WADAXのFTPレスポンス性能を他のレンタルサーバーと比較・評価する

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WordPress等のCMSをそのまま運用するならFTPの利用頻度は少ないかもしれません。ただし、オリジナルのWordPressテーマ、Webサイト、Webアプリケーションを開発するなら、レンタルサーバーのFTP性能を無視することはできません。

頻繁にファイルをアップロードしたり、サーバー上のファイルを編集するなら、レスポンスの悪いレンタルサーバーを選ぶと非常にストレスとなり作業効率も悪くなります。

WADAXは複数のFTPアカウントを発行することが可能であり、グループでのサーバー運用にも向きます。Webサイトのレスポンス測定結果は奮いませんでしたが、FTP性能はどの程度なのでしょうか?

測定方法

測定方法は下記のページを参照してください。HTTPレスポンス測定の説明ですが、仕組みとしては変わりません。ただし、並列転送を考慮したHTTP測定とは異なり、FTP測定はファイルを1つずつ転送しています。

レンタルサーバーが同時接続を許可していて、FTPクライアントが並列転送に対応していれば、この測定結果より早く転送できることになります。

レンタルサーバー性能の測定方法

  • 19ファイル(テキストファイルや画像ファイル)のアップロードとダウンロード
  • 合計ファイルサイズは約1.8MB

測定期間

  • 2015年7月23日より14日間

測定と言っても一度きりでは意味がないので、一定期間の継続した測定を行っています。一定期間測定することで、夜間と日中の差や休日と平日の差を見ることができます。もしかしたら、曜日毎の変化があるかもしれません。

測定経路

データセンターの所在地については、下記のページを参考にしてください。

WADAXレンタルサーバーのデータセンターを探してみよう

家庭用回線からの測定となります。家庭用回線は測定中であってもサーバー以外のPCで普通にインターネットを利用しています。家庭用回線のサーバーは測定専用として測定以外の処理は行っていません。

  • 家庭用回線の測定環境
    • eo光(K-Opticom/関西電力)100Mタイプ
    • ルーターと測定用サーバーは有線接続

eo光(家庭用回線)からの測定結果

測定失敗|測定に失敗した割合。()内は回数 10秒以上|転送に要した時間が10秒を超えた割合。()内は回数 20秒以上|転送に要した時間が20秒を超えた割合。()内は回数 平均時間|転送に要した時間の平均値 ばらつき|母標準偏差(グラフ上の値は標本標準偏差)

  アップロード ダウンロード
測定回数 1,944 1,944
測定失敗 0.10%(2) 0%(0)
10秒以上 57.87%(1125) 50.51%(982)
20秒以上 2.73%(53) 0%(0)
平均時間(秒) 11.52 10.31
ばらつき(秒) 3.22 1.61
転送速度(kbps) 1,256 1,403

転送速度は単純な計算値です。実測値ではありません。

  • エラー内訳
    • アップロード(2)
      • Broken pipe(1)
      • 450(1)

他のレンタルサーバーとの比較

プロバイダー 環境など アップロード ダウンロード
公式サイト 平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %

6.300.8708.0300.860

6.4200.8606.7500.80

6.500.5806.700.580

6.5601.305.1900.910

6.6901.30.056.4100.70.05

7.1901.090.056.6300.760.09

7.4601.5606.400.670

7.4901.1206.6400.60

7.9301.806.2200.690

8.2702.540.057.4401.650.05

9.500.640.146.700.530.07

エンタープライズ

10.801.8308.9101.310

11.502.1509.1201.10

11.5203.220.110.3101.610

12.101.6207.6100.690

14.401.640.276.6401.360.27

1605.110.112.204.570.19

16.202.22010.301.910

84.40082.980.6005.34

WADAXレンタルサーバーの評価

Webサイト(HTTP)のレスポンス性能が正直なところ芳しくなかったため、FTP性能にもあまり期待していませんでした。実際に測定結果を確認するとHTTPほど悪い結果ではありません。ただし、他社レンタルサーバーと比較すると良いともいえません。

決してレスポンスは良くありませんが、エラーはほとんど発生していないので、普通に利用するには全く問題ありません。ただし、頻繁にFTPクライアントを操作する作業だとストレスになるでしょう。

さらに 「ばらつき」 が大きいように思えます。ばらつきが大きいということは、操作する毎にレスポンスが変化しやすいと言うことになります。例えば、ディレクトリの移動に時間が掛かったり、すぐにアップロードされるときもあれば、なかなかアップロードが終わらないときもあり、操作に必要な時間が不安定になります。

時間帯による変化を確認すると、利用者の多くなる夜間に遅くなる傾向があります。他社レンタルサーバーであっても同様の傾向にありますが、他社と比較しても極端です。これだけレスポンスが悪くなると、夜間のFTP利用はストレスとなるかも知れません。頻繁にファイル操作が必要となる作業があるなら、日中に済ませておく必要がありそうです。

測定結果と FTPクライアントの操作感 を比べると以下の様になります。これはあくまでも 主観的 な評価となりますが、平均時間が短いほど操作感(レスポンス)が快適になることは間違いありません。実際にWADAXの共用サーバーにFTPクライアントでアクセスすると、何をするにも 少しもたつく 感じがあります。

平均時間 使用感
10秒未満 快適に利用できます。
10秒 ~ 15秒 全ての操作で少し待つ(引っかかる)感じがします。初心者ならあまり気にならないでしょう。
15秒 ~ 20秒 明らかにレスポンスが悪くなります。Webサイトの機能やデザイン等を頻繁に更新する用途に向きません。
20秒以上 FTPクライアントの利用がストレスとなります。他のレンタルサーバーを検討しましょう。

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