エックスサーバーのレスポンス性能と安定性を調べてみよう - その3

エックスサーバーの新しい測定結果があります。

別の記事にも書きましたが、「レンタルサーバーと畳は新しい方が良い」ということで、新規に手続きを行ったエックスサーバー(XServer)でレスポンス性能と安定性を測定してみました。

他社のレンタルサーバーを測定していると、エックスサーバーが料金の割に遅いということが腑に落ちませんでした。例えば、同じデータセンターで稼働しているネットクロウやさくらインターネットより測定結果が良くありません。ミニバードやファイアバードなど、倍以上の料金差があるレンタルサーバーに劣ります。

別記事の通り、契約時期が新しいほどスペックの良いサーバーが割り当てられることが分かったため、再測定することにしました。測定結果が変わらなければ、評判ほどのレンタルサーバーではないことが分かります。

このサイトはエックスサーバーを利用しているので、良い結果が出ても複雑な気分にはなりますが・・・

測定方法

測定方法は下記のページを参照してください。

レンタルサーバー性能の測定方法

測定期間

2015年6月1日より10日間

測定ポイント

サーバー(データセンター)のロケーションについては、下記のページを参考にしてください。

エックスサーバーのデータセンターはどこにあるのか?

家庭用回線からの測定となります。家庭用回線は測定中であってもサーバー以外のPCで普通にインターネットを利用してます。家庭用回線のサーバーは測定専用として測定以外の処理は行っていません。

  • 家庭用回線の測定環境
    • eo光(K-Opticom/関西電力)100Mタイプ
    • ルーターと測定用サーバーは有線接続

測定結果

  • 測定失敗: ダウンロードが失敗した割合
  • 3秒以上: ダウンロードに要した時間が3秒を超えた割合
  • 10秒以上: ダウンロードに要した時間が10秒を超えた割合
  • 平均時間: ダウンロードに要した時間の平均値
  • ばらつき: 母標準偏差(グラフ上の値は標本標準偏差)

eo光(家庭用回線)からの測定結果

  動的サイト 静的サイト
測定回数 5,754 5,754
測定失敗 0%(0) 0%(0)
3秒以上 0.31%(18) 0.14%(8)
10秒以上 0%(0) 0%(0)
平均時間(秒) 0.84 0.50
ばらつき(秒) 0.37 0.31

ページが開くまで待てる時間は 3秒以内

快適なWebサイトの条件として3秒以内のレスポンスが1つの基準となります。前回の測定と同様にWordPressや静的サイトであれば十二分な性能であることが分かります。夜間に負荷のピークを迎えるのも同様です。

調査では、3秒を過ぎると57%のユーザーがしびれを切らし、訪問を諦めることがわかった。どんなに美しいサイトを作ったところで、3秒以内に表示されなければユーザーの目に触れるチャンスすらないということになる。

3秒が許容範囲 - Webサイトのパフォーマンスが重要な理由 | マイナビニュース

他のレンタルサーバーとの比較

公式サイト   WordPress Static
環境 平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %

0.210.210.0100.210.210.010

PHP5/CGI

0.240.220.0500.430.540.20

PHP7/CGI

0.240.210.0700.240.210.060

0.250.230.060.020.260.230.080.42

Xキャッシュ

0.290.250.0900.280.250.070

0.370.350.0800.360.350.050

0.380.370.0500.570.660.190

PHP7/FastCGI

0.40.40.1200.230.220.030

WordPressサーバー

0.420.350.200.40.350.150

0.430.470.2100.430.220.310

PHP7/FastCGI

0.450.450.1500.290.260.090

PHP7

0.460.450.030.050.350.310.10.02

キャッシュ無効

0.470.520.1500.430.540.210

PHP5/FastCGI

0.470.470.1200.230.220.030

0.540.70.2500.360.330.090.02

PHP5/FastCGI

0.550.540.1700.330.290.110

0.620.620.030.10.410.340.140.17

PHP7

0.620.590.3200.380.310.20

PHP7/Module

0.620.590.1100.40.390.040

キャッシュ無効

0.620.610.1200.380.370.050

PHPサーバー

0.620.70.2600.340.290.10

PHP5

0.630.620.0300.320.310.030

PHP7

0.630.590.3300.370.310.180

0.640.610.100.480.450.090

PHP7/CGI

0.660.620.1200.390.380.050

0.6600.2200.6600.230

0.670.650.070.150.520.470.140.15

キャッシュ

0.680.680.0600.690.690.060

PHP7/CGI

0.70.680.0900.510.490.070

PHP5

0.710.690.3300.370.30.180

0.710.730.300.350.310.110

0.720.710.0500.240.240.010

0.750.630.3100.560.470.290

PHP5

0.750.70.3700.370.310.160

モジュール

0.80.750.160.150.370.360.060.1

0.830.790.3900.340.280.150

PHP7

0.840.80.2600.740.690.160

PHP7

0.840.840.1400.670.670.060

PHP7

0.850.840.0600.670.660.050

PHP7

0.880.840.160.750.610.570.10

0.910.860.1600.510.490.070

0.920.880.200.640.610.240

0.930.920.0500.650.650.040

PHP5

0.930.920.1600.670.670.060

0.950.950.1200.520.50.080

CGI

0.950.90.1600.390.370.070

PHP5/FastCGI

0.970.960.40.150.420.410.070.07

PHP5

10.980.3100.770.80.140

PHP5/CGI

1.040.80.7700.530.490.110

1.051.010.1200.810.740.190

PHP5

1.11.050.1600.60.560.10

1.141.140.0400.270.260.020

ライトプラン

1.441.221.300.510.370.670

1.961.920.630.021.631.560.590.02

2.091.71.070.931.241.170.420.6

2.2300.650.111.9100.60.07

PHP5/FastCGI

2.722.550.670.072.412.170.660.07

PHP5/FastCGI

2.92.780.510.352.522.370.430.15

PHP7/FastCGI

2.922.80.530.272.572.460.360.22

PHP7

3.181.572.340.350.710.710.180.22

PHP5

3.31.532.470.50.720.720.180.45

3.363.090.630.022.892.720.350

3.7800.50.073.7700.510.1

4.564.530.3104.244.220.340

5.75.720.830.025.135.140.810.02

8.056.723.081.687.826.43.231.41

00000.340.290.150

00006.136.270.450

比較表は常に最新の測定結果を利用するため、この記事の測定結果と異なる場合があります。

前回の測定結果との比較

  前回の測定 今回の測定
平均時間(秒) 1.28 0.84
ばらつき(秒) 0.66 0.37
  • 前回の測定
    • このサイトで利用しているサーバー。2013年11月に契約。
  • 今回の測定
    • 2015年6月に契約。

1年半前に契約したサーバーとの差がかなりあります。導入時期でサーバーのスペックが変わるのは仕方ありませんが、やはりスペックの高い新しいサーバーのレスポンスが優れているという結果となりました。違うのはサーバー本体だけではないかもしれませんが、そこまでは分かりません。

過去の契約者に対して不公平感が出ないように収容数で調整しているのかと思いましたが、残念ながらそうでもなさそうです。この結果だけを見ると、定期的に別のレンタルサーバーに引っ越すのも良さそうな気がします。

それでもしっかりと設備投資していることが分かったので、今後も安心して利用できると考えることもできます。ただ、長期利用のユーザーにはサーバーの変更を可能にするなどのサービスがあると嬉しいですね(以前はあったようですが)。

前回の測定結果では素直にオススメできなかったエックスサーバーですが、これから新規に契約するユーザーであれば、機能も充実していてバランスがとれた非常におすすめできるレンタルサーバーです。

データセンターのおかげ?

測定対象が同じ関西圏と距離的な利はありますが、さくらインターネットのデータセンターにあるレンタルサーバーは全て優秀な結果を出しています。さくらインターネット、ネットクロウ、エックスサーバーと、コントロールパネルもオリジナルで使いやすく、この3社はおすすめできるレンタルサーバーです。

測定結果について

測定結果は測定時期やネットワーク環境、レンタルサーバーの状態により大きく変動します。特に共用レンタルサーバーは1つのサーバーを複数のユーザーでシェアします。ユーザーが多ければ使えるリソース(CPUやメモリ、ネットワーク)は少なくなりパフォーマンスに影響します。ユーザーが少なくても少数のパワーユーザーがいれば、大きな負荷となりレスポンスが低下します。この測定結果はあくまでも1つの例として参考にしてください。

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