Z.comはレンタルサーバーとしては珍しく、リージョンを選択することができます。リージョンとして 東京、アメリカ、シンガポール から自由に選択可能です。国内のユーザー (訪問者) を対象としたWebサイトを運営するなら、国外のサーバーを選択する必要はないでしょう。遅延を含むネットワーク速度など、国外サーバーのメリットはありません。
今回は東京リージョンを対象に調査してみます。公式サイトに 東京 と明記されているので調べる必要もありませんが、何か面白い情報が得られるかもしれません。
hostingstock.netで契約しているサーバーに対して、家庭用回線 (k-Opticom) から経路探索 (traceroute or tracepath) を実行します。
No. | ASN | 組織名 | ドメイン/IP | IP |
---|---|---|---|---|
1 | AS17511 | K-Opticom Corp. | *.*.*.* | (*.*.*.*) |
7 | AS17511 | ↑ | 60.56.5.130 | (60.56.5.130) |
8 | AS7527 | JPIX/Japan Internet Exchange Co., Ltd. | as7506.ix.jpix.ad.jp | (210.171.224.65) |
9 | N/A | GMO Internet, Inc. | 133.130.12.34 | (133.130.12.34) |
10 | N/A | ↑ | 133.130.12.66 | (133.130.12.66) |
11 | AS7506 | INTERQ/GMO Internet,Inc | c-5en-a11-1-v-711.interq.or.jp | (157.7.41.126) |
12 | AS7506 | ↑ | ***.tyo1.cloud.z.com | (*.*.*.*) |
JPIXを経由しているので、おそらく東京へ移動していることが分かる程度でしょうか。
これだけでは何とも言えないので、他のネットワークを利用してみましょう。
hostingstock.netで契約しているエックスサーバー (大阪) から経路探索を実行します。
No. | ASN | 組織名 | ドメイン/IP | IP |
---|---|---|---|---|
1 | N/A | XSERVER Inc. | ***.xserver.jp | (*.*.*.*) |
3 | AS9371 | SAKURA-C (OSAKA) / SAKURA Internet Inc. | osnrt102b-nrt127c.bb.sakura.ad.jp | (157.17.150.89) |
5 | AS9371 | ↑ | oshrt3-hrt1s-2.bb.sakura.ad.jp | (157.17.146.133) |
6 | AS9370 | SAKURA-B (TOKYO) / SAKURA Internet Inc. | tkcrt2-oshrt3.bb.sakura.ad.jp | (157.17.131.237) |
8 | AS9370 | ↑ | tkert1-ort3.bb.sakura.ad.jp | (157.17.130.114) |
9 | AS7506 | Equinix Japan | 7506.tyo.equinix.com | (203.190.230.99) |
11 | AS7506 | INTERQ/GMO Internet,Inc | c-5en-a11-1-v-711.interq.or.jp | (157.7.41.126) |
12 | AS7506 | ↑ | ***.tyo1.cloud.z.com | (*.*.*.*) |
tracepathの結果を確認すると、大阪から東京にパケットが流れていることが分かります。当然の結果ですが、Z.comは東京にあるデータセンターを利用しているようです。
これらの結果を眺めていると、似ているレンタルサーバーがあることに気づきました。例えば、COREPRESS CloudやWP Cloud、 ロリポップ!なども、経路探索を実行すると同じような結果となります。特にWP Cloudはすでに新規申込みが終了しており、代替サービスがZ.comのWordPressサーバーとなっています。サービス内容もほとんど同じなので、もしかしたら名称だけ変更してデータセンター (環境) はそのままなのかもしれませんね。
あくまでも推測ですが、ロリポップ!などはビットアイル(Bit-isle)の品川データセンターにあるようなので、Z.comも同じ可能性があります。