Sova WP はサービスの提供を終了しました。

キャッシュ機能のあるSova WPの処理性能は安定していて余裕があります

Sova WPは2013年に開始された比較的新しいサービスです。運営会社はシンガポールにありますが、邦人による運営なので日本語に対応しています。サービス名の通り WordPress専用 のサービスであり、他のアプリケーション (CMSなど) を利用することはできません。キャッシュ機能やCDN機能による高速なレスポンス性能がSova WPの特徴です。

レンタルサーバーの選択基準はサーバーの処理性能でしょう。いくら多機能であっても処理性能が悪ければ、エラーが発生しやすくなり、レスポンスも悪くなります。この記事では、ネットワークの負荷状況に左右されない、サーバーそのものの性能を確認します。

この測定にはフリープランを利用しています。上位プラン (有料プラン) ほどサーバー性能が高くなることを明記しているため、この評価結果はSova WPの基本的な性能を示します。

Sova WPの詳細な仕様については、当サイトのレビューを確認してください。

【レビュー】Sova WP

測定方法

WordPressをインストールしたサイト (サーバー) を利用します。

  • 「ランダムな3,000文字/記事 (の自動生成) 」の投稿と削除
    • 100記事をまとめて投稿、投稿後に全削除
  • 投稿と削除はWordPressの標準関数を利用
    • wp_insert_post、wp_delete_post

これらの処理を 5分間隔 で実行し、処理時間を測定します。つまり、 PHPとデータベースの処理性能 を確認することになります。データセンター内で完結する処理なので、ネットワーク環境 (速度) の影響は受けません。

負荷について
100件程度は大した負荷ではありませんが、共用サーバーなので連続処理とならないように、1件毎にwait処理を差し込んでいます。

測定結果

結果 有効測定数 除外数 エラー 中央値 平均値 ばらつき
Raw (未加工) 864回 - 0.00%
(0回)
4.43秒 4.42秒 0.19秒
棄却検定 864回 0.23%
(2回)
0.18秒
測定結果
72時間 (3日間) の測定結果となります。X軸は時刻(0時~24時)を表し、各時刻の値は3日間の平均値です。有効測定数はエラーを省いた実測定数です。
棄却検定
測定実行のタイミングによりサーバーの負荷状態 (混雑具合) が変動します。集計に影響を与える一時的な異常値 (外れ値) を棄却検定 Grubbs' test (α=0.001) により省いたデータも掲載しています。
ばらつき (標準偏差)
統計的な話ですが、処理の 約68%平均値 ± ばらつき に、約95%平均値 ± ばらつき×2 に収まることを示します。つまり、ばらつきが小さいほど処理性能が安定しているといえます。

Sova WPの評価

最も性能の低いフリープランであっても、エラーがなく安定しています。時間帯によるばらつきがなく、いつでも安定した処理性能を維持していることを確認できます。約900回の測定ですが、棄却検定による除外数の少なさやばらつきの小ささから、処理時間の変動が非常に小さいことが分かります。処理時間が短いか長いかという評価については、後述する他サービスとの比較をご覧ください。

キャッシュ機能 (別サーバー) によって、実データのあるサーバー (今回の測定対象) に負荷がかかりにくい仕様も安定の理由でしょう。さらに、メール機能 (メールサーバー) やCronを非対応とし、意図的でなくとも利用者がサーバーに負荷を掛けにくい環境もこの結果に影響しています。

安定したWordPressサイトの稼働に特化したサービスであることを証明する結果となりました。

エックスサーバー、ロリポップ!との比較

  Sova WP ロリポップ! エックスサーバー
有効測定 864回 858回 864回
棄却検定除外 0.23%(2) 0.58%(5) 0.23%(2)
棄却検定閾値 5.19秒 4.52秒 6.46秒
エラー 0%(0) 0%(0) 0%(0)
中央値 4.43秒 3.86秒 3.91秒
平均値 4.42秒 3.87秒 4.00秒
ばらつき 0.18秒 0.17秒 0.63秒

同じデータセンター (さくらインターネット) で運用されているエックスサーバー、他データセンターので運用されている定番のロリポップ!と比較してみましょう。

ハードウェア性能はエックスサーバーが最も高いことがわかります。負荷が小さくなる深夜帯に、他と比較して最も処理時間が短くなっています。しかし、利用者 (収容数) の多さからアクセス状況による変動が大きいことも分かります。

ロリポップ!は2015年末に設置された新サーバーの評価です。このなかで比較するとロリポップ!が安定して速いことになります。稼働したばかりのサーバーなので収容数が少ないのかもしれませんね。この性能が維持されるようなら、非常にコストパフォーマンスが高いと言えます。

グラフを見るとはSova WPが劣っているように見えますが、グラフのスケール (尺度) を考慮するとあまり差がないことが分かります。処理時間は他に劣りますが、ばらつきは小さく安定度では最も優秀です。

WordPressのレスポンス性能なら、ロリポップ!やエックスサーバーより優れています。安価ながらも高性能なキャッシュサーバーでレスポンス性能を補っているのでしょう。レスポンス性能については、以下の記事をご覧ください。

他のレンタルサーバーとの比較

公式サイト 環境 平均値 ミリ秒中央値 ミリ秒標準偏差 ミリ秒エラー %

1.71.670.070

PHP7/CGI

1.821.830.220

1.941.950.070

PHP7/CGI

2.0220.140

PHP7

2.152.120.321

2.162.170.080

PHP7

2.172.130.240

2.182.150.30

2.242.250.280

PHP7/FastCGI

2.282.230.250

PHP5/CGI

2.42.410.270

PHP5/CGI

2.412.390.150

2.522.430.330

PHP7

2.712.680.348

2.722.660.3735

PHP7/FastCGI

2.732.70.30

PHP5/FastCGI

2.732.680.270

2.862.860.090

PHP5

3.032.960.380

3.13.150.310

PHP7/Module

3.113.120.080

PHP&MySQL

3.113.010.330

3.133.140.070

PHP5/FastCGI

3.143.090.210

3.142.90.630

3.142.960.680

PHP7/CGI

3.193.190.130

3.23.180.110

PHP5

3.513.470.398

PHP5/FastCGI

3.613.60.40

3.643.60.290

WordPress

4.183.891.090

PHP7

4.224.070.470

4.224.270.30

4.424.430.180

4.54.470.580

PHP5/CGI

4.564.450.560

PHP5

4.964.860.450

PHP5/Module

5.124.960.80

PHP7

5.164.242.230

5.184.691.240

5.255.210.320

PHP7

5.255.170.370

5.315.320.110

PHP5

5.315.230.560

PHP7

5.675.520.740

5.715.590.450

PHP5

5.885.80.360

6.055.920.580

PHP5

6.455.152.640

PHP5

6.456.330.770

6.526.490.760

PHP5/FastCGI

6.646.670.330

6.96.910.130

ライト

7.416.932.160

8.37.313.550

14.49.341461

hostingstock.netで測定した他レンタルサーバーとの比較です。

測定結果について!
レンタルサーバーは、一つのサービス (プラン) に対して多くのサーバーが運用されています。これらの測定結果は、その中の一つに過ぎません。契約時期により割り当てられるサーバーのスペックは異なる可能性があります。また、同じサーバーを利用する他のユーザーの負荷も影響します。

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