月額250円のシンプルプラン!FC2レンタルサーバーLiteのレビュー

FC2レンタルサーバーLiteは、その名の通りFC2ブログで有名なFC2が運営する2009年10月に開始されたサービスです。低料金かつ初心者向けとなっており、非常に割り切った仕様が特徴のレンタルサーバーです。

基本的にはWebサイトを一つだけ運用可能な仕様となっており、独自ドメインは1個、データベースも1個となっています。サブドメインは10個まで対応ですが、データベース数や少ないディスク容量を考慮すると複数のサイト運営には向きません。

海外のデータセンターなので、国内のサービスと比較してレスポンスが劣ります。この記事を読むと分かりますが、積極的にオススメするポイントのあまりないレンタルサーバーです。

サービス開始時期
2009年10月

プラン

FC2レンタルサーバーLiteのプランは1つのみです。

料金  
初期費用 2,000円
契約期間: 1ヶ月、3ヶ月 300円/月
契約期間: 6ヶ月、12ヶ月 250円/月

公式サイトに記載されている250円/月とは、6ヶ月以上契約した場合です。 それ未満の契約だと300円/月となります。 契約期間は1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月から選択できます。

最低利用期間
1ヶ月から利用できます。
お試し期間
2週間のお試し期間があります。手続き時に契約プランに関する項目があり、「おためしプラン」を選択すると適用されます。

データセンター

公式サイトをみると、データセンターは 米国西海岸 にあるようです。

世界トップクラス環境のデータセンター

レンタルサーバーLiteで使用しているサーバーは、多重電源や空調設備が整った 米国西海岸 のデータセンターに設置しています。また、日本国内に比べ大地震などの災害リスク対策が整備されており、お客様の大切なデータは世界トップクラス環境で守られています。

実際に調査すると、カリフォルニア州ロサンゼルス付近にあることが分かります。また、FC2本社が隣州のネバダ州にあるため、その周辺にあるデータセンターなのでしょう。

海外のデータセンターだからといって、アダルトサイトが許可されているわけではありません。

コントロールパネル

専用のコントロールパネルが用意されています。レンタルサーバーの仕様がシンプルなので操作項目も少なく、誰でも簡単に利用できます。マニュアルが用意されているため、使用方法で困ることはないでしょう。レスポンスは標準的なもので、ストレスとなることはありません。

転送量制限

転送量に明確な制限はありません。しかし、共用サーバーなので他の利用者に迷惑となる多数のアクセスが発生すると、自動的にリクエストの遮断や帯域調整が行われます。基本的にサーバーの負荷が一定の閾値を超えると、その時点で最も負荷の高いWebサイトへのリクエストが遮断される仕様となっています。

公式サイトに以下のような記述があるため、転送量に制限がないといっても料金なりの上限や制限があると思っておきましょう。

頻繁に「同時接続数制限」対象・「帯域調整」対象が生じはじめた場合、FC2レンタルサーバー, FC2 VPS, FC2専用サーバーへのグレードアップを、FC2では強くおすすめいたします。

これらの上位サービスでは、FC2レンタルサーバーLiteよりも格段の大きな転送量を確保しています。人気ページや大人数でのご利用でも、快適にホームページを表示させることができます。

SSLの仕様

独自SSL(専用SSL)に 非対応 です。

共用SSL(共有SSL)には対応しており、https://server?.fc2-rentalserver.com/~アカウント名/というURLとなります。

ドメイン

ドメイン  
独自ドメイン 1
サブドメイン 10

独自ドメインを「1つのみ」設定できます。 そして、そのドメインに対して「10個」のサブドメインを設定できます。

他にもFC2が保有するドメインを利用できるため、独自ドメインがなくてもWebサイトを公開できます。 FC2が保有するbigwave.mobicocoabrown.net(他にも、食べ物系、気持ち系、個性派、動物系、オノマトペ系、カラー系、約60種類)などから自由に選択できます。

ただし、独自ドメインとFC2ドメインは排他設定(どちらか一方だけ)となります。

FC2では独自ドメインも取り扱っており、FC2で取得したドメインならメニューから選択するだけで簡単に設定できます。 もちろん他社レジストラ(お名前.comやバリュードメインなど)のドメインを利用することも可能です。

日本語ドメイン
対応しています。Punycodeでの設定が必要です。
DNSレコード
DNSレコードの編集が可能です。A、CNAME、MX、NS、TXTに対応しています。

データベース

データベース  
MySQL 1個(100MB)
SQLite

FC2レンタルサーバーLiteで利用できるデータベースは 1つ です。 テーブルは自由に操作できますが、データベース自体は契約時に自動設定されたものとなります。

データベース名とユーザー名はサーバーのアカウント名、パスワードはサーバーのパスワードが利用されます。パスワードを変更するには、サーバーのパスワードを変更する必要があります。データベース名とユーザー名は変更できません。

データベース  
MySQL 5.1.58。ENGINES: MyISAM (標準) / MRG_MYISAM / CSV / InnoDB / MEMORY。phpMyAdmin: 3.5.8.2。
SQLite 3.3.7。PDO関数に対応。SQLite3関数は非対応。
外部接続
非対応です。

FTP、その他のファイル転送機能

FTP  
アカウント 1

通常のFTPのみ対応しており、FTPS等のセキュアなプロトコルには非対応です。また、アカウントは契約時に発行される 1つのみ です。

パスワードはサーバーアカウントのパスワードと同じものが利用されます。そのため、パスワードを変更するにはサーバーアカウントのパスワードを変更する必要があります。ユーザー名は変更できません。

非対応
SFTP / WebDAV / SCP

ファイルマネージャ

コントロールパネルのファイルマネージャ(Webアプリケーション)を利用すれば、FTPクライアントがなくともディレクトリやファイルの操作が可能です。

以下の基本的なファイル操作に対応しています。

機能
作成、削除、移動、名称変更、パーミッション変更、ダウンロード、アップロード、圧縮、解凍、ベーシック認証

ディレクトリ構成

FC2ではドメインを一つしか設定できないため、自動的に/public_htmlがドキュメントルート(公開ディレクトリ)となります。 サブドメインも /public_html/サブドメイン名 のように自動設定されます。 どちらも変更することはできません。

/home/rslitefc2/users/アカウント名がホームディレクトリとなります。 /public_htmlより上位ディレクトリを操作できるため、非公開としたいファイルを保存するための/privateのようなディレクトリを自由に作成できます。

メール

メール  
アカウント 300個
SMTP SMTP-AUTH、SSL/TLS、STARTTLS、サブミッションポート
IMAP SSL/TLS
POP SSL/TLS
APOP ×

セキュアなプロトコルにも対応しており、必要十分な仕様となっています。IMAPにも対応しているので、パソコンやスマートフォンなど、複数の端末で容易にメールを管理できます。

メールの機能は以下の通りです。

機能  
ウイルス対策 ClamAV(Clam Antivirus)対応。
自動転送 Webメーラー(Round Cube)で設定できます。複数の転送先やメールを残す・残さないの設定も可能です。
メールエイリアス メールボックスを持たない 転送専用 のアカウントを作成できます。複数の転送先を設定できます。
Webメーラー Round Cubeが採用されています。
非対応 スパムメール対策、自動応答、フィルタ(振り分け)、メーリングリスト、メールマガジン
制限
10MB/通が送受信上限となりますが、あくまでも目安です。
送信数に明確な制限はありませんが、スパム行為と判断された場合、アカウントが停止され契約が解除されます。

PHP情報、他の言語について

PHPはCGI(非FastCGI)で動作しています。バージョンは 5.2のみ であり、変更することはできません。2011年にサポートが終了しているバージョンなので不安ですね。

コントロールパネルにPHPの設定を行うメニューはありません。 php.ini で設定したいところですが、許可されていません(認識しません)。 また、バージョンが古いため .user.ini も利用できません。

仕様  
PHP CGI 5.2.17
Python 2.6.5
Perl 5.10.1
Ruby 1.8.7
SSI

標準で読み込まれる拡張モジュール

Loaded extensions date libxml openssl pcre zlib bcmath calendar ctype curl dbase dom hash expect fileinfo filter ftp gd gettext session iconv imagick standard json mbstring mcrypt mime _magic mysql SimpleXML pcntl SPL PDO pdo_ mysql pdo_sqlite posix Reflection imap shmop mysqli soap sockets SQLite exif sysvmsg sysvsem sysvshm tokenizer wddx xml xmlreader xmlrpc xmlwriter xsl zip cgi-fcgi phpextmod suhosin xhprof
5.2.17

Cron

設定可能数は 5個 となっており、最短実行間隔は 4分 となっています。

cronジョブの設定は非常に簡単です。メニューが用意されているので、そこから選択するだけです。設定後の編集や停止・再開も可能です。ただし、他のレンタルサーバーのように、実行結果をメールで通知する機能はありません。必要であれば sendmail などで対応できます。

ログ

Apache形式のアクセスログとエラーログをダウンロードできます。 ログはほぼリアルタイムに更新されているため、すぐにアクセス内容を確認することができます。ただし、ログは自動的に削除されないため少ないディスク容量を圧迫します。ログ保存の有無は変更可能なので、必要な時のみ設定するようにしましょう。

PHPのエラーログは出力されません。PHPの設定が行えず、php.ini も機能しないため、スクリプト内で実装する必要があります。

WordPressのセキュリティ機能

他のレンタルサーバーでも採用されていますが、ダッシュボードのログイン画面やダッシュボード自体に日本国外からのアクセスに制限をかけることができます。

もし海外からダッシュボードにアクセスする場合は無効にする必要があります。

  • アクセス制限が無効となる条件
    • 「wp-login.php」のファイル名を変更している場合
    • 「wp-admin」のディレクトリ名を変更している場合

ハードウェアやソフトウェア

OS
Ubuntu 10.04 LTS
CPU / メモリ
Xeon L5630 2.13GHz x2CPU / 32GB
自動インストール対応
phpBB3 / OpenPNE / MediaWiki / ZenCart / Geeklog / WordPress
コマンドとライブラリ
FC2レンタルサーバーLiteに導入されているコマンドとライブラリはこちらを参考にしてください。
ファイルの存在を確認しただけであり、パーミッションによっては動作しないものもあります。

その他の機能

機能  
エラーページ設定 401、403、404、500、503のエラーページを、簡単にカスタマイズ可能です。
非対応 SSH、独自SSL、アクセス解析、バックアップ

サポート対応

利用方法などの基本的なトラブルについては、マニュアルやFAQで対応できるでしょう。他のサポートについては メールのみ 対応しており、公式サイトのお問い合わせフォームを利用します。

支払い方法

クレジットカード または FC2ポイント で支払います。FC2ポイントはFC2の全有料サービスで利用できる決済サービスとなっており、FC2IDで管理されます。

支払い方法  
クレジットカード VISA / MasterCard / JCB
FC2ポイント クレジットカード、銀行振込、ペイジー、コンビニ決済

解約方法

コントロールパネルで解約手続きが可能です。

有効期限が残ったまま解約しても、残りの期間分の返金はされません。

まとめ

PHPのバージョンが古いなど、しっかりとメンテナンスが行われている印象がありません。サービス開始当初は料金が安く魅力的なサービスであったかもしれませんが、今では同料金でより優れたレンタルサーバーがいくつもあります。例えば、300円前後となればネットオウルのミニバードがオススメです。

海外サーバーなのでレスポンスが国内のレンタルサーバーに劣ります。また、海外サーバーだからと言ってアダルトサイトに対応しているわけでもありません。もし、海外のIPアドレスが必要な用途があれば、安くて良いサービスなのかもしれませんね。


更新履歴  
2016年03月06日 大幅な加筆を行いました。

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