久しぶりの大型アップデート!無料お試し対応FC2レンタルサーバーのレビュー

FC2レンタルサーバーといえば「アダルトサイト対応」が特徴のレンタルサーバーです。アダルトサイト対応のレンタルサーバーを探していれば、最初に検討するべきサービスでしょう。その名の通り、FC2ブログで有名な「FC2」が運営するサービスであり、関連サービスにFC2レンタルサーバーLiteやFC2ドメインなどがあります。

前回のレビュー時はコントロールパネルやPHPのバージョンが古いまま放置されているなど、運営状況が不安になるほどでした。しかし、久しぶりに大幅なアップデートが実施され「無料のお試し期間」や「最新のコントロールパネル」に対応するなど、問題のない仕様となりました。

アダルトサイト運営にFC2レンタルサーバーが選ばれるのは、他社と比較して「アダルトコンテンツに対する許容範囲が広い」ことに尽きるでしょう。データセンターが海外にあることも理由ですが、FC2自体が「FC2動画アダルト」や「FC2ホームページアダルト」というサービスを提供しており、良くも悪くもアダルトサイト運営に積極的です。グレーゾーン程度のコンテンツなら、運営側(FC2)に削除されることはないでしょう。日本語で簡単に海外サーバーを契約できることも大きなメリットです。

各プランの比較

プラン間で差のある項目のみまとめています。共通項目については各機能の説明をご覧ください。

プラン 通常 アダルト
初期費用(乗換時) 3,000円( 1,500円 7,000円( 3,500円
月額費用 1,500円 3,500
ディスク容量 30GB 10GB
メーリングリスト 10 5

通常プランとアダルトプランとの差は、「ディスク容量」と「メーリングリスト数」のみです。サーバーの性能差はなく、「アダルトコンテンツ」の取り扱いが最も大きな差です。通常プランは国内サービスと比較して割高であり、選択する意味がありません。アダルトサイト運営のためのサービスと思って間違いありません。

他社からの乗り換えの場合「初期費用が半額」となります。実際に他社からの乗り換えを選択して契約しましたが、「本当に乗り換えかどうか」を確認することはありません。そのため、実質的な初期費用は半額と考えてもよいでしょう。

最低利用期間
最低利用期間が定められていないため、1ヶ月未満でも解約できます。契約日が月の途中(1日でない)の場合、初月は日割り計算で請求されます。
お試し期間
14日間 の無料お試し期間が設定されています。お試し期間内に利用料金を支払うと本契約へ移行します。
メモ
長期契約による割引はありません。

アダルトサイト対応

利用規約は以下のようになっており、「アダルトプラン」のみアダルトコンテンツが許可されます。要約すると「データセンターのある場所(カリフォルニア州)と日本の法律の範囲内なら何でもOK」ということです。

FC2レンタルサーバー利用規約

5.コンテンツ

FC2,incは言論の自由を尊重します。 ユーザーのコンテンツが連邦、州、または地元の法律に抵触しない限り、 ウェブサイトの掲載を存続させることを許可するものとします。 ユーザーは、ユーザーのウェブサイトに掲載されるコンテンツに全面的な責任を負うものとします。 また、匿名のFTP(anonymous FTP)を媒介にして掲載されるコンテンツに対してもユーザーが責任を負うものとします。 ユーザーが成人向けサイト、またはハッキングにまつわるサイトを運営する場合、 ユーザーはメインとなるページに以下のような声明を掲載しなければなりません。 すなわち、ユーザーの意見及びコンテンツがFC2,incの意見または信条を一切反映するものではないこと、 そしてFC2,incがユーザーのページのコンテンツや、匿名のFTPによって掲載される内容に一切責任を負わないということになります。

アダルトプラン以外 のプランにおいては、成人向けコンテンツの配信および保存を 禁止 します。

・ 刑法上のわいせつ物に該当するもの。

・ 衣服を着用していない人、人の露出した胸部・性器の描写を含むもの。

・ その他、未成年に悪影響を及ぼすと思われるもの。

と定義します。

データセンター

FC2レンタルサーバーのデータセンターは 米国ロサンゼルス の中心にあります。 高度な空調設備を有し、サーバーにとって最適な環境が保たれています。 また万一の停電に備え、無停電電源装置(UPS)・バックアップ発電機などの電源システムを完備しています。 サーバーは24時間365日体制で有人監視されており、入退室管理にバイオメトリクス掌形認証を使用するなど高いセキュリティが確保されています。

公式サイトに「カリフォルニア州ロサンゼルス」と明記されています。実際にパケットの流れを追うと、ロサンゼルス付近にあることを確認できます。FC2本社が隣州のネバダ州にあるため、周辺のデータセンターで運用しているのでしょう。

NTTやKDDIのグローバル回線の中継ポイント付近であり、海外サーバーとは言え問題のないレスポンス性能があります。

コントロールパネル

コントロールパネルは2種類あります。ーつは契約状況等を確認するFC2のコントロールパネル、もう一つはサーバーを管理する「Plesk(Parallels Panel)」と呼ばれるものです。 支払い手続きや自動更新の設定はFC2のコントロールパネルで行います。

Pleskは汎用的なサーバー管理ツールであり、国内外の多くのサービスで採用されています。Pleskは非常に多機能であり、デザイン的にもレスポンシブに対応しています。

多機能なのは素晴らしいのですが、その分操作性が煩雑です。整理された国内サービスと比較すると、慣れるまでに少し時間がかかるでしょう。さらに、Plesk独自の用語というか日本語訳があり、意味の分かりにくい箇所が多々あります。

とは言え、海外サーバーの割にかなり快適なレスポンスです。低性能な国内サービスより優秀なほどで、ストレスになることはありません。

転送量制限

データ転送量に制限はありません。「無制限」ですが共用サーバーである以上、他の契約者に影響を与えるほどの負荷をかけた場合、帯域制限や同時接続数制限の対象となります。

公式サイトでの説明は以下の通りです。

FC2レンタルサーバーではお客様のご利用帯域に 一律の制限を設けていません 。ただし共有サーバーの性質上、サーバー全体のリソースが不足する場合は帯域制限や同時接続数制限を実施させていただくことがございます。

利用規約では以下の様になっています。

転送量

原則として 無制限 とします。ただし、全体の転送量の5%以上を超えた場合、ユーザーは追加料金の支払い、もしくは専用サーバーに移行するよう依頼を受ける場合があることを了承します。

「追加料金」という言葉がありますが、悪質な用途でない限り追加費用が発生することはありません。

SSLの仕様

独自SSL(専用SSL)に対応していますが、公式サイトに詳細な情報はありません。一応FC2に問い合わせれば証明書の取得代行に対応するようですが、利用者が少ないのか詳細は不明です。

Pleskにはユーザー自身でSSLサーバー証明書を導入できる機能があります。さらに、SNI SSL(TLS拡張)に対応しているため、ドメインごとに証明書を設定できます。サイトごとに専用IPアドレスを用意する必要がありません。

上記機能により他社で取得した証明書を利用できるため、WebサイトのSSL化(HTTPS対応)が必要ならユーザー自身で対応するとよいでしょう。 例えば、無料のSSLサーバー証明書「Let's Encrypt」も設定できます。

他社でも同様ですが、証明書の運用方法はサポート対象外となります。

共用SSL(共有SSL)
非対応です。

ドメイン

プラン 通常 アダルト
独自ドメイン 10 10
サブドメイン 100 100

共通仕様であり、独自ドメインを「10個」まで設定できます。サブドメイン数については1契約あたりの数でしょう。公式サイトに注釈がないため、他社のように1独自ドメインあたりの数ではないようです。

FC2では契約時に初期ドメインが発行されます。独自ドメインがなくても、このドメインでWebサイトの運用が可能です。しかし、初期ドメインにサブドメインを設定できないため、独自ドメインがなければ一つのサイトしか公開できません。

初期ドメイン
FC2が提供するドメインです。「fc2rs.com」のサブドメインを利用でき、例えば「example.fc2rs.com」となります。契約期間のみ有効なドメインです。

Webサイトを長期に運用するなら、独自ドメインの取得をおすすめします。

独自ドメインは「FC2ドメイン」で取得できます。また、ムームードメインやスタードメインなど、他社レジストラ(リセラー)で管理してる独自ドメインも利用できます。FC2ドメインではキャンペーンが行われません。そのため、初年度の料金は他社に劣りますが、更新費用は安く設定されています。長期契約ならFC2ドメインがお得でしょう。

ドメインの設定方法については下記を参考にしてください。

日本語ドメイン
対応しています。Punycodeで設定する必要があります。
DNSレコード編集
DNSレコードの編集機能は提供されません。

データベース

プラン 通常 アダルト
MySQL 10 10
PostgreSQL 10 10
SQLite

データベース数は合算となり、 MySQL + PostgreSQL = 10 です。データベースの操作はphpMyAdminやphpPgAdminを利用しますが、SSHポートフォワーディング(トンネリング)による外部からの接続にも対応します。

データベース名は「ユーザー名 任意の文字列」となり、接頭辞(prefix)としてPleskアカウントのユーザー名が自動的に付与されます。(データベース)ユーザー名も「ユーザー名(先頭から5文字) 任意の文字列」となります。

データベースへのユーザーの割り当ては自由です。一つのユーザーを全てに割り当てることも、一つのデータベースに複数のユーザーを割り当てることもできます。

ユーザーの割り当ては「1対1」または「1対全て」のみであり、複数(全てを除く)に割り当てることはできません。

メモ
MySQLのデフォルトのストレージエンジンは「InnoDB」となっていますが、動作速度に問題があります。遅いと感じた場合は「MyISAM」に変更することで改善されます。
バージョンなど  
MySQL 5.5.47。ENGINES: MyISAM / CSV / MRG_MYISAM / BLACKHOLE / MEMORY / PERFORMANCE_SCHEMA / ARCHIVE / InnoDB(標準)。phpMyAdmin: 4.2.5
PostgreSQL 9.3.11。phpPgAdmin: 5.1
SQLite 3.8.2。PHPの場合、PDO関数とSQLite3関数に対応します。
外部接続
SSH(chrooted)を有効にすればポートフォワーディング(トンネリング)による外部からの接続が可能です。サポート対象外です。

FTP、その他のファイル転送機能

プラン 通常プラン アダルトプラン
FTP/FTPS
アカウント数 無制限 無制限
SFTP × ×
SCP

FTPアカウントを無制限に発行できます。

通常のFTPだけでなく、セキュアなFTPSにも対応します。さらに、SSHを有効にすればSCPを使えるようになります。

アカウント名は「任意の文字列」を設定できます。接頭辞は付与されません。

アカウントごとにアクセス可能なディレクトリ(ホームディレクトリ)を設定できます。設定したディレクトリより上位ディレクトリへは移動できないため、第三者へのアカウント発行にも便利な仕様です

メモ
クォータ(容量制限)の設定はありません。

ファイルマネージャ

ファイル操作用アプリケーション(Webアプリケーション)が組み込まれています。非常に多機能であり、FTPクライアントがなくても一通りのファイル操作が可能です。

機能
アップロード / ダウンロード / プレビュー / 名前変更 / パーミッション変更 / アーカイブ(展開・圧縮) / タイムスタンプ変更 / 削除 / 移動 / コピー / 新規作成(ファイル/ディレクトリ) / テキストエディタ(900以上の文字コードに対応。高機能HTMLエディタ装備)

ディレクトリ構成

契約アカウントのホームディレクトリは「/var/www/vhosts/ドメイン名」となります。ドメイン名は契約時に設定したドメイン(契約ドメイン)となり、初期ドメイン(例 example.fc2rs.com)を取得した場合、「/var/www/vhosts/example.fc2rs.com」となります。

ホームディレクトリにも編集権があるため、例えば公開したくないファイルを保存するためのディレクトリ(/private)を作成できます。

契約ドメインのドキュメントルート(公開ディレクトリ)は「/httpdocs」となりますが、自由に変更できます。後から追加するドメインも同様の仕様であり、ドキュメントルートを自由に設定できます。一般的には、重複する可能性のないドメイン名をそのままディレクトリ名とします。

メール

プラン 通常 アダルト
メールアカウント 無制限 無制限
メーリングリスト 10 5

メールアカウントを無制限に発行できます。

FC2の仕様により、サブドメインでのメール運用はできません。例えば「mail@blog.example.com」のようなサブドメインのアカウントは作成できません。

メモ
アカウントことにメールボックスの容量(上限)を設定できます。
プロトコル  
SMTP SSL/TLS / STARTTLS / サブミッションポート / SMTP-AUTH
POP SSL/TLS / STARTTLS
IMAP SSL/TLS / STARTTLS

標準的なプロトコルに対応しており、どのようなメール環境でも困ることはないでしょう。IMAPに対応しているので、PCやスマートフォンなど、複数端末間でのメール管理が容易です。

メールに関する機能は下記の参考にしてください。

機能  
スパムフィルタ Apache SpamAssasinを採用。自動削除や件名に「SPAM」を追加できます。フィルタ感度の設定、ホワイトリスト・ブラックリスト機能もあります。
アンチウイルス Kasperskyを採用。メールサーバーでウィルスの検出・駆除を行います。送受信(双方向)のメールチェックに対応しています。
メール転送 複数の転送先を設定できます。
自動返信 定型文を自動的に返信できます。同一送信者に対する同日内の返信数を設定できます。
メールエイリアス バーチャルメールアドレスを作成できます。メールボックスを持たないアドレスであり、設定を行った主アドレスに全てのメールが届きます。
メーリングリスト Mailmanを採用。
キャッチオール 存在しないアドレス宛のメールの処理方法を選択できます。選択肢は「メッセージ付きで送信元に通知(バウンスメール)」「拒否」「指定アドレスに転送」。
送信メール制御 時間単位の送信数を制限できます。ドメイン単位、アカウント単位で設定できます。意図せぬスパムメールを防ぐことができます。
非対応 メールマガジン。フィルタ(振り分け)。

Webメーラー

Webメーラーとして多くのレンタルサーバーで採用されている「Horde(6.5)」と「RoundCube(1.0.5)」を利用できます。Roundcubeは軽快でシンプル、Hordeはスケジューラー等を備える多機能メーラーという位置づけです。スマートフォンやタブレットに最適化されているHordeを常用するとよいでしょう。

  • 排他設定となっており、どちらかを選択する必要があります。ドメインごとに選択できます。

メーリングリスト

プラン 通常 アダルト
メーリングリスト 10 5
メンバー数/ML 無制限 無制限

メーリングリスト管理アプリケーションは、多くのレンタルサーバーで採用されている Mailman です。非常に有名なアプリケーションなので、不明な点があっても簡単に情報が見つかるでしょう。初期設定は英語表記ですが、多言語対応なので日本語に変更できます。

メモ
メーリングリスト管理用(上記管理画面)に自動的にサブドメイン(lists.対象ドメイン)が割り当てられます。

PHPの仕様、その他の言語について

複数のバージョンに対応しており、ドメインごとに変更できます。サブドメインも個別に設定できます。

PHPは「FastCGI」で動作します。以前はモジュール版もありましたが、仕様変更に伴い削除されたようです。

ユーザーが設置した「php.ini」は認識されません。代わりに「.user.ini」を利用できます。PHPの設定(の一部)はPleskで変更できます。バージョンごとに設定項目が少し異なります。

設定項目 safe_mode safe_mode_include_dir safe_mode_exec_dir include_path session.save_path mail.force_extra_parameters register_globals open_basedir error_reporting display_errors log_errors allow_url_fopen file_uploads short_open_tag magic_quotes_gpc
5.2.x ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
5.3.x ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
5.4.x - - - ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ -
5.5.9 - - - ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ -
5.5.24 - - - ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ -
5.6.x - - - ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ -

PythonやPerlのバージョンは以下の通りです。

仕様  
PHP FastCGI。5.2.17 / 5.3.29 / 5.4.40 / 5.5.9 / 5.5.24 / 5.6.8
Perl 5.18.2
Python 2.7.6
Ruby 1.9.3
SSI

標準で読み込まれる拡張モジュール

Loaded extensions date libxml openssl pcre zlib bz2 calendar ctype hash filter ftp gettext gmp session iconv pcntl SimpleXML standard readline Reflection SPL Phar sockets exif tokenizer xml cgi-fcgi XCache bcmath curl dba dom fileinfo gd imagick imap intl json ldap mbstring mcrypt mysql mysqli odbc PDO pdo _mysql PDO_ ODBC pdo _pgsql pdo_ sqlite pgsql posix pspell redis soap sysvmsg sysvsem sysvshm tidy xmlreader xmlrpc xmlwriter xsl zip XCache Cacher ionCube Loader Core ereg mysqlnd enchant sqlite3 shmop wddx mhash Zend OPcache
5.2.x - - - - - - - - -
5.3.x - - - -
5.4.x - - - -
5.5.9 - - - - - - - - - - - - - - - - - -
5.5.24 - - - - -
5.6.x - - - - -

SSH(シェルログイン)

対応していますが、chroot(chrooted環境)です。できることが限定されるため、他のレンタルサーバーと同様に考えない方がよいでしょう。SSHの初期設定は無効となっているため、コントロールパネルで有効にする必要があります。

限定されているとは言え、SCPが利用できたり、ポートフォワーディング(トンネリング)によるデータベースの外部接続が可能となったりと、用途によっては便利です。

「セキュアシェルターミナル」という機能 (Java Applet) も用意されていますが、「Java 7 Update 40未満」でないと動作しないようです。ORACLEから古いバージョンをダウンロードすれば動かすことは可能ですが、そこまでする必要はないでしょう。

Cron

プラン 通常 アダルト
設定数 無制限 無制限

Cron(タスクスケジューラ)に対応しています。ジョブの設定数に制限はありませんが、共用サーバーなので「負荷の高い処理」は禁止されます。

  • 最短実行間隔は「1分」
  • メールによる実行結果の通知に対応
  • 一時停止に対応
  • ジョブの再編集に対応

初心者には少し敷居が高くなりますが、crontabの書式で設定します。 例えば、PHPのスクリプトを30分間隔で実行させる設定(記述)は以下の様になります。

分[*/30]、時間[*]、日[*]、月[*]、曜日[*]

php /var/www/vhosts/初期ドメイン/cron/job.php

ログ

ドメインごとのアクセスログとエラーログが出力されます。エラーログは、コンテンツが上手く表示されない等、トラブルの原因を特定するために役立つでしょう。

Pleskからダウンロードできますが、「~/logs」ディレクトリにログファイルが出力されるのでFTPでも取得できます。

  • ローテーション機能により、必要な期間(またはサイズ)だけ保存することが可能です。
    • ローテーションを設定しない場合、ログは一つのファイルに保存され続けます。
  • Webサーバーのログだけでなく、FTPアクセスのログ(xferlog)も出力されます。
  • SSL(HTTPS)は別ログとなります。

アクセス解析

アクセス解析として「Webalizer」または「AWstats」を利用できます。どちらも多くのレンタルサーバーで採用されている、標準的なアクセス解析アプリケーションです。

初期設定はWebalizerが選択されているので、必要に応じて変更しましょう。サブドメインを含むドメインごとの排他設定となっており、同時に利用することはできません。

バックアップ

他社なら有料オプションとなる高機能バックアップを利用できます。

手動バックアップ

任意のタイミングでバックアップを実行できます。

  • バックアップ対象は「ドメイン設定」「すべての構成とコンテンツ」「メール以外のすべての構成とコンテンツ」「メール構成とコンテンツのみ」となります。
    • 「ドメイン設定」はPleskの設定。
    • 「すべての構成とコンテンツ」は完全バックップのことです。Pleskの設定、ログ、メールデータ(メーリングリストを含む)、コンテンツ、データベース(ダンプファイル)がバックアップされます。
    • 「メール以外のすべての構成とコンテンツ」は、上記よりメールデータを除いたものです。
    • 「メール構成とコンテンツのみ」はメールデータのみです。
  • FTP(FTPS)で他のサーバーへ、バックアップアーカイブを転送することができます。
  • バックアップ中、Webサイトを一時的に停止することが可能です。
    • 停止中は訪問者に対して「503エラー」を返します。
  • バックアップ完了時のメール通知に対応しています。

自動バックアップ

スケジュール実行に対応しています。バックアップ対象や設定は手動バックアップと同じです。

毎日、毎週、毎月の任意の時刻にバックアップを実行できます。最大バックアップ数を設定できるので、ディスク容量を気にする必要はありません。

リカバリ(復元)

バックアップデータからの復元(リカバリ)にも対応しています。

マルチユーザー機能

ほとんどのレンタルサーバーの場合、コントロールパネルにログインできるアカウントは契約者が保有する1つのみです。Pleskでは、コントロールパネルにログイン可能なアカウントを追加できます。

アカウントごとに操作を許可する機能を設定できるので、役割分担が必要なチームでのサイト運営に役立つでしょう。例えば、初期設定にある「Application User」の権限でログインすると、下図のようにほとんどの機能が制限された状態となります。

第三者へ発行したメールアカウントでも(設定により)ログインできるため、メールアカウントの各設定(パスワードの変更など)をアカウントを持つユーザー自身に任せることができます。

許可・不許可の設定
ユーザと役割を管理 / サイトの作成と管理 / ログローテーションの設定 / スケジュール済みタスクの作成と管理 / スパムフィルタの設定 / アンチウイルスの設定 / データベースの作成と管理 / データのバックアップおよび復元の構成および実行 / 統計の表示 / アプリケーションのインストールと管理 / Presence Builder でサイトをデザイン / ファイルのアップロードと管理 / 追加 FTP アカウントの作成と管理 / メールアカウントの作成と管理 / メーリングリストの作成と管理

ハードウェアやソフトウェア

OS
Ubuntu 14.04.4 LTS
Webサーバー
Apache+Nginx
CPU / メモリ
Xeon L5630 2.13GHz x2CPU / 32GB

インストール支援対応アプリケーション

WordPressをはじめ、100種類以上のアプリケーションに対応しています。

アプリケーション
2x ReadyScript Shop - Base / 2x ReadyScript Shop - Full / 2x ReadyScript Shop - Middle / 4images / advancedguestbook / Aerial Chat / AfterLogic Aurora / AfterLogic WebMail Lite / AfterLogic WebMail Pro / AjaxChat / AutoIndex / b2evolution / bbclone / Cisco WebEx / Cisco WebEx Basic / collabtive / concrete5 / Coppermine / CSLH / cubecart / delaPORTAL / Dell On Demand Migration for Email / Deskera CRM / Deskera eClaims / Deskera ERP / Deskera eTraining / Deskera HRMS / Deskera Inventory / Deskera Leave and Attendance Manager / Deskera LMS / Deskera Project Management / dokuwiki / dolphin / DotClear / dotclear / dotProject / Drupal / Easy Gallery / EC-CUBE / EC-CUBE (PLESK ONLY) / EDOCEA / eGroupWare / elgg / ePages / Events Diary / formmail / FormTools / FTP TODAY - Hosted Secure File Sharing / gallery / geeklog / Guts / H.H.G. multistore CE / HostCMS / Hostopia / joomla / Kajona4 / Leostream Cloud Desktops / LePaySys / Lexifone / LifeType / LimeSurvey / magento / Mail2World / mailer / mantis / mediawiki / Mirapolis SAAS VR / Mobincube Smartphone App Builder / Mobincube Smartphone App Builder - for Plesk / modified-shop / modx-revolution / MogutaCMS / moodle / movabletype / myapp / MyBB / net2ftp / NolaPro / Nomadesk / nucleus / Open-Xchange / OpenCart / OpenX / OrangeHRM / osCommerce / osTicket / Owl / OX as a Service / OXID eShop Community Edition / OXID eShop Professional Edition / phpBB / phpDig / PhpList / phpnuke / phpopenchat / PHProjekt / phpWiki / Piwik / Prestashop / PukiWiki / RushFiles / seotoaster / Seotoaster CMS / Seotoaster Ecommerce / serendipity / SmarterStatsAPS / smf / Soholaunch(R) Pro Edition Site Builder / SpamExperts Integration / SquirrelMail / SugarCRM / tikiwiki / TinyCMS / Trendy Site Builder / TUTOS / typo3 / Unicloud Business 365 / Unicloud Business365 / VamShop / VanillaForums / WebCalendar / WordPress / Workspace 365 / XandMailWeb2cs / xoops / xrms / Yourls / Zeendo website builder (management domain) / Zeendo website builder (with external domain) / Zeendo website builder SSO / Zen Cart

コマンドラインツール

SSH(シェルログイン)やスクリプトからの呼び出しで利用できるツールです。

ツール  
対応 sendmail / gzip gunzip / zip unzip / tar / uuencode uudecode / gcc / gs / curl / ping / wget / sh (bash) / tracepath / iconv / vi (vim) / nano / base64
非対応 nkf / ImageMagick (convert) / lynx / elvis / Netpbm (pngtopnm/jpegtopnm) / emacs
注意
インストール状況を独自に調査した結果です。動作を保証するものではありません。

WordPressセキュリティ

WordPressのセキュリティ対策が施されており、管理画面(ダッシュボード)への日本国外IPアドレスからのアクセスを制限します。海外からダッシュボードを操作する場合は、無効にする必要があります。

Parallels Presence Builder

HTMLやPHPの知識がなくても簡単にWebサイトを作成できる「Presence Builder」を利用できます。詳しくは下記を参考にしてください。

その他の機能

機能  
Apache設定 MIMEタイプ、ハンドラ、IPアドレス(CIDR/サブネットマスク)によるアクセス禁止、インデックスファイル。
保護ディレクトリ コントロールパネルでBASIC認証を簡単に設定できます。
サイトコピー サイトデータ (ドキュメントルート) を他のドメインにコピーできます。FTPで他のサーバーに転送することもできます。
カスタムエラードキュメント 401、403、404、500などのエラーで表示されるページを変更できます。例えば404のエラーをカスタマイズする場合「/var/www/vhosts/ドメイン/error docs/not found.html」というファイルを用意します。ホスティング設定の「カスタムエラードキュメント 」を有効にすると、「/error_docs」内のファイルを読み込みます。この機能に関するマニュアルはありません。

プラン変更

プラン変更には対応していません。そもそもプランごとに用途が異なるため、「プラン変更=新規契約」 扱いのようです。

サポート対応

問い合わせフォームのみです。

「24時間メールサポートあり」となっていますが、24時間以内に回答があるわけではありません。どこのサービスも同じですが、24時間受付というだけです。

実際に問い合わせてみましたが、しっかりと対応してもらえます。ただし、土日祝日はお休みなのかもしれませんね。土曜日に問い合わせて、回答があったのは月曜日でした。

支払い方法

クレジットカードと、FC2独自の決済サービス「FC2ポイント」になります。

支払い方法  
クレジットカード JCB / VISA / MasterCard
FC2ポイント クレジットカード / 銀行ATM / オンラインバンキング(ペイジー)/ コンビニ決済 (電子マネー)

クレジットカードについては、当日の為替レートで円からドルに換算されて決済されます。

解約方法

FC2ID経由で解約できます。 有効期間が残っていても、解約手続き後すぐに全てのデータが削除されます。 前払いしている利用料金の返金には対応しません。

有効期限まで利用するなら自動更新を無効にしておきましょう。解約手続きを忘れても、期限後にアカウントが自動停止されます。自動更新は有効期限の「5日前」に実行されるため、それまでに無効にしておく必要があります。

有効期限から7日後にアカウントが完全停止しますが、それまでに更新費用を支払えば継続して利用できます。

まとめ

前回レビュー時は各ソフトウェアが古くなっており、おすすめできる状態ではありませんでした。今回のアップデートにより、何ら問題のない状態になったと言えます。

しかし、JETBOY MixHost など、国内でアダルトサイトを許可する高性能なサービスが増えており、FC2レンタルサーバーの役割は終わりつつあるような気もします。

とは言え、法律云々はあっても「海外サーバー」という安心感は少なからずあります。さらに、多くのユーザーを抱えるFC2が運営するサービスということもあり、他の海外サーバーと比較すれば安定性は抜群です。

待望の無料お試しに対応したので、気になっていた方はこの機会に試してみてはいかがでしょうか。


更新履歴  
2016年11月22日 データベースの記述を修正。
2016年11月17日 アップデートに伴いレビューを刷新しました。過去のレビューはこちらにあります。

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