レンタルサーバーとマルチドメイン

レンタルサーバーを検討していると マルチドメイン対応 という表現が必ず出てきます。マルチドメイン対応だと何が嬉しいのでしょうか?

  • バーチャルドメイン
    • レンタルサーバーによってはマルチドメインを バーチャルドメイン と呼ぶこともありますが、同じ意味です。

1つのレンタルサーバーで複数のサイトを運営

例えば、このサイトのようにレンタルサーバーを紹介するサイトを「レンタルサーバー.com」というドメインで始めました。しばらくすると「飼っている猫の紹介ブログを始めたい!」と思いつきます。

もし複数のサイトを運営するとしたら、複数のレンタルサーバーを契約しないといけないのでしょうか?

サブドメインで運営することもできますが、「俺のねこ.レンタルサーバー.com」となってしまうと訪問者が混乱してしまいますね。

このような時に役に立つのが マルチドメイン という仕組みです。

マルチドメインとは?

1つのレンタルサーバーに複数の住所(ドメイン)を割り当てることができます。

マルチドメイン非対応ならひとつの住所(ドメイン)となりますが、マルチドメインに対応していれば1つの建物(レンタルサーバー)に複数の住所を持つことが可能です。

101号室(レンタルサーバー.com)ではレンタルサーバー紹介のサイトを、102号室(俺のねこ.com)ではペット紹介のブログ、というように複数のサイトを運営することができます。

もちろん多くのドメインに対応しているほど良いのですが、建物の共有施設(ディスク容量や転送量制限)には限界があります。多くのドメインを使うほど、一つ一つの部屋が狭くなるイメージでしょうか。

無制限に利用できても、多くのドメインを維持するには多額の費用がかかります。また、1つのレンタルサーバーで多くのサイトを運用すると転送量の上限を超えやすくなります。

  • 転送量制限
    • 例えば、このサイトで利用しているXServerなら、転送量の上限が70GB/日~100GB/日となっています。

メリット

大きなメリットは、1つのレンタルサーバーで複数のサイトを簡単に運営できることでしょう。複数のレンタルサーバーを契約する必要がないため運用コストも安くなり、サイト管理もしやすくなります。

  • サイト管理
    • レンタルサーバーはコントロールパネル(名称はいろいろ)により、様々な設定をWebブラウザで行います。1つのレンタルサーバーであれば、1つのコントロールパネルで全てのドメイン(サイト)を操作できます。

ちょっと技術的な話であれば、FTPクライアントでファイルを操作する際、全てのサイトのファイルをまとめて操作できます。別々にアクセスする必要がありません。

FTPアカウントの仕様によっては、できないレンタルサーバーもあります。

デメリット

すでに説明しましたが、1つの契約(レンタルサーバー)を共有することになります。1つのサイトでは余裕のあったディスク容量も、多くのサイトを運営すると不足するかもしれません。

特に 転送量制限 に注意しましょう。低価格のレンタルサーバーほど転送量制限が厳しくなります。制限内でも一時的な高負荷(アクセス急増)により、ペナルティ(サイトの一時停止)を受ける可能性もあります。

レンタルサーバーによりますが、1つの契約(アカウント)に対して負荷(転送量ではなくCPUなど)が監視されます。一つ一つのサイトの負荷は小さくても、トータルの負荷が閾値を越えればペナルティとなります。

レンタルサーバーを選ぶときに

マルチドメイン対応は当たり前となっており、対応は最低条件といってもよいでしょう。特に初心者であれば、違うドメインであれこれ試したくなります。

一部の高価格帯レンタルサーバーにはマルチドメイン非対応(オプション対応)もあります。それらの多くは法人向けであり、コーポレートサイトの安定運用にコストを振っているのだと思います。

ドメインの維持費も馬鹿にならないので、維持費の安いドメイン(定番のcomやnetなど)を利用すると良いでしょう。キャンペーン価格に釣られて更新費用の高いドメインに手を出さないようにしましょう。

「1つのレンタルサーバーでは、リスクを分散できない!」と思いますが、リスクを気にするサイトを運営するならレンタルサーバー(特に低価格帯の共用サーバー)を選択してはいけません。

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