SFTPで改善されるMixHostのファイル転送性能

MixHost(ミックスホスト)は、国内で初めて「HTTP/2」に対応する次世代レンタルサーバーです。ほとんどの機能(仕様)が無制限対応、そして初期費用無料とコストパフォーマンスの高さも特徴です。MixHostの詳細については こちらのレビュー を参考にしてください。

前回、FTPによるファイル転送性能を評価しましたが、少し物足りない結果でした。契約したサーバーのデータセンターが北海道(石狩)にあるため、ネットワーク距離が大きく影響しているのでしょう。しかし、ウェブサイトの表示速度は優秀であり、FTPの遅さはMixHostの唯一残念な部分です。

MixHostはFTP/FTPS以外にも、SFTP、SCP、WebDAVに対応しています。ここでは、SFTPによる再測定の結果を掲載します。

測定方法など

MixHostは全プラン共通で、FTPアカウントを無制限に発行できます。通常のFTPだけでなく、セキュアなFTPSにも対応します。他にも、SFTP、SCP、WebDAVなど、レンタルサーバーで採用される主要なプロトコルに全て対応します。

詳細な測定方法は こちらの記事を参考にしてください。プロトコルを「FTP」から「SFTP」に変更しただけであり、他の条件は同等です。

測定結果

  SFTP UP SFTP DOWN FTP UP FTP DOWN
有効測定 2,016回 2,016回 2,016回 2,016回
棄却検定除外 0.64% (13) 1.24% (25) 0.74% (15) 0.84% (17)
棄却検定閾値 4.11秒 2.57秒 3.86秒 2.27秒
エラー 0% (0) 0% (0) 0% (0) 0% (0)
中央値 2.99秒 1.90秒 3.41秒 1.84秒
平均値 3.00秒 1.93秒 3.41秒 1.86秒
ばらつき/標準偏差 0.24秒 0.13秒 0.09秒 0.08秒
変動係数 8.00% 6.74% 2.64% 4.30%
測定結果について
グラフのX軸は7日間を4時間毎に区切ったものです。また、色の付いている部分は夜間(18:00~02:00)を示しています。
測定実行のタイミングによりサーバーやネットワークの状態(混雑具合)が変動します。集計に影響を与える一時的な異常値(外れ値)を棄却検定「Grubbs' test(α=0.001)」により省いています。これは測定サーバー側の異常を省く意味もあります。
ばらつき(標準偏差)は、転送時間の 約68%平均値 ± ばらつき に、約95%平均値 ± ばらつき×2 に収まることを示します。つまり、ばらつきが小さいほど転送性能が安定しているといえます。
SFTPの詳細な結果を最後に掲載しています。

SFTPとFTPの比較

SFTPもFTPと同様に安定した結果となり、どちらを使用しても問題がないことが分かります。

安定しすぎて特に考察することもありません。細かく見ると、深夜2時前後が負荷のピークとなっており、転送速度が低下する傾向にあります。とはいえ、体感するほどの変動ではありません。

ダウンロード速度の差はほとんどありません。アップロードに関しては、SFTPにすることで 1割強 の速度改善となりました。大幅な速度向上とはなりませんでしたが、少しでもファイル転送速度を改善させるならSFTPを使用するとよいでしょう。

注意
FTP(SFTP)クライアントの実装方法によっては、この様な結果にならないこともあります。

他のレンタルサーバーとの比較

プロバイダー 環境など アップロード ダウンロード
公式サイト 平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %

0.750.740.050.10.480.440.10.05

0.750.750.050.20.490.440.130.1

0.840.740.2400.730.640.180

0.860.850.060.10.590.510.190.1

0.90.70.4200.690.580.30

0.950.880.240.20.710.620.260.1

0.950.830.320.20.720.660.270.1

WordPress

0.990.880.320.250.710.590.280.35

1.040.780.4900.720.620.30

1.050.860.440.250.720.610.320.05

1.10.840.480.20.860.720.380.2

1.111.10.083.170.730.70.111.87

1.211.10.330.350.750.690.250.3

PHP&MySQL

1.331.270.260.11.131.010.250.1

SFTP

1.391.350.1401.061.030.110

1.441.210.6701.191.110.290

1.51.490.0701.331.20.540

1.531.530.090.90.890.870.091

1.561.550.100.970.960.070

1.581.580.060.050.980.870.210

SFTP

1.611.60.0701.721.690.120

1.611.560.1901.131.210.250

1.611.60.101.080.970.210

1.621.550.190.051.211.20.10.05

1.671.660.150.250.980.970.070.25

1.731.730.1101.061.050.090

1.771.80.2401.081.040.140

SFTP

1.831.850.2701.331.290.150

1.881.710.6901.531.520.330

1.9820.3301.191.150.110

新サーバー

2.112.030.350.41.441.360.40.2

2.141.920.6901.251.220.160

2.262.030.630.31.331.270.150.3

2.382.310.30.052.462.420.290.05

旧サーバー

2.482.280.550.151.921.780.520.05

2.622.41.022.81.841.740.631

2.922.51.1202.992.481.410

2.972.441.190.051.390.541.760

SFTP

32.990.2401.931.90.130

3.093.120.1601.361.330.120.05

3.413.410.0901.861.840.080

5.533.923.450.355.863.954.10.25

6.7500.730.28.7200.980.1

海外

11.611.60.4806.796.740.280

海外

12.112.10.507.477.450.190

海外

12.312.30.52010.910.31.350.05

海外

16.616.50.560.210.110.20.860.25

海外

33.430.27.130.1520.5201.830.05

hostingstockで測定した各レンタルサーバーのファイル転送性能です。詳細はリンク先をご覧ください。

注意
最新の測定結果を優先的に表示するため、記事作成時の評価とこの比較結果(表のデータ)が異なる可能性があります。

SFTP測定結果

棄却検定適用データ

  アップロード ダウンロード
有効測定 2,016回 2,016回
棄却検定除外 0.64% (13) 1.24% (25)
棄却検定閾値 4.11秒 2.57秒
エラー 0% (0) 0% (0)
中央値 2.99秒 1.90秒
平均値 3.00秒 1.93秒
ばらつき/標準偏差 0.24秒 0.13秒

未加工データ

  アップロード ダウンロード
中央値 2.99秒 1.90秒
平均値 3.02秒 1.96秒
ばらつき/標準偏差 0.42秒 0.59秒

測定結果について!
レンタルサーバーは、一つのサービス(プラン)に対して多くのサーバーが運用されています。これらの測定結果は、その中の一つに過ぎません。契約時期により割り当てられるサーバーのスペックは異なる可能性があります。また、同じサーバーを利用する他のユーザーの負荷も影響します。

関連記事

BLOG

UPDATE