ファイアバード (Firebird) はサービスの提供を終了しました。

現在は スターサーバー #StarServer として、新しいサービスを提供しています。

表示速度の割には物足りない処理性能!PHP7対応ファイアバード

ファイアバード(FIREBIRD)はネットオウルが運営するレンタルサーバーであり、ミニバード(minibird)の上位サービスです。ネットオウル(Netowl)はエックスサーバーの関連会社であり、エックスサーバーでPHPなどのソフトウェアが更新されると、ネットオウルのサービスもほぼ同じタイミングで更新されます。コントロールパネルの仕様も似ており、実質的にエックスサーバーの下位プランと考えても良いでしょう。さらに詳しいファイアバードの情報は、こちらのレビューを参考にしてください。

レンタルサーバーを検討する際、重要なポイントはウェブサイトの表示速度です。レスポンスが悪ければ訪問者にストレスを与え、さらに検索エンジンの評価も下がります。もう一つは処理性能であり、表示速度はもちろんのこと高負荷時(アクセス増加時)の安定性に影響します。

いくら公式サイトで高性能を謳っていても、実際に契約するとガッカリすることは多々あります。ここではファイアバードの処理性能を評価した結果を掲載します。

測定方法

WordPressをインストールしたWebサイト(サーバー)を利用します。

  • 「ランダムな3,000文字/記事」の投稿と削除
    • 100記事をまとめて投稿、投稿後に全削除
    • 1記事ごとの生成処理を含む
  • 投稿と削除はWordPressの標準関数を利用
    • wp insert post、wp delete post

これらの処理を 5分間隔 で実行し、一連の処理時間を測定します。つまり、 PHPとデータベースの処理性能 を確認します。データセンター内(またはサーバー内)で完結する処理なので、外部ネットワーク環境の影響を受けません。

負荷について
100件程度は大した負荷ではありません。しかし、共用サーバーなので高負荷とならないように、1件ごとにwait処理を差し込んでいます。

測定結果

  PHP7.0 PHP5.6
有効測定数 863 864
棄却検定除外 1.51%(13) 3.01%(26)
棄却検定閾値 7.00秒 7.52秒
エラー 0%(0) 0%(0)
中央値 5.17秒 5.80秒
平均値 5.25秒 5.88秒
ばらつき 0.37秒 0.36秒
変動係数 7.05% 6.12%
測定結果について
72時間(3日間) の測定結果です。X軸は時刻(0時~24時)を表し、各時刻の値は3日間の平均値です。有効測定数はエラーを省いた実測定数です。
測定のタイミングによりサーバーの負荷状態(混雑具合)が変動します。集計に影響を与える一時的な異常値(外れ値)を棄却検定「Grubbs' test(α=0.001)」により省いています。
ばらつき(標準偏差)は、処理の 約68%平均値 ± ばらつき に、約95%平均値 ± ばらつき×2 に収まることを示します。つまり、ばらつきが小さいほど処理性能が安定しているといえます。

ファイアバードの評価

PHP7.0とPHP5.6とで測定しています。

PHP7.0の実行速度が優れており、PHP5.6と比較して 約1割 の改善を確認できます。t検定による有意差(p<0.01)も確認でき、互換性の理由がなければPHP7を使用するべきでしょう。もちろんウェブサイトの表示速度にも影響します。

残念なことに前回の測定(約1年前)と比較して、処理速度が低下する結果となりました。元々ファイアバードの処理性能は高いものではありません。しかし、前回同様エラーは発生していないため、不安定ということはありません。

前回の測定結果も時間帯による変動が大きく、処理性能に余裕のある感じではありませんでした。今回もばらついており、ハードウェアのスペックが更新された様子はありません。午前3時頃の処理性能低下(負荷)は、前回と同じ傾向です。おそらくCronによるものでしょう。

偶然ですが前回と割り当てられたサーバーが同じものでした。にも関わらず処理性能が低下しているのは、おそらくファイアバードの利用者が増えてたことが原因でしょう。

ミニバード、さくらインターネット、ロリポップ!、エックスサーバーとの比較

  ファイアバード PHP7.0 ミニバード PHP7.0 さくらインターネット PHP5.6 エックスサーバー PHP7.0 ロリポップ! PHP5.6
有効測定数 863 864 864 864 858
棄却検定除外 1.51%(13) 1.04%(9) 0.93%(8) 1.27%(11) 0.58%(5)
棄却検定閾値 7.00秒 9.00秒 7.73秒 3.41秒 4.52秒
エラー 0%(0) 0%(0) 0%(0) 0%(0) 0%(0)
中央値 5.17秒 5.52秒 5.59秒 2.23秒 3.86秒
平均値 5.25秒 5.67秒 5.71秒 2.28秒 3.87秒
ばらつき 0.37秒 0.74秒 0.45秒 0.25秒 0.17秒
変動係数 7.05% 13.1% 7.88% 11.0% 4.39%
変動係数
変動係数は「平均値に対する変動の割合」を示します。平均値(処理時間)が同じであっても変動係数が大きい方の処理時間がばらつくことになります。

他のサービスと比較してみましょう。

比較対象は下位サービスのミニバード(minibird)、さくらインターネット、エックスサーバー(XSERVER)、ロリポップ!(Lolipop!)です。ロリポップ!は上位プランの性能が高いため、モジュール版PHPに対応するスタンダードプランの結果です。ロリポップ!とさくらインターネットはPHP7非対なので、5.6の結果となります。

ファイアバードは上位サービスだけあり、ミニバードより処理性能が(少し)優れており安定しています。とはいえ、その差はわずかです。ミニバードはWebサイトの表示速度が良好であり、ちょっとしたウェブサイトの運営におすすめできます。

残念ながら同価格帯のロリポップ!(スタンダード)には大きく劣ります。ロリポップ!はPHP7に非対応ですが、処理速度の優れるモジュール版PHPに対応しています。Webサイトの表示速度も平均以上であり、ファイアバードと比較するとロリポップ!を選択することになるでしょう。ほとんどの仕様(機能)もロリポップ!が上回ります。

さくらインターネットは知名度の割に処理性能は高くありません。VPSなどのサービス拡充に力を入れており、共用サーバーはやや放置気味の印象があります。ハードウエア更新のアナウンスもなく、この記事作成時はPHP7にも対応していません。標準的なサービスですが、積極的におすすめするポイントがありません。

やや高額ですが最新のハードウェアを備えるエックスサーバーの結果は素晴らしく、予算が許せばおすすめしたいサービスです。ロリポップ!はファイアバードと同額ですが、非常にコストパフォーマンスの高い結果となっています。これらのサービスでも深夜にCronが実行されているはずですが、処理性能に余裕があるためほとんど影響を受ません。それだけ負荷耐性が高いということです。

ファイアバードはWebサイトの表示速度が優れており、決して悪い選択ではありません。しかし、500円前後ならロリポップ!(スタンダード)やMixHost(エコノミー)も比較検討した方が良いでしょう。

各レンタルサーバーの公式サイト
ファイアバード / ミニバード / さくらインターネット / エックスサーバー / ロリポップ! / MixHost

他のレンタルサーバーとの比較

公式サイト 環境 平均値 ミリ秒中央値 ミリ秒標準偏差 ミリ秒エラー %

1.71.670.070

PHP7/CGI

1.821.830.220

1.941.950.070

PHP7/CGI

2.0220.140

PHP7

2.152.120.321

2.162.170.080

PHP7

2.172.130.240

2.182.150.30

2.242.250.280

PHP7/FastCGI

2.282.230.250

PHP5/CGI

2.42.410.270

PHP5/CGI

2.412.390.150

2.522.430.330

PHP7

2.712.680.348

2.722.660.3735

PHP7/FastCGI

2.732.70.30

PHP5/FastCGI

2.732.680.270

2.862.860.090

PHP5

3.032.960.380

3.13.150.310

PHP7/Module

3.113.120.080

PHP&MySQL

3.113.010.330

3.133.140.070

PHP5/FastCGI

3.143.090.210

3.142.90.630

3.142.960.680

PHP7/CGI

3.193.190.130

3.23.180.110

PHP5

3.513.470.398

PHP5/FastCGI

3.613.60.40

3.643.60.290

WordPress

4.183.891.090

PHP7

4.224.070.470

4.224.270.30

4.424.430.180

4.54.470.580

PHP5/CGI

4.564.450.560

PHP5

4.964.860.450

PHP5/Module

5.124.960.80

PHP7

5.164.242.230

5.184.691.240

5.255.210.320

PHP7

5.255.170.370

5.315.320.110

PHP5

5.315.230.560

PHP7

5.675.520.740

5.715.590.450

PHP5

5.885.80.360

6.055.920.580

PHP5

6.455.152.640

PHP5

6.456.330.770

6.526.490.760

PHP5/FastCGI

6.646.670.330

6.96.910.130

ライト

7.416.932.160

8.37.313.550

14.49.341461

hostingstock.netで測定した他レンタルサーバーとの比較です。

注意
最新の測定結果を優先的に表示するため、記事作成時の評価とこの比較結果(表のデータ)が異なる可能性があります。

バージョン別データ

PHP5.6

結果 有効測定数 除外数 棄却閾値 エラー 中央値 平均値 ばらつき
Raw(未加工) 864回 - - 0%
(0回)
5.81秒 6.00秒 0.96秒
棄却検定 3.01%
(26回)
7.52秒 5.80秒 5.88秒 0.36秒

PHP7.0

結果 有効測定数 除外数 棄却閾値 エラー 中央値 平均値 ばらつき
Raw(未加工) 863回 - - 0%
(0回)
5.18秒 5.29秒 0.48秒
棄却検定 1.51%
(13回)
7.00秒 5.17秒 5.25秒 0.37秒

測定結果について!
レンタルサーバーは、一つのサービス(プラン)に対して多くのサーバーが運用されています。これらの測定結果は、その中の一つに過ぎません。契約時期により割り当てられるサーバーのスペックは異なる可能性があります。また、同じサーバーを利用する他のユーザーの負荷も影響します。

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