SSD対応プラン誕生でさらに快適に！FUTOKAのベンチマーク

アダルト対応でおなじみのFUTOKAにSSDプランが追加されました。 従来のHDDプランでも、他社と比較して平均以上の処理性能がありました。 新たなSSD採用プランではどの程度の性能となったのでしょうか？ 以前のHDDプランと同様に性能評価をまとめています。

測定方法を変更したため、HDDプランの測定結果とは比較できませんが、ハードウェアスペック（CPUやメモリ）が向上しているため、総合的な性能はHDDプランを上回るでしょう。 また、他社との比較で相対的な性能を確認できます。

これはネットワーク環境を除いたサーバー単体の性能測定となります。 総合的なWebサイトのレスポンス性能については、別の記事を参考にしてください。

FUTOKA（フトカ）の全てが分かる

FUTOKAのレビュー

測定方法

WordPressのindex.phpの読み込みに要する時間を測定します。

• Webサイトの表示速度を測定するために配備したWordPressをそのまま利用します。
  • 表示速度測定からネットワーク環境を省いたものとほぼ等価です。
• 読み込み回数を10回として、合計時間を集計します。

測定項目は以下の2種類となります。

Webサーバー

リクエストからレスポンスまでの時間です。Webサーバーでの処理が全て含まれます。つまり、Webサーバー＋PHP＋MySQLの総合的な処理時間です。

PHP＆MySQL

コンテンツを生成する処理時間です。上記よりWebサーバーを除いたものであり、PHP＋MySQLの処理時間となります。

より詳細な内容は下記を参考にしてください。

• ElectronとNavigation Timingによるレンタルサーバーのレスポンス性能測定

測定期間

一度きりの測定では全く意味がないため、一定期間の継続した測定を行っています。例えば、訪問者の少ない深夜または早朝に測定すれば、最も良い結果を得ることが可能です。意図的な悪い結果が必要なら、負荷ピーク時に測定すればよいだけです。継続した測定であれば誤った結果を導き出すことを防げます。

測定期間は 7日間 とし、6分ごとに測定するため約1,600回となります。

一定期間測定することで、負荷が変動する日中、夜間、深夜の差を確認することもできます。例えば、訪問者が多くなり負荷が高くなる夜間と、負荷の下がる深夜との差が小さければ、負荷に強い安定したサービスであることを推測できます。

測定結果

測定結果について

「Grubbs' test」は、何かしらの原因による一時的な異常値（外れ値）を棄却検定により省いたものです。「Raw」は測定値をそのまま利用した未加工のデータです。

標準偏差（ばらつき）は、処理時間の「約68%が平均値 ± x1」に、「約95%が平均値 ± x2」に収まることを示します。値が小さいほど安定することになります。

FUTOKAの評価

SSDプランかつPHP7での測定となります。 PHP7はPHP5と比較して実行速度とメモリ管理が大幅に改善されており、これからWebサイトを運営するならPHP5を選択する意味はほとんどありません。 一般的には負荷が低くなるため安定性も向上します。

測定結果を見ると全体的に安定しているようですが、訪問者の増える夜間になると処理速度が低下する傾向にあります。 ただし、恒常的な傾向ではないため、夜間だから確実に負荷が高くなるとは言えません。

グラフを見ると棄却検定の結果と未加工データとの差が全体的に存在することが分かり、どの時間帯でもそれなりの負荷を確認できます。 やはりアダルトサイト専用のサービスであり、それなりに訪問者は多い印象です。

しかし、PHP＋MySQLの処理速度は非常に安定しているため、処理性能に余裕がないということはありません。 エラーも発生していないため、安定性に問題はないでしょう。

採用されるCPUやメモリなどはそれほど高性能ではないため、過剰な期待は禁物ですが、必要十分な性能があると言えます。

ロリポップ！、エックスサーバーとの比較

測定結果にについて

変動係数は「平均値に対する変動の割合」を示します。平均値が近い場合、値が小さいほど安定します。

安価なロリポップ！、高性能なエックスサーバーと比較することで、FUTOKAの相対的な性能を確認できるでしょう。

ロリポップ！はスタンダードプランですが、低価格サービスの特徴を表すような結果となっています。 低価格サービスほど（利益のためには）多くのユーザーを詰め込む必要があり、例え高性能なサーバーを採用しても、相対的な性能は低下します。 早朝の低負荷時はFUTOKAと近い性能がありますが、それ以降は徐々に処理速度が低下します。

FUTOKAも処理速度が低下する時間帯がありますが、一時的なものです。 ロリポップ！の場合は、棄却検定でも除外されないデータであり、この状態が通常と言うことです。 低価格サービスと比較すれば、FUTOKAはかなり安定していることが分かります。 やや割高に感じるかもしれませんが、それほど性能が悪いわけでもありません。

エックスサーバーはFUTOKAより安価ながらも、高性能サービスの代表的存在です。 他社とは比較にならない高性能なハードウェアを採用しており、夜間でもばらつかず処理速度もトップクラスです。 コストパフォーマンスの高いレンタルサーバーが必要であれば、間違いなくおすすめです。

料金的にも性能的にも間違いなくエックスサーバーがお得です。 しかし、アダルトサイト運営が目的ならそもそも比較対象ではありません。 あくまでも、高性能なサーバーの一例として挙げています。

FUTOKAはアダルト非対応サービスを含めても平均以上の性能がありますが、料金に見合う性能ではありません。 しかし、アダルトサイトの運営を許可するという付加価値をどのように評価するかはユーザー次第です。

他社と異なりアダルト対応を明確にしているという安心感もあります。 他社の場合、FAQに小さく記載される程度であり、積極的に許可しているサービスはそれほど多くありません。 アダルトサイトを運営するなら最初に検討するべきサービスでしょう。

各サービスの公式サイト

  FUTOKA / ロリポップ！ / エックスサーバー

他社との比較

公式サイト	環境	平均値 ミリ秒	中央値 ミリ秒	標準偏差 ミリ秒	エラー %
エックスドメイン	WordPress PHP7/FastCGI	1874	1823	156	0
スターサーバー	PHP7	2027	1755	1074	0
ミニバード	PHP7/FastCGI	2161	2069	339	0
ドメインキング	PHP5/FastCGI	3389	3375	262	1
FUTOKA	SSD, PHP7/CGI	3429	3398	276	0
さくらインターネット	PHP7/CGI	4271	4156	351	0
IQサーバー	PHP5/Module	5405	5409	242	0

比較結果について

異常値は棄却検定（Grubbs' test）により除外されたデータの平均値です。除外数が多いほど、平均値から外れたデータが多いことになりますが、異常値が小さければそれほど問題がないことになります。

測定結果について

レンタルサーバーは1つのサービス（プラン）に対して多くのサーバーが運用されており、全てを評価することは不可能です。さらに共用サーバーの場合、処理性能は他サイトの負荷に大きく左右されるため、間違いなく当たり外れが存在します。hostingstockで公開している結果はそれらのうちの一つに過ぎませんが、良い結果でも悪い結果でもそのまま掲載します。悪い結果であっても事業者側が「許容範囲内の品質」として提供したサービスである以上、特別な理由がない限り別サーバーでの再測定は行いません。