フレンドサーバーで他社の独自ドメインを利用する方法 〜大手レジストラ4社対応〜
フレンドサーバー(Friend Server)ではドメインの取得代行サービスがあり、汎用ドメインなら15ドル/年(jpは75ドル/年)となっています。もちろんWhois情報公開代行にも対応しています。取得代行にしては良心的な料金ですが、国内の格安レジストラに負けてしまいます。やはりトラブル時の対応も考慮すれば、国内サービスを選択するべきでしょう。
他社のドメインをフレンドサーバーで利用する方法は2通りあります。1つは「フレンドサーバーのネームサーバーを利用する」、もう一つは「レジストラのネームサーバーを利用する」です。ここでは、最も基本的なフレンドサーバーのネームサーバー(DNSサーバー)を利用する方法を紹介します。
フレンドサーバーでのドメイン設定は、他のレンタルサーバーと比較して難易度が高めですが、できるだけ詳細に説明しています。
- メモ
- 契約時に登録したドメインは、設定済みとなるため「レジストラの設定変更」のみでアクセス可能となります。
少し分かりにくいドメイン設定
フレンドサーバーのドメイン設定は2種類あるため、初心者でなくとも分かりにくいものとなっています。
一つは契約時に登録したドメインの領域に全てのドメインを割り当てる方法です。これが公式サイトのマニュアルに記載される標準的な方法です。以降「標準設定」と呼びます。
以下の様な特徴があります。
- 一つのFTPアカウントで全てのドメイン(サイト)のデータを横断的に操作できます。
- 全てのドメインのファイルにアクセスできます。
- 例えば、親ドメイン(example.com)とサブドメイン(blog.example.com)でリソース(ファイル)を共有できます。
- 各ドメインのメールアカウントなどの各設定が混在するため、設定数が多くなると管理が煩雑となります。
- サブドメインではメールを運用できません。
- リソースの振り分けが不要。
- 親ドメイン
- ここではexample.comのような基本となるドメインを便宜上親ドメインと呼びます。Naked Domain、Apex Domain、Root Domainとも呼ばれます。
もう一つは、ドメインごとに領域を割り当てる方法です。ドメインそれぞれが、契約時のドメインと同じ設定になります。以降「拡張設定」と(勝手に)呼びます。
以下の様な特徴があります。
- ドメインごとに別々のFTPアカウントが発行されます。各FTPアカウントのホームディレクトリは「/virtual/www/vhosts/ドメイン名」なので、一つのアカウントで複数のドメイン(サイト)のデータを横断的に操作することはできません。
- 他のドメインのファイルにはアクセスできません。
- 例えば、親ドメイン(example.com)とサブドメイン(blog.example.com)で共有したいリソース(ファイル)があっても、相互にアクセスできません。
- ドメイン単位で独立するため、メールアカウントなどの設定を管理しやすくなります。
- サブドメインでもメールを運用できます。
- リソースの振り分けが必要。
おすすめの設定
おすすめは標準設定と拡張設定との組み合わせです。あくまでも基本的な設定であり、好みや必要性に応じて変更してください。
- ドメインごとに各アカウントや設定を管理したいので、親ドメイン(example.com や example.net)は拡張設定を利用します。
- サブドメイン(blog.example.com や blog.example.net)の場合、下記の理由で標準設定を利用します。
- サブドメインでメールを運用することはほとんどない。
- 親ドメインとサブドメインのウェブサイトは、デザインやスクリプトを共有することも多いためまとめて管理したい。
ただし、拡張設定を利用すると後述する「リソースの振り分け」をユーザー自身で行う必要があります。例えばドメインごとに許容するディスク容量やデータベース数の上限の割り当てです。ベーシックプラン以上であれば、ほとんどの機能が無制限となるためディスク容量以外は気にする必要はありません。
このリソースの振り分けが面倒に感じるなら、全てを標準設定にした方がよいでしょう。
- データベースについて
- データベースも(拡張設定の)ドメインごとの管理となりますが、別領域であってもデータベースは共有できます。ただし、ドメインを削除すると関連するデータベースも削除されるので注意が必要です。
独自ドメイン設定の前に
フレンドサーバーで他社管理のドメインを利用するには、フレンドサーバー側の設定と管理先(レジストラ)側での設定が必要となります。
設定にフレンドサーバーのDNSサーバー(ネームサーバー)のアドレスが必要となります。基本的に変更されることはないため、下記アドレスを使用してください。
アドレス |
|
ネームサーバー1 |
ns1.friend-server.com |
ネームサーバー2 |
ns2.friend-server.com |
レジストラでのドメイン設定
ドメイン設定の反映に時間がかかるため、先にレジストラの設定を行っておきます。
ここではレジストラとして、ムームードメイン、スタードメイン、バリュードメイン、お名前.comを例に説明します。基本的な設定方法は同じなので、他のレジストラでも参考となるでしょう。
ムームードメインでの設定方法
- ムームードメインのコントロールパネルにログインします。
- メニューの「ネームサーバ設定変更」を選択します。
- 対象ドメイン(example.com)の「ネームサーバ設定変更」をクリックします。
- 「GMOペパボ以外のネームサーバを使用する」を選択します。
- フレンドサーバーのネームサーバーのアドレスを入力します。
- 「ネームサーバ設定変更」をクリックします。
これでムームードメインの作業は終了です。
スタードメインでの設定方法
- スタードメイン(ネットオウル)のコントロールパネルにログインします。
- メニューの「管理ドメイン一覧」を選択します。
- ネームサーバーの設定を変更したいドメイン(example.com)の「ドメイン管理ツール」をクリックします
- フレンドサーバーのネームサーバーのアドレスを入力します。
- 「確認画面」をクリックします。
これでスタードメインの作業は終了です。
バリュードメインでの設定方法
- バリュードメインのコントロールパネルにログインします。
- メニューの「ドメイン」を選択します。
- メニューの「ドメインの設定操作(登録済みドメイン一覧)」を選択します。
- ネームサーバーの設定を変更したいドメイン(example.com)の「ネームサーバー」をクリックします。
- フレンドサーバーのネームサーバーのアドレスを入力します。
- 「保存する」をクリックします。
これでバリュードメインの作業は終了です。
お名前.comでの設定方法
- お名前.comのコントロールパネル(ドメインNavi)にログインします。
- 対象ドメイン(example.com)のメニューからネームサーバーの「変更する」をクリックします。
- 「他のネームサーバーを利用」タブを選択します。
- フレンドサーバーのネームサーバーのアドレスを入力します。
- 「確認画面へ進む」
これでお名前.comの作業は終了です。
フレンドサーバーでのドメイン設定
下記の設定について説明します。
- 拡張設定による親ドメイン(example.com)の設定。
- 拡張設定によるサブドメイン(blog.example.com)の設定。
- 標準設定によるサブドメイン(blog.example.com)の設定。
拡張設定による親ドメインの設定
主に親ドメイン(example.comやexample.net)を設定するときに利用します。
- コントロールパネルにログインします。
- 「自社用の契約を作成」をクリックします。
- ドメイン名を入力します。
- ユーザ名とパスワードを入力します。
- ドメインに対する管理用アカウントとなります。基本のFTPアカウントとなり、他にも様々な設定に利用されます。忘れないようにメモを残しておきましょう。
- 「作成後に、契約パラメータのカスタマイズ〜」は次の手順を参考にしてください。
- 「OK」をクリックします。
- 「作成後に、契約パラメータのカスタマイズ〜」をチェックしていた場合、この画面が表示されます。
- 主にリソースの割り当てを実施します。例えば、サブドメイン数やデータベース数の上限を設定できます。例えば、
- サブドメインが0になっていると、サブドメイン関連のメニューが非表示となります。
- データベースが0になっていると、データベース関連のメニューが非表示となります。
- メールボックス(メールアカウント)が0になっていると、メール関連のメニューが非表示となります。
ベーシックプラン以上なら、ディスク容量以外が無制限となっているため、あまり悩まなくとも自由に割り当てられます。制限のあるビギナープランの場合、他のドメインでの設定数が上限に達しているとエラーが発生します。
データベースはどのドメインからもアクセスできるので、どこかのドメインでまとめて管理してもよいでしょう。ただし、アプリケーション機能(インストール補助機能)を利用するなら、対象ドメインにデータベースの割り当てが必要です。また、ドメインを削除するとデータベースも削除されるため注意が必要です。
この設定はいつでも変更できるため、必要に応じて調整できます。
これでドメイン(example.com)が登録され、ディレクトリ「~/httpdocs」との紐付けが完了しました。ブラウザで「example.com」にアクセスすると、「~/httpdocs」内のデータが読み込まれます。
後述する標準設定と異なり、自動的にドキュメントルート(~/httpdocs)が割り当てられます。登録後であれば自由に変更できます。
拡張設定によるサブドメインの設定
同じ方法でサブドメイン(blog.example.com)も登録可能です。サブドメインでメールを運用したい場合は、この方法で設定します。ただし、親ドメイン(example.cm)とファイルを共有することはできません。
設定方法は全く同じなので省略します。
標準設定によるサブドメインの設定
契約時や拡張設定で登録したドメイン(example.comなど)の管理下にサブドメイン(blog.example.comなど)を設定する方法です。親ドメインと同じ領域にドキュメントルートが作成されるため、PHPなどのスクリプトから相互にアクセス可能となります。
- コントロールパネルのホームから、対象ドメインを選択します。
- ここでは「example.com」にサブドメイン(blog.example.com)を追加します。
- example.comの設定画面が表示されます。
- 「サブドメインを追加」をクリックします。
- もし表示されていない場合は「拡張設定」を参考にサブドメインの設定数を割り当ててください。
- サブドメイン名を入力します。ここでは「blog.example.com」とします。
- ドキュメントルートは自動的に入力されます。他のディレクトリを指定することもできます。
- 「OK」をクリックします。
これでサブドメイン(blog.example.com)が登録され、ディレクトリ「~/blog.example.com」との紐付けが完了しました。ブラウザで「blog.example.com」にアクセスすると、「~/blog.example.com」内のデータが読み込まれます。
標準設定による親ドメインの設定
- ドメイン名を入力します。
- ホスティングタイプは初期設定のままで構いません。
- 「ウェブサイトホスティング」はWebサーバー機能を有効にします。
- 「DNSサービスを〜」は、フレンドサーバーのDNSサーバーを使用するために必要です。
- 「メールサービスを〜」は、メールを運用するために必要です。
- ドキュメントルートは自動的にドメイン名が入力されます。任意のディレクトリを指定できます。
- 優先ドメインはリダイレクトの設定です。「example.xyz」とした場合、「www.example.xyz」へアクセスすると自動的に「example.xyz」へリダイレクト(301)されます。「なし」とした場合、「wwwありなし」どちらでもアクセス可能となります。
- 「OK」をクリックします。
これでドメイン(example.xyz)が登録されました。
ドメイン設定後の注意点
- DNSサーバーの設定変更はすぐに反映されません。そのため変更前のアクセス先を参照することや、エラーが発生することがあります。設定に間違いがなければ、しばらく待ちましょう。
- OSやWebブラウザが変更前のDNS情報をキャッシュしていることもあります。必要に応じてキャッシュの削除が必要です。普段利用していないブラウザを利用すると正常に動作することがあります。