Z.comに独自ドメイン対応のWordPressをインストールする方法 - PHP7対応

Z.comの共用レンタルサーバーにWordPressをインストールする方法を紹介します。

初心者には難しい独自ドメインの設定についても分かりやすく解説しています。Z.comにはインストール補助機能があるため、初心者ならその機能を利用するとよいでしょう。ここでは手動でのインストール方法も紹介します。

独自ドメインの設定

例えば「example.com」など、独自ドメインでWordPressを運用するなら、あらかじめドメインの設定が必要です。以下の記事を参考に独自ドメインの設定を行っていください。

WordPressを手動でインストールする

WordPressを手動でインストールするには「データベースの作成」と「インストールファイルの配備」が必要です。

MySQLデータベースの作成

WordPressをインストールするデータベースを用意します。

  • コントロールパネル(cPanel)にログインします。
  • データベースカテゴリにある「MySQL データベース」を選択します。

  • データベースの操作画面が表示されます。
    • 一つの画面内にデータベースの作成、データベースユーザーの作成、データベースのリスト等がまとめられています。
  • データベース名を入力します。ここでは「cp999999_wp」とします。
    • データベース名は「ユーザー名_任意の文字列」となります。契約時に割り当てられたユーザー名(cp番号)が接頭辞として付与されます。
  • 「データベースの作成」をクリックします。

  • データベースのリストに「cp999999_wp」が追加されます。

データベースを作成しましたが、これだけではデータベースにアクセスできません。アクセスに必要なデータベースユーザー(権限を持つユーザー、以下ユーザー)を作成しましょう。

  • 「新しいユーザーの追加」へ移動します。
  • 「ユーザー名」を入力します。ここでは「cp999999_wpuser」とします。
    • データベース名と同様に「ユーザー名_任意の文字列」となります。
  • パスワード(&再入力)を入力します。
    • 忘れないようにメモに残しておきましょう。
  • 「ユーザーの作成」をクリックします。

  • ユーザーリストに「cp999999_wpuser」が追加されます。

データベースとユーザーが作成されました。これらを紐付ける作業が必要です。

  • 画面下部にある「ユーザーをデータベースに追加」へ移動します。
  • リストからユーザー「cp999999 wpuser」とデータベース「cp999999 wp」を選択します。
  • 「追加」をクリックします。

  • 権限の設定が必要となります。
  • 「すべての権限」をクリックします。(WordPress公式の推奨設定です)
  • 「変更」をクリックします。

  • これでアクセス権(ユーザー)が設定されたデータベースの準備が整いました。
  • 「データベース名」「ユーザー名」「パスワード」はWordPressのインストール時に必要です。

これでWordPress用データベースの準備が完了しました。

インストールファイルの配備

ここでは独自ドメイン「example.com」にWordPressをインストールします。

インストールディレクトリとドメイン(URL)の関係は以下の様になります。これはあくまでも基本的な構成例です。Z.comはドキュメントルートを自由に設定できるため、ユーザーによって構成は異なります。

ここではドキュメントルートではなく、WordPress専用ディレクトリ(/example.com/wp)にインストールします。Zipファイルを展開すると wordpress という名称のフォルダが生成されるため、wp に変更して、対象のドキュメントルートにアップロードします。

インストールディレクトリは慎重に決定しましょう。後から変更することも可能ですが、サイトの作りによってはデータベースやコンテンツの大幅な修正が必要となります。インストールディレクトリの説明は こちらの記事 も参考にしてください。

WordPressはファイル数が多いため、展開してからアップロードすると非常に時間がかかります。

SSHを利用してサーバー上でダウンロードと展開を行う方法もあります。

# /home/cp999999/public_html/example.comへ移動
cd ~/public_html/example.com

# WordPressの最新版をダウンロード
curl -O https://ja.wordpress.org/latest-ja.zip

# ダウンロードしたzipファイルを展開
unzip latest-ja.zip

# ディレクトリ名をwpに変更
mv wordpress wp

簡単な方法なら、Zipファイルをそのままアップロードして、ファイルマネージャで展開します。

これでインストールファイルの配備が終わりました。

WordPressのインストール

ここからは一般的な手続きとなるため、Z.comでも他のレンタルサーバーでも同じです。

WebブラウザでWordPressディレクトリ(http://example.com/wp/)にアクセスします。

  • この画面が表示されたら、「さあ、始めましょう!」をクリックします。

データベース情報を入力します。

  • 「データベース名」「ユーザー名」「パスワード」は、データベース作成時にメモした内容を入力します。
  • 「データベースのホスト名」は「localhost」のままです。
  • 「テーブル接頭辞」は特別な理由がなければ初期設定の wp_ のままで構いません。
    • テーブル接頭辞については この記事 を参考にしてください。
  • 正しく入力できたら「送信」をクリックします。

  • この画面が表示されれば、データベースと正しく接続されたことになります。
  • 「インストール実行」をクリックします。

サイト情報と管理者情報を設定します。下記を参考にしてください。

項目 説明
サイトのタイトル Webサイトのタイトルとして表示されます。ダッシュボードでの「サイトのタイトル」に利用されます。
ユーザー名・パスワード 管理者アカウントとなります。ダッシュボード(WordPressの管理ツール)へのログインに必要な情報なので、メモを残しておきましょう。
メールアドレス 管理者用アドレス以外に、コメント、トラックバック、ピンバック、アップデートなどの通知にも利用されます。パスワードを忘れた際の手続きにも利用するので、有効なアドレスを入力します。
検索エンジンでの表示 チェックすると検索エンジンのクローリング 対象外 となります。テストサイトなど公開したくない場合はチェックします。ただし、チェックしても完全に検索結果から除外されるわけではありません。

間違いがなければ「WordPressをインストール」をクリックします。

メモ
全ての項目をインストール後にダッシュボードで変更可能です。

  • インストールが完了しました。
  • 「ログイン」をクリックすると、ダッシュボードのログイン画面へ移動します。
  • 設定したユーザー名とパスワードを入力してログインします。

この記事ではWordPressを /wp ディレクトリにインストールしています。そのためウェブサイトを開くには http://example.com/wp/ へアクセスする必要があります。http://example.com/ でトップページを開くためには、この記事を参考にWordPressの設定を変更してください。

PHP7でインストールに失敗する場合

PHPのバージョンを7.xに変更していると上記のエラーが発生して、インストールを続行することができません。

原因はPHP7からデータベース(MySQL)にアクセスできないためです。

  • cPanelにログインし「Select PHP version」を選択します。
  • 「extensions」の「mysqli」をチェックします。
  • 「保存」をクリックします。

phpinfo()で確認するとPHP7.xの場合、「pdo mysql.default socket」と「mysqli.default_socket」が未設定であることが分かります。

PHP5.xに切り替えて確認すると、それぞれの設定値を確認できます。mysqlmysqliの違いが気になるかもしれませんが、ここでは詳しく説明しません。mysqliは新しいMySQL拡張モジュールとなります。mysql拡張モジュールはPHP7で削除されています。

PHP5.xの設定値をphp.iniで指定します。

この記事の例であれば「~/public_html/example.com/php.ini」を作成して、以下の内容を記述します。

mysqli.default_socket = /var/lib/mysql/mysql.sock
pdo _mysql.default_ socket = /tmp/mysql.sock

これでデータベース(MySQL)が動作するため、PHP7.xでも問題なくインストールできます。

メモ
/tmp/mysql.sock/var/lib/mysql/mysql.sockのシンボリックリンクです。

インストール補助機能によるWordPressの導入

インストール前に表記言語を日本語(標準は英語)に変更しましょう。ただし、機械翻訳なので意味不明な訳も多く、簡単な英語が分かるなら変更しない方がよいかもしれません。

  • cPanelにログインします。
  • 基本設定カテゴリにある「言語の変更」を選択します。

  • 言語の選択のリストから「日本語」を選択します。
  • 「変更」をクリックします。

それでは、WordPressのインストールを行いましょう。

  • ソフトウェアカテゴリにある「Installatron Applications Installer」を選択します。

  • 検索フィールドに「wordpress」と入力してエンターキー(リターン)をタイプします。
  • WordPressが表示されるので「このアプリケーションをインストール」をクリックします。
メモ
表記言語を変更しなければ、これ以降英語表記となります。

インストール設定

  • インストールに必要な情報を入力する必要があります。
  • 下記を参考に設定してください。
ロケーション  
ドメイン インストールするドメインを選択します。ここでは「http://example.com/」とします。
ディレクトリ インストールするディレクトリを入力します。手動インストールを参考にしてください。ここでは「wp」をインストールディレクトリとします。「http://example.com/wp/」がWordPressサイトのトップページとなります。
バージョン  
バージョン 理由がなければ推奨バージョン(最新版)を選択します。
言語 Japaneseを選択します。
WordPress x.x.x EULA 利用許諾に同意します。「私は、使用許諾契約書に同意」をチェックします。
自動アップデート セキュリティ対策のため推奨(WordPressの初期設定)を選択します。「新しいマイナーバージョンの〜」をチェックします。
WordPressプラグインの自動更新 互換性を確認する必要があるため「自動的WordPress〜」をチェックします。
WordPressテーマ自動更新 互換性を確認する必要があるため「自動的WordPress〜」をチェックします。
Automatic Update Backup cPanel独自のバックアップ機能です。WordPressの全ファイル(インストールディレクトリ以下)とMySQLのダンプファイルがアーカイブされます。好みに応じて選択します。後述する「高度な設定」を利用するとスケジュール設定ができます。インストール後でも設定できます。
設定  
管理者ユーザー名 手動インストールを参考にしてください。
管理者パスワード 手動インストールを参考にしてください。
管理者の電子メール 手動インストールを参考にしてください。
ウェブサイトのタイトル 手動インストールを参考にしてください。
ウェブサイトのタグライン キャッチフレーズのことです。テーマによりますが、タイトルの下部に表示されます。
Two-Factor Authentication 2段階認証用プラグイン「Clef」がインストールされます。後からでもインストールできます。
ログイン試行回数を制限する? 不正なログイン(ブルートフォースアタック)を防止するプラグイン「Limit Login Attempts」がインストールされます。後からでもインストールできます。
マルチサイトを有効にしますか? マルチサイトの利用予定がなければ「いいえ、有効に〜」を選択します。マルチサイトの意味が分からない場合も推奨を選択します。インストール後に必要となっても対応できます。

高度な設定

高度な設定により、データベースの選択やバックアップの任意設定が可能です。

バージョン  
データベース管理 作成済みのデータベースを指定できます。指定しない場合は自動的に作成されます。その場合、データベース名とデータベースユーザー名は「ユーザー名_wp連番」となります。
電子メール通知 どのタイミングでメール通知するかを選択できます。
デフォルトのバックアップ場所 標準ではウェブサイトと同じサーバーに保存されます。FTP/FTPS/SFTP/WebDAV/DropBoxを利用して、外部サーバーに転送することもできます。
自動バックアップ 自動バックアップ(WordPress全ファイルとMySQLダンプファイル)の実行タイミングを設定できます。
  • 設定を終えたら画面下部の「インストール」をクリックします。

  • インストールが完了すると、アプリケーションリストに追加されます。
  • バックアップデータなどもここで管理されます。

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