2016年 本当におすすめできるレンタルサーバーのまとめ

2016年も新しいレンタルサーバーが誕生したり、ひっそりと幕を下ろしたりと色々なことがありました。今年の総括として印象深いトレンドや各カテゴリのおすすめレンタルサーバーをまとめています。

今年のトレンド

今年のトレンドは間違いなく「常時SSL化」と「PHP7」でしょう。

常時SSL化については以前から推進されていますが、高額であったため個人サイトへ気軽に導入できるものではありませんでした。 しかし、昨年の終わり頃から専用IPアドレス不要のSNI SSL(ドメインベースSSL)に対応するサービスが増え始め、さらに無料のSSLサーバー証明書「Let's Encrypt」の正式運用が開始されたことにより、常時SSL化の敷居が大きく下がった一年でした。

さらに、エックスサーバーやZenlogicなど、SSLサーバー証明書を標準装備するサービスが増え始めています。 これらは機能の一部となっているため、高度な知識がなくとも簡単にSSL化の設定が可能です。 一昔前なら安くとも年間数万円を必要としたSSLサーバー証明書が標準機能となったことに驚きます。

次いでPHP7ですが、PHP5と比較して2倍以上の実行速度となり、メモリ管理も大幅に改善されています。 すでに7.1が登場しており来年以降の標準となるのは間違いありません。 とは言え、互換性や安定性を重視する、規模の大きなサービスではPHP5の採用が続くでしょう。 そのためか一部法人向けサービスでのPHP7採用は見送られているようです。

一般的なレンタルサーバーでは、PHP7を初期設定とするサービスも増えつつあります。 アプリケーションの互換性に注意する必要はありますが、サーバーの負荷が軽減されながらもWebサイトの表示速度が改善するのは大きなメリットです。

個人サイト程度なら、すぐにでもPHP7に切り替えるべきでしょう。 例えば、利用者の多いWordPressはPHP7に対応済みです。 hostingstcokの各種測定でも、Webサイトの表示速度が改善されることを確認できています。

おすすめサービス紹介の前に

hostingstockでは50以上のサービスに関するレビューを行っていますが、その中から現時点でのおすすめサービスを紹介します。

公式サイトの情報だけで分かる仕様や機能の単純な比較ではありません。 全てのサービスを実際に利用してみて、コントロールパネルの使い勝手やサーバーの性能評価を行っています。 今回は含まれませんが、法人専用であっても試す価値があると思えば試用をお願いしたものもあります。

Webサイトの表示速度サーバーの処理性能を含む客観的な総合評価です。 他サイトにあるような、何を基準に評価しているのか意味不明なことは行いません。

単純な5段階評価ならまだしも、少数まであると驚きます。小数第一位まででも50段階評価です。 「このレンタルサーバーを他サービスと相対的に50点満点で評価してください」と言われて正確に評価できる人がいるのでしょうか? 数十人〜数百人による評価の平均値なら価値がありますが、サイト運営者1人の 主観的な評価 に何の意味があるのでしょう。 中には明らかに試用すらしていない適当なものもあります。

悪質なサイトも多く、アフィリエイトの紹介料が高いだけの割高なサービスへ誘導するために、何の問題もないサービスを低評価としていることもあります。 もし点数や順位を付けているサイトを見かけたら、その根拠や理由が何であるかを確認するべきでしょう。 hostingstockでは一定の測定方法による客観的なデータを中心に評価を行っています。 測定方法を公開しており、同じように評価すれば誰でも同じ結果を得られるでしょう。

口コミ情報に意味があるのか?

共用レンタルサーバーの場合、口コミ情報にそれほど価値がありません。 理由は非常に簡単であり、他のサービスのように提供される商品(サーバーの性能)が平等ではないからです。

共用サーバーという性質上、他のユーザーからの(悪)影響を避けられません。 同じサーバーにある一部のサイトに多くのアクセスがあれば、高負荷となりそれ以外のサイトもレスポンスが悪化します。 最悪の場合はエラーが多発して、アクセス不可の状態となるでしょう。 このような不公平さを解決するために、ZenlogicのようにVPSの仕組みを採用するサービスや、ユーザーごとにリソースを割り当て可能なCloud Linuxを採用するサービスが登場しています。

このように、ほとんどのサービスでは同じサーバー(ハードウェア)であっても、相対的な性能は異なります。 恒常的に高負荷なサーバーが割り当てられれば、そのサービスに悪い評価を付けるでしょう。 その一部の評価だけでレンタルサーバーを選ぶのはあまり賢いとは思えません。 多くのユーザーを詰め込む必要のある、安価なサービスほど当たり外れは大きくなります。

そもそも一般的な利用者は異常なほどの遅延やエラーが発生しない限り、レンタルサーバーを変更することはありません。 性質的に回転率の良いサービスではないため、有意な口コミはほとんど集まりません。 また、毎年のようにハードウェアや仕様を更新(改善)するサービスもあり、過去(1年前であっても)の口コミは参考になりません。 例えばエックスサーバーの場合、数年でメモリが6倍そして2CPUになるなど、ほとんど別サービスとなっています。

すでに改善されているにもかかわらず、いつまでも低評価の古い記事が検索上位にくるのは残念なことです。

レンタルサーバーの評価は難しい

レンタルサーバーは一つのサービス(プラン)に対して、数十〜数千のサーバーが稼働しています。 全てのサーバーを評価することは不可能であり、hostingstockで提供するデータはそのうちの幾つかの結果に過ぎません。 それでも定量的な評価には意味があります。

いくら公式サイトに「高性能!」という謳い文句があっても、実際に評価すると残念なものも多くあります。 たまたまハズレであった可能性はありますが、サービス提供側からすれば「それは許容範囲内です」ということでしょう。 測定結果が大きくばらつけば、それは品質の安定しないサービスであることを確認できます。

少し話がそれましたが、おすすめレンタルサーバーを紹介していきましょう。 どれも「Webサイトのレスポンス性能は優れている」が前提となっているので、性能についてはあまり触れずに特徴を中心に紹介します。

総合評価

全てを対象に料金と性能のバランスが優れたサービスとして、エックスサーバー(XSERVER)とCPIを紹介します。 コストパフォーマンスのエックスサーバー、高性能かつ法人向けの信頼性を持つCPIとなります。

エックスサーバー

どのように評価してもエックスサーバーの優位性は今年も変わりませんでした。 色々なレンタルサーバーをおすすめしたいと思うのですが、(この価格帯では)ライバル不在の1強状態が続いています。

エックスサーバーは毎年のようにハードウェアを更新していますが、今年も大型のアップデートを実施しています。 8月の基盤システム刷新では、一般的なレンタルサーバーでは最高クラスのCPUを備えるサーバーを採用しています。 さらに11月にはメモリが「192GB」に増強され、他社との差は開くばかりです。

SSLサーバー証明書を標準装備とすることも大きな特徴であり、基本料金だけで全てのサイトを常時SSL化できます。 今後はSSL対応が常識となるため、これからレンタルサーバーを利用する方にとっては大きなアドバンテージです。

高性能なサーバーをこれだけ安価に提供されると、同価格帯のサービスを展開する他社はかなりつらいと思います。 安さだけで500円前後のサービスを利用するなら、X10プランにしておくほうが後々の満足度は高いでしょう。

公式サイト
  エックスサーバー
プラン X10 X20 X30
初期費用 3,000円
標準月額 1,200円 2,400円 4,800円
月額(年間契約時) 1,000円 2,000円 4,000円
ディスク容量 200GB 300GB 400GB
データベース 50個 70個 70個
マルチドメイン 無制限
転送量 70GB/日 90GB/日 100GB/日
Cron 無制限
PHP7
SSLサーバー証明書 標準対応

CPI

CPIは個人用途だとやや高額なサービスですが、間違いなくそれだけの価値があります。 一つのプランのみで全ての要望に対応するという特筆すべき仕様となっており、ディスク容量を含む全ての機能が「無制限」対応です。

一つや二つのサイト運営にはもったいない仕様ですが、幾つものサイトを運営する予定があれば、複数のサービスを契約するより安上がりでしょう。 特に安定性を必要とするアフィリエイターにおすすめしたいサービスです。 高額に思えますが、機能や性能を考慮すれば妥当または割安な料金設定です。 初期費用は年間契約で無料となり割引も適用されるので、年間契約前提の料金設定なのでしょう。 他にもフリーダイヤルの電話サポートなど、法人向けらしい手厚いサポートを受けることができます。

稼働率100%のSLA(品質保証制度)に対応していることもポイントです。 これによりCPIが原因となる障害発生時に、障害時間に応じた返金が適用されます。 安定稼働に自信がなければ設定できるものではなく、一般的なレンタルサーバーでは採用されません。

エックスサーバーを上回る処理性能を備えており、機能だけでなくサーバー性能も優秀です。 ただし、安定性重視の運用となっているため、Webサイトのレスポンス性能はやや平均的です。 推測になりますが、ネットワーク帯域を調整することで安定稼働を優先しているのだと思います。 実際に測定データを確認すると、終日一定の処理性能が維持され、Webサイトの表示速度も驚くほど安定していることが分かります。

SmartRelease(スマートリリース)と呼ばれる、Webサイトの運用を強力にサポートするCPI独自の機能も提供されます。 詳しくは下記を参考にしてください。

機能性、安定性、信頼性、3拍子の揃ったサービスです。 hostingstockは現在エックスサーバーで稼働していますが、何かしらの理由で引っ越すならCPIが第一候補です。

公式サイト
  CPI
プラン ACE01
初期費用 20,000円
(年間契約なら無料)
標準月額 4,400円
月額(年間契約時) 3,800円
ディスク容量 無制限
データベース 無制限
マルチドメイン 無制限
転送量 無制限
Cron 無制限
PHP7
SSLサーバー証明書 オプション
(持込不可)

汎用レンタルサーバー 低価格帯

数百円で十二分な性能を持つサービスの紹介です。

勘違いしてはいけませんが、低価格帯のサービスはそれなりの性能しかありません。 採用されるハードウェアもローエンド向けCPUであったり、メモリ容量に至っては個人用パソコンより少ないこともあります。

とは言え、自宅でサーバーを運用すれば分かりますが、数百円では電気代にもなりません。 安価なレンタルサーバーに批判的な記事も見かけますが、料金以上のことを望むのは無理があります。 一昔前と比べれば高品質となっており、料金に見合う規模のサイト運営なら不満が出ることもないでしょう。

ここでは、ミニバード、ドメインキング、バリューサーバーをおすすめします。

ミニバードは300円/月で複数のデータベースに対応し、数サイトを運営する用途に適しています。 運営するネットオウルはエックスサーバーの関連会社であり、実質的にエックスサーバーの下位サービスとも言えます。 これらの中ではコントロールパネルの使い勝手が最も優れており、初心者におすすめしたいサービスです。

ドメインキングはあまり紹介されていない印象がありますが、性能的には十分なものがあります。 ただし、コントロールパネルに操作の難しいPLESKを採用しているため、初心者にはおすすめできません。

バリューサーバーは安価ながらも、上位クラスの高性能なサーバーを採用しています。 どうしても初期費用無料で機能的に差のないコアサーバーを選択しがちですが、かなり穴場のサービスと言えます。

バリューサーバーとドメインキングはSSLサーバー証明書をユーザー自身で設定できます。 Let's Encryptを利用すれば、無料でWebサイトのSSL化が可能です。

公式サイト
  ミニバード / バリューサーバー / ドメインキング
サービス ミニバード ドメインキング バリューサーバー
プラン - P S エコ スタンダード
初期費用 1,500円 934円 1,000円 2,000円
標準月額 300円 100円 500円 400円 800円
月額(年間契約時) 250円 100円 300円 167円 334円
ディスク容量 50GB 20GB 100GB 50GB 100GB
データベース 5個 1個 5個 1個 無制限
マルチドメイン 50個 10個 無制限 25個 無制限
転送量 150GB/月 無制限 150GB/月 300GB/月
Cron 5 無制限 無制限
PHP7 ×
SSLサーバー証明書 オプション
(持込不可)
オプション
(持込可)
オプション
(持込可)

汎用レンタルサーバー 中価格帯

1,000円〜2,000円程度のサービスでは、エックスサーバー(XSERVER)とヘテムル(heteml)がおすすめです。 このクラスは機能と料金とのバランスがよく、誰が利用しても不満の出にくいサービスとなります。 エックスサーバーについては紹介済みなので説明を省きます。

ヘテムルは性能的にも機能的にも素晴らしいサービスだと思いますが、料金的にどうしてもエックスサーバーと比較されてしまいます。

ヘテムルでは11月に大幅なアップデートが実施され、最高クラスのハードウェアが採用されました。 しかし、これに対抗したのかは不明ですが、一ヶ月も経たないうちにエックスサーバーでもハードウェアの増強が実施され、あっさりと逆転されました。 Webサイトのレスポンス性能もエックスサーバーがやや優れています。

月額料金はX10とX20との間であり、機能と性能を考慮すれば割安な料金設定でしょう。 多くのサイトを量産したいという目的なら悪くない選択ですが、一般的な用途ならより安いエックスサーバーのX10プランで事足ります。 さらにSSLサーバー証明書が有料オプションとなるため、もしヘテムルでSSL対応サイトを運営するなら割高となってしまいます。

公式サイト
  エックスサーバー / ヘテムル
サービス エックスサーバー heteml
プラン X10 X20 -
初期費用 3,000円 3,950円
標準月額 1,200円 2,400円 1,500円
月額(年間契約時) 1,000円 2,000円 1,500円
ディスク容量 200GB 300GB 256GB
データベース 50個 70個 100個
マルチドメイン 無制限 無制限
転送量 70GB/日 90GB/日 120GB/日
Cron 無制限 20個
PHP7
SSLサーバー証明書 標準対応 オプション
(持込不可)

汎用レンタルサーバー 高価格帯

法人向けクラスのサービスでは、シックスコア、CPI、Zenlogicがおすすめです。 もちろん個人でも問題なく契約でき、手軽に法人向けの品質を享受できます。 料金を比較すればCPIが割安なことに気付くでしょう。 初期費用の高さで躊躇しますが、年間契約で比較するとコストパフォーマンスの高さが分かります。 すでに紹介済みなので、ここではCPIの説明を省きます。

法人向けサービスということもあり、どれも電話サポートに対応します。 シックスコアのみフリーダイヤル非対応であり、やや劣る印象です。

電話サポート  
シックスコア 要通話料(大阪06)。平日のみ(10:00〜18:00)
Zenlogic フリーダイヤル。365日対応(9:00〜18:00)
CPI フリーダイヤル。平日(10:00〜18:00)。有料の24時間365日対応もあります。

このクラスになると「安定性」を重視した運用や仕様となっています。

シックスコアはエックスサーバーの上位サービスであり、同じく高性能なハードウェアを採用しています。 エックスサーバーとの違いは、サーバーへの収容数を絞ることで安定性を高めているということです。 高性能なハードウェアを少人数でシェアするという贅沢な使い方となっています。

さらにドメイン数やデータベース数を絞ることで、各契約者が負荷を掛けにくい仕様となっています。 実際にやや高負荷と思われる状態でも、非常に安定した性能を維持することを確認しています。

Zenlogicは共用サーバー特有の不公平さを排除するために、VPSの仕組みを採用しています。 ユーザーごとの厳密なリソース管理により、ユーザー同士の影響を受けにくい環境を提供します。 最初からVPSを契約すればと思いますが、VPSでのサイト運営はそれなりの知識や技術が必要です。 VPSの安定性と汎用レンタルサーバーの使い勝手を備える新しいサービスと言ってもよいでしょう。

さらにZenlogicは2種類のSSLサーバー証明書を標準装備しており、Webサイトの常時SSL化が容易です。

公式サイト
  シックスコア / CPI / Zenlogic
サービス シックスコア CPI Zenlogic
プラン S1 S2 S3 S4 - S〜6(7種類)
初期費用 6,000円 20,000円
(年間契約なら無料)
無料
標準月額 2,200円 4,400円 6,600円 8,800円 4,400円 1,186円〜13,700円
月額(年間契約時) 1,800円 3,600円 5,600円 7,200円 3,800円 890円〜12,330円
ディスク容量 50GB 100GB 150GB 200GB 無制限 300GB〜1TB
データベース 5個 10個 15個 20個 無制限 無制限
マルチドメイン 5個 10個 25個 40個 無制限 無制限
転送量 70GB/日 90GB/日 110GB/日 120GB/日 無制限 無制限
Cron 無制限 無制限 無制限
PHP7 ×
SSLサーバー証明書 オプション
(持込不可)
オプション
(持込不可)
標準装備
CPU/メモリ - - - - - 1vCPU/1GB〜4vCPU/8GB

WordPress専用サーバー

エックスサーバー社のwpX以外に選択肢がない状態です。

WordPress専用サーバーを選択する目的は「WordPressの最高性能を引き出す」以外にありません。 wpXで稼働させたWordPressサイトのレスポンス性能は、全てのサービスを含めてトップです。 wpX以外の中途半端なサービスを選択するなら、汎用レンタルサーバーでも十分です。

wpXはエックスサーバーと同様のハイスペックなハードウェアを採用しており、さらに専用のキャッシュシステムを備えています。 他社WordPressサービスもキャッシュを備えていますが、サーバーそのものの性能は高くありません。

さらにSSLサーバー証明書に標準対応するなど、コストパフォーマンスも優秀です。

多くのWordPress専用サービスはメール機能に非対応ですが、wpXレンタルサーバー(クラウドではない)はメール機能に対応しており、初心者にもおすすめしやすい仕様となっています。

公式サイト
  wpXレンタルサーバー / wpXクラウド
サービス wpXレンタルサーバー wpXクラウド
プラン - A〜X(7種類)
初期費用 5,000円 無料
標準月額 1,200円 500円〜50,000円
月額(年間契約時) 1,000円
ディスク容量 30GB 10~250
データベース 10個 1
マルチドメイン 10個 1
転送量 50GB/日 300GB/月〜4,000GB/月
Cron × ×
PHP7
SSLサーバー証明書 標準装備 標準装備
メール ×

アダルトサイト対応レンタルサーバー

今年は国内のデータセンターを採用する、JETBOYとMixHostの2つのアダルトサイト対応レンタルサーバーが誕生しました。

両方とも新しいサービスらしく、最新のハードウェアやソフトウェアを採用しています。 これらの登場により、これまで同様のポジションにあったFUTOKAやKAGOYA、iCLUSTA+が旧世代のサービスになってしまった印象があります。

アダルトサイト対応に注目しがちですが、あくまでも特徴の一つに過ぎません。

  • Apacheを上回る処理性能を有する次世代WebサーバーのLiteSpeedを採用
    • MixHostは次世代プロトコルのHTTP/2に対応
  • エックスサーバーと同クラスのハードウェア
  • SSLサーバー証明書を標準装備

どちらも似たような構成となっており、ハードウェア、ソフトウェアともに、これまでの一般的なレンタルサーバーとは異なる、将来を見据えた戦略的な仕様となっています。

SSLサーバー証明書を標準装備しており、コストパフォーマンス的にも優れています。

注意すべき点は、どちらも大手ではないということと長期運用の実績は未知数ということです。 アダルトサイトを許可するのは、大手より制約を緩くしてできるだけ多くのユーザーを獲得したいという思惑もあるでしょう。

公式サイトが頻繁に更新されたりと、今年は手探りで運用している印象でしたが、どちらも大手データセンター(KAGOYAやさくらインターネットなど)を採用しているため、サーバー稼働の安定性に関する心配は不要です。

公式サイト
  JETBOY / MixHost
サービス JETBOY MixHost
プラン 4種類 5種類
初期費用 1,500円〜6,500円
(年間契約なら無料)
無料
標準月額 980円〜3,980円 580円〜7,180円
月額(年間契約時) 816円〜3,316円 480円〜5,980円
ディスク容量 20GB〜120GB 10GB〜80GB
データベース 10個〜60個 無制限
マルチドメイン 無制限 無制限
転送量 無制限 30GB/日〜150GB/日
Cron 無制限 無制限
PHP7
SSLサーバー証明書 標準装備 標準装備
CPU/メモリ - 1コア/512MB〜5コア/6GB
OS Cloud Linux Cloud Linux

おすすめレジストラ

Webサイトを運営するなら、どこでドメインを購入すべきかという問題もあります。

ほとんどのレンタルサーバーではドメインも一緒に契約できますが、ランニングコストを重視するならドメイン専門サービスを利用するべきでしょう。

おすすめは「ムームードメイン」と「スタードメイン」です。 どちらも格安レジストラであり料金的に大きな差はありません。

ムームードメインは非常に多くのドメインを取り扱っていることが特徴であり、珍しい種類のドメインも見つかるでしょう。 スタードメインでも、.comや.netなど一般的なドメインなら何ら問題ありません。

スタードメインにはポイントシステムがあり、同社のサーバー費用に充当できます。 もし、ミニバードやファイアバードを利用するならお得なサービスです。

どちらもおすすめポイントはコントロールパネルの使いやすさです。 とてもユーザーフレンドリーであり、初心者でも簡単にドメインの設定が可能です。 さらにムームードメインは利用者が多いため、トラブル時にも情報が簡単に見つかります。

どちらもWHOIS情報代理公開サービスに標準対応しており、個人でも安心してWebサイトを運営できます。

WHOISとは
ドメインの登録者は「ドメインに関するトラブルの自律的な解決」「所有権の明確化」などの理由により、所有者情報を公開する義務があります。しかし、個人利用も多いため個人情報(プライシー)の保護を目的としたWHOIS情報代理公開(公開代行とも)と呼ばれるサービスの利用が一般的です。
WHOIS情報代理公開サービスを利用すると公開される情報がレジストラやリセラーの情報に差し替えられるため、個人情報は一切公開されません。

格安レジストラと言えば、バリュードメインとお名前.comもありますが、それぞれ少し問題があります。 バリュードメインはドメインの設定方法がかなり煩雑であり、コントロールパネルの使い勝手に難があります。 お名前.comは利益優先が過ぎるのか、やや悪質とも思える仕様が存在するため積極的におすすめできません。

公式サイト
  ムームードメイン / スタードメイン
メモ
タイトルはレジストラと書いていますが、JPドメインを除けばほとんどが代理販売(リセラー)です。

おわりに

ほとんどのサービスが公式サイトで「高性能」を謳っていますが、測定評価すると本当に高性能なサービスはそれほど多くありません。 同じ料金でも天と地ほどの性能差があるものもあり、「何と比べて高性能なの?」と不思議に思うこともあります。 レンタルサーバーの標準的な評価規格が存在しないことが理由のひとつでしょう。

少し悪質だと思うのは「お試し期間がなく、試してみようにも初期費用と数ヶ月間の契約が必要」なサービスです。 全てのサービスにお試し期間が必要とは思いませんが、それはユーザーを満足させるだけの性能がある場合に限ります。 実際に契約してみないと本当の性能は分からず、使い物にならないと分かっても初期費用と数ヶ月分の料金は返ってきません。

これまでの経験による印象ですが、試用期間のないサービスで高性能なサービスはそれほど存在しません。 試用期間はソフトウェアで対応できるため、そこまでコストがかかるとも思えません。 例えば、PLESKやcPanelなどのホスティングサービスを管理する統合パッケージなら試用期間の機能が予め存在しています。 サービスの品質に自信があるなら、とりあえず契約させてしまおうという運営方針ではなく、ユーザーのためにも試用期間を設けるべきです。

最近ではコストのかかる性能向上には注力せずに、不要とも思えるオプションを充実させるサービスが増えてきました。 いくら余計な機能が充実していても、「快適なWebサイトを運用可能な環境」を提供するという、本質的なサービスが疎かでは意味がありません。

趣旨から外れるまとめとなりましたが、未だにレンタルサーバーの品質は玉石混淆です。 しっかりと信頼できる情報を収集し、満足度の高いサービスを選択するようにしましょう。

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