Xdomainの無料PHP&MySQLサーバーのFTP転送性能を評価して、他のレンタルサーバーと比較しよう

エックスサーバーが運営するXdomain (エックスドメイン) はドメインレジストラ&リセラーでありながら、無料でレンタルサーバーを提供しています。嬉しいことに独自ドメインを契約せずに、サーバーのみ利用することができます。

3タイプのサーバーがあり、目的や用途に応じて選択できます。この記事では、最も汎用的なPHP&MySQLサーバーを対象としています。Xdomainの詳細については当サイトのレビューをご覧ください。

WordPressサーバーではなく、このサーバーを選択するということは、オリジナルのWebサイトを構築する予定があるのでしょう。例えば、WordPressでオリジナルのテーマを作成するにしてもFTPの利用頻度は高くなります。レンタルサーバーを検討するとき、ほとんどの人はFTP性能を気にすることはありません。しかし、FTPを多用するのであれば、レスポンスの良いサービスを選択するべきです。転送速度が遅ければ作業効率が悪くなり、何しろストレスとなります。

それでは、XdomainのPHP&MySQLサーバーのFTP転送性能 (レスポンス性能) について評価し、他のレンタルサーバーと比較してみましょう。

FTP仕様

サーバー HTML PHP・MySQL WordPress
FTP
FTPS
FTPアカウント 1/ドメイン 1/ドメイン 1/ドメイン
ファイルマネージャ ×

FTPアカウントは 1ドメインにつき1つ です。セキュアなFTPSにも対応しており、安心してファイルを転送できます。しかし、セキュリティ対策として 国外ネットワークからの接続は禁止 されており、海外から利用する場合は注意が必要です。

測定方法

  • Webページを構成するファイルのアップロードとダウンロード
    • テキストファイルや画像ファイル
    • (HTTP) レスポンス性能の評価に利用しているサイト (ページ) を構成するデータ群
  • 合計ファイルサイズは約2MB (約20ファイル)

最大3つのファイルを並列転送します。レンタルサーバーがそれ以上の同時接続を許可していて、FTPクライアントも並列転送に対応していれば、この測定結果より早く転送できることになります。

5分毎 にアップロードとダウンロードを実行します。

測定期間

測定期間は 7日間 です。

測定と言っても一度きりでは意味がないので、一定期間の継続した測定を行っています。「たまたま利用者が少なくレスポンスが良かった」「一時的なトラブルが原因でレスポンスが悪かった」という、誤った結果を出すことを (完全ではありませんが) 省けます。

一定期間測定することで、利用者数 (訪問者数) が変動する日中、夜間、深夜の差を確認することもできます。例えば、利用者の少ない深夜と、利用者の多い日中との差が小さければ、負荷に強いサーバーということが推測できます。

測定経路

家庭用回線からの測定となります。サーバーは測定専用として測定以外の処理は行っていません。

家庭用回線の測定環境
eo光(K-Opticom/関西電力)100Mタイプ
ルーターと測定用サーバーは有線接続

測定結果

  アップロード ダウンロード
有効測定数 (回) 2,014 2,014
Grubbs' testの除外割合 (回) 1.04% (21) 0.50% (10)
Grubbs' testの閾値 2.58秒 2.34秒
エラーの割合 (回) 0.10% (2) 0.10% (2)
3秒以上の割合 (回) 0.60% (12) 0.30% (6)
中央値 (秒) 1.27秒 1.01秒
平均値 (秒) 1.33秒 1.13秒
ばらつき/標準偏差 (秒) 0.26秒 0.25秒
測定結果について
有効測定数はエラーを省いた回数を示します。
測定実行のタイミングによりサーバーやネットワークの状態 (混雑具合) が変動するため、集計に影響を与える一時的な異常値 (外れ値) を棄却検定Grubbs' test (α=0.001) により省いています。生データ (未加工データ) は最後に掲載しています。
エラー内容  
アップロード [2] response reading failed [2/2]
ダウンロード [2] response reading failed [2/2]

Xdomain無料PHP&MySQLサーバーの評価

別記事のWebサイトのレスポンス測定でも、夜間の性能低下が見られましたが、FTP性能も同様の傾向にあります。棄却検定による除外数は多くありませんが、未加工の結果を見ても、夜間にレスポンスがばらつく印象があります。

そうはいっても、ばらつきが大きいわけでもなく、全体的に見れば安定しています。夜間に遅くなるとはいえ、元々遅いレンタルサーバーと比較すれば、それでも十二分な転送性能があります。

日によっては夜間に遅延を感じるかもしれませんが、エラーが多発するようなこともなく速度も十分なので、ほとんど問題になならないでしょう。

他のレンタルサーバーとの比較

プロバイダー 環境など アップロード ダウンロード
公式サイト 平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %

0.750.740.050.10.480.440.10.05

0.750.750.050.20.490.440.130.1

0.840.740.2400.730.640.180

0.860.850.060.10.590.510.190.1

0.90.70.4200.690.580.30

0.950.880.240.20.710.620.260.1

0.950.830.320.20.720.660.270.1

WordPress

0.990.880.320.250.710.590.280.35

1.040.780.4900.720.620.30

1.050.860.440.250.720.610.320.05

1.10.840.480.20.860.720.380.2

1.111.10.083.170.730.70.111.87

1.211.10.330.350.750.690.250.3

PHP&MySQL

1.331.270.260.11.131.010.250.1

SFTP

1.391.350.1401.061.030.110

1.441.210.6701.191.110.290

1.51.490.0701.331.20.540

1.531.530.090.90.890.870.091

1.561.550.100.970.960.070

1.581.580.060.050.980.870.210

SFTP

1.611.60.0701.721.690.120

1.611.560.1901.131.210.250

1.611.60.101.080.970.210

1.621.550.190.051.211.20.10.05

1.671.660.150.250.980.970.070.25

1.731.730.1101.061.050.090

1.771.80.2401.081.040.140

SFTP

1.831.850.2701.331.290.150

1.881.710.6901.531.520.330

1.9820.3301.191.150.110

新サーバー

2.112.030.350.41.441.360.40.2

2.141.920.6901.251.220.160

2.262.030.630.31.331.270.150.3

2.382.310.30.052.462.420.290.05

旧サーバー

2.482.280.550.151.921.780.520.05

2.622.41.022.81.841.740.631

2.922.51.1202.992.481.410

2.972.441.190.051.390.541.760

SFTP

32.990.2401.931.90.130

3.093.120.1601.361.330.120.05

3.413.410.0901.861.840.080

5.533.923.450.355.863.954.10.25

6.7500.730.28.7200.980.1

海外

11.611.60.4806.796.740.280

海外

12.112.10.507.477.450.190

海外

12.312.30.52010.910.31.350.05

海外

16.616.50.560.210.110.20.860.25

海外

33.430.27.130.1520.5201.830.05

無料レンタルサーバーながらも上位の性能があります。他と比較してばらつきが小さいことが分かり、常時安定した転送性能を維持していることが分かります。

測定結果 (未加工データ)

  アップロード ダウンロード
3秒以上の割合 (回) 0.60% (12) 0.30% (6)
中央値 (秒) 1.27秒 1.01秒
平均値 (秒) 1.35秒 1.15秒
ばらつき/標準偏差 (秒) 0.32秒 0.57秒

測定結果について!
レンタルサーバーは、一つのサービス (プラン) に対して多くのサーバーが運用されています。これらの測定結果は、その中の一つに過ぎません。契約時期により割り当てられるサーバーのスペックは異なる可能性があります。また、同じサーバーを利用する他のユーザーの負荷も影響します。

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