基盤システム刷新でさらに高性能となったエックスサーバーのレビュー

エックスサーバー(XSERVER)は、エックスサーバー社(同名)が運営するレンタルサーバーサービスです。2003年7月にサービスが開始された歴史のあるホスティングサービスです。wpXなどの優れた姉妹サービスを含めて新しいサービスや技術を積極的に導入しており、コストパフォーマンスの高さなど、他社と比較して頭一つ抜き出ています。

ハードウェアや仕様が定期的に更新(改善)されており「利用者が増える → 設備投資 → 性能向上 → 利用者が増える → 」という理想的な運営状態に思えます。2016年8月にも大幅な仕様刷新が実施されており、ハードウェアを含む各仕様がブラッシュアップされています。hostingstockでは多くのレンタルサーバーを紹介していますが、他社では考えられないほどの頻度でサービスが改善されています。

他にもWordPressがCMSのデファクトスタンダードになると、その関連機能が強化されています。例えば、ダッシュボードやXML-RPC APIのアクセス制限など、安定運用のための機能がいち早く投入されました。他のレンタルサーバーであれば、簡単インストール機能を用意するだけですが、エックスサーバーは運用面でも積極的にサポートする姿勢が見えます。

余談ですが、自然災害などの被災者に対するケアが非常に手厚く、最近では、熊本地震(2016年4月)、台風10号(2016年10月)、鳥取県中部地震(2016年10月)、新潟県糸魚川市大規模火災(2016年12月)の被災者に対して、ドメインとサーバーの契約期間無償延長を実施しています。これは、エックスサーバー社の関連サービス共通の対応です。サーバーの性能とは関係ありませんが、このような対応は信頼性に繋がるように思えます。

仕様変更の全容

2016年8月の基盤システム刷新は、各ソフトウェアのバージョンアップがメインとなっています。CPUやOSも更新されており、さらにパフォーマンスが向上しています。

コントロールパネルなど、ユーザーが操作する部分の変更はありません。

ウェブサーバー、プログラム 旧仕様 新仕様
ハードウェア CPU Xeon E5-2630 v3( 2.40GHz ) x 2 / メモリ 96GB CPU Xeon E5-2640 v4( 2.40GHz ) x 2 / メモリ 96GB→192GB
OS(独自調査) CentOS 5 CentOS 7
Apacheバージョン 2.2.x 2.4.x
PHP 7.0.x/5.6.x/5.5.x/5.4.x/5.3.x/5.2.x/5.1.x/4.3.x 7.0.x/5.6.x/5.5.38/5.4.16/5.3.3/5.1.6
PHPの動作 CGI/FastCGI FastCGI
Perl 5.8.x 5.16.x
Ruby 2.0.0/1.9.3/1.8.5 2.0.0
Python 3.3.1/2.7.4/2.4.3 3.4.x/2.7.x
MySQL 5.5.x 5.7.x
SQLite 3.3.x 3.7.x
ログ 旧仕様 新仕様
アクセスログダウンロード 当日のみ 過去30日
アクセスログ生成周期 1週間 1日
過去のアクセスログファイル名 ドメイン名.access _log.数字 ドメイン名.access_ log_8桁の年月日.gz
過去のアクセスログファイル形式 テキスト形式 圧縮ファイル形式(.gz)
出力内容のフォーマット - 出力ログの先頭にホスト名を追加
ログ保存ファイル ドメイン・サブドメインごと ドメインごと(サブドメイン含む)
ツール・ソフトウェア 旧仕様 新仕様
自動インストール WordPress/Xoops Cube Legacy/EC-CUBE/PukiWiki WordPress/EC-CUBE/PukiWiki
動作確認済みソフトウェア WordPress/XOOPS Cube Legacy/EC-CUBE/PukiWiki/concrete5/Drupal/Joomla/MODX/Movable Type/osCommerce/Zen Cart/ WordPress/EC-CUBE/PukiWiki/concrete5/Drupal/Joomla/MODX/Movable Type
ライブラリ・コマンド 旧仕様 新仕様
Libxml2 2.6.x 2.9.x
curl 7.15.x 7.29.x
vim 7.0 7.4
OpenSSL 1.0.1/0.9.8 1.0.1
その他 旧仕様 新仕様
POP before SMTP ○(国内限定) 廃止
共有SSL ○(近日終了予定) 廃止(無料で独自SSLを利用できます)
旧WEBメール(SquirrelMail) 非推奨 廃止

公式サイトから見る特徴

  • 高速サーバー
    • 最新20コアCPU & 大容量96GBメモリ
    • 232Gbpsの大容量バックボーン
    • FastCGI、キャッシュモジュールなどの各種高速化機能
  • 多機能性
    • マルチドメイン無制限
    • メール・FTPアカウント無制限
    • 独自SSL無制限
    • PHP7などの各種言語対応
    • CMSの簡単インストール機能
  • 高い安定性
    • 稼働率99.99%以上
    • 過去一定期間分のデータ自動バックアップ
    • 24時間365日の安心サポート
    • 充実したセキュリティ

各プランの比較

プラン毎の違いは非常にシンプルです。

プラン X10 X20 X30
初期費用 3,000円 3,000円 3,000円
標準月額 1,200円 2,400円 4,800円
ディスク容量 200GB 300GB 400GB
MySQL 50個 70個 70個
転送量制限 70GB/日 90GB/日 100GB/日
独自ドメイン無料 ×

明確な違いはこれだけです。ウェブサイトの運営数や規模を基準に選択することになります。運営サイト数が少ないのであればX10プランで十分です。

プラン変更は 手数料無料 でコントロールパネルから簡単に手続き可能です。とりあえずX10にしておき、不足を感じれば上位プランへ移行するのも賢い選択です。

プラン X10 X20 X30
3ヶ月契約 1,200円/月 2,400円/月 4,800円/月
6ヶ月契約 1,100円/月 2,200円/月 4,400円/月
12ヶ月契約 1,000円/月 2,000円/月 4,000円/月
24ヶ月契約 950円/月 1,900円/月 3,800円/月
36ヶ月契約 900円/月 1,800円/月 3,600円/月

最低契約期間は 3ヶ月 となっており、最長36ヶ月まで対応しています。長期契約ほど割引率が優遇される料金体系となっており、最大25%OFFです。

契約すると必ず 10日間のお試し期間 が適用されます。この期間内に利用料金を支払うと本契約となります。

X20とX30は独自ドメインを1つ 無料 で契約できます。「.com」「.net」「.org」「.biz」「.info」の中から自由に選択することができます。更新費用も無料なので、エックスサーバーを利用し続ける限り維持費はかかりません。X10でも不定期に行われるキャンペーンで無料になることがあります。

データセンター

エックスサーバー社のサービスはさくらインターネットの大阪データセンターで運用されています。エックスサーバー社の関連会社であるネットオウルのミニバードやファイアバードも同じデータセンターで運用されています。

WordPress専用レンタルサーバーとして有名なSova WPもここで運用されています。

コントロールパネル

エックスサーバーのコントロールパネルは2種類あります。契約情報を管理する「インフォパネル」、サーバーを管理する「サーバーパネル」です。インフォパネルとサーバーパネルのログインアカウントは異なりますが、インフォパネルにログインしていれば、サーバーパネルにもシームレスにログイン可能です。

レスポンスや使い勝手に優れるコントロールパネルであり、何をするにもサクサク操作できます。詳細なマニュアルが用意されているため操作に困ることはないでしょう。さらに利用者が多いこともあり、検索することでほとんどの情報を見つけられます。

インフォパネルの機能
ニュース / 会員情報 / パスワード変更 / 契約情報 / 追加のお申し込み / プランの変更 / 料金のお支払い / お支払い報告 / お支払い履歴 / プレゼントドメイン / キャンペーンドメイン / バックアップデータお申し込み / 解約

転送量制限

プラン X10 X20 X30
転送量制限 70GB/日 90GB/日 100GB/日

他社と同様にデータ転送容量に制限がありますが、非常に余裕があります。

簡単に計算してみましょう。世界中のウェブサイトを調査している「HTTP Archive」によると、ウェブページの平均サイズは2.5MB(2016年8月)となっています。

これを基に算出するとX10プランであっても1日に約28,000回のアクセスが可能となります。28,000PV/日のサイト構築は、そう簡単ではありません。普通のサイトであればX10で十分です。

しかし、この転送量の上限は「1契約」に対するものです。エックスサーバーは、マルチドメイン 無制限 対応なので、複数サイトの運営も容易です。例えば10個のサイトを運営すると、1サイトあたりの上限は1/10の2,800PV/日となります。月換算なら1サイトあたり約8.4万PV/月まで対応できます。

エックスサーバーの仕様は目安であり、この値を超えてもサーバーの稼働に影響が出るほどの負荷がなければ許容されます。さらに、ブラウザのキャッシュ機能を考慮すればこの計算以上のアクセスに耐えます。転送量に制限はありますが、常識の範囲内(料金に見合った規模のサイト運営)であれば問題となりません。

SSLの仕様

エックスサーバーは独自SSL(専用SSL)に対応しています。

独自SSL証明書はオプション対応 です。「ラピッドSSL」「クイックSSLプレミアム」「クイック認証SSL」から選択できます。ただし、他社で取得したSSL証明書は利用できません。エックスサーバーが指定するブランド(認証局)の証明書のみ対応です。

他社の証明書を利用できなくとも SNI SSL 対応かつ格安SSLサーバー証明書を取り扱っているため、年間1,000円程度でウェブサイトのSSL化(HTTPS対応)が可能です。

SNI SSLについては以下の記事を参考にしてください。

共用SSL(共有SSL)
独自SSLに無料で対応するため非対応です。

無料独自SSL

2016年06月30日より「Let's Encrypt」を採用した無料の独自SSLサービスを開始しました。Let's Encryptは誰でも自由にSSLサーバー証明書を取得できるサービスであり、エックスサーバーではコントロールパネルから簡単に設定できるようになっています。Let's Encryptの有効期間は90日間となっており、期限終了までに更新する必要がありますが、エックスサーバーでは「自動更新」に対応しています。一度設定してしまえば、あとはエックスサーバー側で自動更新されます。

エックスサーバーの無料独自SSLについては以下の記事も参考にしてください。

ドメイン

全プランで独自ドメインを 無制限 に設定可能です。サブドメインも無制限に設定できます。

エックスサーバーは契約時に初期ドメインが発行されます。そのため独自ドメインを持っていなくても、ウェブサイトを公開できます。例えばサーバーIDが「example」であれば「example.xsrv.jp」となります。

この初期ドメインはエックスサーバーの契約期間のみ有効です。長期にウェブサイトを運営するのであれば、独自ドメインの取得をおすすめします。それでも初期ドメインはとても便利であり、独自ドメイン(本番環境)ではできない動作テストに利用することもできます。

初期ドメインにサブドメインを設定することはできないので、独自ドメインがなければ1つのサイトしか運営できません。

エックスサーバーで独自ドメインを契約することもできますが、ドメイン専門事業者(レジストラやリセラー)と比較してやや高価です。他社で管理するドメインを問題なく利用できるので、ムームードメインやスタードメインなどで取得するとよいでしょう。

ドメイン 取得・更新・移管
com / net / org / biz / info 1,500円
jp / cc / in / mobi / bz / ws / asia 5,000円
ne.jp / gr.jp / co.jp / or.jp / tv 7,000円
DNSレコード編集
A / MX / CNAME / TXT の編集に対応しています。
日本語ドメイン
日本語ドメインに対応しています。

データベース

プラン X10 X20 X30
MySQL 50個 70個 70個

最廉価プランのX10でも50個のデータベースに対応します。WordPressごとにデータベースを割り当てても50個のサイト運営が可能です。通常用途で不足することはないでしょう。

データベースの作成管理はサーバーパネルで行いますが、テーブル操作は基本的に phpMyAdmin を利用します。SSHポートフォワード(トンネリング)による外部からの接続にも対応しているため、開発時にローカル環境で利用しているMySQLクライアント(デスクトップアプリ)をそのまま利用できます。

他のレンタルサーバーでは1つのMySQLユーザーで全てのデータベースにアクセスしたり、データベースごとにユーザーが自動生成されたりすることもあります。エックスサーバーでは、ユーザーを自由に設定できるため、データベースごとにユーザーを設定(複数可)することもできます。もちろん、一つのユーザーで全てのデータベースにアクセスすることもでき、他社より柔軟な構成が可能です。

データベース名は「サーバーID_任意の文字列」となります。ユーザー名も同様に「サーバーID_任意の文字列」となります。識別子としてサーバーIDが必ず付与されます。

データベース  
MySQL 5.7.14。ENGINES: InnoDB (標準) / MRG_MYISAM / MEMORY / BLACKHOLE / MyISAM / CSV / ARCHIVE / PERFORMANCE_SCHEMA
phpMyAdmin 4.4.15.7
SQLite 3.7.17。PHPの場合、PDO関数とSQLite関数に対応します。
SSHトンネリング(ポートフォワーディング)
対応しています。

FTP

通常のFTPだけでなく、セキュアなFTPSにも対応しています。全てのプランでFTPアカウントを 無制限 に発行することができます。

アカウントごとにアクセス可能なディレクトリを指定(制限)することができるので、第三者にアカウントを発行する用途にも適した仕様です。

契約者のホームディレクトリ「/home/サーバーID」を指定できるため、ひとつのFTPアカウントで、全てのドメインのデータ(ファイルやディレクトリ)を横断的に操作できます。他社にはドメインごとに専用アカウントが発行され、ドメイン間を横断的に操作できないものもあるため、エックスサーバーの仕様は複数のサイト管理に適しています。

アクセス制限
IPアドレスによるFTPのアクセス制限に対応しています。「サーバーアカウント全体」または「ドメインごと」を対象に設定できます。
その他プロトコル
設定が必要ですがSCPやSFTPにも対応しています。WebDAVは非対応です。

ファイルマネージャ

ファイルやディレクトリを操作するためファイルマネージャ(ウェブアプリ)が標準装備です。必要最低限の機能のみとなっており、FTPクライアントが手元にないときなどの緊急時用となるでしょう。

機能
アップロード / ダウンロード / 新規作成 / 削除 / 名称変更 / パーミッション変更 / テキストファイルの編集 / 文字コード:Shift_JIS / EUC-JP / UTF-8

ディレクトリ構成

ドメイン毎に専用のディレクトリを割り当てるタイプとなっています。ディレクトリ名は自動的にドメイン名が利用されます。

ホームディレクトリ(/home/サーバーID)から編集権があり、どこでもファイルやディレクトリを自由に作成できます。「public_html」より上位ディレクトリは非公開領域なので、公開したくないデータを隔離することができます。

1つ気になる点はサブドメイン対応のディレクトリが「public_html」の直下に生成されることです。ディレクトリを作成する際は、サブドメイン名と重複しないように気をつける必要があります。

メール機能

プラン X10 X20 X30
アカウント 無制限 無制限 無制限
メーリングリスト 20 30 40
メールマガジン 10 15 20

全プランでアカウントを 無制限 に発行することができます。プラン間の基本仕様に差はなく、メーリングリストとメールマガジンの対応数が大きな差となります。

対応プロトコル  
POP SSL/TLS / STARTTLS
SMTP SSL/TLS / STARTTLS / SMTP-AUTH / サブミッションポート
IMAP SSL/TLS / STARTTLS
非対応 POP before SMTP

標準的なプロトコルに対応しているので、どのような用途でも困ることはないでしょう。IMAPに対応しているため、複数のデバイスでメールを簡単に管理することができます。

他にも下記の機能に対応しています。

機能  
ウィルスチェック F-Secure社のソフトウェアが採用されています。受信メールの自動チェックが行われます。
転送機能 受信メールを他のアドレスへ転送できます。その際、メールを残すか削除するかを設定できます。
自動返信 指定メールアドレスにメールが届いた際、あらかじめ用意した定型文を送信者に自動的に返信できます。
スパムフィルター設定 スパム検知プログラムの設定が行えます。有効にすると、スパムとして検知されたメールの件名に[SPAM]という文字列が付与されます。スパム判定基準を5段階で調整可能です。
ホワイトリスト
ブラックリスト
ホワイトリストに登録したアドレスはスパムとして検知されません。ブラックリストに登録したアドレスはスパムメール扱いとなります。
SMTP認証
アクセス制限
国外IPアドレスからのSMTP認証(SMTP AUTH)を制限し、メールアカウントの不正利用に対してセキュリティを向上させることができます。
振り分け転送
メールフィルタ
キーワードに一致(含む)するメールを任意のアドレスまたはゴミ箱に転送できます。「宛先、差出人、件名、本文、ヘッダー」を対象にできます。キーワードに 日本語(マルチバイト) を設定することはできません。
非対応 キャッチオール
メール制限
メールの送信制限は各プラン共通となっています。1通あたり30MB、1,500通/時間または15,000通/日です。

ウェブメーラー

エックスサーバーのウェブメーラーは、多くのレンタルサーバーで採用されている「Roundcube」です。Roundcubeはスマートフォンなどのモバイル端末に最適化されています。

メーリングリスト & メールマガジン

専用のアプリケーション(管理ツール)が用意され、レンタルサーバーのサービスとは思えないほど非常に高機能です。メーリングリストやメールマガジンを使うためにエックスサーバーを選択してもよいと言えます。

「空メール」による自動登録(参加)機能や、Webサイトに簡単に設置できる入退会フォームもあります。また、配信エラー管理機能や、過去のメールを参加者に公開する機能(メーリングリストのみ)もあります。

ここでは紹介しきれないので下記を参考にしてください。

メモ
2016年8月に複数の不具合が修正されたバージョンアップが実施されています。

PHPの仕様、他の言語について

PHP5.6.xが標準(推奨)となり、他にも複数のバージョンが用意されています。最新のPHP7にも対応し、全てFastCGIで動作します。バージョンはドメイン単位で設定でき、サブドメイン(例 blog.example.com)は親ドメイン(例 example.com)の設定が反映されます。

PHP以外にも、PythonやRubyなどに対応しています。

言語 バージョン(調査時)
PHP FastCGI。7.0.9 / 5.6.24 (推奨) / 5.5.38 / 5.4.16 / 5.3.3 / 5.1.6
Perl 5.16.3
Python 2.7.5 / 3.4.3
Ruby 2.0.0
SSI

標準で読み込まれる拡張モジュール

Loaded extensions Core date libxml openssl pcre sqlite3 zlib bz2 calendar ctype curl hash fileinfo filter ftp gettext gmp SPL iconv session standard posix pspell Reflection Phar shmop SimpleXML sockets mbstring sysvmsg sysvsem sysvshm tokenizer wddx xml zip cgi-fcgi apcu bcmath dba dom gd imap intl json ldap exif mcrypt mysqli PDO pdo _mysql pdo_ pgsql pdo _sqlite pgsql soap xmlreader xmlrpc xmlwriter xsl Zend OPcache ereg mysql apc readline SQLite tidy mime_ magic dbase ncurses
7.0  
5.6  
5.5  
5.4  
5.3  
5.1

php.ini

php.iniとは、PHPの動作や環境を設定するファイルのことです。

php.iniの編集はコントロールパネルを利用します。あらかじめ用意されている項目を編集する方法とテキストを直接編集する方法があります。設定可能な項目は以下の通りです。テキスト編集の場合、これらの項目に制限されません。

PHP設定項目  
エラー設定 display_startup_errors / display_errors / error_reporting
セッション設定 session.auto_start / session.use_cookies / session.use_only_cookies / session.use_trans_sid / session.name / session.cookie_lifetime / session.cookie_path / session.cookie_domain
文字コード設定 mbstring.language / mbstring.internal_encoding / mbstring.http_input / mbstring.http_output / mbstring.encoding_translation / mbstring.detect_order / mbstring.substitute_character
その他の設定 safe_mode / max_execution_time / max_input_time / memory_limit / post_max_size / upload_max_filesize / register_globals / magic_quotes_gpc / file_uploads / allow_url_fopen / allow_url_include

FastCGIを無効にできないため、ユーザーが設置したphp.iniは認識されません。代わりに「.user.ini」を利用するとよいでしょう。

SSH対応

全プランでSSH(シェルログイン)対応です。SSH接続は 公開鍵認証のみ 対応しており、パスワード認証は非対応です。サーバーに接続するためには、公開鍵認証用のOpenSSH形式の鍵ペア(公開鍵・秘密鍵)が必要です。SSH機能は初期状態では無効となっているので、有効にする必要があります。

コントロールパネルで鍵ペアを生成することも可能です。パスワード認証と比較すると少し敷居が高くなりますが、マニュアルがあるので難しくはないでしょう。

他のレンタルサーバーのように「許可したIPアドレスのみ接続可」という制限がないため、ネットワーク環境が変わっても問題なく接続できます。

Cron

エックスサーバーのCronは初心者にとって少し難しい仕様かも知れません。他サービスのようなプルダウンメニューがないため、「crontab」の書式で設定する必要があります。例えば上図の設定であれば30分毎にコマンド欄の内容が実行されます。

最短実行間隔は 1分 となっており、設定数は(条件付き)無制限となっています。条件は「他のユーザー、またはサーバー全体に影響のある高負荷かつ長時間の処理を行わない」ということです。要するに軽い処理であれば、制限(強制停止)の対象にはなりませんが、高負荷または長時間の処理は制限対象となります。

登録したメールアドレス宛てに実行結果を送信することも可能です。

ログ

サブドメインを含む、ドメインごとのアクセスログとエラーログをダウンロードできます。

ログ
アクセスログ 過去30日分のログを一日単位(AM4:00頃に更新)でダウンロードできます。
エラーログ エラーログは当日分(AM3:00頃にリセット)のみダウンロードできます。

過去のアクセスログファイルはFTPでも取得できます。ログの保存期間は「1週間〜9週間」から選択でき、保存しない設定(初期設定)も可能です。毎日午前4時頃に、前日午前4:00〜当日午前4:00までのファイル(ドメイン名.access log 年月日.gz)が出力されます。

アクセス解析

エックスサーバー独自のアクセス解析を利用できます。初期状態では機能していないので、コントロールパネルでドメインごとに設定する必要があります。 この解析機能は2016年10月からシックスコアで提供されているものと同等であり、大規模かつ高精度な解析に対応します。

Google Analyticsを利用するユーザーが多いので、レンタルサーバー標準のアクセス解析にこだわる必要はないでしょう。

解析項目
ページビュー / 訪問回数 / 転送量 / 月別 / 日別 / 時間帯別 / 曜日別 / べー時別 / OS別 / ブラウザー別 / ファイル別転送量 / 検索キーワード別 / アクセス元別 / IPアドレス・ホスト名別 / 滞在時間別 / ロボット・スパイダー別 / エラーコード別 / ドメイン・国別
メモ
(旧)X Analyzerの提供は2017年3月8日に終了します。

バックアップ機能

標準で 自動バックアップ機能 に対応しています。ただし、あくまでも保守目的のバックアップデータをユーザーに提供するというサービスなので、データを取得するには手数料が必要です。

サーバー上のデータ(Web・メールデータ、MySQLデータベース)が対象となります。Web・メールデータは7日分、データベースについては14日分のデータが保存されます。

バックアップ状況はコントロールパネルで確認することができます。

バックアップ 対象外 となる条件
ファイル数過多などにより、バックアップの処理に大きな負荷がかかったり、処理が余りにも長時間に及んだりする場合
破損等によりバックアップ処理が行えないデータベース
保有するデータベーステーブルの数が「1,000」を超えるデータベース

コントロールパネルから申し込み可能です。データ取得 1回ごと に手数料が必要です。

手数料  
サーバー領域データ 指定日のWeb・メールデータ (税込10,800円)
MySQLデータベース 指定日の特定のデータベース1つ (税込5,400円)

本機能は事業者側がトラブル時にデータを復旧するためのものです。高額な手数料を考慮すると一般ユーザー向けのサービスではありません。あくまでも 保険 と考えておきましょう。

手動バックアップ機能

ディレクトリ(ドメイン)単位でtar.gz形式でダウンロードすることができます。また、MySQLのデータ(ダンプファイル)もワンクリックでダウンロード可能です。

ウェブサイトの高速化機能

ウェブサイトのレスポンスを高速化する機能に対応しています。

機能  
mod_pagespeed Google製のApache用モジュールです。CSSやJavaScriptの最適化、画像ファイルの軽量化、HTMLの最適化等を自動的に行います。
FastCGI 通常は処理が発生する度にプロセスの起動、処理、終了という手順を踏みます。FastCGIはプロセスをしばらく常駐させることで、次回以降の処理を効率的に実行します。標準で有効になっており、無効にすることはできません。
OPcache PHP標準の高速化機能です。PHPのコンパイル結果をキャッシュして再利用する仕組みです。標準で有効となっており、無効にすることはできません。

ハードウェアやソフトウェア

自動インストール対応
WordPress / EC-CUBE / PukiWiki
動作確認済み
WordPress / EC-CUBE / PukiWiki / concrete5 / Drupal / Joomla / MODX / Movable Type
CPU/メモリ
Xeon E5-2640 v4 ( 2.40GHz ) x 2CPU / 192GB
OS(調査時)
CentOS Linux release 7.3.1611
コマンドとライブラリ
エックスサーバーに導入されているコマンドとライブラリはこちらを参考にしてください。
ファイルの存在を確認しただけであり、パーミッションによっては動作しないものもあります。

その他の機能

機能 説明
MIME設定 拡張子によって処理内容を指定するMIMEの設定が可能です。
サイト転送設定(リダイレクト設定) URL(ディレクトリ)ごとにリダイレクトの設定が可能です。
IPアドレスによるアクセス拒否 登録したIPアドレスからのアクセスを拒否することができます。
アクセス制限 BASIC認証によるアクセス制限が可能です。コントロールパネルから簡単に操作することができます。ユーザー自身でhtaccess、htpasswdを設置しても機能します。
エラーページ設定 各種エラーメッセージをカスタマイズすることができます。「400、401、403,404,500,510」に対応しています。400であれば、ドキュメントルートに「400.html」を設置します。
.htaccess編集機能 コントロールパネル上で.htaccessファイルを編集可能です。ドキュメントルート直下のファイルのみ対応です。FTP等で直接編集しても構いません。

WordPress専用機能

WordPressのセキュリティに特化した機能が装備されています。

機能 説明
ダッシュボードアクセス制限 ダッシュボードに対する国外IPアドレスからの接続を制限します。
XML-PRC API アクセス制限 ダッシュボード以外から投稿可能なアプリ等が利用する「XML-RPC WordPress API」に対する国外IPアドレスからの接続を制限します。
ログイン試行回数制限 - 短時間に連続してログイン処理(失敗)が行われるとアクセスを制限します。パスワード総当り(ブルートフォースアタック)による不正アクセスを防止します。
- 24時間後に制限が解除されます。管理者が制限された場合、コントロールパネルで解除します。
コメント・トラックバック制限 - 短時間に大量のコメントまたはトラックバックが実行されると、自動的に投稿を制限します。6時間後に解除されます。
- 国外IPアドレスからのコメント・トラックバックを拒否します。

高機能メールフォーム

簡単にお問い合わせフォームを作成・設置することができます。かなり高機能なメールフォームとなっており、デザインや入力(選択)項目を自由にカスタマイズすることができます。お問い合わせ後の自動返信メールにも対応しています。

メールフォームの詳細については下記を参考にしてください。

メーリングリストとメールマガジンならエックスサーバーにお任せ

動作確認用URL

ドメインに動作確認用URLを発行することができます。「example.com」であれば「http://example-com.check-xserver.jp/」というURLが発行されます。

このURLは他のサーバーからの引っ越しをスムーズにするために利用します。動作確認URLがあれば、DNS設定を変更せずに新しいサーバーにアクセスできます。

つまり、引っ越し時に旧サーバーでサイトを稼働させつつ、エックスサーバーでテストを行うことができます。環境が整ったらDNS設定を変更するだけなので、スムーズな引っ越しが可能です。

プラン変更

プラン変更はコントロールパネルから行えます。上位プランへの変更と下位プランへの変更とで条件が変わるので注意が必要です。 手数料は不要 です。

プラン変更  
上位プランへの変更 契約期間の途中でも行うことが可能です。当月20日までに申請すると、翌月1日から適用されます。
下位プランへの変更 サーバーの契約更新月のみ可能です。利用期限月の20日までに申請が必要です。

サポート対応

メールと電話による対応となっています。メールについては、24時間365日受付対応となっています。さらにFacebookとTwitterに公式アカウントがあり、ソフトウェアの更新情報などをアナウンスしています。

サポート  
メール対応 お問合せフォームを利用。原則的に24時間以内の対応となっています。
電話対応 平日 10:00~18:00。大阪(06)までの通話料が必要です。

支払い方法

支払い方法  
クレジットカード VISA / Master / JCB / AmericanExpress
銀行振込 ジャパンネット銀行。振込み手数料が必要。
ペイジー 手数料不要
コンビニ決済 セブンイレブン / ローソン / デイリーヤマザキ / ミニストップ / ファミリーマート / サークルK・サンクス / セイコーマート
領収書発行 紙面での領収書の発行(クレジットカード決済は不可)。発行手数料216円(税込)。PDF形式の領収書発行には未対応。支払日より1ヶ月以内のみ。
請求書発行 PDF形式の請求書の発行に対応。コントロールパネルで発行できます。

解約方法

インフォパネルから簡単に手続可能です。有効期限前でも解約手続き可能ですが、途中解約による返金には対応していません。そのため、いつ解約手続を行っても有効期限まではサーバーを利用できます。

まとめ

全てが高水準 のレンタルサーバーです。もし同じような基本料金で他のサービスと比較し悩んでいるのなら、エックスサーバーをおすすめします。料金以上の満足感があり、おそらく後悔することはないでしょう。

すでにデファクトスタンダードとなったWordPressに特化したセキュリティ対策も施されており、安心してウェブサイトを運営できます。安定性能やレスポンス性能も上位サービスに劣らない性能があります。

コントロールパネルのレスポンスが快適かつ機能が整理されているため使い勝手に優れます。さらに、マニュアルやFAQが充実しているので初心者でも迷うことはないでしょう。想定外のトラブルが起きなければ、サポートを必要とすることもないと思います。

中級者以上にもお勧めできます。最新のPHP7、SSH、ログ機能、無料の独自SSLに対応するなど、多様なサイト運営が可能です。

不満があるなら「自動バックアップ機能」がないことでしょうか。それでも、しっかりとデータ管理できるユーザーなら問題とならないでしょう。そもそも自動バックアップに対応するレンタルサーバーは多くありません。

他社と比較して仕様改善の頻度が高く、安心して長く付き合えるサービスの一つです。


更新履歴  
2017年03月31日 携帯WEBメールが廃止されました。
2017年01月16日 アクセス解析機能が変更されました。
2016年12月02日 メモリが192GBに増強されました。
2016年11月12日 旧バージョンのPHPが追加されました。
2016年11月01日 標準独自SSLの名称が「無料独自SSL」に変更されました。
2016年09月08日 新仕様に併せてレビューを改訂しました。

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