ロリポップでは初期ドメインを利用できるため、独自ドメインを持たなくてもサイト運営が可能です。初めのうちは初期ドメインでWordPressを運用しても、しばらくすると独自ドメインに変更したくなることもあるでしょう。
最初から独自ドメインで運用していた場合と比較して、初期ドメインから独自ドメインへ変更するのは少し面倒です。ここでは、初期ドメインで運用していたWordPressを独自ドメインへ移行する方法から、注意すべきポイントまでをまとめています。
example.lolipop.jp
や example.main.jp
など、ロリポップ!が保有する 約100個 のドメインのサブドメインを利用できます。ここでは以下の様にWordPressが導入されていることを前提とします。インストールディレクトリが異なる場合は、適宜置き換えてください。おそらく、公開ディレクトリ (ドキュメントルート) に直接インストールすることは稀だと思うので、サブディレクトリにインストールしていることにします。
各設定は以下の通りです。自分の環境に置き換えてください。
設定 | |
---|---|
初期ドメイン | example.lolipop.jp |
初期ドメインのWP インストールディレクトリ | /wp |
初期ドメインのWP URL | http://example.lolipop.jp/wp/ |
変更後の独自ドメイン | example.com |
変更後のWP URL | http://example.com/ |
サーバーの設定を行う前に、独自ドメインの設定を変更しておきましょう。利用する独自ドメイン (example.com) がロリポップのサーバーへアクセスされるように設定します。
独自ドメインの設定変更はインターネット (DNSサーバー) に反映されるまで少し時間がかかります。前もって済ませておけば、サーバーやWordPressでの作業が終わる頃には、ドメイン設定が反映されているためスムーズに動作確認ができます。
ここでは、ムームードメイン、スタードメイン、バリュードメイン、お名前.comの手続きについて説明しますが、他のレジストラ&リセラー (以下、レジストラ) でも手続きは変わりません。
ムームードメインはロリポップの姉妹サービスなので、他レジストラより簡単に設定ができます。
ネームサーバ設定変更
を選択します。ネームサーバ設定変更
をクリックします。
ロリポップ!レンタルサーバー
を選択します。ネームサーバ設定変更
をクリックします。
これで、ムームードメインでの手続きは完了です。ネームサーバーの設定が以下の通りになっていることを確認します。
ネームサーバ | |
---|---|
ネームサーバ1 | uns01.lolipop.jp |
ネームサーバ2 | uns02.lolipop.jp |
この情報 (ネームサーバのアドレス) はムームードメイン以外での設定に必要となります。
管理ドメイン一覧
を選択します。ドメイン管理ツール
をクリックします
ネームサーバーの確認・変更
をクリックします。
確認画面
をクリックします。これでスタードメインの作業は終了です。
ドメイン
を選択します。
ドメインの設定操作 (登録済みドメイン一覧)
を選択します。ネームサーバー
をクリックします。
保存する
をクリックします。これでバリュードメインの作業は終了です。
ドメイン設定
タブを選択します。ネームサーバーの変更
をクリックします。他のネームサーバーを利用
を選択します。確認画面へ進む
をクリックします。これでお名前.comの作業は終了です。
これらの設定で、独自ドメイン (例 example.com) でロリポップのサーバーにアクセスされるようになりますが、少しだけ注意があります。
それではロリポップ!で、独自ドメインを利用できるように設定します。
独自ドメインの設定により、ロリポップの (DNS) サーバーまではアクセスできるようになりました。ロリポップでは多くのサーバーが運用されており、これまでの設定だけではあなたのサーバー (そして、対応するディレクトリ) を特定できません。そこで、独自ドメインと対応するディレクトリを登録する必要があります。
これで独自ドメイン「example.com」がサーバーに登録され、「example.com」に対応するディレクトリ (ドキュメントルート) が「wp」となりました。
現在の設定では、初期ドメイン「http://example.lolipop.jp/wp」と独自ドメイン「http://example.com」のアクセス先が同じです。
これまでの設定により、独自ドメイン (example.com) へアクセすると、初期ドメインで運用していたWordPressサイトが開きます。実際に「http://example.com/」へアクセスしてみましょう。
問題なく動作しているように見えます。しかし、他ページへのリンクを確認すると、初期ドメイン (example.lolipop.jp) を参照していることが分かります。ここを変更するには、WordPressでの設定が必要となります。
初期ドメイン のアドレスでWordPressのダッシュボードにアクセスします。これまでの説明であれば、ダッシュボードのURLは以下の様になります。
特にWordPressアドレスの変更は慎重に行ってください。間違えるとサイトやダッシュボードにアクセス不能となります。しかし、間違ったとしても慌てる必要はありません。
もしトラブルが起きてサイトにアクセスできなくなった場合は、データベースを編集します。
これだけで、初期ドメインの状態に戻せます。
siteurl = WordPressアドレス
home = サイトアドレス
このままでも問題ありませんが、初期ドメインでも独自ドメインでも同じディレクトリ (WordPress) にアクセスできる状態となっています。もちろん、初期ドメインでのアクセスはほとんどの場合エラーとなるため、致命的な不都合はありません。
しかし、初期ドメインでの運用時に行われた他サイトからのリンクは無効となり、検索エンジンによる評価は別サイトと見なされるためリセットされます。
そこで、リダイレクト設定 (転送設定) を行い、初期ドメインへのアクセスを独自ドメインへ転送するための設定を行います。例えば以下の様なイメージです。
http://example.lolipop.jp/wp >自動転送> http://example.com/
http://example.lolipop.jp/wp/category >自動転送> http://example.com/category
WordPressのインストールディレクトリに.htaccess
というファイルがあるので、それを編集します。
# ここから
RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^example\.lolipop\.jp [NC]
RewriteRule ^(.*) http://example.com/$1 [R=301,L]
# ここまでを追記
# BEGIN WordPress
省略
# END WordPress
ファイルの先頭に上記3行を追記してください。他の設定はそのままにしておきましょう。この設定で初期ドメインへのアクセスが全て独自ドメインへ転送されます。
R=301
はリダイレクトの種別を示しており、恒久的な転送 (301) を意味します。この設定により検索エンジンへ「同じコンテンツですが、新しいドメインへ引っ越しました」ということを伝えることができます。つまり、検索エンジンによる評価を初期ドメインから引き継ぐことができます。
リダイレクトの設定を行う場合、ブラウザで動作確認をすると思います。しかし、ブラウザにはリダイレクトの設定をキャッシュする機能が備わっており、同じURLへアクセスする場合、キャッシュにある結果を利用します。つまり、いくらサーバー上でhtaccessを編集しても全く反映されなません。おかしいなと思ったらキャッシュを疑ってください。
各ブラウザには、キャッシュを一時的に無効にする機能が備わっています。例えば、下記はChromeの設定ですが、Firefoxにも同様の仕組みが存在しています。
これで、デベロッパーツールが表示されているタブのみキャッシュが無効化されます。デベロッパーツールが開いているときのみ有効となるので、理由がなければそのままにしておいても問題はありません。