Quicca(クイッカ)のレスポンス性能や安定性を評価する

この記事の内容は古いため現状と異なる可能性があります。新しい記事も参考にしてください。

Quiccaのレンタルサーバーの性能評価を掲載します。測定対象は ライトプラン です。

測定方法

測定方法については、下記のページを参考にしてください。

レンタルサーバー性能の測定方法を変更しました

測定期間

2015年3月2日から 9日間

14日間の予定でしたが、転送制限のため9日間のみとなっています。

測定ポイント

サーバー(データセンター)の所在地については、下記のページを参考にしてください。

家庭用回線とデータセンターからの測定となります。家庭用回線は測定中であってもサーバー以外のPCでYouTubeを見たりファイルをダウンロードしたりと普通の使い方をしており、実環境と似た結果が得られると思います。

  • 家庭用回線の測定環境
    • eo光(K-Opticom/関西電力)100Mタイプ
    • ルーターと測定用サーバーは有線接続

測定結果

10秒以上の結果は、ばらつきを大きくするのでグラフ化のデータから省いています。10秒以上のデータについては、測定結果の表を確認してください。

  • 測定回数: 実行総数
  • 測定失敗: ダウンロードが失敗した割合
  • 3秒以上: ダウンロードに要した時間が3秒を超えた割合
  • 10秒以上: ダウンロードに要した時間が10秒を超えた割合
  • 平均時間: ダウンロードに要した時間の平均値
  • ばらつき: 母標準偏差(グラフ上の値は標本標準偏差)

eo光(家庭用回線)からクイッカ

  動的サイト 静的サイト
測定回数 4,686 4,686
測定失敗 0.02%(1) 0.04%(2)
3秒以上 0.15%(7) 0.11%(5)
10秒以上 0%(0) 0%(0)
平均時間(秒) 1.02 0.77
ばらつき(秒) 0.32 0.32

クイッカの評価

快適なWebサイトの条件として3秒以内のレスポンスが1つの基準となり、Quiccaは優秀なレンタルサーバーであることが分かります。夜間帯にレスポンスが悪くなるのはインターネットの利用者が増えるためなので、どのレンタルサーバーでも同じ傾向となります。それでも他のレンタルサーバーと比較した場合、夜間帯のレスポンスの落ち込みは非常に少ないと思います。平均時間やばらつきはエックスサーバーを上回ります。

調査では、3秒を過ぎると57%のユーザーがしびれを切らし、訪問を諦めることがわかった。どんなに美しいサイトを作ったところで、3秒以内に表示されなければユーザーの目に触れるチャンスすらないということになる。

3秒が許容範囲 - Webサイトのパフォーマンスが重要な理由 | マイナビニュース

例えば、ドメインキングやロリポップ!の評価結果と比較すると明らかにパフォーマンスが高いことが分かります。

AWS(Amazon Web Services)の効果

クイッカはデータセンターにAWSを利用しており、レンタルサーバーとしては珍しいサービス形態です。その効果だと思いますが、非常に安定したレスポンス性能を発揮しています。hostingstock.netでは他のレンタルサーバーも測定していますが、ここまでばらつきの少ないフラットな測定結果はあまりありません。

ダウンロードに要する平均時間も1秒程度とかなりレスポンスがよいです。エラーがほとんどなく、3秒を超える結果は0.2%以下に収まっています。

AWSの評価が高いのは有名ですが、レンタルサーバーのデータセンターとして利用しても素晴らしい性能です。

パフォーマンスは良いが転送量制限が厳しい

しばらく測定を続けているとエラーが発生するようになりました。測定用サイトにアクセスすると下記のようなページが表示されました。どうやら転送量の上限に達したようです。

クイッカの管理画面を確認すると、 転送量超過 となっていました。

転送量の制限が31GB/月なので他社と比較して少ないなと思っていましたが、超えた途端にアクセス不可になるのは少し驚きです。この制限は翌月にならないと解除されないようです。

今回の測定方法で計算をしてみると、確かに約9日で制限に達するようです。

キャッシュを考慮しない場合、2MBのファイル群で構成されるサイトであれば、16,000アクセス/月までとなります。これで十分かどうかはサイトの内容やアクセス数を考慮する必要があります。

AWSによる恩恵も大きいですが、AWSが従量制であるためか転送量にはシビアです。転送量を倍にするオプションもありますが、その料金を考慮すると他のレンタルサーバーも選択肢となります。

他のレンタルサーバーとの比較

公式サイト   WordPress Static
環境 平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %

0.210.210.0100.210.210.010

PHP5/CGI

0.240.220.0500.430.540.20

PHP7/CGI

0.240.210.0700.240.210.060

0.250.230.060.020.260.230.080.42

Xキャッシュ

0.290.250.0900.280.250.070

0.370.350.0800.360.350.050

0.380.370.0500.570.660.190

PHP7/FastCGI

0.40.40.1200.230.220.030

WordPressサーバー

0.420.350.200.40.350.150

0.430.470.2100.430.220.310

PHP7/FastCGI

0.450.450.1500.290.260.090

PHP7

0.460.450.030.050.350.310.10.02

キャッシュ無効

0.470.520.1500.430.540.210

PHP5/FastCGI

0.470.470.1200.230.220.030

0.540.70.2500.360.330.090.02

PHP5/FastCGI

0.550.540.1700.330.290.110

0.620.620.030.10.410.340.140.17

PHP7

0.620.590.3200.380.310.20

PHP7/Module

0.620.590.1100.40.390.040

キャッシュ無効

0.620.610.1200.380.370.050

PHPサーバー

0.620.70.2600.340.290.10

PHP5

0.630.620.0300.320.310.030

PHP7

0.630.590.3300.370.310.180

0.640.610.100.480.450.090

PHP7/CGI

0.660.620.1200.390.380.050

0.6600.2200.6600.230

0.670.650.070.150.520.470.140.15

キャッシュ

0.680.680.0600.690.690.060

PHP7/CGI

0.70.680.0900.510.490.070

PHP5

0.710.690.3300.370.30.180

0.710.730.300.350.310.110

0.720.710.0500.240.240.010

0.750.630.3100.560.470.290

PHP5

0.750.70.3700.370.310.160

モジュール

0.80.750.160.150.370.360.060.1

0.830.790.3900.340.280.150

PHP7

0.840.80.2600.740.690.160

PHP7

0.840.840.1400.670.670.060

PHP7

0.850.840.0600.670.660.050

PHP7

0.880.840.160.750.610.570.10

0.910.860.1600.510.490.070

0.920.880.200.640.610.240

0.930.920.0500.650.650.040

PHP5

0.930.920.1600.670.670.060

0.950.950.1200.520.50.080

CGI

0.950.90.1600.390.370.070

PHP5/FastCGI

0.970.960.40.150.420.410.070.07

PHP5

10.980.3100.770.80.140

PHP5/CGI

1.040.80.7700.530.490.110

1.051.010.1200.810.740.190

PHP5

1.11.050.1600.60.560.10

1.141.140.0400.270.260.020

ライトプラン

1.441.221.300.510.370.670

1.961.920.630.021.631.560.590.02

2.091.71.070.931.241.170.420.6

2.2300.650.111.9100.60.07

PHP5/FastCGI

2.722.550.670.072.412.170.660.07

PHP5/FastCGI

2.92.780.510.352.522.370.430.15

PHP7/FastCGI

2.922.80.530.272.572.460.360.22

PHP7

3.181.572.340.350.710.710.180.22

PHP5

3.31.532.470.50.720.720.180.45

3.363.090.630.022.892.720.350

3.7800.50.073.7700.510.1

4.564.530.3104.244.220.340

5.75.720.830.025.135.140.810.02

8.056.723.081.687.826.43.231.41

00000.340.290.150

00006.136.270.450

まとめ

  • AWSを利用しているのでレスポンスが非常に優秀で安定しています。
  • 曜日や時間帯による変化がほとんどありません。
  • 転送量制限を考慮する必要があります。

オプションを利用しても転送量は62GB/月です。転送量の制限内に収まるサイト運営であればオススメできますが、複数のサイトを運営するのは厳しいかもしれません。

参考値:エックスサーバーからクイッカ

  動的サイト 静的サイト
測定回数 4,688 4,688
測定失敗 0%(0) 0.04%(2)
3秒以上 0.06%(3) 0.13%(6)
10秒以上 0%(0) 0%(0)
平均時間(秒) 0.60 0.37
ばらつき(秒) 0.12 0.17

測定結果の妥当性

レンタルサーバー間の測定で何を見るかというと、 時間帯の負荷状況静的サイトと動的サイトの差 です。基幹網(バックボーン)の接続となるためレスポンスを家庭用回線と比較しても意味がありません。それでも、家庭用回線による 測定結果の妥当性の確認 には利用できます。例えば、エラーや大きな遅延が同じタイミングで発生していれば、サーバーに問題があることが分かります。

グラフがフラットになっており、夜間日中や休日平日問わず安定しています。PHPとデータベースを利用しても平均値の差は0.23秒しかありません。ばらつきも小さく驚くほど安定しています。

家庭用回線と比較しても同じ傾向にあり測定結果に問題はなさそうです。

更新履歴  
2015年5月1日 リンクを修正

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