XServer(エックスサーバー)のレスポンス性能や安定性を評価する - その2

以前にも評価しましたが、評価方法を変更したので再測定しました。その結果を掲載します。

以前の評価結果はこちらをご覧ください。

XServer(エックスサーバー)の性能や安定性を評価する

測定方法

測定方法については、下記のページを参考にしてください。

レンタルサーバー性能の測定方法を変更しました

測定期間

2015年2月20日から 10日間

測定ポイント

サーバー(データセンター)の所在地については、下記のページを参考にしてください。

家庭用回線とデータセンターからの測定となります。家庭用回線は測定中であってもサーバー以外のPCでYouTubeを見たりファイルをダウンロードしたりと普通の使い方をしており、実環境と似た結果が得られると思います。

  • 家庭用回線の測定環境
    • eo光(K-Opticom/関西電力)100Mタイプ
    • ルーターと測定用サーバーは有線接続

測定結果

10秒以上の結果は、ばらつきを大きくするのでグラフ化のデータから省いています。10秒以上のデータについては、測定結果の表を確認してください。

  • 測定回数: 実行総数
  • 測定失敗: ダウンロードが失敗した割合
  • 3秒以上: ダウンロードに要した時間が3秒を超えた割合
  • 10秒以上: ダウンロードに要した時間が10秒を超えた割合
  • 平均時間: ダウンロードに要した時間の平均値
  • ばらつき: 母標準偏差(グラフ上の値は標本標準偏差)

eo光(家庭用回線)からエックスサーバー

  動的サイト 静的サイト
測定回数 5,856 5,856
測定失敗 0.02%(1) 0%(0)
3秒以上 2.1%(124) 0.77%(45)
10秒以上 0%(0) 0.02%(1)
平均時間(秒) 1.32 0.79
ばらつき(秒) 0.58 0.49

エックスサーバーの評価

快適なWebサイトの条件として3秒以内のレスポンスが1つの基準となります。元々評判の良いエックスサーバーですが、実際の測定結果からも優秀なレンタルサーバーであることが分かります。夜間帯にレスポンスが悪くなるのはインターネットの利用者が増えるためなので、どのレンタルサーバーでも同じ傾向となります。悪くなるといっても0.5秒に収まる程度なのでグラフで感じるほどの差ではありません。

調査では、3秒を過ぎると57%のユーザーがしびれを切らし、訪問を諦めることがわかった。どんなに美しいサイトを作ったところで、3秒以内に表示されなければユーザーの目に触れるチャンスすらないということになる。

3秒が許容範囲 - Webサイトのパフォーマンスが重要な理由 | マイナビニュース

低価格帯レンタルサーバーのドメインキングやロリポップ!の評価結果を見ると明らかに性能差があることが分かります。

レンタルサーバーは大手プロバイダであれば料金と性能が素直に比例します。低価格帯のレンタルサーバーにもメリットはありますし、多くのアクセスを抱えなければ必要十分な性能はあります.

PHPやデータベースを利用しても安定している

動的サイトと静的サイトのレスポンスの差は0.5秒であり、測定全体に対するばらつき程度の差しかありません。この程度の差はユーザーが体感するほどではないでしょう。

とにかくエラーが少ないのもエックスサーバーの特徴です。家庭用回線からの測定ではエラーは1回(接続失敗によるタイムアウト)だけです。また、動的サイトであっても3秒を超える結果は数%しかなく安定しています。

他のレンタルサーバーとの比較

公式サイト   WordPress Static
環境 平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %

0.210.210.0100.210.210.010

PHP5/CGI

0.240.220.0500.430.540.20

PHP7/CGI

0.240.210.0700.240.210.060

0.250.230.060.020.260.230.080.42

Xキャッシュ

0.290.250.0900.280.250.070

0.370.350.0800.360.350.050

0.380.370.0500.570.660.190

PHP7/FastCGI

0.40.40.1200.230.220.030

WordPressサーバー

0.420.350.200.40.350.150

0.430.470.2100.430.220.310

PHP7/FastCGI

0.450.450.1500.290.260.090

PHP7

0.460.450.030.050.350.310.10.02

キャッシュ無効

0.470.520.1500.430.540.210

PHP5/FastCGI

0.470.470.1200.230.220.030

0.540.70.2500.360.330.090.02

PHP5/FastCGI

0.550.540.1700.330.290.110

0.620.620.030.10.410.340.140.17

PHP7

0.620.590.3200.380.310.20

PHP7/Module

0.620.590.1100.40.390.040

キャッシュ無効

0.620.610.1200.380.370.050

PHPサーバー

0.620.70.2600.340.290.10

PHP5

0.630.620.0300.320.310.030

PHP7

0.630.590.3300.370.310.180

0.640.610.100.480.450.090

PHP7/CGI

0.660.620.1200.390.380.050

0.6600.2200.6600.230

0.670.650.070.150.520.470.140.15

キャッシュ

0.680.680.0600.690.690.060

PHP7/CGI

0.70.680.0900.510.490.070

PHP5

0.710.690.3300.370.30.180

0.710.730.300.350.310.110

0.720.710.0500.240.240.010

0.750.630.3100.560.470.290

PHP5

0.750.70.3700.370.310.160

モジュール

0.80.750.160.150.370.360.060.1

0.830.790.3900.340.280.150

PHP7

0.840.80.2600.740.690.160

PHP7

0.840.840.1400.670.670.060

PHP7

0.850.840.0600.670.660.050

PHP7

0.880.840.160.750.610.570.10

0.910.860.1600.510.490.070

0.920.880.200.640.610.240

0.930.920.0500.650.650.040

PHP5

0.930.920.1600.670.670.060

0.950.950.1200.520.50.080

CGI

0.950.90.1600.390.370.070

PHP5/FastCGI

0.970.960.40.150.420.410.070.07

PHP5

10.980.3100.770.80.140

PHP5/CGI

1.040.80.7700.530.490.110

1.051.010.1200.810.740.190

PHP5

1.11.050.1600.60.560.10

1.141.140.0400.270.260.020

ライトプラン

1.441.221.300.510.370.670

1.961.920.630.021.631.560.590.02

2.091.71.070.931.241.170.420.6

2.2300.650.111.9100.60.07

PHP5/FastCGI

2.722.550.670.072.412.170.660.07

PHP5/FastCGI

2.92.780.510.352.522.370.430.15

PHP7/FastCGI

2.922.80.530.272.572.460.360.22

PHP7

3.181.572.340.350.710.710.180.22

PHP5

3.31.532.470.50.720.720.180.45

3.363.090.630.022.892.720.350

3.7800.50.073.7700.510.1

4.564.530.3104.244.220.340

5.75.720.830.025.135.140.810.02

8.056.723.081.687.826.43.231.41

00000.340.290.150

00006.136.270.450

まとめ

  • ばらつきが少なくレスポンスが非常に安定しています。
  • 動的サイトでも3秒を超える結果は数%に収まっています。
  • PHPとデータベースを介してもレスポンスがよくエラーがほとんどありません。
  • 利用者の多い夜間帯でも極端に遅くなることはありません。

このサイトもエックスサーバーを利用していますが、安定していると思います。トラブルを感じたことはほとんどありません。

参考値:ロリポップ!からエックスサーバー

  動的サイト 静的サイト
測定回数 5,856 5,856
測定失敗 0.02%(1) 0.02%(1)
3秒以上 4.3%(249) 3.3%(192)
10秒以上 0.02%(1) 0.22%(13)
平均時間(秒) 1.28 0.78
ばらつき(秒) 0.71 0.64

測定結果の妥当性

レンタルサーバー間の測定で何を見るかというと、 時間帯の負荷状況静的サイトと動的サイトの差 です。基幹網(バックボーン)の接続となるためレスポンスを家庭用回線と比較しても意味がありません。それでも、家庭用回線からの 測定結果の妥当性の確認 には利用できます。例えば、エラーや大きな遅延が同じタイミングで発生していれば、レンタルサーバーに問題があることが分かります。

家庭用回線を介さないロリポップ!とeo光の結果があまり変わりません。eo光が優秀なのかロリポップ!が負荷状態に影響されやすいのかは分かりませんが、ばらつきが家庭用回線より大きいのでおそらく後者だと思います。

両方のグラフの傾向が似ており測定結果に間違いはなさそうです。


測定結果について

測定結果は測定時期やネットワーク環境、レンタルサーバーの状態により大きく変動します。特に共用レンタルサーバーは1つのサーバーを複数のユーザーでシェアします。ユーザーが多ければ使えるリソース(CPUやメモリ、ネットワーク)は少なくなりパフォーマンスに影響します。ユーザーが少なくても少数のパワーユーザーがいれば、大きな負荷となりレスポンスが低下します。この測定結果はあくまでも1つの例として参考にしてください。


更新履歴  
2015年5月1日 リンクを修正

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