シン・レンタルサーバー | 国内最速!エックスサーバーの進化系サービス

はじめに

シン・レンタルサーバーは、非常にユーザーの多いエックスサーバー社が提供するサービスです。 同社のWordPress専用サービスwpX内のサービスの一つとなっていますが、シン・レンタルサーバーはWordPress特化ではなく、少し語弊はありますが普通のレンタルサーバーです。 例えば、エックスサーバーでできることは、シン・レンタルサーバーでもできます。 もちろん、超高速WordPress実行環境である KUSANAGI を採用しているため、メインターゲットはWordPressの運用となります。

では、シン・レンタルサーバーとはどのようなサービスなのでしょうか? 公式サイトでは、サービスの特徴を以下のように説明しています。

「シン・レンタルサーバー」では、新機能の迅速な実装を目指す一方、「エックスサーバー」では、新機能の採用は膨大な検証データを元に慎重に導入が検討されます。

つまり、シン・レンタルサーバーで実装された機能やハードウェアは、検証後エックスサーバーに採用されることになるということです。 実際、現在の両サービスの仕様はほぼ同等となっており、公式サイトに挙げられている、KUSANAGI、高性能ハードウェア、リソース保証など、すでにエックスサーバーでも採用されています。

言い換えると検証も兼ねたテスト環境的な要素もあるため、初期費用が不要であったり、同スペックのエックスサーバーと比較して安価になるほど、料金設定に反映されています。 目的上、大規模かつ長期的な検証が省かれているようですが、エックスサーバー社には十二分な運用実績があるため、頻繁に不具合が起きるようなことはまずありません。 少しでも安価かつ高性能なサーバーが必要なら、選択肢の一つとなります。

ほぼ同スペックのプラン(仮想6コア/8GB/300GB)で比較すると、お得感の高いサービスであることがわかります。

  シン・レンタルサーバー エックスサーバー
プラン ベーシック スタンダード
初期費用 0円 3,300円
月額(3ヶ月契約) 990円 1,320円
PHP 5/7/8 ×/○/○ ○/○/○
アダルトコンテンツ ×

意外と知られていませんが、 アダルトサイト を運用できる点も、ユーザーによっては大きなメリットです。 国内でアダルトサイトを許可している高性能なレンタルサーバーは多くありません。

サーバーだけではなく、独自ドメインとSSL証明書も一括管理できるため、初心者にもおすすめできるサービスです。さらに「設定代行サービス」もあるため、困ったときにも安心です。

サービス開始
2021年5月31日

契約特典

シン・レンタルサーバーを契約すると、もれなくドメインがお得になります!

独自ドメイン永久無料

サーバー契約ひとつに対して独自ドメインをひとつ、無料で取得または移管できます。 嬉しいポイントはサーバーの契約期間中、ドメインの年間更新料が無料ということです。 このレビュー執筆時だと online の更新料が 5,000円強/年 となっており、そのドメインが必要であればかなりお得です。

  対象ドメイン
新規取得・移管 com / net / org / info / biz / xyz / link
新規取得 blog / online / site / click
メモ
移管: 他社で管理するドメインをからシン・レンタルサーバーへ移すこと。
解約時、他のサービスへ移管することができます。
取得または移管後、変更はできません。

独自ドメイン1年無料

下記ドメインの取得(1年間の利用)が無料です。 複数取得できますが、一つのドメインにつき一つとなります。

  対象ドメイン
取得 online / space / website / site / tech / store / osaka / moe / earth / design / ink / wiki / xyz / group / email / live
メモ
移管はできません。
2年目以降は更新料金が発生します。

各プランの比較

プランベーシックスタンダードプレミアムビジネス
CPU6 コア 8 コア 10 コア 12 コア
メモリ8 GB 12 GB 16 GB 20 GB
初期費用0 円0 円0 円0 円
月額(標準)990 円1,980 円3,960 円7,920 円
月額(12ヶ月契約)880 円1,780 円3,560 円7,120 円
月額(36ヶ月契約)770 円1,540 円3,080 円6,160 円
転送量/日900 GB/日 1,200 GB/日 1,500 GB/日 1,500 GB/日
ストレージ容量300 GB 400 GB 500 GB 600 GB
独自ドメイン
サブドメイン
FTPアカウント
MySQL
Cron

3年を上限として、契約期間が長くなるほど安くなる料金体系です。 基本的な仕様に違いはなく、上位プランほど 仮想CPUメモリ 等のリソースが優遇されます。 翌月対応となりますがプラン変更に対応しているため、最初は安価なプランにしておき、負荷をみながらプラン変更を検討するという運用が可能です。

最低利用期間
3ヶ月間。12ヶ月以上の契約で割引が適用されます。
お試し期間
10日間の無料お試し期間があります。
「WordPressクイックスタート」を利用しないことが条件です。
WordPressクイックスタート
WordPress、独自ドメイン、独自SSL、これらをまとめて設定することで、すぐにWebサイトを公開できる状態にするサービスです。

データセンター

公式サイトを確認すると、国内のデータセンターとなっています。

サーバーは電源システムや空調/防火システムを備えた、国内大手のデータセンターで365日24時間監視下に置かれています。

調査の結果、推測となりますが東京にあるデータセンターのようです。

コントロールパネル

コントロールパネルは2種類あります。 各種契約を管理する シン・アカウント 、サーバーを管理する サーバーパネル です。

シン・アカウントでは、契約者情報や契約内容などを操作できます。 さらにシン・レンタルサーバーでは、独自ドメイン、SSLサーバー証明書も取り扱っているため、それらをまとめて管理できます。

サーバーパネルは、いわゆるコントロールパネルというものです。 エックスサーバーと同等の仕様で、長年改良されてきただけありレスポンスや使い勝手に不満がでることはありません。 操作方法等のほとんどの問題は、公式サイトのマニュアルで対応できますが、困ったときでもWeb上にあるエックスサーバーの情報が役立つでしょう。

転送量制限

プランベーシックスタンダードプレミアムビジネス
転送量/日900 GB/日 1,200 GB/日 1,500 GB/日 1,500 GB/日
転送量/月27,000 GB/月 36,000 GB/月 45,000 GB/月 45,000 GB/月

これを多いと見るか少ないと見るかはわかりにくいと思うので、簡単に計算してみましょう。 例えば、世界中のWebサイトを調査している HTTP Archive によると、WordPressで運営されるサイト1ページあたりの平均サイズは約2.4MB(2021年。動画を除く)です。

この数値で計算した場合、ベーシックプランの「900GB/日」であれば、 約384,000 PV/日 (約 11,520,000 PV/月)まで対応できます。 ブラウザのキャッシュ機能を考慮すれば、より多くのアクセスに対応できます。 個人のサイトなら無制限と考えてもよい仕様です。

注意
転送量が大きく超過する場合、速度制限などの制限が行われる可能性があります。

SSLサーバー証明書

すでに世界中のWebサイトの多くがHTTPS(SSL対応、暗号化された通信)に対応しています。 また、多くのWebブラウザで http:// で始まる非セキュアなURLへのアクセスは警告が出るようになっているため、WebサイトのSSL対応は必須の条件です。

シン・レンタルサーバーならSSLサーバー証明書を 無料 で提供しているため、追加費用なくサイトのSSL化が可能です。 証明書は多くのサービスでも標準採用されている Let's Encrypt です。 自動更新に対応しているので、最初に設定しておけばメンテナスフリーです。

下図のような「サイトシール」等に対応する証明書も有償で利用できますが、企業などの信頼性を必要とするサイトでなければ、標準装備の証明書で問題ありません。

メモ
他社で取得した証明書を持ち込むことはできません。

SSLサーバー証明書 オプション

標準装備のLet’s Encryptでも十分ですが、よりセキュアなサイトであることをアピールするなら、有償の証明書を利用する方法があります。 シン・レンタルサーバーでは、ドメイン認証SSL、企業認証SSL、EV SSLから選択できますが、企業認証とEVに関しては企業や団体での契約となるため、個人(事業者)の場合はドメイン認証となります。

安価に対応するなら、第三者機関が承認する サイトシール に対応したCoreSSLを検討しても良いでしょう。

高額な証明書なら定期的にWebサイトのマルウェアやフィッシングなどのセキュリティ診断が実施されます。

名称 認証方式 料金(円/年)
CoreSSL ドメイン認証 880-1,100
SecureCore ドメイン認証SSL 15,400-19,800
ラピッドSSL 1,342-1,650
ジオトラスト クイックSSLプレミアム 13,200-15,400
SecureCore 企業認証SSL 企業認証 33,000-41,800
デジサート セキュア・サーバID 63,800-75,900
SecureCore EV SSL EV 83,600-105,600
デジサート セキュア・サーバID EV 63,800-75,900
メモ
長期契約ほど安くなります。
シン・レンタルサーバーでのみ利用できます。

ドメイン

プランベーシックスタンダードプレミアムビジネス
独自ドメイン
サブドメイン
サービスドメイン1 個 1 個 1 個 1 個

どのプランであっても無制限に設定できます。

サービスドメインは契約時に発行される初期ドメイン(サーバーID.wpx.jp)のことです。 そのままWebサイトの公開にも利用できますが、初期ドメインは契約期間中のみ有効です。 長期的なサイト運営が目的なら、独自ドメインの取得をおすすめします。

シン・レンタルサーバーでは独自ドメインも契約できるため、一緒に管理すると運用が楽になります。 ドメインの料金は他社と比較しても標準的です。

メモ
「サーバーID」は契約時に任意の文字列を設定できます。
初期ドメインにサブドメインを追加することはできません。
DNSレコード編集
A / MX / CNAME / TXT の編集に対応しています。

データベース

プランベーシックスタンダードプレミアムビジネス
MySQL
MySQL Ver.
10.5.x
10.5.x
10.5.x
10.5.x

調査時: MariaDB 10.5.13 / phpMyAdmin 4.4.15.10

調査時: MariaDB 10.5.13 / phpMyAdmin 4.4.15.10

調査時: MariaDB 10.5.13 / phpMyAdmin 4.4.15.10

調査時: MariaDB 10.5.13 / phpMyAdmin 4.4.15.10

SQLite
SQLite Ver.
3.7.17
3.7.17
3.7.17
3.7.17

データーベースには MariaDB が採用されています。 phpMyAdminが用意されているため、ブラウザで操作できます。

データベース名と(データベース)ユーザー名は「サーバーID_任意の文字列」となり、サーバーIDが接頭辞として付与されます。 それぞれを作成して、データベースにユーザーを割り当てる作業が必要です。 やや面倒ですが組み合わせが自由なため、以下のように用途に応じた柔軟な設定ができます。

  • 一つのユーザーを全てのデータベースに割り当てる
  • データベースごとにユーザーを割り当てる
  • 一つのデータベースに複数のユーザーを割り当てる
仕様  
MariaDB ENGINES: InnoDB (DEFAULT) / MyISAM / CSV / MRG_MYISAM / MEMORY / BLACKHOLE / SEQUENCE / ARCHIVE / PERFORMANCE_SCHEMA / Aria。
外部接続
SSHを有効にして、トンネル(ポートフォワーディング)で接続できます。

FTP、その他のファイル転送機能

プランベーシックスタンダードプレミアムビジネス
FTPアカウント
FTPS
SFTP
SCP
WebDAV

FTPアカウントを無制限に設定できます。 各種プロトコルに対応するので、サイトの開発・運用時に柔軟な対応が可能です。

実際に利用する場合は、/home/サーバーID/をホームディレクトリとするアカウントを1つ追加しておくことで、全てのドメイン(サイト)のファイルを横断的に操作でき便利です。

メモ
アカウントIDは「任意の文字列@ドメイン」となります。
アカウントごとに容量設定(クオータ)が可能です。
SFTPとSCPは当サイトで動作を確認しただけであり、公式サイトでは明記されていません。

ファイルマネージャ

ファイルマネージャ(Webアプリケーション)を利用でき、ブラウザでファイル操作が可能です。 画面サイズにレイアウトがフィットする程度で、スマートフォンやタブレットに最適化されておらず、パソコン以外での利用は考慮されていません。 機能も簡易的なので非常用となるでしょう。 FTPアプリケーションの利用をおすすめします。

機能
新規ファイル / 新規フォルダ / コピー(複製) / テキスト編集(UTF-8/EUC-JP/Shift-JIS) / アップロード / ダウンロード / 圧縮 / 展開 / 削除 / 名前変更 / パーミッション変更

ディレクトリ構成

ドメインごとにドキュメントルート(公開ディレクトリ)が自動的に割り当てられます。 固定であり任意のディレクトリに変更することはできません。 例えば、「example.com」へアクセスすると「~/example.com/public_html」にあるファイルが読み込まれます。

1つ気になる点はサブドメインのドキュメントルートが、親ドメインのドキュメントルート直下に生成されることです。 ほかのレンタルサーバーにもある仕様ですが、例えば上図の場合「http://example.com/blog.example.com」へアクセスすると、サブドメインのデータにアクセスできてしまいます。 問題になる場合は、.htaccessなどでアクセスを制限するとよいでしょう。

非公開ディレクトリにも編集権があるため、例えば「/private」ディレクトリを作成して、公開したくない設定ファイル等を配置できます。

メール

プランベーシックスタンダードプレミアムビジネス
メールアカウント
制限事項

送信制限: 100MB/通 1,500通/時間 15,000通/日。受信制限: ありません。

送信制限: 100MB/通 1,500通/時間 15,000通/日。受信制限: ありません。

送信制限: 100MB/通 1,500通/時間 15,000通/日。受信制限: ありません。

送信制限: 100MB/通 1,500通/時間 15,000通/日。受信制限: ありません。

全てのプランで無制限にアカウントを作成できます。 送信制限の内容にも差はありません。

プロトコル  
POP SSL/TLS(STARTTLS対応)
SMTP SMTP-AUTH、サブミッションポート、SSL/TLS(STARTTLS対応)
IMAP SSL/TLS(STARTTLS対応)

標準的なプロトコルに対応しており、どのようなメール環境でも困ることはないでしょう。 IMAPに対応しており、スマートフォンやPCなどの、複数の端末間でのメール管理が容易です。

他にも以下の機能に対応しています。

機能  
ウェブメーラー 対応しています。スマートフォンなどのモバイル端末に最適化されています。
アンチウィルス WithSecure社のソフトウェアが採用されています。送信時・受信時にチェックされます。ウイルス判定されると削除され、送信元に通知メールが届きます。メーリングリスト、メールマガジンにも有効です。
スパムフィルタ SpamAssassinを採用。検知されると件名に[SPAM]という文字列が付与されます。6段階の判定基準と他のオプション設定で調整できます。
転送機能 受信メールを任意のアドレスへ転送できます。その際、メールを残すか削除するかを設定できます。
自動応答 指定メールアドレスにメールが届いた際、あらかじめ用意した定型文を送信者に自動返信できます。
ホワイトリスト
ブラックリスト
ホワイトリストに登録したアドレスはスパムとして検知されません。ブラックリストに登録したアドレスはスパムメール扱いとなります。
SMTP認証
アクセス制限
国外IPアドレスからのSMTP認証(SMTP AUTH)を制限します。
振り分け転送
メールフィルタ
キーワードに一致(含む)するメールを任意のアドレスまたはゴミ箱に転送できます。「宛先、差出人、件名、本文、ヘッダー」を対象にできます。日本語(マルチバイト)のキーワードは、正常に動作しない場合があります。
非対応 キャッチオール

メーリングリスト & メールマガジン

レンタルサーバーのサービスとは思えないほど非常に高機能です。 少しでもメーリングリストやメールマガジンを使う予定があれば、シン・レンタルサーバーを選択する理由になります。

「空メール」による自動登録(参加)機能や、Webサイトに簡単に設置できる入退会フォームもあります。また、配信エラー管理機能や、過去のメールを参加者に公開する機能(メーリングリストのみ)もあります。

詳細は、同等の機能を持つエックスサーバーの記事を参考にしてください。

PHPの仕様、他の言語

シン・レンタルサーバーで注意する点は、 PHP5 に非対応であるということです。 おそらくKUSANAGIの動作要件が7.2以上だからでしょう。 古いサイト(アプリケーション)を動かすなら、PHP7.2以上に対応させる必要があります。

メモ
ドメインごとに異なるバージョンを設定できます。
サブドメイン(blog.example.com)は親ドメイン(example.com)の設定に準じます。
言語  
PHP Server API: FPM/FastCGI (fpm-fcgi) or CGI/FastCGI(cgi-fcgi)
8.0.x / 7.4.x / 7.3.x / 7.2.x 。
Perl 5.16.x
Ruby 2.0.0
Python 3.6.x / 3.4.x / 2.7.x
SSI

標準で読み込まれる拡張モジュール

Loaded extensions core date libxml openssl pcre sqlite3 zlib bz2 calendar ctype curl hash fileinfo filter ftp gettext gmp spl iconv json session standard posix pspell reflection phar shmop simplexml sockets mbstring sysvmsg sysvsem sysvshm tokenizer xml zip mysqlnd cgi-fcgi apcu bcmath dba dom gd imagick imap intl ldap exif mcrypt mysqli pdo pdo _mysql pdo_ pgsql pdo_sqlite pgsql soap xmlreader xmlwriter xsl zend opcache xmlrpc wddx
8.0.16 - -
7.4.28 -
7.3.33 -
7.2.34 -

PHPの動作設定

コントロールパネルでPHPの動作設定を行えます。 予め利用頻度の高い項目がピックアップされた簡単な方法と、php.iniを直接編集する方法が用意されています。

簡単設定 display_startup_errors / display_errors / error_reporting / session.auto_start / session.use_cookies / session.use_only_cookies / session.use_trans_sid / session.name / session.cookie_lifetime / session.cookie_path / session.cookie_domain / mbstring.language / mbstring.internal_encoding / mbstring.http_input / mbstring.http_output / mbstring.encoding_translation / mbstring.detect_order / mbstring.substitute_character / safe_mode / max_execution_time / max_input_time / memory_limit / post_max_size / upload_max_filesize / register_globals / magic_quotes_gpc / file_uploads / allow_url_fopen / allow_url_include
直接編集 145項目
メモ
php.iniは、各ドメインの「/xserver_php」ディレクトリにあります。
.user.iniを利用できます。
Xアクセラレータ ver.2を使用すると php.iniが初期設定に固定され、.user.ini が生成されます。

SSH対応

全プランでSSH(シェルログイン)対応です。SSH接続は 公開鍵認証のみ 対応しており、パスワード認証は非対応です。 サーバーに接続するためには、公開鍵認証用のOpenSSH形式の鍵ペア(公開鍵・秘密鍵)が必要です。 SSH機能は初期状態では無効となっているので、有効にする必要があります。

サーバーパネルで鍵ペアを生成することも可能です。 パスワード認証と比較すると少し敷居が高くなりますが、マニュアルがあるので難しくはないでしょう。

他のレンタルサーバーのように「許可したIPアドレスのみ接続可」という制限がないため、例えば自宅と会社など、ネットワーク環境が変わっても問題なく接続できます。

cron

プランベーシックスタンダードプレミアムビジネス
Cron

コマンドの定時実行を行う cron を利用できます。 例えば、Webサイトのコンテンツを自動更新する際に利用できます。 設定数は無制限なので柔軟な運用ができるでしょう。

設定方法は初心者にとって少し難しい仕様かも知れません。 他サービスのようなプルダウンメニューがないため、「crontab」の書式で設定する必要があります。 例えば上図の設定であれば30分毎にコマンド欄の内容が実行されます。

メモ
最短実行間隔は 1分 です。
通知メールアドレスを一つ設定することができます。Cron実行完了時にエラーメッセージなどを含む処理結果を通知できます。

cronで主に利用するコマンドのパスは以下のようになっています。

言語 バージョン パス
Perl 5.16.x /usr/bin/perl
PHP x.y.z /usr/bin/phpx.y 例えば、7.3 なら /usr/bin/php7.3
Ruby 2.0.0 /usr/bin/ruby
Python 2.7.x /usr/bin/python
  3.4.x /usr/bin/python3.4
  3.6.x /usr/bin/python3.6

ログとアクセス解析

プランベーシックスタンダードプレミアムビジネス
アクセスログ
エラーログ
アクセス解析

アクセスログ

過去30日分のログを一日単位(AM4:00頃に更新)でサーバーパネルからダウンロードできます。

別途ログの保存期間を設定すれば、FTPでログファイルを取得できます。 保存期間は「1週間〜9週間」から選択でき、保存しない設定(初期設定)も可能です。 毎日午前4時頃に、前日午前4:00〜当日午前4:00までのファイル(ドメイン名.access_log_年月日.gz)が出力されます。

  • サブドメイン(blog.example.com)のログは親ドメイン(example.com)と同じファイルに出力されます。

エラーログ

エラーログは当日分(AM3:00頃にリセット)のみダウンロードできます。 アクセスログと同様にドメイン単位での取得となります。

アクセス解析

Google Analyticsがあるため、レンタルサーバー標準の機能は不要かもしれません。 初心者であればGoogle Analyticsに慣れるまでの繋ぎとして、とりあえずこちらを利用しておくとよいかもしれません。 難しい設定は不要なので、誰でも簡単にアクセス解析を体験することができます。

更新間隔
6時間ごと
分析項目
月別(PV、訪問回数、転送量) / 日別(PV、訪問回数、転送量)/ 時間帯別(PV、転送量) / 曜日別(PV、訪問回数、転送量) / ページ別 / OS別 / ブラウザー別 / ファイル別転送量 / 検索キーワード別 / アクセス元別 / IPアドレス・ホスト名別 / 滞在時間別 / ロボット・スパイダー別 / エラーコード別 / ドメイン・国別
メモ
初期状態では無効なので、ドメインごとに有効にする必要があります。

WordPress専用のセキュリティ機能

WordPressのセキュリティに特化した機能が装備されています。 それぞれ有効・無効を切り替えできます。

ダッシュボードアクセス制限
ダッシュボードに対する国外IPアドレスからの接続を制限します。
XML-PRC API アクセス制限
ダッシュボード以外から投稿可能なアプリが利用する「XML-RPC WordPress API」に対する国外IPアドレスからの接続を制限します。対象外: Jetpack
REST API アクセス制限
「REST API」に対する国外IPアドレスからの接続を制限します。対象外: Jetpack
wlwmanifest.xml アクセス制限
Windows Live Writerで利用する wlwmanifest.xml に対する国外IPアドレスからの接続を制限します。
ログイン試行回数制限
短時間に連続してログイン処理(失敗)が行われるとアクセスを制限します。パスワード総当り(ブルートフォースアタック)による不正アクセスを防止します。24時間後に制限が解除されます。
大量コメント・トラックバック制限
短時間に大量のコメントまたはトラックバックが実行されると、自動的に検知して投稿を制限します。6時間後に解除されます。
国外IPアドレスからのコメント・トラックバック制限
国外IPアドレスからのコメント・トラックバックを拒否します。
メモ
ドメインごとに設定する必要があります。

バックアップ機能

標準でバックアップ機能に対応しており、1日1回、バックアップ専用サーバーに自動でユーザーのデータがコピーされます。 ユーザーに関連するほぼ全てのデータが対象となり、それぞれ 14日分 のデータが保存され、一日単位で「データの取得のみ」「データを基に復元する」を選択できます。

対象  
Web領域 「public_html」ディレクトリのデータ
Web用設定ファイル 「public_html」「mail」ディレクトリ以外のデータ
メール領域 「mail」ディレクトリのデータ
MySQL データベース単位(上図とは別に管理されます)

ウェブサイトの高速化機能

KUSANAGI
WordPressに特化した、Webサーバーやデータベースを含めた総合的な高速実行環境です。内部的に実装されているためユーザーによる設定項目はなく、意識する必要はありません。
X アクセラレータ
Ver.1 静的ファイルをサーバーでキャッシュする機能が有効になります。
Ver.2 Ver.1に加えて、PHPプログラムの処理速度が最大20倍[1]まで向上します。PHPの実行方式が FPM/FastCGI に切り替わります。
HTTP/2
リクエストを並列処理する仕組みによりレスポンスが高速化します。特に画像やJavascript、CSSなどを多く使用するサイトに有効です。SSL化することで自動的に有効となります。
ブラウザキャッシュ
レスポンスヘッダに Expires、Cache-Control を付与し、ブラウザのキャッシュ機能によりアクセスを高速化します。最大7日間(変更不可)保持するように設定されています。
その他
標準でFastCGIとOPcacheが有効になっています。

WAF

WAF(Webアプリケーションファイアウォール)は、WordPressなどのWebアプリケーションの脆弱性を悪用した攻撃からWebサイトを保護します。

対象 説明
XSS クロスサイトスクリプティング対策。javascriptなどのスクリプトタグが埋め込まれたアクセスを検知します。
SQL SQL構文に該当する文字列が挿入されたアクセスを検知します。
ファイル .htpasswd .htaccess httpd.conf等、サーバーに関連する設定ファイルが含まれたアクセスを検知します。
メール to、cc、bcc等のメールヘッダーに関係する文字列を含んだアクセスを検知します。
コマンド kill、ftp、mail、ping、ls等、コマンドに関連する文字列が含まれたアクセスを検知します。
PHP session、ファイル操作に関連する関数のほか、脆弱性元になる可能性の高い関数の含まれたアクセスを検知します。
メモ
ドメインごとに設定します。それぞれの項目ごとに有効・無効を設定できます。

Webフォント

「モリサワ」が提供する「TypeSquare」から33書体のWebフォントを利用可能です。 WordPressなら専用のプラグインが用意されているので簡単に利用できます。 商用利用が可能ですが、アクセス数の上限があるため採用する際には注意が必要です。

明朝体 リュウミン R-KL / リュウミン B-KL / 黎ミン M / A1明朝 / しまなみ
ゴシック体 新ゴ R / 新ゴ B / ゴシックMB101 B / 見出ゴMB31 / 中ゴシックBBB
丸ゴシック体 じゅん 201 / じゅん 501 / 新丸ゴ R / 秀英にじみ丸ゴ B
デザイン書体 丸フォーク M / フォーク M / シネマレター / はるひ学園 / G2サンセリフ-B / 那欽 / 竹 B / ぶらっしゅ / トーキング / すずむし
装飾書体 新ゴ シャドウ
筆書体 教科書ICA M / 陸隷 / TB古印体 / さくらぎ蛍雪
UD書体 TBUDゴシック R / TBUDゴシック E / UD新ゴ コンデンス90 L / UD新ゴ コンデンス90 M
メモ
利用できるドメイン数はサブドメインを含め3ドメインです。
75,000PV/月を超えると設定が解除され、他のフォントに変わります(フォントはサイトの設定に依存)。

ハードウェアやソフトウェア

OS / Web Server
CentOS 7 (LXC) / nginx + apache(2.4.6)
CPU / メモリ
AMD EPYC 7543 x 2 / 1024GB
自動インストール対応
WordPress 6.x / EC-CUBE 4.x
動作確認済みアプリケーション(公式)
WordPress 6.x / EC-CUBE 4.x / PukiWiki / concrete5 / Joomla / MODX / Movable Type / Drupal / Magento / Zen Cart
コマンド
導入されているコマンドはこちらを参考にしてください。
ファイルの存在を確認しただけであり、パーミッションによっては動作しないものもあります。

その他の機能

設定代行サービス 有償。CMSインストール、メールアドレス作成、独自ドメイン設定、サブドメイン設定、サーバーのデータ削除、サーバー移転、その他サーバーパネルの操作代行。
二段階認証設定 サーバーIDでサーバーパネルへログインする際に適用できます。
リソースモニタ CPU、メモリ、転送量の利用状況を過去3ヶ月分確認できます。
アクセス制限/拒否 BASIC認証による設定。IPアドレスによるアクセス拒否。
エラーページ設定 オリジナルのファイルに入れ替えられます。ステータスコード 400、401、403、404、500、510に対応します。
MIME設定 拡張子によって処理内容を指定するMIMEの設定が可能です。
サイト転送 任意のURL(ディレクトリ)へのアクセスを他のURLへ転送できます。
FTP制限設定 FTP接続を許可するIPアドレスを追加できます。.ftpaccessも利用できます。
動作確認URL DNS設定を変更せずに公開前の新しいサイトにアクセスできます。サイト引っ越し時に旧サーバーでWebサイトを稼働させつつテストできます。WordPressなど、動作に正確なドメイン名が必要な場合は利用できません。

支払い方法

支払い方法  
クレジットカード VISA / Master Card / JCB / American Express
デビットカード VISA / Master Card / JCB。カード発行会社によっては利用できない場合があります。
銀行振込 PayPay銀行。要振込手数料。入金確認まで3日程度かかる場合があります。
コンビニ セブンイレブン / ローソン / デイリーヤマザキ / ミニストップ / ファミリーマート / セイコーマート
自動契約更新
クレジットカード情報の登録が必要です。
証憑関連  
請求書 PDF形式。書面の場合、発行手数料220円が必要。
受領書 PDF形式。
領収書 カード会社の利用明細書、銀行での振込明細、コンビニでの領収書(レシート)。

サポート

サポート  
メール対応 お問合せフォームを利用。受付は24時間365日対応。原則的に24時間以内の対応となっています。
電話対応 平日 10:00~18:00(祝日を除く)。大阪(06)までの通話料が必要です。

プラン変更

上位プランと下位プラン、どちらへも変更可能です。 同じサーバーで設定が変わるだけなので、ユーザー自身での作業は発生しません。 プランによっては反映されるまでの期間に違いがあるので、余裕を持って手続きをするとよいでしょう。 特に下位プランへの変更は、現在の契約の利用期限月のみ手続き可能なので注意が必要です。

上位プランへの変更
月単位。
変更希望月の前月の20日までに手続きすると、翌月1日から適用されます。
下位プランへの変更
利用期限月のみ。
利用期限月の20日までに手続きすると、翌月1日から適用されます。

更新方法と解約方法

更新方法
基本的に2週間前と1ヶ月半前にメールで通知があります。
利用期限日までに支払うことで更新されます。
クレジッドカード情報を登録することで、自動更新も可能です。
解約方法
シン・アカウントから簡単に手続きができます。
解約手続き後も利用期限日まで利用できます。
解約手続き後のキャンセルはシン・アカウントではできません。サポートへ連絡すると対応してもらえます。
凍結時の解除方法
時間経過の程度により解除可否が異なります。凍結直後であれば、利用料金を支払うことで凍結が解除されます。

まとめ

シン・レンタルサーバーは新しい技術とハードウェアを積極的に採用することで、快適なWebサイトの実行環境の構築を目的としたサービスです。 そのため大規模かつ長期的な検証が足りていない印象を持ってしまいますが、反面、安価な料金設定となっているため、納得できるユーザーであれば満足度の高いサービスでしょう。

公式サイトの説明を読むと、エックスサーバーへフィードバックするためのテスト環境のようなイメージですが、採用している技術自体は世界的なトレンドに沿っています。 単純に大規模かつ長期的な検証が不足しているだけなので、大きな問題が出るようなものではありません。

ハイスペックなサーバーは必要だけど、少しでも運用コストを下げたいという用途であれば非常におすすめです。

更新履歴  
2022年06月04日 レビューを作成しました。

  1. [1] シン・レンタルサーバー内の同一構成サーバーに対する、Apache Benchコマンドのパフォーマンス比較によるもの ↩︎

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シン・レンタルサーバー
2022年06月05日

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