FC2レンタルサーバーのサーバー性能を評価して、他のレンタルサーバーと比較する

この記事の内容は古いため現状と異なる可能性があります。新しい記事も参考にしてください。

FC2レンタルサーバーは、通常プランとアダルトプランがあり、どちらかというとアダルトプランがメインとなっています。アダルトサイトを運営するなら選択肢の一つとなりますが、公式サイトの情報は少なく、さらにお試し期間がないため、気になっていても契約をためらう方もいるようです。

一概には言えませんが、レンタルサーバーの料金差は 処理性能安定性能 にあります。同じ仕様であっても、料金が高いサービスほど性能が高い傾向にあり、高負荷に強くなります。サーバー性能が優れていればレスポンスが安定し、訪問者にとって快適なWebサイトとなるでしょう。また、レスポンスの優れたWebサイトほど検索エンジンの評価が高くなるため、レンタルサーバーを選択する際に重要な要素となります。

この記事では、FC2レンタルサーバーのサーバー性能について評価し、他のレンタルサーバーと比較します。

測定方法

WordPressを設置したサイト(サーバー)を利用します。

  • 「ランダムな3,000文字/記事 (の自動生成) 」の投稿と削除
    • 100記事をまとめて投稿、投稿後に全削除
  • 投稿と削除はWordPressの標準関数を利用
    • wp insert post、wp delete post

これらの処理を 5分間隔 で実行し、処理時間を測定します。つまり、 PHPとデータベースの処理性能 を確認することになります。データセンター内で完結する処理なので、ネットワーク環境 (速度) の影響は受けません。

FC2レンタルサーバーでは、CGIモード (FastCGI) と モジュールモード を切り替えることができるため、両方のデータを掲載します。

負荷について
100件程度は大した負荷ではありませんが、共用サーバーなので連続処理とならないように、1件毎にwait処理を差し込んでいます。

測定結果

FastCGI

結果 有効測定数 除外数 エラー 中央値 平均値 ばらつき
Raw (未加工) 864回 - 0%
(0回)
4.99秒 5.01秒 0.66秒
Grubbs' test 0%
(0回)
測定結果について
72時間 (3日間) の測定結果となります。X軸は時刻(0時~24時)を表し、各時刻の値は3日間の平均値です。
有効測定数はエラーを省いた回数を示します。測定実行のタイミングによりサーバーの負荷状態 (混雑具合) が変動するため、集計に影響を与える一時的な異常値 (外れ値) を棄却検定 Grubbs’ test (α=0.001) により省いたデータも掲載しています。

モジュールモード

結果 有効測定数 除外数 エラー 中央値 平均値 ばらつき
Raw (未加工) 863回 - 0%
(0回)
3.28秒 3.41秒 0.39秒
Grubbs' test 0.46%
(4回)
3.28秒 3.40秒 0.37秒

FC2レンタルサーバーの評価

当然の結果とも言えますが、モジュールモードがより高速に動作していることが分かります。モジュールモードは時間帯による変化があり、日中から夜間に掛けて負荷が高くなる傾向にあります。変動があるとはいえ、それでもCGIモードより高速です。FC2レンタルサーバーを利用するなら特別な理由のない限りモジュールモードを選択しましょう。

CGI、モジュールともに、グラフを見るだけも安定していることが分かります。またエラーもなく、棄却検定による除外数の少なさやばらつきの小ささから、どのタイミングでも安定した処理性能を維持していることを推測できます。

ばらつき (標準偏差)
統計的な話ですが、処理の 約68%平均値 ± ばらつき に、約95%平均値 ± ばらつき×2 に収まることを示します。つまり、ばらつきが小さいほど処理性能が安定しているといえます。

JETBOY、フレンドサーバーとの比較

  FC2 / CGI FC2 / モジュール JETBOY フレンドサーバー
有効測定数 864 863 864 853
除外 (回) 0%(0) 0.46%(4) 3.59%(31) 0.23%(2)
棄却検定閾値 (秒) 7.66秒 5.11秒 1.62秒 39.46秒
エラー (回) 0%(0) 0%(0) 0%(0) 1.27%(11)
中央値 4.99秒 3.28秒 1.41秒 19.29秒
平均値 5.01秒 3.40秒 1.42秒 20.01秒
ばらつき 0.66秒 0.37秒 0.05秒 4.23秒

FC2と同様に、アダルトサイト対応かつ海外データセンターを採用しているJETBOY、フレンドサーバーと比較してみましょう。

フレンドサーバーは料金が安いため、単純な比較となりませんが、あまりというかかなり悪いです。フレンドサーバーを擁護する訳ではありませんが、PHPを利用しなければ問題のない性能があります。もし、PHPやデータベースを一切使用しないアダルトサイトを運用するなら、料金の安いフレンドサーバーは選択肢の一つとなります。

直接グラフで比較すると、CGIモードとモジュールモードの差が分かりやすいですね。モジュールモードであれば 30% ほど高速化しています。やはり、このレンタルサーバーを利用するならモジュールモードを選択しましょう。

JETBOYは (記事作成時点では) 最新サーバーが採用されており、国内のレンタルサーバーと比較しても文句のない性能があります。2015年後半に誕生した新しいサービスなので、長期運用時の安定性は不明ですが、スペックだけならあえてFC2を選択する必要がないように思えます。

他のレンタルサーバーとの比較

公式サイト 環境 平均値 ミリ秒中央値 ミリ秒標準偏差 ミリ秒エラー %

1.71.670.070

PHP7/CGI

1.821.830.220

1.941.950.070

PHP7/CGI

2.0220.140

PHP7

2.152.120.321

2.162.170.080

PHP7

2.172.130.240

2.182.150.30

2.242.250.280

PHP7/FastCGI

2.282.230.250

PHP5/CGI

2.42.410.270

PHP5/CGI

2.412.390.150

2.522.430.330

PHP7

2.712.680.348

2.722.660.3735

PHP7/FastCGI

2.732.70.30

PHP5/FastCGI

2.732.680.270

2.862.860.090

PHP5

3.032.960.380

3.13.150.310

PHP7/Module

3.113.120.080

PHP&MySQL

3.113.010.330

3.133.140.070

PHP5/FastCGI

3.143.090.210

3.142.90.630

3.142.960.680

PHP7/CGI

3.193.190.130

3.23.180.110

PHP5

3.513.470.398

PHP5/FastCGI

3.613.60.40

3.643.60.290

WordPress

4.183.891.090

PHP7

4.224.070.470

4.224.270.30

4.424.430.180

4.54.470.580

PHP5/CGI

4.564.450.560

PHP5

4.964.860.450

PHP5/Module

5.124.960.80

PHP7

5.164.242.230

5.184.691.240

5.255.210.320

PHP7

5.255.170.370

5.315.320.110

PHP5

5.315.230.560

PHP7

5.675.520.740

5.715.590.450

PHP5

5.885.80.360

6.055.920.580

PHP5

6.455.152.640

PHP5

6.456.330.770

6.526.490.760

PHP5/FastCGI

6.646.670.330

6.96.910.130

ライト

7.416.932.160

8.37.313.550

14.49.341461

hostingstock.netで測定した他レンタルサーバーとの比較です。あまりモジュールモードを許可しているレンタルサーバーはないため、実行速度なら平均以上の性能となっています。


測定結果について!
レンタルサーバーは、一つのサービス (プラン) に対して多くのサーバーが運用されています。これらの測定結果は、その中の一つに過ぎません。契約時期により割り当てられるサーバーのスペックは異なる可能性があります。また、同じサーバーを利用する他のユーザーの負荷も影響します。

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