MixHost(ミックスホスト)は国内で初めてウェブサーバーに「LiteSpeed」を採用したレンタルサーバーです。ユーザーが操作する部分ではないため意識することもありませんが、一般的に採用されているApacheやNginxより実行速度が優れると言われます。コストパフォーマンスの高さも特徴であり、詳しくは MixHostのビュー を参考にしてください。
MixHostは新しいサービスということもあり、ハイスペックなハードウェアを採用しています。レンタルサーバーを検討する際、重要なポイントはウェブサイトの表示速度です。レスポンスが悪ければ訪問者にストレスを与え、さらに検索エンジンの評価も下がります。もう一つは処理性能であり、表示速度はもちろんのこと高負荷時(アクセス増加時)の安定性に影響します。
ここではMixHostの処理性能を評価した結果を掲載します。サーバーの処理性能はレスポンス性能や安定性能に大きく影響するため、レンタルサーバー選びでは重要な要素です。
WordPressをインストールしたウェブサイト(サーバー)を利用します。
これらの処理を 5分間隔 で実行し、一連の処理時間を測定します。つまり、 PHPとデータベースの処理性能 を確認します。データセンター内(またはサーバー内)で完結する処理なので、外部ネットワーク環境の影響を受けません。
PHP7.0 | PHP5.6 | |
---|---|---|
有効測定数 | 864 | 864 |
棄却検定除外 | 3.36%(29) | 1.74%(15) |
棄却検定閾値 | 3.20秒 | 4.78秒 |
エラー | 0%(0) | 0%(0) |
中央値 | 2.13秒 | 2.96秒 |
平均値 | 2.17秒 | 3.03秒 |
ばらつき | 0.24秒 | 0.38秒 |
変動係数 | 11.1% | 12.5% |
約68%
が 平均値 ± ばらつき
に、約95%
が 平均値 ± ばらつき×2
に収まることを示します。つまり、ばらつきが小さいほど処理性能が安定しているといえます。PHP7.0とPHP5.6とで測定しています。
やはりPHP7.0の実行速度が優れており、 3割弱 の改善を確認できます。t検定による有意差(p<0.01)も確認でき、互換性の理由がなければPHP7を使用するべきでしょう。当然ですが、ウェブサイトの表示速度もPHP7に変更することで改善されます。詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
ページ最後に未加工データを含む各バージョンの結果を掲載しています。棄却検定を適用しなくても、時間帯による変動は少なく処理速度が安定していることが分かります。
深夜帯にばらつき(除外データ)が集中しており、おそらく訪問者の影響ではなくCronによる負荷があることを推測できます。CloudLinux採用により、他ユーザーの影響を受けにくい環境となっていますが完全ではありません。もちろん、他のサービスと比較すれば安定性に大きな差があります。
この測定結果は スタンダードプラン のものです。MixHostはプランごとにリソースの割り当てが異なるため、安定性能や処理性能に差があります。訪問者の多いサイトや一つのアカウント(契約)で多くのサイトを運営するなら、上位プランを選択するとよいでしょう。
プラン | エコノミー | スタンダード | プレミアム | ビジネス | ビジネスプラス |
---|---|---|---|---|---|
CPU | 仮想1コア | 仮想2コア | 仮想3コア | 仮想4コア | 仮想5コア |
メモリ | 512MB | 1GB | 2GB | 4GB | 6GB |
MixHost PHP7 | KAGOYA PHP5 | JETBOY PHP7 | FUTOKA PHP5 | XSERVER PHP7 | |
---|---|---|---|---|---|
有効測定数 | 864 | 862 | 864 | 864 | 864 |
棄却検定除外 | 3.36%(29) | 0.58%(5) | 0.58%(5) | 0.81%(7) | 1.27%(11) |
棄却検定閾値 | 3.20秒 | 9.38秒 | 3.56秒 | 4.49秒 | 3.41秒 |
エラー | 0%(0) | 0%(0) | 0%(0) | 0%(0) | 0%(0) |
中央値 | 2.13秒 | 6.49秒 | 2.15秒 | 3.15秒 | 2.23秒 |
平均値 | 2.17秒 | 6.52秒 | 2.18秒 | 3.10秒 | 2.28秒 |
ばらつき | 0.24秒 | 0.76秒 | 0.30秒 | 0.31秒 | 0.25秒 |
変動係数 | 11.1% | 11.7% | 13.8% | 10.0% | 11.0% |
他社サービスと比較してみましょう。
比較対象はアダルトサイト対応の、KAGOYA(カゴヤ)、JETBOY(ジェットボーイ)、FUTOKA(フトカ)です。これらに高性能かつ人気も高いXSERVER(エックスサーバー)を加えています。
KAGOYAとFUTOKAはPHP5の結果です。それぞれPHP7に変更することで1割〜2割程度の改善を期待できますが、ハードウェア性能を覆すほどではありません。
どうしても目立ってしまうのはKAGOYAの遅さです。理由は単純であり、KAGOYAのサーバースペックが低いためです。
それぞれのハードウェアスペックは以下の様になっています。
Specs | CPU | メモリ | データベース |
---|---|---|---|
MixHost | Xeon E5-2620 v3 2.40GHz x2 | 32GB | localhost |
KAGOYA | Xeon E3-1230 v5 3.40GHz | 16GB | 別の専用サーバー |
FUTOKA | Xeon L5520 2.27GHz | 24GB | localhost |
XSERVER | Xeon E5-2640 v4 2.40GHz x2 | 96GB | 別の専用サーバー |
JETBOY | Xeon E5-2690 v3 2.60GHz x2 | 64GB | localhost |
公表されているものもあれば、独自に調査したものもあります。それぞれ2016年8月以降の契約時に割り当てられたスペックです。
各CPUの詳細については触れませんが、やはりMixHost、JETBOY、XSERVERのハードウェアが優秀です。
いくらカタログスペックが優れていても、多くのユーザー(契約者)を詰め込めば相対的に処理性能は低下します。つまり、仕様だけでは本当の性能は分かりません。これらのサービスは測定結果も優秀であり文句の付けようがありません。
MixHostは「SSLサーバー証明書を標準装備」や「初期費用無料」など、コストパフォーマンスが高さが特徴です。ウェブサイトの表示速度も平均以上であり、誰が利用しても満足度の高いサービスとなっています。あえて気になる点を挙げれば、サービス開始間もないため長期運用時の安定性が未知数ということでしょうか。とはいえ、サーバー管理はデータセンターの仕事です。MixHostはさくらインターネットのデータセンターを採用しており、安定性の問題はほとんどないでしょう。
公式サイト | 環境 | 平均値 ミリ秒 | 中央値 ミリ秒 | 標準偏差 ミリ秒 | エラー % |
---|---|---|---|---|---|
1.7 | 1.67 | 0.07 | 0 | ||
PHP7/CGI | 1.82 | 1.83 | 0.22 | 0 | |
1.94 | 1.95 | 0.07 | 0 | ||
PHP7/CGI | 2.02 | 2 | 0.14 | 0 | |
PHP7 | 2.15 | 2.12 | 0.32 | 1 | |
2.16 | 2.17 | 0.08 | 0 | ||
PHP7 | 2.17 | 2.13 | 0.24 | 0 | |
2.18 | 2.15 | 0.3 | 0 | ||
2.24 | 2.25 | 0.28 | 0 | ||
PHP7/FastCGI | 2.28 | 2.23 | 0.25 | 0 | |
PHP5/CGI | 2.4 | 2.41 | 0.27 | 0 | |
PHP5/CGI | 2.41 | 2.39 | 0.15 | 0 | |
2.52 | 2.43 | 0.33 | 0 | ||
PHP7 | 2.71 | 2.68 | 0.34 | 8 | |
2.72 | 2.66 | 0.37 | 35 | ||
PHP7/FastCGI | 2.73 | 2.7 | 0.3 | 0 | |
PHP5/FastCGI | 2.73 | 2.68 | 0.27 | 0 | |
2.86 | 2.86 | 0.09 | 0 | ||
PHP5 | 3.03 | 2.96 | 0.38 | 0 | |
3.1 | 3.15 | 0.31 | 0 | ||
PHP7/Module | 3.11 | 3.12 | 0.08 | 0 | |
PHP&MySQL | 3.11 | 3.01 | 0.33 | 0 | |
3.13 | 3.14 | 0.07 | 0 | ||
PHP5/FastCGI | 3.14 | 3.09 | 0.21 | 0 | |
3.14 | 2.9 | 0.63 | 0 | ||
3.14 | 2.96 | 0.68 | 0 | ||
PHP7/CGI | 3.19 | 3.19 | 0.13 | 0 | |
3.2 | 3.18 | 0.11 | 0 | ||
PHP5 | 3.51 | 3.47 | 0.39 | 8 | |
PHP5/FastCGI | 3.61 | 3.6 | 0.4 | 0 | |
3.64 | 3.6 | 0.29 | 0 | ||
WordPress | 4.18 | 3.89 | 1.09 | 0 | |
PHP7 | 4.22 | 4.07 | 0.47 | 0 | |
4.22 | 4.27 | 0.3 | 0 | ||
4.42 | 4.43 | 0.18 | 0 | ||
4.5 | 4.47 | 0.58 | 0 | ||
PHP5/CGI | 4.56 | 4.45 | 0.56 | 0 | |
PHP5 | 4.96 | 4.86 | 0.45 | 0 | |
PHP5/Module | 5.12 | 4.96 | 0.8 | 0 | |
PHP7 | 5.16 | 4.24 | 2.23 | 0 | |
5.18 | 4.69 | 1.24 | 0 | ||
5.25 | 5.21 | 0.32 | 0 | ||
PHP7 | 5.25 | 5.17 | 0.37 | 0 | |
5.31 | 5.32 | 0.11 | 0 | ||
PHP5 | 5.31 | 5.23 | 0.56 | 0 | |
PHP7 | 5.67 | 5.52 | 0.74 | 0 | |
5.71 | 5.59 | 0.45 | 0 | ||
PHP5 | 5.88 | 5.8 | 0.36 | 0 | |
6.05 | 5.92 | 0.58 | 0 | ||
PHP5 | 6.45 | 5.15 | 2.64 | 0 | |
PHP5 | 6.45 | 6.33 | 0.77 | 0 | |
6.52 | 6.49 | 0.76 | 0 | ||
PHP5/FastCGI | 6.64 | 6.67 | 0.33 | 0 | |
6.9 | 6.91 | 0.13 | 0 | ||
ライト | 7.41 | 6.93 | 2.16 | 0 | |
8.3 | 7.31 | 3.55 | 0 | ||
14.4 | 9.34 | 14 | 61 |
hostingstock.netで測定した他レンタルサーバーとの比較です。
結果 | 有効測定数 | 除外数 | 棄却閾値 | エラー | 中央値 | 平均値 | ばらつき |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Raw(未加工) | 864回 | - | - | 0% (0回) |
2.96秒 | 3.07秒 | 0.51秒 |
棄却検定 | ↑ | 1.74% (15回) |
4.775秒 | ↑ | 2.96秒 | 3.03秒 | 0.38秒 |
結果 | 有効測定数 | 除外数 | 棄却閾値 | エラー | 中央値 | 平均値 | ばらつき |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Raw(未加工) | 864回 | - | - | 0.00% (0回) |
2.13秒 | 2.24秒 | 0.50秒 |
棄却検定 | ↑ | 3.36% (29回) |
3.195秒 | ↑ | 2.13秒 | 2.17秒 | 0.24秒 |