レンタルサーバーの標準装備である「 メーリングリスト 」や「 メールマガジン 」を使ったことがありますか?中には本当に簡易的な機能なので、使ってみようとも思えないものもありますが、エックスサーバー(XServer)の機能は、なかなか本格的な仕様となっています。
他社のレンタルサーバーであればフリーソフトウェアの GNU Mailman が採用されていることもありますが、レンタルサーバー初心者にとっては決して使い勝手の良いものではありません。
エックスサーバーのメーリングリストとメールマガジンは、エックスサーバー オリジナル のソフトウェアです。使い勝手が非常に良く、初心者でも簡単にメーリングリストやメールマガジンを管理できるでしょう。不具合対応等、メンテナンスが継続的に行われているので、安心して利用できます。
メーリングリストとメールマガジンの説明の前に、エックスサーバーのメールの仕様について確認しておきましょう。
注意して欲しい点は、エックスサーバーには 送信制限 があると言うことです。全プラン共通の制限ですが、あくまでも目安であり、多少の超過は許容範囲となっています。ただし、迷惑メールと判断された場合は、送信数に関係なく制限されます。
例えば、メーリングリストを1つ作成して、500人が参加したとしましょう。3件の投稿があれば3×500の1,500件となり、1時間あたりの送信上限に達します。まぁ、数百人単位の大規模なメーリングリストを作成するなら、送信制限のないメーリングリスト専用サービスを利用すべきでしょう。
送信制限はエックスサーバーだけではなく、共用サーバーであれば大なり小なり様々な制限が存在します。
プラン | X10 | X20 | X30 |
---|---|---|---|
メーリングリスト数 | 20件 | 30件 | 40件 |
1件あたりの登録数上限 | 500 | 500 | 500 |
メーリングリストはWebアプリケーションとなっており、作成する毎にサーバーの「xmailinglist」というディレクトリにスクリプト等がインストールされます。つまり、上図の管理ツールはメーリングリスト毎に生成されます。
メーリングリストを作成する際、メーリングリスト用のアドレスを設定します。このアドレスにメールを投稿すると、参加者全てにメールが配信されるようになります。管理者メールアドレスを設定することができ、メンバー登録完了メールやシステムエラーメールを受信することができます。
アドレスは設定する独自ドメインのアドレスとなります。「example.com」で設定すれば、「任意の文字列@example.com」となります。
メーリングリストへ参加する方法は大きく3種類あります。
1つ目 は管理者による登録です。管理ツールで参加者のメールアドレスを登録します。
2つ目 は、ユーザー自身でメーリングリストに参加する方法です。
3つ目 は、後述する「公開ページ機能」による入会方法です。
「公開ページ」にある入会フォームにメールアドレスを入力して「メーリングリストに入会する」をクリックすると、「入会確認メール」が届きます。メール内にある「入会用URL」をクリックすることで登録されます。
メーリングリストの退会方法は3種類です。
退会者のメールが過去ログから削除されることはありません。
公開ページ機能とは、過去ログ(メール)をインターネット上に公開する機能です。関係者以外に公開しないように パスワード保護機能 があります。パスワードを設定しなければ、関係のない第三者からも閲覧可能となります。
公開ページからの「入会・退会」も可能となります。管理ツールで過去ログの閲覧機能を無効にすれば、「入退会フォーム」のみのページとして利用することもできます。
配信されたメールは過去ログとして保存されます。公開ページだけでなく、管理ツールでも確認できます。
配信エラー管理があり、配信に失敗したメールアドレスに対する処理を設定できます。例えば、1週間の間に3回送信に失敗したら、自動的のメンバーから削除することもできます。削除されたアドレスや配信エラーは集計され確認できます。
もちろん、システムが自動的に送信する「入会確認メール」「退会確認メール」「入会完了メール」「退会完了メール」にはひな形があり、自由に編集することができます。
他にも以下の機能があります。
件名の編集 | 件名、タイトル、通し番号を組み合わせることができます。タイトルは自由に決めることができます。 |
ヘッダー フッター |
配信されるメールのヘッダーとフッターに挿入する定型文を編集することができます。 |
配信前確認 | 管理者が承認したメールのみ参加者に配信されるように設定できます。 |
返信先設定 | 「メンバー全員へ返信」と「投稿した送信者へ返信」を選択できます。 |
容量制限 | メーリングリストに配信可能な1通あたりのメールサイズの上限設定を設定できます。設定可能なサイズは500KB~30MBです、 |
HTMLメール | 「許可しない」に設定した場合、HTML形式部分は除去されテキスト形式でメールが配信されます。 |
ファイル添付 | 「許可しない」に設定した場合、ファイル添付があるメールはエラーとなり配信されません。 |
プラン | X10 | X20 | X30 |
---|---|---|---|
メールマガジン数 | 10件 | 15件 | 20件 |
1件あたりの登録数上限 | 1,000 | 1,000 | 1,000 |
基本的には メーリングリストと同等の機能 を備えているので、詳細な説明は省きます。インストールディレクトリはメーリングリストと同じです。配信済みのメールマガジンを管理ツールで確認できたり、配信エラーの管理も行えます。
システムメールの設定もあり、「登録確認メール」「退会確認メール」「登録受付完了メール」「退会申し込み完了メール」の定型文を編集することが可能です。
ただし、メーリングリストのように 公開ページ機能はない ので、過去のメールマガジンを公開することはできません。
アドレスは設定する独自ドメインのアドレスとなります。「example.com」で設定すれば、「任意の文字列@example.com」となります。
基本的には管理ツールから配信します。ただし、管理ツールで設定を行うことで普段利用しているメーラーからの配信も可能となります。
初期状態では無効となっているので、管理ツールで有効にします。 配信専用メールアドレス が生成されるので、それを利用することでメーラーからの配信が可能となります。ただし、 送信用メールアドレス を設定する必要があり、設定したアドレスからしか送信することができません。
配信ナンバー | ナンバリング(通し番号)機能があります。件名に付加することが可能です。 |
件名 | 件名の初期値を設定できます。日付や配信ナンバーを件名に付加することができます。フォーマットが決まっており{auto_number}で通し番号、{year}{month}{day}で年月日となります。 |
返信先 | メールマガジンの返信先アドレスを設定できます。 |
ヘッダー フッター |
メルマガ本文のヘッダーとフッターに挿入する定型文を編集することができます。 |
メールつながりということで、メールフォームについても紹介します。「レンタルサーバー標準のメールフォームはイマイチ」と思うかも知れませんが、エックスサーバーのメールフォームは非常に高機能です。
メールフォームを作成する段階で、URL(ディレクトリ)を決定します。例えば「example.com」であれば「http://example.com/script/mailform/ 」以下で自由に決めることができます。決定したディレクトリにメールフォームが設置されます。
セキュリティ対策として、メールの連続送信を禁止することも可能です。例えば、設定した時間内に同一IPアドレスからのメール送信(問い合わせ)を禁止することができます。
メールフォームページへのHTMLタグ(リンク)が生成されるので、Webサイトに簡単に設置することが可能です。
上図は初期状態で生成したお問い合わせフォームです。下記の項目を追加することができます。
お名前 | ふりがな | URL | 年齢 | 性別 |
郵便番号 | 都道府県 | 住所 | TEL | FAX |
メールアドレス | 件名 | お問い合わせ内容 | テキスト | テキストボックス |
プルダウンメニュー | ラジオボタン | チェックボックス |
全ての機能(項目)を追加するとこのようになります。
自動返信メールに対応しています。問い合わせを受信したときに、送信者がメールアドレスを正しく入力していれば、自動的に定型文のメールを返信することができます。
自動返信メールの「件名」「本文」「差出人(From)のアドレス」を自由に設定可能です。
デザインは定型スキンと自作スキンを利用できます。定型スキンは、サイズやカラーといった簡単なカスタマイズを行うことができます。自作スキンは、定型スキンをベースにHTMLとCSSを編集して完全にオリジナルのデザインを作ることができます。
さらに、「入力画面」「確認画面」「完了画面」のメッセージ(定型文)を編集することが可能です。