ
wpXには他サービスにあるファイルマネージャ(ウェブアプリケーション)がありません。ファイルやディレクトリの操作にFTPクライアントが必須です。

測定方法

5分毎 にアップロードとダウンロードを実行します。

  • Webページを構成するファイルのアップロードとダウンロード
    • テキストファイルや画像ファイル
    • (HTTP)レスポンス性能の評価に利用しているサイト(ページ)を構成するデータ群
  • 合計ファイルサイズは約2MB(約20ファイル)

最大3つのファイルを並列転送します。レンタルサーバーがそれ以上の同時接続を許可していて、FTPクライアントも並列転送に対応していれば、この測定結果より早く転送できることになります。

測定期間

測定期間は 7日間 です。

測定といっても一度きりでは意味がないため、一定期間の継続した測定を行っています。「たまたま利用者が少なくレスポンスが良かった」「一時的なトラブルが原因でレスポンスが悪かった」という、誤った結果となることを(完全ではありませんが)防げます。

一定期間測定することで、利用者数(訪問者数)が変動する日中、夜間、深夜の差を確認することもできます。例えば、利用者の少ない深夜と、利用者の多い日中との差が小さければ、負荷に強いサーバーということを推測できます。

測定経路

wpXクラウドは同社のエックスサーバー等と同様に、さくらインターネットの大阪データセンターで運用されています。ネットオウルのレンタルサーバーやSova WPでも採用されており、高性能かつ安定性のある高品質なデータセンターです。

経路図は測定元からデータセンターまでのネットワークを示しており、経由するIX(インターネットエクスチェンジ)等を含みます。測定元はK-Opticom(関西電力)のネットワーク内、関西圏(赤い円)にあるサーバーです。

サーバーは 測定専用 として測定以外の処理は行っていません。

測定環境
eo光(K-Opticom/関西電力)100Mタイプ
ルーターと測定用サーバーは有線接続

測定結果

  アップロード ダウンロード
有効測定 2,014回 2,014回
棄却検定除外 3.62% (73) 0.25% (5)
棄却検定閾値 1.14秒 1.48秒
エラー 0.10% (2) 0.10% (2)
3秒以上 0.89% (18) 0% (0)
中央値 0.85秒 0.51秒
平均値 0.86秒 0.59秒
ばらつき/標準偏差 0.06秒 0.19秒
測定結果について
有効測定はエラーを省いた回数を示します。
測定実行のタイミングによりサーバーやネットワークの状態(混雑具合)が変動します。集計に影響を与える一時的な異常値(外れ値)を棄却検定「Grubbs' test(α=0.001)」により省いています。これは測定サーバー側の異常を省く意味もあります。
ばらつき(標準偏差)は、転送時間の 約68%平均値 ± ばらつき に、約95%平均値 ± ばらつき×2 に収まることを示します。つまり、ばらつきが小さいほど転送性能が安定しているといえます。
未加工データ(生データ)は最後に掲載しています。
エラー内容  
アップロード [2] Bad PASV/EPSV response: 425 [2]
ダウンロード [2] Bad PASV/EPSV response: 425 [2]

wpXクラウドの評価

wpXクラウドのハードウェア構成などの仕様はwpXレンタルサーバーと同等であり、違うのは運用方法だけです。そのため、ウェブサイトのレスポンス性能も似たような結果となっています。同様にファイル転送性能(FTP)に関しても、非常に優秀な結果となっており、多くのサービスの中でも最高クラスの性能があります。

サーバーの負荷がピークとなる夜間帯にレスポンスが落ちるような傾向もありません。グラフとばらつきから、いつでも転送速度が安定していることが分かります。エラーが少し発生していますが、気にするほどの頻度ではありません。他サービスでも発生する程度のものです。

転送速度はトップクラスであり、レスポンスの変動が少なく安定しています。これ以上は考察する必要がありませんね。

WordPress専用ということもあり、第三者が開発したプラグインやテーマでカスタマイズするだけなら、FTPの使用頻度は低いかもしれません。それでも、少し特殊なwpXを契約するようなサイト運営者なら、プラグインやテーマを開発することも多いでしょう。そのような開発者にとってwpXクラウドは非常に快適な環境といえます。

他のレンタルサーバーとの比較

プロバイダー 環境など アップロード ダウンロード
公式サイト 平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %

0.750.740.050.10.480.440.10.05

0.750.750.050.20.490.440.130.1

0.840.740.2400.730.640.180

0.860.850.060.10.590.510.190.1

0.90.70.4200.690.580.30

0.950.880.240.20.710.620.260.1

0.950.830.320.20.720.660.270.1

WordPress

0.990.880.320.250.710.590.280.35

1.040.780.4900.720.620.30

1.050.860.440.250.720.610.320.05

1.10.840.480.20.860.720.380.2

1.111.10.083.170.730.70.111.87

1.211.10.330.350.750.690.250.3

PHP&MySQL

1.331.270.260.11.131.010.250.1

SFTP

1.391.350.1401.061.030.110

1.441.210.6701.191.110.290

1.51.490.0701.331.20.540

1.531.530.090.90.890.870.091

1.561.550.100.970.960.070

1.581.580.060.050.980.870.210

SFTP

1.611.60.0701.721.690.120

1.611.560.1901.131.210.250

1.611.60.101.080.970.210

1.621.550.190.051.211.20.10.05

1.671.660.150.250.980.970.070.25

1.731.730.1101.061.050.090

1.771.80.2401.081.040.140

SFTP

1.831.850.2701.331.290.150

1.881.710.6901.531.520.330

1.9820.3301.191.150.110

新サーバー

2.112.030.350.41.441.360.40.2

2.141.920.6901.251.220.160

2.262.030.630.31.331.270.150.3

2.382.310.30.052.462.420.290.05

旧サーバー

2.482.280.550.151.921.780.520.05

2.622.41.022.81.841.740.631

2.922.51.1202.992.481.410

2.972.441.190.051.390.541.760

SFTP

32.990.2401.931.90.130

3.093.120.1601.361.330.120.05

3.413.410.0901.861.840.080

5.533.923.450.355.863.954.10.25

6.7500.730.28.7200.980.1

海外

11.611.60.4806.796.740.280

海外

12.112.10.507.477.450.190

海外

12.312.30.52010.910.31.350.05

海外

16.616.50.560.210.110.20.860.25

海外

33.430.27.130.1520.5201.830.05

hostingstockで測定した各レンタルサーバーのファイル転送性能です。詳細はリンク先をご覧ください。

このように比較すると、wpXクラウドのファイル転送性能(FTP)の優秀さが分かります。

測定結果(未加工データ)

  アップロード ダウンロード
3秒以上 0.89% (18) 0% (0)
中央値 0.86秒 0.52秒
平均値 0.91秒 0.59秒
ばらつき/標準偏差 0.30秒 0.20秒

測定結果について!
レンタルサーバーは、一つのサービス(プラン)に対して多くのサーバーが運用されています。これらの測定結果は、その中の一つに過ぎません。契約時期により割り当てられるサーバーのスペックは異なる可能性があります。また、同じサーバーを利用する他のユーザーの負荷も影響します。

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