圧倒的なレスポンス性能や安定性で人気のWordPress専用レンタルサーバー wpX には wpXレンタルサーバー (以下、レンタルサーバー) と wpXクラウド (以下、クラウド) の2タイプが用意されています。どちらのサービスもすばらしいのですが、具体的にどのような違いがあるのかが分かりにくいと思います。
公式サイトで説明されている違いは以下のようになっています。
特徴 | wpXレンタルサーバー | wpXクラウド |
---|---|---|
おすすめポイント | 1. サイトをWordPressで運用予定で、新規にレンタルサーバーを探している 2. 現在利用してるレンタルサーバーを変更しても問題ない 3. 複数のWordPressを運用したい |
1. 既に他のレンタルサーバーを利用していて、追加で高性能なWordPress用サーバーが必要 2. 既存サイトやメール機能などは、現在利用しているレンタルサーバーで継続する 3. WordPressはひとつで十分。まずは低コストで始めたい。 |
プラン | 多機能パッケージの1プラン | 状況で拡張できる全7グレード |
WordPress | 1契約につき10個まで | 1契約につき1個 |
メール | メールアドレス運用可能 | - |
費用 | 初期費用5,000円、月額1,000円〜1,200円 | 初期費用無料、月額500円〜50,000円 |
それでは、特徴的な違いを確認してみましょう。
ちなみにデータセンターなどのサーバー環境に違いはなく、性能差 (レスポンス性能など) はありません。料金体系などの細かな仕様が異なるだけです。その中でも3つほど大きな違いがあるため、それを説明しましょう。
最も大きな違いはWordPressの設置数です。つまり、一つの契約でいくつのサイトが運営できるかと言うことでしょう。一般的なレンタルサーバーで言うところの マルチドメイン対応 にあたります。
レンタルサーバーは 1契約につき10個のサイト (ドメイン) を利用できます。クラウドは 1契約につき1つのみ です。複数のサイトを運営する予定があればレンタルサーバーがお得に思えますが、後述する料金体系や転送量を考慮する必要があります。
レンタルサーバーには メール機能 がありますが、クラウドにはありません。例えば、初心者など1つの契約 (サーバー) でメールも利用したい場合はレンタルサーバーが選択肢となります。既に他のレンタルサーバーを利用しているなら、クラウドでも問題ないでしょう。
例えば、サイトの独自ドメイン (example.com) でメール (mail@example.com) も利用したい場合、レンタルサーバーであればメール機能があるので何も悩む必要がありません。クラウドの場合、メール機能がないためサイトの独自ドメインでメールを利用できません。
とは言え、クラウドであっても独自ドメインによるメール利用が不可能な訳ではありません。もし、クラウドで利用している独自ドメインでメールを利用する場合、他のメール対応レンタルサーバー、または、メールサービスを契約して、メールだけそちらに転送させることが可能です。
気になるのは 費用 ですね。レンタルサーバーは サーバー費用以外に 5,000円(税抜) の初期費用が別途必要となりますが、クラウドはサーバー費用のみです。
レンタルサーバーは最低3ヶ月の契約が必要ですが、クラウドは1ヶ月単位で契約可能です。
サービス | レンタルサーバー | Cloud A | Cloud B | Cloud C | Cloud D | Cloud E | Cloud F | Cloud X |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
初期費用 | 5,000 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
月額費用 | 1,200 | 500 | 1,000 | 3,000 | 5,000 | 10,000 | 30,000 | 50,000 |
レンタルサーバーなら、長期契約ほどお得になる料金体系となっています。標準の3ヶ月契約なら1,200円/月、6ヶ月なら1,100円/月、12ヶ月なら1,000円/月となります。年間費用にすれば2,400円もの差があります。残念ながらクラウドの場合、長期契約であっても割引はありません。
例えば小規模なサイトを1つのみ運営するのであれば、クラウドのグレードAで十分でしょう。初期費用が必要なレンタルサーバーと比較すると年間で1,1000円(税抜)もの差がでます。
クラウドにはA〜Xの7つのグレードが用意されています。
主な違いは、ディスク容量、転送量となっています。要するに、サイトの規模 (アクセス数やPV数) に応じてグレードを選択することになります。とは言え、アクセス数を予測できない状態であれば、とりあえず最廉価グレードのAを選択しておくとよいでしょう。月単位となりますが、上位グレードへの変更は無料で行えます。もし、転送量やディスク容量が不足するようであれば、その時点で上位グレードを検討しても遅くはありません。最初から上位グレードを選択しても予算の無駄です。
クラウドの仕様は以下のようになっています。
グレード | A | B | C | D | E | F | X |
---|---|---|---|---|---|---|---|
月額費用(円) | 500 | 1,000 | 3,000 | 5,000 | 10,000 | 30,000 | 50,000 |
ディスク容量(GB) | 10 | 20 | 30 | 50 | 100 | 150 | 250 |
MySQL(MB) | 150 | 300 | 500 | 500 | 1,000 | 1,500 | 2,000 |
転送量(GB/月) | 300 | 700 | 1,200 | 2,000 | 2,500 | 3,000 | 4,000 |
簡単にレンタルサーバーとクラウドの転送量を比較してみましょう。メール機能の有無を除けば、ここの検討が最も重要となります。料金と転送量のバランスで選びましょう。
レンタルサーバーは 50GB/日 となっており、月換算なら 約1,500GB/月 となります。クラウドと比較するとグレードCとDの間のように思えます。しかし、この転送量は1契約における制限なので、10サイトを運用すれば 1,500GB÷10サイト
となり。1サイトあたりの転送量は 150GB/月 となります。つまり、1サイトあたりならグレードA (300GB/月) の半分程度です。
下記の表は1サイトあたりの転送量制限となります。
サービス | レンタルサーバー | Cloud A | Cloud B | Cloud C | Cloud D | Cloud E | Cloud F | Cloud X |
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1日あたり (GB/日) | 50 (1契約の合計) 5 (10サイト時) |
10 | 23.3 | 40 | 66.7 | 83.3 | 100 | 133.3 |
1月あたり (GB/月) | 1,500 (1契約の合計) 150 (10サイト時) |
300 | 700 | 1,200 | 2,000 | 2,500 | 3,000 | 4,000 |
比較してみると、5サイトでグレードAと同程度、2サイトでグレードBと同程度の転送量 (1サイトあたり) となります。レンタルサーバーで複数のサイトを運営して、転送量が不足するようであればサイトを減らすことで対応はできます。とは言え、根本的な対応ではないのでアクセス数の多いサイトからクラウドに移行させていくのも一つの方法です。
初めてWordPressを利用したWebサイト運営をするならレンタルサーバーがお勧めです。複数のサイトを運営でき、メールも利用できます。いろいろなことを試すには一つのサイトでは物足りないはずです。また、他のWordPress専用サービスと比較して癖が少なく、使い勝手は一般的なレンタルサーバーと変わりません。
すでに複数のWebサイトを運営しているならクラウドがお勧めです。アクセス数の多いサイトやレスポンス性能や安定性を必要とするサイトのみ、wpXクラウドへ引っ越せばよいでしょう。初期費用が不要なので、必要なサイト、必要な期間だけ手軽に契約できます。
どちらのサービスもWordPressに最適化されています。当サイト内のレスポンス性能の測定記事を参照すると分かりますが一般的なレンタルサーバーとは比較にならないほどのレスポンス性能や安定性があります。さらに、独自のセキュリティ対策も施されており安心してサイト運営を行えます。
WordPressを高速かつ安定的に動作させるなら、wpXは非常にお勧めできるサービスの一つです。
より詳細な仕様についてはレビューをご覧ください。