メール非対応レンタルサーバーに設定した独自ドメインでメールを利用する方法

wpXクラウドやZ.comのWordPress専用サーバーなど、メールに対応していないサービスがあります。それでも、Webサイトと同じ独自ドメインでメールを利用したいと思うのは普通のことでしょう。このような場合、メールサービスやメール対応レンタルサーバーを別途契約することで、同じ独自ドメインによるメールが可能となります。すでに他のレンタルサーバーを契約しているなら、それを利用すると余計な費用がかかりません。もし、ムームードメインでドメインを管理しているのであれば、わずか年額600円でメールサービスを利用できます。

メールサーバーとWebサーバーの分離は、DNSレコードの設定で実現します。ここでは、以下の条件で説明しますが、他のレンタルサーバーやレジストラ (お名前.comやバリュードメインなど) であっても同じような手続きで対応できます。

  • メール非対応レンタルサーバー
    • Z.com WordPress専用サーバー
  • メール対応レンタルサーバー
    • Z.com 共用サーバー
  • レジストラ (ドメイン管理)
    • ムームードメイン

この記事で説明する方法は、あくまでも一つの例です。他の記事でも説明していますが、レジストラの設定は変更せずにレンタルサーバー側のDNS設定のみで対応することも可能です。

注意
DNSの設定を間違うとWebサイトへのアクセスに不具合が発生します。設定を変更する際には細心の注意を払いましょう。不慣れな場合、すでに稼働してるサイトでの変更はお勧めしません。

DNSレコードの変更に必要な情報

DNS (Domain Name System) とは、ドメインとIPアドレスとの紐付けを管理する仕組みのことです。簡単な説明は下記をご覧ください。

ドメインとは? 独自ドメインとレンタルサーバを使うメリット

ここでは独自ドメイン example.com を例として説明します。DNSレコードの設定に必要な情報は以下の通りです。

  • WordPress専用サーバーのIPアドレス
  • 共用サーバーのIPアドレス
  • メールサーバーのホスト名 (FQDN)

共用サーバーでの作業

メールサーバーとして利用するZ.com共用サーバーでの作業内容です。

独自ドメインの追加

  • cPanel (コントロールパネル) で独自ドメイン example.com を追加します。

メールアカウントの作成

ついでにメールアカウントも作成しておきましょう。ここでは hostingstock@example.com とします。

サーバーのIPアドレスとメールサーバーのホスト名を確認

DNSレコードの設定に必要な、 共用サーバーのIPアドレスメールサーバーのホスト名 を確認します。この例では以下のようになります。

  • 共用サーバーのIPアドレス
    • 157.7.174.40
  • メールサーバーのホスト名
    • mx01.wh.tyo1.cloud.z.com
    • (mail.example.comでも可)

WordPress専用サーバーでの作業

Webサーバーとして利用するWordPress専用サーバーでの作業内容です。

独自ドメインの追加

  • Z.comのコントロールパネルで独自ドメイン example.com を追加します。

ドメインの切り替え

  • WordPressサーバーのコントロールパネルでURL (ドメイン) を example.com に切り替えます。

サーバーのIPアドレスを確認

WordPress専用サーバーのIPアドレスを確認します。

  • WordPress専用サーバーのIPアドレス
    • 133.130.104.18

ムームードメインでの作業

ムームーDNS機能 を利用してDNSレコードのカスタマイズを行います。

  • サイドメニューの ムームーDNS をクリックします。
  • example.com利用する をクリックします。

  • カスタム設定 をクリックします。

  • 設定2 を利用します。

これまでの作業で確認した内容を入力します。

  • [1] A 133.130.104.18
    • example.com と 133.130.104.18 (WordPress専用サーバーのIPアドレス) の紐付け
  • [2] MX mx01.wh.tyo1.cloud.z.com
    • メールサーバーのホスト名
  • [3] www A 133.130.104.18
    • www.example.com (Webサーバー) と 133.130.104.18 の紐付け
  • [4] mail A 157.7.174.40
    • mail.example.com (Mailサーバー) と 157.7.174.40 (共用サーバー) の紐付け

これで、WebサーバーへのアクセスはWordPress専用サーバー、Mailサーバーへのアクセスは共用サーバーが利用されます。

ネームサーバーの確認

すでに、example.com を他のサーバーで利用していた場合、ネームサーバーの設定をムームーDNS用に変更する必要があります。設定が図のようになっていない場合、ネームサーバ設定変更 をクリックします。

最上部にある ムームードメインのネームサーバー (ムームーDNS) を使用する を選択します。

最終確認

Macならターミナル、Windowsならコマンドプロンプトで nslookup を利用します。

> nslookup
> set type=A
> www.example.com

www.example.com canonical name = example.com.
Name:www.example.com
Address:133.130.104.18  <- WordPressサーバーのIPアドレス

と確認できれば、WebサーバーとしてWordPress専用サーバー (133.130.104.18) が利用されることが分かります。同様に、

> nslookup
> set type=MX
> mail.example.com

mail.example.com canonical name = example.com.
example.com mail exchanger = 0 mx01.wh.tyo1.cloud.z.com.

> set type=A
> mail.example.com

Name:mail.example.com
Address:157.7.174.40 <- 共用サーバーのIPアドレス

と確認できれば、メールサーバーとして共用サーバーが利用されてることがわかります。

この段階で、WebサーバーはWordPress専用サーバー、メールサーバーは共用サーバーが利用されるようになっています。http://exmaple.com/ へアクセするとWordPressが表示され、hostingstock@example.comへメールを送ると共用サーバーで受け取れます。

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