ロリポップ!のビジネスプランのFTPレスポンス性能を調べてみよう!

WordPress等のCMS(Content Management System)をそのまま運用するならFTPの利用頻度は少ないかもしれません。ただし、オリジナルのWordPressテーマ、Webサイト、Webアプリケーションを開発するなら、レンタルサーバーのFTP性能を無視することはできません。

頻繁にファイルをアップロードしたり、サーバー上のファイルを編集するならレスポンスの良いレンタルサーバーを選ばなければ非常にストレスとなり作業効率も悪くなります。

ロリポップ!(lolipop!)のビジネスプランを利用する機会があったので、FTP性能を調べてみました。下位プラン(コロリポ、ロリポ、チカッパ)と比較して高性能を謳っているので、レスポンスの良さに期待ができます。

測定方法

測定方法は下記のページを参照してください。HTTPレスポンス測定の説明ですが、仕組みとしては変わりません。ただし、並列転送を考慮したHTTP測定とは異なり、FTP測定はファイルを1つずつ転送しています。

レンタルサーバーが同時接続を許可していて、FTPクライアントが並列転送に対応していれば、この測定結果より早く転送できることになります。

レンタルサーバー性能の測定方法

  • 19ファイル(テキストファイルや画像ファイル)のアップロードとダウンロード
  • 合計ファイルサイズは約1.8MB

測定期間

  • 2015年7月9日より9日間

測定と言っても一度きりでは意味がないので、一定期間の継続した測定を行っています。一定期間測定することで、夜間と日中の差や休日と平日の差を見ることができます。もしかしたら、曜日毎の変化があるかもしれません。

測定経路

データセンターの所在地については、下記のページを参考にしてください。

ロリポップ!のビジネスプランのデータセンターを探してみよう

家庭用回線からの測定となります。家庭用回線は測定中であってもサーバー以外のPCで普通にインターネットを利用しています。家庭用回線のサーバーは測定専用として測定以外の処理は行っていません。

  • 家庭用回線の測定環境
    • eo光(K-Opticom/関西電力)100Mタイプ
    • ルーターと測定用サーバーは有線接続

eo光(家庭用回線)からの測定結果

  • 測定失敗:測定に失敗した割合
  • 10秒以上:転送に要した時間が10秒を超えた割合
  • 20秒以上:転送に要した時間が20秒を超えた割合
  • 平均時間:転送に要した時間の平均値
  • ばらつき:母標準偏差(グラフ上の値は標本標準偏差)
  アップロード ダウンロード
測定回数 1,320 1,320
測定失敗 0%(0) 0%(0)
10秒以上 56.8%(750) 12.5%(165)
20秒以上 0.23%(3) 0.15%(2)
平均時間(秒) 10.8 8.91
ばらつき(秒) 1.83 1.31
転送速度(kbps) 1,342 1,624

転送速度は単純な計算値です。実測値ではありません。

他のレンタルサーバーとの比較

プロバイダー 環境など アップロード ダウンロード
公式サイト 平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %

6.300.8708.0300.860

6.4200.8606.7500.80

6.500.5806.700.580

6.5601.305.1900.910

6.6901.30.056.4100.70.05

7.1901.090.056.6300.760.09

7.4601.5606.400.670

7.4901.1206.6400.60

7.9301.806.2200.690

8.2702.540.057.4401.650.05

9.500.640.146.700.530.07

エンタープライズ

10.801.8308.9101.310

11.502.1509.1201.10

11.5203.220.110.3101.610

12.101.6207.6100.690

14.401.640.276.6401.360.27

1605.110.112.204.570.19

16.202.22010.301.910

84.40082.980.6005.34

ロリポップ!ビジネスプランの評価

下位プランと比較すると、かろうじてレスポンスが良いようです。ただ、誤差の範囲内ともいえます。月額2,000円(長期契約の場合)ということを考慮すると、少し納得のいかない結果となりました。実際にFTPクライアントを利用すると、上位にあるレンタルサーバーと比較してレスポンスが良くありません。

プラン 測定時期 アップロード(秒) ダウンロード(秒)
下位プラン(ロリポ) 2015年6月 11.50 9.12
ビジネスプラン 2015年7月 10.80 8.91

もし、ロリポップ!の下位プランから移行するなら、違和感は少ないかも知れません。それでも、最上位プランなので速くなるだろうと期待すると、がっかりするかも知れませんね。

例えばディレクトリの移動やファイルの編集(反映)など、少し待つ感じがあります。レンタルサーバー初心者であれば気にならないと思いますが、レスポンスの良いレンタルサーバーの利用経験があると、少し辛いと思います。

時間帯による変化を確認すると、利用者の多い夜間に遅くなることがあります。遅くなると言っても、気になるほどの変化ではありません。今回の測定結果のみなら、時間帯による極端な変化はなく、終日安定した速度が出ているようです。速くはありませんが・・・

ダウンロードは非常に安定していますが、アップロードについては前半の結果が少し悪いようです。同時期に測定したWebサイト(HTTP)のレスポンスは安定しているので、FTPのアップロードのみ何かしら遅くなる原因があったようです。この結果は下位プランと似た傾向にあります。エラーは発生していないので、あまり気にする必要はないかもしれません。

測定結果と FTPクライアントの操作感 を比べると以下の様になります。これはあくまでも 主観的 な評価となりますが、平均時間が短いほど操作感(レスポンス)が快適になることは間違いありません。

平均時間 使用感
10秒未満 快適に利用できます。
10秒 ~ 15秒 全ての操作で少し待つ(引っかかる)感じがします。初心者ならあまり気にならないでしょう。
15秒 ~ 20秒 明らかにレスポンスが悪くなります。Webサイトの機能やデザイン等を頻繁に更新する用途に向きません。
20秒以上 FTPクライアントの利用がストレスとなります。他のレンタルサーバーを検討しましょう。

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