レンタルサーバーとグローバルIPアドレス

レンタルサーバーによっては、グローバルIPアドレス(独自IPアドレスや固定IPアドレス)を無料で利用できたり、オプション設定としていることがあります。レンタルサーバーでグローバルIPアドレス(以下、IPアドレス)が利用できると何が嬉しいのでしょうか?

ほとんどのレンタルサーバーは1つのIPアドレスを複数のドメインで共有しています。イラストのように バーチャルホスト と呼ばれる仕組みにより、1つのサーバー(IPアドレス)に複数のドメインを収容することができます。

目的のWebサイトにドメインでアクセスできても、対応するIPアドレスでアクセスできないのはそのためです。IPアドレスとドメインが1対1となれば、IPドレスでもアクセスが可能となります。

つまり、レンタルサーバーでグローバルIPアドレス対応となっていれば、あなたのWebサイト(独自ドメイン)に、IPアドレスでアクセス可能となる仕組みが用意されていると思えば良いでしょう。

スムーズなサーバー移行

法人向けレンタルサーバーでは、IPアドレスを1つ無料で利用できることがあります。何が嬉しいかと言えば、他のレンタルサーバーからWebサイトを移転する前に、新しいサーバーで作業を行うことができます。

つまり、移転前のWebサイトは古い環境でそのまま運用しつつ、新しいサーバーでは IPアドレス で動作確認等を行うことができます。新しい環境が整い次第、ドメインの設定を変更するだけなので、Webサイトを一切停止させずに新しい環境へ移行させることが可能です。

SSL対応

IPアドレスがあることで、対応するWebサイトをSSL対応とすることが可能です。SSLサーバー証明書の説明は省きますが、SSLに対応すれば、 「サーバーとの通信の暗号化」「Webサイトの所有者の証明」 が可能となります。Webサイトの安全性の証明となり、訪問者からの信頼を得ることができます。

SSL対応はGoogleのSEO評価基準としても採用されているようです。今後は、少しでも検索上位を狙うのであればSSL対応は必須となるのかもしれません。

SSL対応となれば、ブラウザのアドレス欄がこのような表示になるので判別しやすいでしょう。他にもサイトシール(セキュアドシール、等)を表示させることも可能です。

以前はSSL対応にIPアドレスが必須でしたが、最近ではドメインベースの証明書も利用可能となっています。つまり、個別にIPアドレスを持たないレンタルサーバーのWebサイトでも簡単にSSLに対応させることができます。

すでにさくらインターネットでは対応しており、共用タイプのスタンダードプラン以上から利用することが可能です。古いWebブラウザが対応していないなどの制限はありますが、レンタルサーバーでも気軽にSSLが利用できるのは嬉しいですね。他のレンタルサーバーも追従して欲しいところです。