Z.comの共用レンタルサーバーにWordPressをインストールする方法を紹介します。
初心者には難しい独自ドメインの設定についても分かりやすく解説しています。Z.comにはインストール補助機能があるため、初心者ならその機能を利用するとよいでしょう。ここでは手動でのインストール方法も紹介します。
例えば「example.com」など、独自ドメインでWordPressを運用するなら、あらかじめドメインの設定が必要です。以下の記事を参考に独自ドメインの設定を行っていください。
WordPressを手動でインストールするには「データベースの作成」と「インストールファイルの配備」が必要です。
WordPressをインストールするデータベースを用意します。
データベースを作成しましたが、これだけではデータベースにアクセスできません。アクセスに必要なデータベースユーザー(権限を持つユーザー、以下ユーザー)を作成しましょう。
データベースとユーザーが作成されました。これらを紐付ける作業が必要です。
これでWordPress用データベースの準備が完了しました。
ここでは独自ドメイン「example.com」にWordPressをインストールします。
インストールディレクトリとドメイン(URL)の関係は以下の様になります。これはあくまでも基本的な構成例です。Z.comはドキュメントルートを自由に設定できるため、ユーザーによって構成は異なります。
ここではドキュメントルートではなく、WordPress専用ディレクトリ(/example.com/wp)にインストールします。Zipファイルを展開すると wordpress
という名称のフォルダが生成されるため、wp
に変更して、対象のドキュメントルートにアップロードします。
インストールディレクトリは慎重に決定しましょう。後から変更することも可能ですが、サイトの作りによってはデータベースやコンテンツの大幅な修正が必要となります。インストールディレクトリの説明は こちらの記事 も参考にしてください。
WordPressはファイル数が多いため、展開してからアップロードすると非常に時間がかかります。
SSHを利用してサーバー上でダウンロードと展開を行う方法もあります。
# /home/cp999999/public_html/example.comへ移動
cd ~/public_html/example.com
# WordPressの最新版をダウンロード
curl -O https://ja.wordpress.org/latest-ja.zip
# ダウンロードしたzipファイルを展開
unzip latest-ja.zip
# ディレクトリ名をwpに変更
mv wordpress wp
簡単な方法なら、Zipファイルをそのままアップロードして、ファイルマネージャで展開します。
これでインストールファイルの配備が終わりました。
ここからは一般的な手続きとなるため、Z.comでも他のレンタルサーバーでも同じです。
WebブラウザでWordPressディレクトリ(http://example.com/wp/)にアクセスします。
データベース情報を入力します。
wp_
のままで構いません。
サイト情報と管理者情報を設定します。下記を参考にしてください。
項目 | 説明 |
---|---|
サイトのタイトル | Webサイトのタイトルとして表示されます。ダッシュボードでの「サイトのタイトル」に利用されます。 |
ユーザー名・パスワード | 管理者アカウントとなります。ダッシュボード(WordPressの管理ツール)へのログインに必要な情報なので、メモを残しておきましょう。 |
メールアドレス | 管理者用アドレス以外に、コメント、トラックバック、ピンバック、アップデートなどの通知にも利用されます。パスワードを忘れた際の手続きにも利用するので、有効なアドレスを入力します。 |
検索エンジンでの表示 | チェックすると検索エンジンのクローリング 対象外 となります。テストサイトなど公開したくない場合はチェックします。ただし、チェックしても完全に検索結果から除外されるわけではありません。 |
間違いがなければ「WordPressをインストール」をクリックします。
この記事ではWordPressを /wp
ディレクトリにインストールしています。そのためウェブサイトを開くには http://example.com/wp/
へアクセスする必要があります。http://example.com/
でトップページを開くためには、この記事を参考にWordPressの設定を変更してください。
PHPのバージョンを7.xに変更していると上記のエラーが発生して、インストールを続行することができません。
原因はPHP7からデータベース(MySQL)にアクセスできないためです。
phpinfo()
で確認するとPHP7.xの場合、「pdo mysql.default socket」と「mysqli.default_socket」が未設定であることが分かります。
PHP5.xに切り替えて確認すると、それぞれの設定値を確認できます。mysql
とmysqli
の違いが気になるかもしれませんが、ここでは詳しく説明しません。mysqli
は新しいMySQL拡張モジュールとなります。mysql
拡張モジュールはPHP7で削除されています。
PHP5.xの設定値をphp.ini
で指定します。
この記事の例であれば「~/public_html/example.com/php.ini」を作成して、以下の内容を記述します。
mysqli.default_socket = /var/lib/mysql/mysql.sock
pdo _mysql.default_ socket = /tmp/mysql.sock
これでデータベース(MySQL)が動作するため、PHP7.xでも問題なくインストールできます。
/tmp/mysql.sock
は/var/lib/mysql/mysql.sock
のシンボリックリンクです。インストール前に表記言語を日本語(標準は英語)に変更しましょう。ただし、機械翻訳なので意味不明な訳も多く、簡単な英語が分かるなら変更しない方がよいかもしれません。
それでは、WordPressのインストールを行いましょう。
ロケーション | |
---|---|
ドメイン | インストールするドメインを選択します。ここでは「http://example.com/」とします。 |
ディレクトリ | インストールするディレクトリを入力します。手動インストールを参考にしてください。ここでは「wp」をインストールディレクトリとします。「http://example.com/wp/」がWordPressサイトのトップページとなります。 |
バージョン | |
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バージョン | 理由がなければ推奨バージョン(最新版)を選択します。 |
言語 | Japaneseを選択します。 |
WordPress x.x.x EULA | 利用許諾に同意します。「私は、使用許諾契約書に同意」をチェックします。 |
自動アップデート | セキュリティ対策のため推奨(WordPressの初期設定)を選択します。「新しいマイナーバージョンの〜」をチェックします。 |
WordPressプラグインの自動更新 | 互換性を確認する必要があるため「自動的WordPress〜」をチェックします。 |
WordPressテーマ自動更新 | 互換性を確認する必要があるため「自動的WordPress〜」をチェックします。 |
Automatic Update Backup | cPanel独自のバックアップ機能です。WordPressの全ファイル(インストールディレクトリ以下)とMySQLのダンプファイルがアーカイブされます。好みに応じて選択します。後述する「高度な設定」を利用するとスケジュール設定ができます。インストール後でも設定できます。 |
設定 | |
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管理者ユーザー名 | 手動インストールを参考にしてください。 |
管理者パスワード | 手動インストールを参考にしてください。 |
管理者の電子メール | 手動インストールを参考にしてください。 |
ウェブサイトのタイトル | 手動インストールを参考にしてください。 |
ウェブサイトのタグライン | キャッチフレーズのことです。テーマによりますが、タイトルの下部に表示されます。 |
Two-Factor Authentication | 2段階認証用プラグイン「Clef」がインストールされます。後からでもインストールできます。 |
ログイン試行回数を制限する? | 不正なログイン(ブルートフォースアタック)を防止するプラグイン「Limit Login Attempts」がインストールされます。後からでもインストールできます。 |
マルチサイトを有効にしますか? | マルチサイトの利用予定がなければ「いいえ、有効に〜」を選択します。マルチサイトの意味が分からない場合も推奨を選択します。インストール後に必要となっても対応できます。 |
高度な設定により、データベースの選択やバックアップの任意設定が可能です。
バージョン | |
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データベース管理 | 作成済みのデータベースを指定できます。指定しない場合は自動的に作成されます。その場合、データベース名とデータベースユーザー名は「ユーザー名_wp連番」となります。 |
電子メール通知 | どのタイミングでメール通知するかを選択できます。 |
デフォルトのバックアップ場所 | 標準ではウェブサイトと同じサーバーに保存されます。FTP/FTPS/SFTP/WebDAV/DropBoxを利用して、外部サーバーに転送することもできます。 |
自動バックアップ | 自動バックアップ(WordPress全ファイルとMySQLダンプファイル)の実行タイミングを設定できます。 |