FC2レンタルサーバーLiteのレンタルサーバーのFTP性能を評価する

全てのユーザーに対して重要な項目ではありませんが、FTPを多用するWebサイトを開発・運営するならFTPのレスポンスも気になるところです。

測定方法

下記に利用しているファイルのアップロードとダウンロードを測定します。

レンタルサーバー性能の測定方法

  • 19ファイル(テキストファイルと画像ファイル)
  • 合計ファイルサイズは約1.8MB

この測定ではファイルを1つずつ転送しています。レンタルサーバーが同時接続を許可していて、FTPクライアントが並列転送に対応していれば、より早く転送できることになります。

測定期間

2015年3月23日から 14日間

測定ポイント

レンタルサーバー(データセンター)の所在地については、下記のページを参考にしてください。

家庭用回線とデータセンターからの測定となります。家庭用回線は測定中であってもサーバー以外のPCでYouTubeを見たりファイルをダウンロードしたりと普通の使い方をしており、実環境と似た結果が得られると思います。

  • 家庭用回線の測定環境
    • eo光(K-Opticom/関西電力)100Mタイプ
    • ルーターと測定用サーバーは有線接続

eo光(家庭用回線)からの測定結果

他のレンタルサーバーの測定結果にはグラフを掲載しているのですが、エラー(タイムアウト)が多すぎるためFC2レンタルサーバーLiteの評価結果ではグラフを掲載しません。

  アップロード ダウンロード
測定回数 2,040 2,040
測定失敗 82.9%(1,691) 5.34%(109)
10秒以上 17.1%(349) 94.7%(1931)
20秒以上 17.1%(349) 94.7%(1931)
平均時間(秒) 84.4 80.6
ばらつき(秒) N/A N/A
転送速度(kbps) 171.5 179.6

エラーはタイムアウト(120秒/トータル、20秒/ファイル)を含みます。転送速度は単純な計算値です。実測値ではありません。

FC2レンタルサーバーLiteの評価

ただ 「遅い」 の一言です。

測定用プログラムは120秒でタイムアウトと判定しています。それをエラーとカウントしているので、上の表のような結果(測定失敗:82.9%)となります。数メガバイト程度のファイルを転送するのに2分以上もかかると使い物になりません。

後述するエックスサーバーの結果を見ても、家庭用回線だから遅いというわけではなさそうです。hostingstock.netでは初めて海外サーバーを測定しましたが、予想以上にレスポンスが悪いというのが素直な感想です。海外にあってもサーバーのスペックがよければレスポンスが良くなるのかもしれませんが、FC2レンタルサーバーLiteについてはそうではなさそうです。

他のレンタルサーバーとの比較

プロバイダー 環境など アップロード ダウンロード
公式サイト 平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %

0.750.740.050.10.480.440.10.05

0.750.750.050.20.490.440.130.1

0.840.740.2400.730.640.180

0.860.850.060.10.590.510.190.1

0.90.70.4200.690.580.30

0.950.880.240.20.710.620.260.1

0.950.830.320.20.720.660.270.1

WordPress

0.990.880.320.250.710.590.280.35

1.040.780.4900.720.620.30

1.050.860.440.250.720.610.320.05

1.10.840.480.20.860.720.380.2

1.111.10.083.170.730.70.111.87

1.211.10.330.350.750.690.250.3

PHP&MySQL

1.331.270.260.11.131.010.250.1

SFTP

1.391.350.1401.061.030.110

1.441.210.6701.191.110.290

1.51.490.0701.331.20.540

1.531.530.090.90.890.870.091

1.561.550.100.970.960.070

1.581.580.060.050.980.870.210

SFTP

1.611.60.0701.721.690.120

1.611.560.1901.131.210.250

1.611.60.101.080.970.210

1.621.550.190.051.211.20.10.05

1.671.660.150.250.980.970.070.25

1.731.730.1101.061.050.090

1.771.80.2401.081.040.140

SFTP

1.831.850.2701.331.290.150

1.881.710.6901.531.520.330

1.9820.3301.191.150.110

新サーバー

2.112.030.350.41.441.360.40.2

2.141.920.6901.251.220.160

2.262.030.630.31.331.270.150.3

2.382.310.30.052.462.420.290.05

旧サーバー

2.482.280.550.151.921.780.520.05

2.622.41.022.81.841.740.631

2.922.51.1202.992.481.410

2.972.441.190.051.390.541.760

SFTP

32.990.2401.931.90.130

3.093.120.1601.361.330.120.05

3.413.410.0901.861.840.080

5.533.923.450.355.863.954.10.25

6.7500.730.28.7200.980.1

海外

11.611.60.4806.796.740.280

海外

12.112.10.507.477.450.190

海外

12.312.30.52010.910.31.350.05

海外

16.616.50.560.210.110.20.860.25

海外

33.430.27.130.1520.5201.830.05

参考結果:エックスサーバーからの測定結果

こちらもグラフは掲載しません。

  アップロード ダウンロード
測定回数 2,040 2,040
測定失敗 8.33%(170) 4.36%(89)
10秒以上 91.7%(1,870) 95.6%(1,951)
20秒以上 91.7%(1,870) 95.6%(1,951)
平均時間(秒) 79.2 78.1
ばらつき(秒) N/A N/A
転送速度(kbps) 182.6 185.3

エラーはタイムアウト(120秒/トータル、20秒/ファイル)を含みます。転送速度は単純な計算値です。実測値ではありません。

測定結果の妥当性

レンタルサーバー間の測定で何を見るかというと、 時間帯による変化測定結果の妥当性の確認 です。基幹網(バックボーン)の接続となるため、家庭用回線の結果と比較しても意味がありません。例えば、エラーや大きな遅延が同じタイミングで発生していれば、レンタルサーバーに問題があることが分かります。

家庭用回線と比較してタイムアウトは少なくなりましたが、それでも数メガバイト程度のファイルを転送するのに1分以上かかるようです。Webサイトの測定評価もよくありませんが、FTPについても頻繁にファイルを更新するようなサイト運営は難しいかしれません。


更新履歴  
2015年5月1日 リンクを修正

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