ロリポップ!のFTPレスポンス性能を調べてみよう!

WordPress等のCMS(Content Management System)をそのまま運用するならFTPの利用頻度は少ないかもしれません。ただし、オリジナルのWordPressテーマ、Webサイト、Webアプリケーションを開発するなら、レンタルサーバーのFTP性能を無視することはできません。

頻繁にファイルをアップロードしたり、サーバー上のファイルを編集するならレスポンスの良いレンタルサーバーを選ばなければ非常にストレスとなり作業効率も悪くなります。

測定方法

測定方法は下記のページを参照してください。HTTPレスポンス測定の説明ですが、仕組みとしては変わりません。ただし、並列転送を考慮したHTTP測定とは異なり、FTP測定はファイルを1つずつ転送しています。

レンタルサーバーが同時接続を許可していて、FTPクライアントが並列転送に対応していれば、この測定結果より早く転送できることになります。

レンタルサーバー性能の測定方法

  • 19ファイル(テキストファイルと画像ファイル)のアップロードとダウンロード
  • 合計ファイルサイズは約1.8MB

測定期間

  • 2015年6月17日より10日間

測定と言っても一度きりでは意味がないので、一定期間の継続した測定を行っています。一定期間測定することで、夜間や日中の差や休日と平日の差を見ることができます。もしかしたら、曜日毎の変化があるかもしれません。

測定ルート

サーバー(データセンター)の所在地については、下記のページを参考にしてください。

ロリポップ!のデータセンターを探してみよう

家庭用回線からの測定となります。家庭用回線は測定中であってもサーバー以外のPCで普通にインターネットを利用しています。家庭用回線のサーバーは測定専用として測定以外の処理は行っていません。

  • 家庭用回線の測定環境
    • eo光(K-Opticom/関西電力)100Mタイプ
    • ルーターと測定用サーバーは有線接続

eo光(家庭用回線)からの測定結果

  • 測定失敗:測定に失敗した割合
  • 10秒以上:転送に要した時間が10秒を超えた割合
  • 20秒以上:転送に要した時間が20秒を超えた割合
  • 平均時間:転送に要した時間の平均値
  • ばらつき:母標準偏差(グラフ上の値は標本標準偏差)
  アップロード ダウンロード
測定回数 1,344 1,344
測定失敗 0%(0) 0%(0)
10秒以上 67.7%(910) 13.7%(184)
20秒以上 0.22%(3) 0.07%(1)
平均時間(秒) 11.5 9.12
ばらつき(秒) 2.15 1.10
転送速度(kbps) 1,259 1,586

転送速度は単純な計算値です。実測値ではありません。

他のレンタルサーバーとの比較

プロバイダー 環境など アップロード ダウンロード
公式サイト 平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %

6.300.8708.0300.860

6.4200.8606.7500.80

6.500.5806.700.580

6.5601.305.1900.910

6.6901.30.056.4100.70.05

7.1901.090.056.6300.760.09

7.4601.5606.400.670

7.4901.1206.6400.60

7.9301.806.2200.690

8.2702.540.057.4401.650.05

9.500.640.146.700.530.07

エンタープライズ

10.801.8308.9101.310

11.502.1509.1201.10

11.5203.220.110.3101.610

12.101.6207.6100.690

14.401.640.276.6401.360.27

1605.110.112.204.570.19

16.202.22010.301.910

84.40082.980.6005.34

ロリポップ!の評価

良くも悪くも月額料金に見合った性能と言えます。実際のFTPクライアントのレスポンス(操作感)は、快適とは言えませんが問題もありません。ただし、レスポンスの良いレンタルサーバーの使用経験があれば、ストレスを感じるかもしれません。

ダウンロードは非常に安定していますが、アップロードについては前半の結果が少し悪いようです。同時期に測定したWebサイトのレスポンスも安定しているので、アップロードのみ何かしら遅くなる原因があるようです。ただし、どのレンタルサーバーであっても、アップロードの測定結果は安定しないことがあります。エラーは発生していないので、あまり気にする必要はないかもしれません。

利用者の多い夜間に遅くなるといった、時間帯による変化は少ないようです。

測定結果と FTPクライアントの操作感 を比べると以下の様になります。これはあくまでも 主観的 な評価となりますが、平均時間が短いほど操作感(レスポンス)が快適になることは間違いありません。

  • 10秒未満
    • 快適に利用できます。
  • 10秒 ~ 15秒
    • 全ての操作で少し待つ(引っかかる)感じがします。初心者ならあまり気にならないでしょう。
  • 15秒 ~ 20秒
    • 明らかにレスポンスが悪くなります。Webサイトの機能やデザイン等を頻繁に更新する用途に向きません。
  • 20秒以上
    • FTPクライアントの利用がストレスとなります。他のレンタルサーバーを検討しましょう。

関連記事

BLOG

UPDATE