ファイアバード (Firebird) はサービスの提供を終了しました。

現在は スターサーバー #StarServer として、新しいサービスを提供しています。

ファイアーバドのサーバー性能を他のレンタルサーバーと比較・評価する

この記事の内容は古いため現状と異なる可能性があります。新しい記事も参考にしてください。

ファイアバード (Firebird) はネットオウルが運営するレンタルサーバーです。同社が運営するミニバードの上位プラン、クローバーの下位プランと考えてもよいでしょう。他のレンタルサーバーであればスタンダードに位置するサービスです。

利用料金が安い割にはマルチドメイン無制限対応など、一つの契約で多くのWebサイトを運営することもできます。ただし、上位プランと比較して転送量制限の上限が低く、複数のWebサイトを運営するなら計画的に行う必要があります。

レンタルサーバーは安いものから高いものまで、様々なサービスがあります。そして、利用料金が安いレンタルサーバーであっても機能が豊富で、高いサービスと仕様や機能に差がないものが多くあります。

一概には言えませんが、利用料金の差は 処理性能安定性能 にあります。処理性能が高いほどレスポンスが良くなり、訪問者にとって快適なサイトとなります。全体的なレスポンスが良くなり、契約者 (サーバー管理者) にとってもサーバーを快適に操作できるというメリットになります。さらに、レスポンスの優れたサイトほどGoogleの評価が高くなるなど、サーバー性能はレンタルサーバーを選択する際に重要な要素となります。

それでは、ファイアバード (Firebird) のサーバー性能について評価し、他のレンタルサーバーと比較してみましょう。

測定方法

WordPressを設置したサイト(サーバー)を利用します。

  • 「ランダムな3,000文字/記事 (の自動生成) 」の投稿と削除
    • 100記事をまとめて投稿、投稿後に全削除
  • 投稿と削除はWordPressの標準関数を利用
    • wp insert post、wp delete post

これらの処理を 5分間隔 で実行し、処理時間を測定します。つまり、 PHPとデータベースの処理性能 を確認することになります。データセンター内で完結する処理なので、ネットワーク環境 (速度) の影響は受けません。

負荷について
100件程度は大した負荷ではありませんが、共用サーバーなので連続処理とならないように、1件毎にwait処理を差し込んでいます。

測定結果

測定結果について
72時間 (3日間) の測定結果となります。X軸は時刻(0時~24時)を表し、各時刻の値は3日間の平均値です。
有効測定数はエラーを省いた回数を示します。測定実行のタイミングによりサーバーの状態 (混雑具合) が変動するため、集計に影響を与える一時的な異常値 (外れ値) を棄却検定Grubbs’ test (α=0.001) により省いています。
結果 有効測定数 除外数 エラー 中央値 平均値 ばらつき
Raw (未加工) 864回 - 0%
(0回)
3.84秒 3.89秒 0.41秒
Grubbs' test 0.58%
(5回)
3.83秒 3.87秒 0.38秒

棄却検定の結果をみると、異常値 (外れ値) はほぼ深夜3時前後に発生しているようです。もし、特定日に偏っているなら、異常値はもっと増えて、ばらつき (標準偏差) に差が出るでしょう。つまり、毎日この時間帯に何かしらの負荷がかかっていることになります。利用者、訪問者ともに少ない時間帯であり不思議ですが、おそらくコンテンツの自動更新などに cron が多数稼働しているのでしょう。

とは言え、他の時間帯は非常に安定しており何も問題ありません。当然ですが、cronによる負荷状態は割り当てられたサーバーにより異なります。今回の測定対象サーバーではこのような結果となりましたが、サーバーによっては良くも悪くも変動する可能性があります。それでも、エラーは全く発生していないため、終日安定稼働しているようです。

同じデータセンターにあるミニバードやクローバーと比較した場合、平均値はほとんど変わりませんが、時間帯によるばらつきはクローバーが安定しています。サーバーのスペックに違いはないため、もしかしたら収容ユーザー数に差があるのかもしれませんね。

ばらつき (標準偏差)
統計的な話ですが、処理の約68% が 平均値 ± ばらつき に、約95% が 平均値 ± ばらつき×2 に収まることを示します。つまり、ばらつきが小さいほど処理性能が安定しているといえます。

ロリポップ!、さくらインターネット、エックスサーバーとの比較

  ファイアバード ロリポップ! さくらインターネット エックスサーバー
有効測定数 864 858 864 864
除外数(回) 0.58(5) 0.58%(5) 0.35%(3) 0.23%(2)
エラー(回) 0%(0) 0% (0) 0% (0) 0% (0)
中央値 (秒) 3.83 3.86 4.99 3.91
平均値 (秒) 3.87 3.87 5.12 4.00
ばらつき (秒) 0.38 0.17 0.56 0.63

全体的にさくらインターネットがやや劣るようですが、どのレンタルサーバーも安定しています。レンタルサーバーは一つのサービス (プラン) で複数のサーバーを稼働させ、契約者をその中の一つに割り当てます。この結果は多数あるサーバーのうちの一つですが、やはり深夜帯の処理性能の低下が目立ちます。とは言え、他社の性能が劣るレンタルサーバーと比較すれば、処理性能が落ちた状態でも優秀な結果です。また、この時間帯にアクセスしてくる訪問者は少ないでしょうから、実際のWebサイト運営には影響しません。

ファイアバードは料金と仕様とのバランスが非常に優秀なレンタルサーバーです。単純に公式サイトを見ただけでは分かりませんが、コントロールパネルの使い勝手が良く、Webサイトのレスポンス性能も非常に優秀です。特別な機能はなく平凡に感じますが、不満を感じることも少ないでしょう。強いて言えば、他のレンタルサーバーと比較して転送量制限の上限が低いことでしょうか。

これからレンタルサーバーを始める初心者、同じような料金で他社サービスを利用している方にお勧めのサービスです。

他のレンタルサーバーとの比較

公式サイト 環境 平均値 ミリ秒中央値 ミリ秒標準偏差 ミリ秒エラー %

1.71.670.070

PHP7/CGI

1.821.830.220

1.941.950.070

PHP7/CGI

2.0220.140

PHP7

2.152.120.321

2.162.170.080

PHP7

2.172.130.240

2.182.150.30

2.242.250.280

PHP7/FastCGI

2.282.230.250

PHP5/CGI

2.42.410.270

PHP5/CGI

2.412.390.150

2.522.430.330

PHP7

2.712.680.348

2.722.660.3735

PHP7/FastCGI

2.732.70.30

PHP5/FastCGI

2.732.680.270

2.862.860.090

PHP5

3.032.960.380

3.13.150.310

PHP7/Module

3.113.120.080

PHP&MySQL

3.113.010.330

3.133.140.070

PHP5/FastCGI

3.143.090.210

3.142.90.630

3.142.960.680

PHP7/CGI

3.193.190.130

3.23.180.110

PHP5

3.513.470.398

PHP5/FastCGI

3.613.60.40

3.643.60.290

WordPress

4.183.891.090

PHP7

4.224.070.470

4.224.270.30

4.424.430.180

4.54.470.580

PHP5/CGI

4.564.450.560

PHP5

4.964.860.450

PHP5/Module

5.124.960.80

PHP7

5.164.242.230

5.184.691.240

5.255.210.320

PHP7

5.255.170.370

5.315.320.110

PHP5

5.315.230.560

PHP7

5.675.520.740

5.715.590.450

PHP5

5.885.80.360

6.055.920.580

PHP5

6.455.152.640

PHP5

6.456.330.770

6.526.490.760

PHP5/FastCGI

6.646.670.330

6.96.910.130

ライト

7.416.932.160

8.37.313.550

14.49.341461

hostingstock.netで測定した他レンタルサーバーとの比較です。

Grubbs' test
測定実行のタイミングによりサーバーの状態 (混雑具合) が変動するため、集計に影響を与える一時的な異常値 (外れ値) を棄却検定Grubbs’ testにより省いています。

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