料金は安いのになかなか高性能!ミニバードのベンチマーク
ミニバード(ネットオウル社)が提供するサーバーの処理性能を評価した内容をまとめています。
Webサイトの表示速度の評価はこちらを参考にして下さい。
- ミニバードの全てが分かる
- ミニバードのレビュー
測定方法
WordPressのindex.phpの読み込みに要する時間を測定します。
- Webサイトの表示速度を測定するために配備したWordPressをそのまま利用します。
- 表示速度測定からネットワーク性能を省いたものとほぼ等価です。
- 読み込み回数を10回として、合計時間を集計します。
より詳細な内容は下記を参考にしてください。
測定期間
一度きりの測定では全く意味がないため、一定期間の継続した測定を行っています。例えば、訪問者の少ない深夜または早朝に測定すれば、最も良い結果を得ることが可能です。意図的な悪い結果が必要なら、負荷ピーク時に測定すればよいだけです。継続した測定であれば誤った結果を導き出すことを防げます。
測定期間は 7日間 とし、6分ごとに測定するため約1,600回となります。
一定期間測定することで、負荷が変動する日中、夜間、深夜の差を確認することもできます。例えば、訪問者が多くなり負荷が高くなる夜間と、負荷の下がる深夜との差が小さければ、負荷に強い安定したサービスであることを推測できます。
測定結果
|
Grubbs' test(棄却検定) |
Raw(未加工データ) |
有効測定数 |
1,625 |
1,680 |
除外数 (割合) 異常値 (標準偏差) [ミリ秒] |
55 (3.27%) 5040 (1790) |
- |
エラー (割合) |
0 (0%) |
0 (0%) |
中央値 [ミリ秒] |
2069 |
2076 |
平均値 [ミリ秒] |
2161 |
2251 |
標準偏差 [ミリ秒] |
339 |
682 |
- 測定結果について
- Grubbs' testの結果は、何かしらの原因による一時的な異常値(外れ値)を棄却検定により省いたものです。
- 異常値は棄却検定により省かれたデータの平均値です。
- 標準偏差(ばらつき)は、処理時間の「約68%が平均値 ± x1」に、「約95%が平均値 ± x2」に収まることを示します。値が小さいほど安定することになります。
ミニバードの評価
月額250円〜300円という安価な料金を考慮すれば、他社と比較しても十二分な性能であることが分かります。
採用しているハードウェアは決して高性能ではありませんが、しっかりと収容者数を制限することで負荷を調整しているようです(もちろん利用者が少ないという可能性もあります)。
異常値(除外されたデータ)は平均値の2倍以上であり、訪問者の多くなる時間帯に処理速度がそれなりに低下します。
とは言え、平均値だけを比較すれば上位サービスに迫る性能があり、エラーもなく安定しています。
料金的にも高負荷時の処理速度は許容範囲でしょう。
例えば、エックスサーバーのような高価格帯サービスであれば、終日処理速度が安定します。
ミニバードはこの料金でPHP7や複数のデータベースに対応しており、性能的にもコストパフォーマンスの高いサービスと言えます。
ロリポップ!、エックスサーバーとの比較
|
ミニバード PHP7/FastCGI |
ロリポップ! PHP5/CGI |
エックスサーバー PHP7/FastCGI |
有効測定数 |
1,625 |
1,630 |
1,671 |
除外数 (割合) 異常値 (標準偏差) [ミリ秒] |
55 (3.27%) 5040 (1790) |
40 (2.39%) 26107 (10625) |
9 (0.54%) 2809 (173) |
エラー (割合) |
0 (0%) |
5 (0.3%) |
0 (0%) |
中央値 [ミリ秒] |
2069 |
6911 |
1821 |
平均値 [ミリ秒] |
2161 |
7369 |
1809 |
標準偏差 [ミリ秒] |
339 |
1659 |
104 |
変動係数 |
15.7% |
22.5% |
5.7% |
- 測定結果にについて
- 変動係数は「平均値に対する変動の割合」を示します。平均値が近い場合、値が小さいほど安定します。
ロリポップ!、エックスサーバーと比較してみましょう。
エックスサーバーは料金的にも上位サービスであり、採用されてるハードウェア性能は群を抜いています。
そのため、他社サービスとは比較にならない処理性能があります。
それほど差がないように見えても、グラフのスケール(尺度)を調整すれば、終日一定の処理速度を維持していることが分かります。
このあたりは、安価なサービスとの大きな違いでしょう。
ロリポップ!は同価格帯となるライトプランの結果です。
おそらくロリポップ!が採用するハードウェアの方が高性能なはずですが、しかし、収容ユーザー数が多すぎるためか、かなり残念な結果となっています。
ミニバードの高負荷時の値とロリポップ!の低負荷時の値が同程度であり、同じ料金ならミニバードを選択するべきでしょう。
Webサイトの表示速度にも同じ傾向があり、ロリポップ!は夜間帯に表示速度がかなり遅くなります。
ミニバードは少し基盤構成(ハードウェアやソフトウェア)が古い印象がありますが、廉価サービスの中ではおすすめの一つです。
コントロールパネルは直感的に使いやすく、ホームページ運営初心者にもおすすめできます。
- 各サービスの公式サイト
- ミニバード
/ ロリポップ!
/ エックスサーバー

他社との比較
公式サイト | 環境 | 平均値 ミリ秒 | 中央値 ミリ秒 | 標準偏差 ミリ秒 | エラー % |
| WordPress PHP7/FastCGI | 1874 | 1823 | 156 | 0 |
| PHP7 | 2027 | 1755 | 1074 | 0 |
| PHP7/FastCGI | 2161 | 2069 | 339 | 0 |
| PHP5/FastCGI | 3389 | 3375 | 262 | 1 |
| SSD, PHP7/CGI | 3429 | 3398 | 276 | 0 |
| PHP7/CGI | 4271 | 4156 | 351 | 0 |
| PHP5/Module | 5405 | 5409 | 242 | 0 |
- 除外数について
- Grubbs' testにより除外された異常値の数です。この数値が大きい場合、平均値から離れたデータが多くあることになります。多いから悪いとは言えないため、元の測定記事を参考にすることをおすすめします。
- 測定結果について
- レンタルサーバーは1つのサービス(プラン)に対して多くのサーバーが運用されており、全てを評価することは不可能です。さらに共用サーバーの場合、処理性能は他サイトの負荷に大きく左右されるため、間違いなく当たり外れが存在します。hostingstockで公開している結果はそれらのうちの一つに過ぎませんが、良い結果でも悪い結果でもそのまま掲載します。悪い結果であっても事業者側が「許容範囲内の品質」として提供したサービスである以上、特別な理由がない限り別サーバーでの再測定は行いません。