コアサーバーのレスポンス(応答速度)と安定性を評価しよう - CORESERVER -

この記事の内容は古いため現状と異なる可能性があります。新しい測定記事も参考にしてください。

コアサーバー(CORESERVER)は株式会社デジロックが運営するホスティングサービスです。2007年8月に開始されたサービスで、姉妹サービスに「バリューサーバー」や「COREPRESS Cloud」などがあります。

コアサーバーは初期費用無料(2015年9月現在)で、CORE-Aプラン以上であれば、多くの機能が無制限対応となります。年間契約なら月額料金が非常に安くなるため、コストパフォーマンスに優れています。

レンタルサーバーでは機能よりレスポンス(反応速度)性能が重要となります。機能が充実していてもサイトスピード(ページスピード)が悪ければ、訪問者の満足度を高めることはできません。

この記事ではコアサーバーのレスポンス性能についてまとめています。

測定方法

測定方法の詳細は下記のページを参照してください。

レンタルサーバー性能の測定方法

家庭用回線に接続したサーバーから定期的にアクセスして、Webページのダウンロードに要する時間を測定します。測定対象として 動的ページ静的ページ があります。

動的ページ
WordPressによるサイト(PHPとデータベースを利用)
コンテンツは平均的なWebページの構成を採用
HTTP Archiveの統計データを利用
静的ページ
htmlファイルによるサイト
WordPressが生成したデータを静的ファイルに変換したものを利用

測定期間

測定期間は 7日間 です。

測定と言っても一度きりでは意味がないので、一定期間の継続した測定を行っています。一定期間測定することで、夜間と日中の差を確認することもできます。

測定経路

データセンターの所在地については、下記の記事を参考にしてください。

コアサーバーのデータセンターを探してみよう

家庭用回線からの測定となります。家庭用回線は測定中であってもサーバー以外のPCで普通にインターネットを利用しています。家庭用回線のサーバーは 測定専用 として測定以外の処理は行っていません。

家庭用回線の測定環境
eo光(K-Opticom/関西電力)100Mタイプ
ルーターと測定用サーバーは有線接続

測定結果

  動的ページ 静的ページ
測定回数 4,032 4,032
測定失敗 0.05%(2) 0%(0)
3秒以上 0.62%(25) 0%(0)
10秒以上 0%(0) 0%(0)
平均時間(秒) 1.36 1.03
ばらつき(秒) 0.37 0.31
測定失敗 ダウンロードが失敗した割合。()内は回数
3秒以上 ダウンロードに要した時間が3秒を超えた割合。()内は回数
10秒以上 ダウンロードに要した時間が10秒を超えた割合。()内は回数
平均時間 ダウンロードに要した時間の平均値
ばらつき 母標準偏差(グラフ上の値は標本標準偏差)
エラー内訳  
動的ページ(2) 500 Internal Server Error(2)

訪問者が待てる時間は 3秒 が限界

様々な調査結果により 3秒 という時間がキーワードとなります。コンテンツが表示されるまでに3秒を超えてしまうと・・・

  • 過半数(57%)の訪問者がサイトから離脱
  • 80%のユーザーは、そのサイトを再訪しない
  • 1秒と3秒のサイトを比較すると、3秒のサイトはページビュー22%減、コンバージョン率38%減、直帰率50%増

レスポンス性能の影響は様々です。

  • 1秒遅くなると、ページビュー11%減、コンバージョン率7%減、顧客満足16%減
  • Amazonであれば0.1秒の短縮で収益が1%向上
  • モバイル環境(スマートフォンやタブレット)ではより厳しくなる
参考
3秒が許容範囲 - Webサイトのパフォーマンスが重要な理由 | マイナビニュース
サイト表示が2秒遅いだけで直帰率は50%増加! DeNA事例から学ぶWebの自動最適化手法/日本ラドウェア | 【レポート】Web担当者Forumミーティング 2014 Spring | Web担当者Forum

快適なWebサイトの条件(ページスピード)は、 最低でも3秒以内 のレスポンスということになります。

コアサーバーの測定結果を見ると、動的ページの平均時間が 1.36秒 、静的ページの平均時間が 1.03秒 となっており、十二分な性能であることが分かります。

最近ではPHP(または他の言語)やデータベースを使わないサイトはほとんどないので、動的ページの測定結果を詳細に確認してみましょう。

「ばらつき」は標準偏差を示し、総アクセスのうち約68%が1.36秒±0.37秒に収まり、約95%が1.36秒±0.37×2秒に収まることになります。つまり、ほとんどの訪問者に対して 「0.62秒から2.1秒」 の範囲でコンテンツを転送できる性能があります。

他のレンタルサーバーと同様に、利用者の多くなる夜間にレスポンスが悪くなる傾向があります。悪くなると言っても、平均だと 2秒 に収まっており、夜間でも問題のない性能があることが分かります。

CORE-AとCORE-Cに違いはあるのか?

コアサーバーでは、プラン毎にハードウェアや収容ユーザー数に違いがあります。上位プランほど性能が優れていそうな感じがしますが、実際にはどうでしょうか?

プラン MINI A B C
ハードウェア XEON+8GB XEON+8GB XEON+12GB XEON+16GB
アカウント数 300以下 128以下 64以下 16以下
許容負荷率 125% 250% 1,000% 4,000%
許容負荷率
XREA+サービスを100として換算した、相対的な許容負荷となります。
  CORE A CORE C
測定回数 4,032 4,032
測定失敗 0.05%(2) 0.27%(11)
3秒以上 0.62%(25) 0.27%(11)
10秒以上 0%(0) 0.%(0)
平均時間(秒) 1.36 1.37
ばらつき(秒) 0.37 0.33

測定結果を見ると分かりますが、下位プランと上位プランでほとんど差はありません。CORE-Cのばらつきが若干少ない程度でしょうか。

差がない理由は簡単です。上位プランほどアクセス数の多いサイト(ヘビーユーザー)が多くなるため、相対的にサーバーにかかる負荷も大きくなります。そのため、いくらスペックの優れたサーバーで収容人数を制限しても相殺されてしまいます。

全プランで同程度の性能となるように調整されているので、当然の結果とも言えます。もし、上位プランが明らかに優れているのであれば、公式サイトでアピールするでしょう。

コアサーバーのプラン選択で迷ったときは、運営するサイトの規模で転送量制限を目安に選択すると良いでしょう。

他のレンタルサーバーとの比較

公式サイト   WordPress Static
環境 平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %

0.210.210.0100.210.210.010

PHP5/CGI

0.240.220.0500.430.540.20

PHP7/CGI

0.240.210.0700.240.210.060

0.250.230.060.020.260.230.080.42

Xキャッシュ

0.290.250.0900.280.250.070

0.370.350.0800.360.350.050

0.380.370.0500.570.660.190

PHP7/FastCGI

0.40.40.1200.230.220.030

WordPressサーバー

0.420.350.200.40.350.150

0.430.470.2100.430.220.310

PHP7/FastCGI

0.450.450.1500.290.260.090

PHP7

0.460.450.030.050.350.310.10.02

キャッシュ無効

0.470.520.1500.430.540.210

PHP5/FastCGI

0.470.470.1200.230.220.030

0.540.70.2500.360.330.090.02

PHP5/FastCGI

0.550.540.1700.330.290.110

0.620.620.030.10.410.340.140.17

PHP7

0.620.590.3200.380.310.20

PHP7/Module

0.620.590.1100.40.390.040

キャッシュ無効

0.620.610.1200.380.370.050

PHPサーバー

0.620.70.2600.340.290.10

PHP5

0.630.620.0300.320.310.030

PHP7

0.630.590.3300.370.310.180

0.640.610.100.480.450.090

PHP7/CGI

0.660.620.1200.390.380.050

0.6600.2200.6600.230

0.670.650.070.150.520.470.140.15

キャッシュ

0.680.680.0600.690.690.060

PHP7/CGI

0.70.680.0900.510.490.070

PHP5

0.710.690.3300.370.30.180

0.710.730.300.350.310.110

0.720.710.0500.240.240.010

0.750.630.3100.560.470.290

PHP5

0.750.70.3700.370.310.160

モジュール

0.80.750.160.150.370.360.060.1

0.830.790.3900.340.280.150

PHP7

0.840.80.2600.740.690.160

PHP7

0.840.840.1400.670.670.060

PHP7

0.850.840.0600.670.660.050

PHP7

0.880.840.160.750.610.570.10

0.910.860.1600.510.490.070

0.920.880.200.640.610.240

0.930.920.0500.650.650.040

PHP5

0.930.920.1600.670.670.060

0.950.950.1200.520.50.080

CGI

0.950.90.1600.390.370.070

PHP5/FastCGI

0.970.960.40.150.420.410.070.07

PHP5

10.980.3100.770.80.140

PHP5/CGI

1.040.80.7700.530.490.110

1.051.010.1200.810.740.190

PHP5

1.11.050.1600.60.560.10

1.141.140.0400.270.260.020

ライトプラン

1.441.221.300.510.370.670

1.961.920.630.021.631.560.590.02

2.091.71.070.931.241.170.420.6

2.2300.650.111.9100.60.07

PHP5/FastCGI

2.722.550.670.072.412.170.660.07

PHP5/FastCGI

2.92.780.510.352.522.370.430.15

PHP7/FastCGI

2.922.80.530.272.572.460.360.22

PHP7

3.181.572.340.350.710.710.180.22

PHP5

3.31.532.470.50.720.720.180.45

3.363.090.630.022.892.720.350

3.7800.50.073.7700.510.1

4.564.530.3104.244.220.340

5.75.720.830.025.135.140.810.02

8.056.723.081.687.826.43.231.41

00000.340.290.150

00006.136.270.450

hostingstock.netで測定した他のレンタルサーバーとの比較です。利用料金を考慮すると、良いとも悪いとも言えない普通の結果です。ブログなどの普通のサイト運営ならほとんど不満が出ることはないでしょう。

ただし、姉妹サービスの「バリューサーバー」に劣る結果となっています。バリューサーバーは何となくコアサーバーの下位サービスに思われがちですが、実際にはコアサーバーと仕様はほとんど変わりません。

バリューサーバーは2013年5月に開始された新しいサービスです。コアサーバーと比較すれば様々な部分が改善されていると思うので、もしコアサーバーを検討しているのであれば、バリューサーバーと比較することをお勧めします。

バリューサーバー レビュー

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