Windows ServerのVPSを探しているなら!さくらのVPS

「さくらのVPS for Windows Server」はその名の通り、Windows Server専用のVPSサービスです。 Microsoftのライセンス料金が発生するため、Linux系やBSD系を採用する通常のVPSよりやや高額となります。 手軽にWindows Serverを運用できるサービスは多くないため、必要な方にとっては選択肢の一つとなるでしょう。

さくらインターネットは、大阪、東京、石狩(北海道)にデータセンターを保有していますが、Windows Serverについては「東京リージョン」のみとなっています。

クレジットカードが必須ですが「2週間のお試し期間」があるため、気軽に使い勝手を確認することができます。

サービス開始時期
2015年4月8日
仮想化ソフトウェア
Hyper-V

料金と仕様

料金 W768 W1G W2G W4G W8G W16G
月額 1,080円 2,160円 3,780円 6,480円 11,880円 21,600円
初期費用 2,160円 3,240円 5,400円 8,640円 15,120円 24,840円
標準年額 12,960円 25,920円 45,360円 77,760円 142,560円 259,200円
一括年額 11,880円 23,760円 41,580円 71,280円 130,680円 237,600円

料金は税込みです。

支払い方法は「月払い」と「年間一括払い」となっており、年間一括なら「1ヶ月分」お得です。

月払いの場合、当月と翌月の2ヶ月分を初回に請求されますが、月の途中であっても日割り計算されるため、契約日により損をするようなことはありません。

最低利用期間
3ヶ月です。
料金 W768 W1G W2G W4G W8G W16G
メモリ 768MB 1GB 2GB 4GB 8GB 16GB
SSD 30GB 50GB 100GB 150GB 300GB 600GB
CPU 仮想1Core 仮想2Core 仮想3Core 仮想4Core 仮想6Core 仮想8Core
ネームサーバ 5ゾーン 10

上位プランほどメモリ容量とCPUのコア数が増加します。 単純に上位プランほど高性能になると考えて間違いありません。 後述しますが、Windows ServerはOS自体の容量が大きいため、運用予定のサービスでストレージが不足しないかを確認しておく必要があります。

ネームサーバーは無料で利用できるゾーンの数です。 少し語弊はありますが、共用サーバーのマルチドメイン数に置き換えても間違いではありません。 つまり、下位プランでは独自ドメインを5つまで設定できることになります。

もちろんこれは、さくらのネームサーバー(ns1.dns.ne.jp〜ns2.dns.ne.jp)を利用する場合なので、 お名前.comやムームードメインなど、レジストラ(リセラー)のネームサーバーを利用すれば、ゾーン数を気にする必要はありません。 ただし、設定にはDNSレコード、そして、Windows Serverの知識が必要となります。

オプション
ゾーンを追加できます(10個単位)。
オプション      
初期登録料金 月額料金 年間一括料金 ゾーン数
1,080円 1,080円 10,800円 10

ローカルネットワーク接続

「さくらのVPS」の大きな特徴は複数のVPSを契約すれば、それらを無制限に接続できることです。

NIC
2個

仕様にある「NIC」の項目は、他のVPSサービスでは見かけないかもしれません。 NICは「Network Interface Card」の略で、「ネットワークカード」とも呼ばれます。 ざっくり説明するとパソコンに付いているLANポートです。 一つは標準でWAN接続(インターネット接続)となっており、残りをユーザーが自由に利用できます。 例えば、残りのNICにプライベートアドレス(192.168.x.x)を割り当てて、複数のサーバーを連携させることができます。

勝手に他者のサーバーと接続されても困るため、「スイッチ」と呼ばれる機構で、ローカルネットワークを構成します。 上図のようにスイッチ(自由に作成可)にサーバーがそれぞれ接続すると、通信可能な状態になります。 通信速度は1Gbps(ベストエフォート)となっており、LANの性能としては標準的です。

利用可能スイッチ数
1会員IDにつき1個(無料)

スイッチは一つですが、接続数に制限はありません。 例えば100個のVPSを契約した場合でも、同じスイッチに接続すれば、全てのサーバーで通信可能となります。 いつでも簡単に接続できるので、運用後でもサーバー構成を柔軟に変更できます。

この機能は同じリージョン内のみ対応ですが、for Windows Serverは東京リージョンのみ提供されるため、リージョンを気にする必要はありません。

メモ
接続するサーバーは同一会員で契約する必要があります。
同じリージョンであっても、通常の「さくらのVPS」とは接続できません。

対応OS

  OS/バージョン リモートコンソール
標準OS Windows Server 2016
(Datacenter Edition)
VNC
標準OS Windows Server 2012 R2
(Standard Edition)
VNC

初期OSは2012 R2となっています。 コントロールパネルから2016へ変更することができ、その逆も可能です。 当然ですが、データは初期化されます。

Windows専用サービスなので、ISOイメージをアップロードしてのインストールには非対応です。

Windows Server 2012
セキュリティソフト「ESET File Security for Microsoft Windows Server」がプリインストールされます。

コントロールパネル

以下の機能を備えています。 初期設定を終えれば、あまり利用することはないでしょう。

機能  
起動など 起動 / 停止 / 再起動
OSインストール OSの再インストール。
VNCコンソール Webブラウザ、または、VNCクライアントでコンソール操作が可能です。
リソースの使用状況 CPU、ネットワークのトラフィック、SSDのディスクI/O、それぞれの負荷状況を確認できます。
操作履歴 コントロールパネルの操作履歴を確認できます。
DNS逆引きレコード変更 サーバーに割り当てられたIPアドレスの逆引き(PTR)レコードを変更します。

オプション

オプションはやや複雑なので、契約前にしっかりと運用構成を検討しておく必要があります。

プラン バージョン エディション 初期費用 月額 年間一括
リモートデスクトップ - - 0円 540円 6,480円
Microsfot Office 2013 Professional
Plus 64bit
0円 1,890円 22,680円
Microsoft SQL Server 2014 Web Edition 20,000円 600円 7,200円

料金は税込みです。

各ライセンスについて

提供されるソフトウェアは、Microsoftのサービスプロバイダ向けライセンス(SPLA)で提供されます。 以下の条件が適用されます。

Microsoft SQL Server
「コアライセンス」で提供されます。コアライセンスは、サービスを提供するサーバのコア数に応じて料金が異なるライセンスです。サーバのソフトウェアにアクセスするユーザー数に制限はありません。
リモートデスクトップ(RDS)SALとMicrosoft Office SAL
「サブスクライバーアクセスライセンス」で提供されます。サービスを利用するエンドユーザーごと、必要な人数分だけ契約が必要となります。
SAL = Subscriber Access License

リモートデスクトップ(RDS)SALについて

  • サーバー管理以外の目的で接続するユーザーについては、その人数分の「リモートデスクトップ(RDS)SAL」が必要となります
  • リモートデスクトップによる同時接続数は1サーバーあたり「2接続まで」となっています。
    • オプションをそれ以上追加しても、「同時接続」は2接続が上限となります。

Microsoft Office SALについて

  • サーバーの新規契約時「のみ」申し込みできます。

Microsoft SQL Server SALについて

料金 W768 W1G W2G W4G W8G W16G
初期費用 21,600円
月額費用 2,592円 3,888円 5,184円

料金は税込みです。

  • 基本料金は「1コア」あたりの金額です。最低コア数が「4コア」となっているため、例え4コアに満たないW768、W1G、W2Gであっても4コア分の料金が必要となります。
  • サーバーの新規契約時「のみ」申し込みできます。

ディスク容量について

Windows serverはOSもですが、他のアプリケーション(オプション)も容量が非常に大きなものです。 OSだけでも10GB以上が埋まってしまうため、事前に用途とストレージとのバランスを検討しておく必要があります。 公式サイトではW768プランにおける、おおよそのストレージ状態を公開しています。

このデータをみると、30GBのW768プランでは、あまり余裕がないことが分かります。

  オプションなし Office SQL Server Office + SQL Server
Windows server
2012
10GB~ 13GB~ 16GB~ 19GB~
Windows server
2016
15GB~ 20GB~ 23GB~ 26GB~

転送量制限

共用サーバーのような転送量の制限はありません。

ネットワーク構成
インターネット(WAN) 100Mbps(共有)
ローカルネットワーク(LAN) 1Gbps(共有)
グローバルIPアドレス
IPv4アドレスx1個、IPv6アドレスx1個

ネットワーク環境はいたって普通の仕様です。 転送量は無制限ですが、あくまでも共有回線なので他のユーザーに影響を与えるほどの用途は規制対象となります。

SSLサーバー証明書

さくらインターネットでは下記の証明書を取り扱っています。 もちろん、ユーザー自身で導入することも可能です。

  1年 2年 3年
ドメイン認証SSL(認証レベル1)      
ラピッドSSL 1,500円 2,700円 3,200円
GeoTrust クイックSSLプレミアム 14,500円 26,500円 38,500円
JPRS ドメイン認証型ワイルドカード 16,500円 - -
GlobalSign クイック認証SSL 34,800円 - -
企業認証SSL(認証レベル2)      
Cybertrust SureServer
for SAKURA
38,500円 - -
Cybertrust SureServer
for ワイルドカード for SAKURA
99,000円 - -
Symantec セキュア・サーバID 81,000円 - -
Symantec グローバル・サーバID 138,000円 - -
JPRS 組織認証型 44,000円 - -
JPRS 組織認証型ワイルドカード 88,000円 - -
GlobalSign 企業認証SSL 59,800円 - -
SECOM パスポート for Web SR3.0 55,000円 - -
EV認証SSL(認証レベル3)      
Cybertrust SureServer EV
for SAKURA
49,500円 - -
GeoTrust トゥルービジネスID with EV 115,200円 - -
Symantec セキュア・サーバID EV 162,000円 - -

証明書の導入に関しては、作業代行サービスがあります。

代行サービス  
料金 20,000円(税抜)
作業内容 SSL通信の利用に関するmod_sslのインストール、CSR/秘密鍵の生成、証明書のインストールを代行します。

その他

メール配信サービス

メール配信サービスの「SendGrid」を無償で利用できます。 25,000通/月までですが、超過しても配信されなくなるだけで、追加料金が発生することはありません。

SendGridは短時間に大量のメールを処理できるシステムと、送信ドメイン認証や不達メールの自動処理などの「確実にメールを届けるための機能」を搭載しています。

SendGrid
SendGrid社が開発し、国内では株式会社構造計画研究所が提供するメール配信サービスです。
このサービスに関するサポートは構造計画研究所が行います。
仕様  
月額料金 無料
配信数 25,000通/月
機能 SMTPリレー / メール送信API / マーケティングメール機能 / 独自ドメイン利用 / Fromアドレス複数利用 / 差し込み機能 / SPF / 送信ログと統計 / 開封/クリックトラッキング / 配信停止管理 / 迷惑メール報告管理 / TLS送信 / 二要素認証 / APIキー / パーミッション管理 / IPアドレスでのアクセス制限 / Parse Webhook(メール受信) / Event Webhook(イベント通知)

非対応の機能

機能  
バックアップ バックアップ用サーバーを準備するなど、ユーザー自身で対応する必要があります。

プラン変更

Microsoftのライセンスとの兼ね合いだと思いますが、プラン変更には対応していません。 ある程度余裕のあるスペックを選択しておくと安心です。

サポート対応

サポート内容は他のサービス(例えば共用サーバー)と同等であり、VPS特有のものはありません。

サポート  
メール 10:00〜18:00。土日祝日対応(年末年始などの指定休日を除く)。
電話 フリーダイヤル対応。非常に混んでいるため、メールで対応できない場合のみ利用するとよいでしょう。
Twitter 平日 10:00〜18:00。

個人でWindows Serverを運用することは少ないため、通常のVPSのように他ユーザーが公開している情報に頼るのは難しいかもしれません。

支払い方法

クレジットカード、銀行振込、請求書払い、自動口座振替の4種類です。 ただし、「2週間のお試し期間」を利用するならクレジットカード必須です。

支払い方法 請求の通知 手数料 入金確認
クレジットカード メール 無料 決済完了後1時間以内
銀行振込 メール 振込手数料 1〜2営業日
請求書払い 請求書郵送 発行手数料324円 1〜2営業日
自動口座振替 - 無料 -
クレジットカード
VISA / MASTER CARD / JCB / AMERICAN EXPRESS / Diners Club
銀行振込
銀行窓口、ATM、インターネットバンキング(オンラインバンキング)
自動口座振替
書類の提出が必要となり、口座登録完了まで約2~3カ月かかります。完了するまでは「銀行振込」となります。
請求書払い
郵送される「振込専用用紙(兼請求書)」での支払いです。コンビニエンスストア、郵便局、銀行窓口、または、銀行振込となります。
30万円を越えるコンビニエンスストアでの支払い、100万円を越える郵便局での支払いは、それぞれ非対応です。

まとめ

Linux系やBSD系のOSと異なり、Miscrosoftに対するライセンス料金が発生するため、やや割高に感じてしまいます。 単純にWebサイトやアプリケーションを運用するなら、敢えて選択する必要はありません。

Windowsプラットフォームでなければ動作しないアプリケーションを利用する際に、必要なスペックを熟知しているユーザーが選択するサービスでしょう。 そのようなユーザーが選ぶサービスなので、公式サイトの情報も非常に簡素なものです。 実際に利用する場合は、お試し期間で動作を確認し、不明な点はサポートに問い合わせる必要があるでしょう。

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