XServer(エックスサーバー)のレンタルサーバーのFTP性能を評価する

WordPressや他CMSを既存テーマで運用するならFTPの利用頻度は少ないかもしれません。ただし、オリジナルのWebサイトやWebアプリケーションを開発するなら、レンタルサーバーのFTP性能を無視することはできません。

頻繁にファイルをアップロードしたり、サーバー上のファイルを編集するならレスポンスの良いレンタルサーバーを選ばなければ非常にストレスとなりますし、作業効率が悪くなります。

レンタルサーバーとして人気のエックスサーバーのFTP性能の測定結果を掲載します。

測定方法

測定方法は下記のページを参照してください。

レンタルサーバー性能の測定方法

  • 19ファイル(テキストファイルと画像ファイル)のアップロードとダウンロード
  • 合計ファイルサイズは約1.8MB

この測定ではファイルを1つずつ転送しています。レンタルサーバーが同時接続を許可していて、FTPクライアントが並列転送に対応していれば、より早く転送できることになります。

測定期間

2015年4月9日より10日間

測定ポイント

サーバー(データセンター)のロケーションについては、下記のページを参考にしてください。

家庭用回線とデータセンターからの測定となります。家庭用回線は測定中であってもサーバー以外のPCで普通にインターネットを利用してます。サーバーは測定専用として測定以外の処理は行っていません。

  • 家庭用回線の測定環境
    • eo光(K-Opticom/関西電力)100Mタイプ
    • ルーターと測定用サーバーは有線接続

eo光(家庭用回線)からの測定結果

  アップロード ダウンロード
測定回数 1,464 1,464
測定失敗 0%(0) 0%(0)
10秒以上 0.75%(11) 2.19%(32)
20秒以上 0%(0) 0%(0)
平均時間(秒) 6.30 8.03
ばらつき(秒) 0.87 0.86
転送速度(kbps) 2298 1801

他のレンタルサーバーとの比較

プロバイダー 環境など アップロード ダウンロード
公式サイト 平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %

0.750.740.050.10.480.440.10.05

0.750.750.050.20.490.440.130.1

0.840.740.2400.730.640.180

0.860.850.060.10.590.510.190.1

0.90.70.4200.690.580.30

0.950.880.240.20.710.620.260.1

0.950.830.320.20.720.660.270.1

WordPress

0.990.880.320.250.710.590.280.35

1.040.780.4900.720.620.30

1.050.860.440.250.720.610.320.05

1.10.840.480.20.860.720.380.2

1.111.10.083.170.730.70.111.87

1.211.10.330.350.750.690.250.3

PHP&MySQL

1.331.270.260.11.131.010.250.1

SFTP

1.391.350.1401.061.030.110

1.441.210.6701.191.110.290

1.51.490.0701.331.20.540

1.531.530.090.90.890.870.091

1.561.550.100.970.960.070

1.581.580.060.050.980.870.210

SFTP

1.611.60.0701.721.690.120

1.611.560.1901.131.210.250

1.611.60.101.080.970.210

1.621.550.190.051.211.20.10.05

1.671.660.150.250.980.970.070.25

1.731.730.1101.061.050.090

1.771.80.2401.081.040.140

SFTP

1.831.850.2701.331.290.150

1.881.710.6901.531.520.330

1.9820.3301.191.150.110

新サーバー

2.112.030.350.41.441.360.40.2

2.141.920.6901.251.220.160

2.262.030.630.31.331.270.150.3

2.382.310.30.052.462.420.290.05

旧サーバー

2.482.280.550.151.921.780.520.05

2.622.41.022.81.841.740.631

2.922.51.1202.992.481.410

2.972.441.190.051.390.541.760

SFTP

32.990.2401.931.90.130

3.093.120.1601.361.330.120.05

3.413.410.0901.861.840.080

5.533.923.450.355.863.954.10.25

6.7500.730.28.7200.980.1

海外

11.611.60.4806.796.740.280

海外

12.112.10.507.477.450.190

海外

12.312.30.52010.910.31.350.05

海外

16.616.50.560.210.110.20.860.25

海外

33.430.27.130.1520.5201.830.05

XServer(エックスサーバー)の評価

他社と比較してアップロード性能は上位にあります。エラーは一度も発生しておらず、ばらつきが小さいことからレスポンスが安定していることが分かります。グラフから夜間に負荷のピークが来ることが分かりますが、日中との差は小さく気にするほどではありません。負荷がピークの時でも他社レンタルサーバーより優れた速度が出ています。

hostingstock.netはエックスサーバー(2015年4月現在)を利用していますが、FTPが遅いと感じたことがありませんし、不安定になったこともありません。サーバー上のファイルを直接編集することもありますが、保存すると即座に反映されます。他の低価格レンタルサーバーの中には、ファイルを直接編集して保存してもなかなかアップロードが終わらないものもあり、FTPを多用するならFTP性能もしっかりと確認しておくべきでしょう。

参考結果:ドメインキングからの測定結果

同時期にドメインキングから測定した結果です。

  アップロード ダウンロード
測定回数 1,464 1,464
測定失敗 0.07%(1) 0.34%(5)
10秒以上 1.37%(20) 1.78%(26)
20秒以上 0%(0) 0%(0)
平均時間(秒) 7.28 7.70
ばらつき(秒) 0.62 0.67
転送速度(kbps) 1986 1879

転送速度は単純な計算値です。実測値ではありません。

エラーの内訳は以下の通りです。

  • アップロード:1
    • タイムアウト:1
  • ダウンロード:5
    • タイムアウト:5

他社レンタルサーバーからの測定は、時間帯による変化や家庭用回線からの測定に間違いがないかを確認するために行っています。データセンター間となると基幹網(バックボーン)での接続となるため、家庭用回線の結果と比較しても意味がありません。

例えば、多数のエラーや大きな遅延が同じタイミングで発生していれば、測定対象のレンタルサーバーに問題があることが分かります。

家庭用回線での測定エラーや大きな遅延がなかったので、測定結果に問題はないようです。両方の結果から分かることは、エックスサーバーのFTPはレスポンスがよく安定しているということです。

関連記事

BLOG

UPDATE