基本性能は高いが夜間の負荷が気になるラクサバのベンチマーク結果

ラクサバはRebyc(レビック)社が運営するレンタルサーバーです。他にもアダルトサイト対応のFUTOKA(フトカ)やドメインサービスのエルドメイン(ELDOMAIN)を運営しています。ラクサバは汎用的な共用レンタルサーバであり、月額99円から利用できる基本料金の安さと豊富な機能が特徴です。

この記事ではラクサバの処理性能について評価した結果を掲載します。サーバーの処理性能はレスポンス性能や安定性能に大きく影響するため、レンタルサーバー選びでは重要な要素です。

ラクサバの詳細については当サイトのレビューをご覧ください。

測定方法

WordPressをインストールしたウェブサイト(サーバー)を利用します。

  • 「ランダムな3,000文字/記事」の投稿と削除
    • 100記事をまとめて投稿、投稿後に全削除
    • 1記事ごとの生成処理を含む
  • 投稿と削除はWordPressの標準関数を利用
    • wp insert post、wp delete post

これらの処理を 5分間隔 で実行し、一連の処理時間を測定します。つまり、 PHPとデータベースの処理性能 を確認します。データセンター内(またはサーバー内)で完結する処理なので、ネットワーク環境の影響を受けません。

負荷について
100件程度は大した負荷ではありません。しかし、共用サーバーなので高負荷とならないように、1件ごとにwait処理を差し込んでいます。

測定結果

結果 有効測定数 除外数 棄却閾値 エラー 中央値 平均値 ばらつき
Raw (未加工) 864回 - - 0%
(0回)
2.90秒 3.16秒 0.68秒
棄却検定 0.58%
(5回)
6.01秒 2.90秒 3.14秒 0.63秒
測定結果
72時間 (3日間) の測定結果です。X軸は時刻(0時~24時)を表し、各時刻の値は3日間の平均値です。有効測定数はエラーを省いた実測定数です。
棄却検定
測定のタイミングによりサーバーの負荷状態 (混雑具合) が変動します。集計に影響を与える一時的な異常値 (外れ値) を棄却検定 Grubbs' test (α=0.001) により省いたデータも掲載しています。
ばらつき (標準偏差)
統計的な話ですが、処理の 約68%平均値 ± ばらつき に、約95%平均値 ± ばらつき×2 に収まることを示します。つまり、ばらつきが小さいほど処理性能が安定しているといえます。

ラクサバの評価

グラフを見るとかなり分かりやすい傾向となっています。訪問者(や利用者)が多くなるであろう夕方から深夜にかけて徐々に負荷が高くなり、処理性能が落ちていきます。深夜1時頃が負荷のピークとなり、朝方にかけて急激に負荷が下がります。

最後の「他のレンタルサーバーとの比較」を見ればわかりますが、平均値は上位グループに入る結果となっています。時間帯による変動はありますが、利用料金の安さを考慮すれば素晴らしい性能です。さらに、負荷が変動してもエラーは皆無であり、棄却検定による除外数も少しです。ばらつき(標準偏差)もそこまで大きくなく、安定性に問題のないことが分かります

夜間に処理性能が落ちる傾向にありますが、ウェブサイトのレスポンスに影響がでるほどの性能低下ではありません。ウェブサイトのレスポンス性能については、下記を参考にしてください。

ウェブサイトのレスポンスも良く、多機能かつ安定性にも問題がないため、利用料金に見合う規模のサイト運営であればおすすめできるレンタルサーバーです。

ロリポップ、ミニバードとの比較

  ラクサバ ロリポップ ミニバード
有効測定数 864 861 864
棄却検定除外 0.58%(5) 0.46%(4) 0.93%(8)
棄却検定閾値 6.01秒 6.55秒 6.31秒
エラー (回) 0%(0) 0.35%(3) 0%(0)
中央値 2.90秒 3.70秒 3.69秒
平均値 3.14秒 3.81秒 3.86秒
ばらつき 0.63秒 0.60秒 0.55秒

同価格帯のプランがあるロリポップ!やミニバード(minibird)と比較してみましょう。

平均値だけならラクサバが最も優秀です。しかし、一日を通して変動(ばらつき)が最も大きいのはラクサバです。深夜帯になるとラクサバが他に劣りますが、気にするほどの差ではありません。

ラクサバのユーザー数がどれほどかは不明ですが、公式サイトの更新状況(デザインや内容など)を確認すると、そこまで多いわけでもなさそうです。ロリポップやミニバードのばらつきの多さはユーザー数に比例しているともいえます(あくまでも推測ですが)。もちろん高価格帯のレンタルサーバーであれば、このグラフ(処理性能)がまったく変動せずに常に安定しているサービスもあります。低価格帯のサービスにそこまで求めるのは難しいでしょう。

公式サイトはあまり更新されていないようですが、サーバーはしっかりメンテナンスが行われており、 PHP7 にも対応しています(なぜか公式サイトに情報がありません)。レスポンス性能はロリポップ(CGI版PHP)やミニバードより優秀であり不安定さもありません。スペックに納得できれば、穴場のレンタルサーバーなのかもしれません。

比較対象レビュー
【レビュー】ミニバード
【レビュー】ロリポップ

他のレンタルサーバーとの比較

公式サイト 環境 平均値 ミリ秒中央値 ミリ秒標準偏差 ミリ秒エラー %

1.71.670.070

PHP7/CGI

1.821.830.220

1.941.950.070

PHP7/CGI

2.0220.140

PHP7

2.152.120.321

2.162.170.080

PHP7

2.172.130.240

2.182.150.30

2.242.250.280

PHP7/FastCGI

2.282.230.250

PHP5/CGI

2.42.410.270

PHP5/CGI

2.412.390.150

2.522.430.330

PHP7

2.712.680.348

2.722.660.3735

PHP7/FastCGI

2.732.70.30

PHP5/FastCGI

2.732.680.270

2.862.860.090

PHP5

3.032.960.380

3.13.150.310

PHP7/Module

3.113.120.080

PHP&MySQL

3.113.010.330

3.133.140.070

PHP5/FastCGI

3.143.090.210

3.142.90.630

3.142.960.680

PHP7/CGI

3.193.190.130

3.23.180.110

PHP5

3.513.470.398

PHP5/FastCGI

3.613.60.40

3.643.60.290

WordPress

4.183.891.090

PHP7

4.224.070.470

4.224.270.30

4.424.430.180

4.54.470.580

PHP5/CGI

4.564.450.560

PHP5

4.964.860.450

PHP5/Module

5.124.960.80

PHP7

5.164.242.230

5.184.691.240

5.255.210.320

PHP7

5.255.170.370

5.315.320.110

PHP5

5.315.230.560

PHP7

5.675.520.740

5.715.590.450

PHP5

5.885.80.360

6.055.920.580

PHP5

6.455.152.640

PHP5

6.456.330.770

6.526.490.760

PHP5/FastCGI

6.646.670.330

6.96.910.130

ライト

7.416.932.160

8.37.313.550

14.49.341461

hostingstock.netで測定した他レンタルサーバーとの比較です。

測定結果について!
レンタルサーバーは、一つのサービス(プラン)に対して多くのサーバーが運用されています。これらの測定結果は、その中の一つに過ぎません。契約時期により割り当てられるサーバーのスペックは異なる可能性があります。また、同じサーバーを利用する他のユーザーの負荷も影響します。

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