大手5社のWordPressにも対応する無料レンタルサーバーの完全比較

無料で利用できるレンタルサーバーはたくさんありますが、「まとも」に利用できるサービスはそう多くありません。ここでは当サイトで取り上げているサービスの中から、実際に利用したお薦めのサービスを紹介します。無料でもWordPressに対応するサービスがあり、レンタルサーバーに興味のある初心者の学習目的にも最適です。

紹介するサービスはアフィリエイトの禁止されていないサービスです。大規模なサイトには全く向きませんが、アクセス数の少ない趣味程度のサイトであれば十二分なものです。

他の無料レンタルサーバーを探すなら
無料レンタルサーバーのまとめ
  プラン DC 広告 WordPress ディスク容量 独自ドメイン
(サブドメイン)
MySQL メール PHP Perl Python Ruby cron
XREA 標準 国内 あり 1GB 10 (10) 1
Webcrow 標準 国内 なし × 1GB 1 (50) × × × × × × ×
Webcrow 容量 OP 国内 あり × 2GB 1 (50) × × × × × × ×
Webcrow PHP OP 国内 あり 1GB 1 (50) 1 × × × × ×
StarDomain 標準 国内 なし × 10GB 1 (50) × × × × × ×
Xdomain HTML 国内 あり × 1GB 10 (50) × × × × × × ×
Xdomain PHP MySQL 国内 あり 1GB 10 (50) 5 × × × × ×
Xdomain WordPress 国内 あり 2GB 5 (-) 5 × × × × ×
WPblog 標準 国内 あり 1GB 5 (-) 5 × × × × ×
Hostinger 標準 海外 なし 2GB 2 (2) 2 × × ×
FC2ホームページ 標準 海外 あり × 1GB × × × × × ×
FC2ホームページ アダルト 海外 あり × 1GB × × × × × ×

XREA (国内サービス)

XREA (エクスリア) はGMOデジロックが運営する、国内では無料レンタルサーバーの代名詞的な存在です。

他の無料レンタルサーバーと比較すると制約が非常に少ないため、広告表示を除けばフルスペックの有料サービスに劣りません。上位サービスであるコアサーバーと基本的な仕様は同じであり、廉価な姉妹サービスと考えると分かりやすいでしょう。

他の無料サービスではPHPのみの対応がほとんどですが、XREAでは、Perl、Ruby、Pythonにも対応しています。さらに、cronとメール機能への対応は大きなアドバンテージです。

初期ドメイン (アカウント名.サーバー名.xrea.com) が提供されるため、独自ドメインがなくてもサイト公開が可能です。もちろん、他社管理の独自ドメンを設定することも可能です。

自動挿入される広告位置が気になる場合、ある程度の知識が必要ですが手動で対応することもできます。しかし、意図的に広告を非表示にすると予告なく利用停止措置となります。広告の位置を変更するなら注意が必要です。

有料プランもあります
広告が非表示となり、各機能がスペックアップする有料のプラスプラン (XREA+) もあります。

Webcrow (国内サービス)

エックスサーバーの関連企業であるネットオウル (Netowl) が運営するサービスです。ネットオウルと言えば、ドメインサービスのスタードメイン、レンタルサーバーのミニバード、ファイアーバドが有名です。

3種類の無料プランがあります。

  • 標準プラン
    • 広告は 非表示 です。
    • PHPやMySQLは利用できません。
  • 容量オプション
    • 広告が表示されます。
    • ディスク容量が 2GB に増加します。
  • PHPオプション
    • 広告が表示されます。
    • PHPとMySQLを利用できます。

1契約につき1つだけ独自ドメインを設定でき、他社管理の独自ドメインにも対応しています。初期ドメイン (サーバーID.webcrow.jp) にサブドメインを設定できないため、独自ドメインがなければ公開できるサイト数は1つとなります。

ネットオウルのアカウントひとつで、複数のサーバーを契約することができます。そのため、独自ドメインがなくても複数のサイトを公開することは (一応) 可能です。

広告表示はモバイル端末 (スマートフォンとタブレット) からのアクセス時に限定されます。あまり思いつきませんが、PC専用のコンテンツであれば広告表示は問題とならないことになります。

有料プランもあります
広告が非表示となり、メール機能にも対応する「Webcrowプラス」(126円/月) プランもあります。

スタードメイン (国内サービス)

スタードメイン (StarDomain) は、Webcrowと同様にネットオウルが運営するサービスです。メインのサービスはドメイン販売ですが、ドメイン契約者に対して無料のサーバーを提供しています。他の無料サービスとの大きな違いは、「転送量制限が有料サービス並み」「広告が表示されない」ことでしょう。ドメインの維持費のみで有料サービス並みのサーバーを利用できます。

ただし、PHPやデータベースに非対応なのでWordPress等は利用できません。シンプルなHTML (JSやCSS) のみで構成される、いわゆる静的サイトの運営に限られます。

メール転送機能にも対応しており、サイトのドメインと同じドメイン名のメールアドレスを利用できるため、例えば問い合わせ等のメールにも利用できます。しかし、あくまでも 転送機能 でありメール機能ではありません。メールサーバーが提供されるわけではないので、Gmail等のメールアカウント (転送先) を保有している必要があります。

エックスドメイン (国内サービス)

エックスドメイン (Xdomain) は、エックスサーバーが運営するドメイン販売サービスです。エックスドメインの特徴は「ドメイン未契約者でもサーバーのみ利用できる」という点です。さらに他社管理の独自ドメインを設定でき、広告が表示されるとは言え太っ腹なサービスです。

初期ドメイン (サーバーID.サーバータイプ.xdomain.jp) が提供されるため、独自ドメインがなくともサイト公開が可能です。また、マルチドメイン対応数が多めであり、複数のサイトを運営するならお勧めのサービスです。

エックスドメインには様々なタイプのサーバーが用意されています。

  • HTMLサーバー
    • PHPやデータベースに非対応のシンプルなサーバーです。静的サイトに適しています。
    • 機能がシンプルな分、他と比較してディスク容量が優遇されています。
  • PHP・MySQLサーバー
    • PHPやデータベースを利用できます。WordPressのインストールが可能です。
    • エックスサーバーの簡易版と考えても良いでしょう。
  • WordPressサーバー
    • WordPressの運用に特化したサーバーです。
    • キャッシュ機能を備えており、wpXの簡易版と考えても良いでしょう。wpXと同様にVarnishが採用されています。
  • メールサーバー
    • メール機能を利用できます。
    • このサービスのみ独自ドメインの契約が必須です。

モバイル端末 (スマートフォンとタブレット) からのアクセス時のみ広告が自動挿入されます。HTMLサーバーのみ基準が緩く、ファイルブラウザやFTPでのファイル操作が3ヶ月間行われない場合に表示されます。

契約者特典
ドメイン契約者であれば、「ディスク容量」「データベース数」「マルチドメイン数」が増加します。残念ながら契約者であっても広告表示は無効となりません。

WPblog (国内サービス)

WPblogはネットオウルが運営するWordPress専用サービスです。独自ドメインに対応しており、1つのアカウントでWordPressを5つまで設置できます。WordPress専用であるため、他のアプリケーションを利用することはできません。

WordPress毎に初期ドメイン (.wpblog.jp) が設定されるため、独自ドメインを持っていなくてもサイト公開が可能です。もちろん、他社管理の独自ドメインを設定することもできます。

WordPressのインストール作業が不要であり、手間をかけずにWordPressを使ってみたいという初心者にもお薦めできます。

姉妹サービスのWebcrowと同様に、モバイル端末(スマートフォンやタブレット)からのアクセス時のみ広告が表示されます。

有料プランもあります
有料の「プレミアム」プラン (300円/月) があり、ディスク容量が拡張され広告が非表示となります。

Hostinger (海外サービス)

Hostinger (ホスティンガー) はリトアニアのカウナスに本社があるサービスであり、最近では世界展開が進められています。日本も対象となっており、公式サイトも日本語化されています・・・が、怪しい日本語を見ていると、ネイティブな日本人がスタッフにいるような感じはありませんね。

複数地域のデータセンターで運用されており、イギリス、アメリカ、シンガポールとなっています。ただし、無料プランで選択できるのはイギリスのデータセンターのみです。

大きな特徴は無料プランでも「広告が表示されない」ことでしょう。メール機能にも対応しており、仕様的にはフルスペックのレンタルサーバーと変わりません。初期ドメイン (6種類のドメインから選択) が提供されるため、独自ドメインがなくてもサイトの公開が可能です。また、他社管理の独自ドメインを設定することもできます。

ただし、無料プランはアクセス数の制限が厳しく、割とあっさりサーバーアカウントが凍結されます。詳しくはレビューをご覧ください。

有料プランもあります
有料の「プレミアム」「ビジネス」があります。ディスク容量、転送量、マルチドメイン、データベースなど、多くの機能が無制限となります。

FC2ホームページ (海外サービス)

説明の必要もありませんが、FC2ブログで有名なFC2のサービスです。勘違いしている方もいるかもしれませんが、FC2はアメリカのサービスであり、データセンターはカリフォルニア州ロサンゼルスにあります。

FC2ホームページはPHPやMySQLに非対応であり、HTML (JSやCSS) のみで構成される、いわゆる静的サイトの運営に限定されます。そのため機能的な特徴はありませんが、「アダルトコンテンツ対応」という仕様が最も大きな特徴となります。2つのプランがありますが基本的な仕様は全く同じなので、アダルト以外のコンテンツであれば通常サービスを選択すると良いでしょう。

公式サイトをみると広告無しをアピールしています。しかし無料プランの場合、様々な条件で広告が表示されるので勘違いしないようにしましょう。有料プランであれば広告は表示されません。

独自ドメインにも対応していますが、FC2が提供するJPドメインに限定され、他社管理の独自ドメインは非対応です。さらに細かい条件があるため、一般的な独自ドメインと同じように扱うことができません。詳しくはレビューをご覧ください。

有料プランもあります
ディスク容量が拡張され、広告が非表示となります。

WordPressのレスポンスを比較

無料レンタルサーバーとはいえ、レスポンスが悪かったりエラーが頻発するようでは使い物になりません。以下はWordPressをインストールした各レンタルサーバーに対するレスポンス測定の結果です。

測定方法
測定期間は6日間。5分間隔で一度に2回の測定を行います。1時間で24回の測定となります。
  Webcrow Xdomain PHP Xdomain WP WPblog XREA Hostinger
有効測定 3,456回 3,454回 3,456回 3,455回 3,421回 3,399回
棄却検定除外 3.50% (121) 0.87% (30) 3.18% (110) 2.69% (93) 1.23% (42) 0.26% (9)
棄却検定閾値 2.17秒 1.84秒 1.39秒 0.55秒 6.91秒 22.9秒
エラー 0% (0) 0% (0) 0% (0) 0.03% (1) 1.02% (35) 1.68% (57)
3秒以上 3.01% (104) 0.43% (15) 0.35% (12) 0.35% (12) 15.2% (519) 100% (3,399)
中央値 0.74秒 0.70秒 0.34秒 0.23秒 1.67秒 6.72秒
平均値 0.71秒 0.62秒 0.41秒 0.25秒 2.03秒 8.05秒
ばらつき/標準偏差 0.30秒 0.25秒 0.20秒 0.06秒 0.99秒 3.08秒

FC2ホームページとスタードメインはPHPが動作しないため対象外です。

この結果をみれば分かりますが、海外サービスのHostingerは非常に遅く、エラーの発生率も高めです。広告が表示されないという大きなメリットはありますが、アカウントの凍結されやすさと併せて選択する意味がありません。

XREAは非常に多機能で有料サービスと変わらない自由度がありますが、単純に利用者が多いことに加えてヘビーユーザーもいるため、サーバーが恒常的に高負荷状態のようです。レスポンスが遅くばらつきがあり、国内サービスとは思えないほどにエラー発生率も高めです。レスポンス性能目的での選択肢からは外れますが、貴重なフルスペックサービスであるため、初心者の学習目的であれば非常におすすめです。

レスポンス性能や安定性能を重視するのであれば、ネットオウルかエックスドメインのサービスとなるでしょう。WordPressのインストールが面倒であれば、WordPress専用サービスである「WPblog」か「Xdomain WordPress」をおすすめします。

グラフの操作
右側のスライダーで尺度 (スケール) を変更できます。

Hostingerを除いた結果

他のサービス間の差が分かりにくいので、Hostingerのデータを除いた結果を掲載します。

このようにするとXREAの不安定さが目立ちます。優秀なサービスは「WPblog」と「Xdomain WordPress」となります。両サービスは Varnish と呼ばれるキャッシュ機能が動作しているため、他のサービスよりレスポンスが高速化されています。

XREAを除けば必要十分なレスポンス性能があるので、仕様や環境など好みで選択してもよいでしょう。例えば、スタードメインで独自ドメインを契約していれば、姉妹サービスであるWPblogやWebcrowでのドメイン設定が楽になります。

静的ページのレスポンスを比較

  スタードメイン FC2ホームページ Webcrow エックスドメイン XREA Hostinger
有効測定 3,456回 3,456回 3,456回 3,455回 3,432回 3,408回
棄却検定除外 2.81% (97) 0.03% (1) 2.63% (91) 1.53% (53) 2.42% (83) 0.21% (7)
棄却検定閾値 0.91秒 8.03秒 0.90秒 0.84秒 3.14秒 23.6秒
エラー 0% (0) 0% (0) 0% (0) 0% (0) 0.70% (24) 1.41% (48)
3秒以上 0.26% (9) 100% (3,456) 0.20% (7) 0.03% (1) 2.80% (96) 100% (3408)
中央値 0.29秒 6.26秒 0.31秒 0.29秒 1.15秒 6.40秒
平均値 0.33秒 6.13秒 0.35秒 0.33秒 1.21秒 7.82秒
ばらつき/標準偏差 0.12秒 0.46秒 0.11秒 0.10秒 0.39秒 3.23秒

PHPやデータベースを必要としない静的ページの測定結果です。スタードメイン、ウェブクロウ、エックスドメインが似たような結果となっており、レスポンス性能が必要であればこれらの中から選択するとよいでしょう。

特にスタードメインとウェブクロウ (標準プラン) は広告が表示されないためお薦めです。

アダルトコンテンツを扱うサイトであれば、FC2ホームページが遅いながらもレスポンスが安定しています。Hostingerの無料プランは何をするにも向かないようですね。

まとめ

国内でも使いやすいサービスが増えてきているため、あえてHostingerのような海外サービスを利用する必要はありません。

アダルトサイトを無料で運営するなら
FC2ホームページ (アダルトプラン)
静的サイト運営するなら
スタードメイン、Webcrow (標準プラン)
PHPとデータベースを利用するなら
Xdomain (PHP&MySQLプラン)
WordPressを簡単に使いたいなら
WPblog、Xdmain (WordPressプラン)
多機能なサーバーを使いたいなら
XREA

広告が表示されるだけで高性能なサーバーを利用できますが、有料サービスとの大きな違いは「同時接続数」や「転送量制限」となります。同時接続数は、同時にどれだけ多くのリクエストに対応できるかに影響します。転送量制限は一定期間中にどれだけのアクセスを許容するかに影響します。

同時接続数は非公開であることが多く、利用料金に比例すると考えてもよいでしょう。転送量制限については多くのレンタルサーバーで公開しているのですが、無料サーバーでは非公開となっていることが多いようです。おそらく保証の問題もあるのでしょう。

XREA Webcrow StarDomain WPBlog Xdomain Hostinger FC2
1GB/日 50GB/月 100GB/月 非公開 非公開 100GB/月 非公開

例えば転送量の上限が 50GB/月 なら、Webページを構成するファイル群の合計が1MBの場合、約50,000アクセス/月まで対応可能となります。実際にはブラウザ等のキャッシュが絡むためこれより多くはなるでしょう。

有料サービスであればロリポップの最廉価プランでも「40GB/日」です。単位が違うことに気がつきましたか? Webcrowであれば「一ヶ月で50GBまで」ですが、ロリポップであれば「一ヶ月で1,200GBまで」と桁違いになります。

訪問者に対しアクセス過多でエラーが表示されても構わない、趣味のサイトであれば無料サービスでも問題ありません。しかし、アフィリエイトなど、いつでも正常に動作させることが目的であれば有料サービスをお薦めします。

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