XREAのサーバー性能を評価して、他のレンタルサーバーと比較しよう

XREA (エクスリア) はGMOデジロックが運営する無料レンタルサーバーです。特徴は、有料サービスとほとんど変わらない仕様であり、Cronや様々なスクリプト言語にも対応することです。仕様的には上位サービスのコアサーバー (CORESERVER) とほぼ変わらず、コントロールパネルの使い勝手も変わりません。広告表示は必須ですが、理解して運用すれば非常に素晴らしいサービスです。

有料プランもあり、広告が非表示となるほか、転送量制限が緩和され、データベース数やマルチドメイン数が拡張されます。

しかし無料とは言え、処理性能 (レスポンス) が悪かったり、エラーが頻発するような不安定さがあると、積極的に使いたいと思えません。サーバー性能が優れていればレスポンスが安定し、訪問者にとって快適なWebサイトとなるでしょう。ここでは、XREAのサーバー性能について評価し、他のレンタルサーバーと比較します。

XREAの詳細については、下記のレビューをご覧ください。

【レビュー】XREA

測定方法

WordPressをインストールしたサイト (サーバー) を利用します。

• 「ランダムな3,000文字/記事 (の自動生成) 」の投稿と削除
  • 100記事をまとめて投稿、投稿後に全削除
• 投稿と削除はWordPressの標準関数を利用
  • wp_insert_post、wp_delete_post

これらの処理を 5分間隔 で実行し、処理時間を測定します。つまり、 PHPとデータベースの処理性能 を確認することになります。データセンター内で完結する処理なので、ネットワーク環境 (速度) の影響は受けません。

負荷について

100件程度は大した負荷ではありませんが、共用サーバーなので連続処理とならないように、1件毎にwait処理を差し込んでいます。

測定結果

測定結果

72時間 (3日間) の測定結果となります。X軸は時刻（0時～24時）を表し、各時刻の値は3日間の平均値です。有効測定数はエラーを省いた実測定数です。

棄却検定

測定実行のタイミングによりサーバーの負荷状態 (混雑具合) が変動します。集計に影響を与える一時的な異常値 (外れ値) を棄却検定 Grubbs’ test (α=0.001) により省いたデータも掲載しています。

ばらつき (標準偏差)

統計的な話ですが、処理の 約68% が 平均値 ± ばらつき に、約95% が 平均値 ± ばらつき×2 に収まることを示します。つまり、ばらつきが小さいほど処理性能が安定しているといえます。

XREAサーバーの評価

正直なところ、性能はあまり良くありません。XREAは多くのサーバーで運用されており、その中のひとつの結果ですが、他のサーバーでも似たような傾向にあると思います。理由としては、上位サービスであるコアサーバーの性能もあまり良くないからです。比較的新しいサービスであるバリューサーバー (VALUESERER) は改善されているようですが、コアサーバーやXREAはサーバー環境が古いままのような感じを受けます。

とにかく処理性能が安定せずに、エラーの発生率も非常に高いです。夜間になると急激に負荷が高くなるようですが、日中でもばらつきがあり、常に高負荷状態であることが分かります。Webサイトのレスポンス性能も同様の結果となっており、安定したサイト運営は厳しいでしょう。Webサイトのレスポンス性能については下記を参考にしてください。

XREAのレスポンス性能を評価しよう

無料サービスではありますが、Cronや複数のスクリプト言語 (PHP / Perl / Ruby / Python) に対応するなど、負荷を掛けやすい環境でもあります。そもそも、昔から重い (レスポンスが悪い) と言われているので驚くような結果でもありません。おそらく、1つのサーバーに対するユーザーの収容数も多いのでしょう。

しかし、無料サービスでここまで機能を解放しているサービスは多くありません。いろいろなことを試してみたい (学習してみたい) 初心者にはお勧めできます。

Xdomain、Webcrow、ロリポップ！との比較

無料レンタルサーバーである、Webcrow (ウェブクロウ)、XdomainのPHP＆MySQLサーバーと比較してみましょう。さらに有料サービスの比較対象としてロリポップ！を追加しています。

残念ながら、他のサービスと比較すると散々な結果です。有料サービスであるロリポップ！の処理性能の高さと安定さが際立ちます。

無料サービスの比較であれば、Xdomain ＞ Webcrow ＞ XREA となります。豊富な機能を選択するか、レスポンス性能を選択するか、と言ったところでしょう。例えば、WebcrowやXdomainはCron非対応、スクリプト言語はPHPのみ対応です。単純にレスポンス性能だけならXdomainがお薦めとなります。

もし、少々のエラーやレスポンスの悪さを気にせずに機能を優先するのであれば、有料サービスにも劣らない仕様となっています。しかし、本格的なサイト運営を目的とするなら、素直に有料サービスを選択しましょう。

他のレンタルサーバーとの比較

公式サイト	環境	平均値 ミリ秒	中央値 ミリ秒	標準偏差 ミリ秒	エラー %
CPI		1.7	1.67	0.07	0
wpXレンタルサーバー	PHP7/CGI	1.82	1.83	0.22	0
エクスクラウド		1.94	1.95	0.07	0
Z.com	PHP7/CGI	2.02	2	0.14	0
バリューサーバー	PHP7	2.15	2.12	0.32	1
WADAX		2.16	2.17	0.08	0
MixHost	PHP7	2.17	2.13	0.24	0
JETBOY		2.18	2.15	0.3	0
wpXクラウド		2.24	2.25	0.28	0
エックスサーバー	PHP7/FastCGI	2.28	2.23	0.25	0
wpXレンタルサーバー	PHP5/CGI	2.4	2.41	0.27	0
Z.com	PHP5/CGI	2.41	2.39	0.15	0
Quicca		2.52	2.43	0.33	0
コアサーバー	PHP7	2.71	2.68	0.34	8
Hostinger		2.72	2.66	0.37	35
シックスコア	PHP7/FastCGI	2.73	2.7	0.3	0
エックスサーバー	PHP5/FastCGI	2.73	2.68	0.27	0
アルファメール		2.86	2.86	0.09	0
MixHost	PHP5	3.03	2.96	0.38	0
FUTOKA		3.1	3.15	0.31	0
ヘテムル	PHP7/Module	3.11	3.12	0.08	0
エックスドメイン	PHP＆MySQL	3.11	3.01	0.33	0
FC2レンタルサーバー		3.13	3.14	0.07	0
ドメインキング	PHP5/FastCGI	3.14	3.09	0.21	0
ラクサバ		3.14	2.9	0.63	0
WPblog		3.14	2.96	0.68	0
ヘテムル	PHP7/CGI	3.19	3.19	0.13	0
Zenlogic		3.2	3.18	0.11	0
コアサーバー	PHP5	3.51	3.47	0.39	8
シックスコア	PHP5/FastCGI	3.61	3.6	0.4	0
クローバー		3.64	3.6	0.29	0
エックスドメイン	WordPress	4.18	3.89	1.09	0
お名前.com	PHP7	4.22	4.07	0.47	0
スマイルサーバ		4.22	4.27	0.3	0
Sova WP		4.42	4.43	0.18	0
X2		4.5	4.47	0.58	0
ロリポップ！	PHP5/CGI	4.56	4.45	0.56	0
お名前.com	PHP5	4.96	4.86	0.45	0
ロリポップ！	PHP5/Module	5.12	4.96	0.8	0
フレンドサーバー	PHP7	5.16	4.24	2.23	0
ちゅらうみレンタルサーバー		5.18	4.69	1.24	0
COREPRESS Cloud		5.25	5.21	0.32	0
ファイアバード	PHP7	5.25	5.17	0.37	0
FC2 Lite		5.31	5.32	0.11	0
バリューサーバー	PHP5	5.31	5.23	0.56	0
ミニバード	PHP7	5.67	5.52	0.74	0
さくらインターネット		5.71	5.59	0.45	0
ファイアバード	PHP5	5.88	5.8	0.36	0
iCLUSTA+		6.05	5.92	0.58	0
フレンドサーバー	PHP5	6.45	5.15	2.64	0
ミニバード	PHP5	6.45	6.33	0.77	0
KAGOYA		6.52	6.49	0.76	0
Z.com WordPress	PHP5/FastCGI	6.64	6.67	0.33	0
Bizメール＆ウェブ エコノミー		6.9	6.91	0.13	0
ロリポップ！	ライト	7.41	6.93	2.16	0
Webcrow		8.3	7.31	3.55	0
XREA		14.4	9.34	14	61

hostingstock.netで測定した他レンタルサーバーとの比較です。

測定結果について！

レンタルサーバーは、一つのサービス (プラン) に対して多くのサーバーが運用されています。これらの測定結果は、その中の一つに過ぎません。契約時期により割り当てられるサーバーのスペックは異なる可能性があります。また、同じサーバーを利用する他のユーザーの負荷も影響します。